ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
いつも感想いただいて、インスピレーションとモチベーションをビシバシ刺激されています。ありがたや~!
●前話:
はいどーも!
前回は城砦の
つまり、雪山にゴブリンが出たので、ゴブリンスレイヤーさんがゴブリンを
今回は、修羅場を過ぎたのでゆっくり温泉に入って休息です!
村は、半竜娘ちゃんたちが持ち込んだ食糧、嗜好品のおかげで少し長めに祭りをするくらいの余裕があります。
小鬼の脅威も去ったので、助けられた捕虜たちの気分を上げるためにも、冬至に向けて、これから宴会でしょうね。*1
と、その前に、今回の件のリザルトです。
「すっかり懐かれちゃったのね~」
「ええ、そうみたいで……」
妖精弓手の視線の先には、球電のような姿の“雷電の精霊”に纏わりつかれる令嬢剣士の姿が。
もとから真言呪文の【
「ふふ、頼りになりそうな、相棒が出来ました」
令嬢剣士は嬉しそうに、雷電の精霊を撫でます。あとで依り代になる
その近くには、「きらきらして、お星さまみたいでとっても綺麗ですね!」と、年相応に目を輝かせる女神官の姿も。
妖精弓手は誰とでも仲良くなれるから分かるとして、女神官ちゃんと令嬢剣士の組み合わせは――あ、半竜娘ちゃんに投げ飛ばされた
うん、同じ苦難を乗り越えると結束が強まりますからね! 麗しい友情の誕生に乾杯!
半竜娘ちゃんへの苦手意識は深まったかもしれませんが。
少し視線を横に向ければ、ゴブスレ一党の鉱人道士と、令嬢剣士一党の鉱人神官が、半霊体の
『……ご先祖様方よ、今は正気のようじゃが、一体何で小鬼らごときに』
『そうじゃ、本当に何があったんじゃ』
現代の鉱人らの疑問も当然です。
決して小鬼ごときにいいように使われるような者たちではありません。
『待て待て、静かにせんか、若造ども』
『おうそうじゃそうじゃ、姫の御成りじゃ、控えおろ!』
半霊体の
死霊術によって、世界に刻まれた魂の痕跡から、霊体が顕現するのです。*2
『皆の衆、大儀であった』
現れたのは、麗しい
鷹揚な態度は、上位者としてのもの。
『おお、おお、姫様!』
『我らが、ふがいないばかりに、小鬼の杖先に飾られるなどという辱めを……!』
『よい、よい。死してなお忠義を尽くしてくれるだけで、十分というものよ』
『『『 ひ、姫様~~!! 』』』
ドワサーの姫……?
現れた上古鉱人の霊姫を中心に、半霊体の
『まったく、姫の美しき頭骨を小鬼どもに盗られるとは不覚であった!』
『『『 然り、然り! 』』』
なんという忠義! 死してなおもその心根は健在だったのです!
そしてその忠義ゆえに、姫を人質にされて、
『軽銀などという珍しいものを扱えたのは面白かったがの!』
『『『 然り、然り! あっ 』』』
……ほんのちょびっとだけ、鍛冶への未練も作用したのかもしれませんが。
彼らが顕現していられるのも、砦の方に残された死霊術の秘印と、媒介となる上鉱霊姫の頭骨が飾られた杖の作用によるもの。
彼らを遠く離れた街まで引き連れて行ったり、
『そう、その軽銀じゃよ、ご先祖様方。その製法は、失伝させるには惜しかろう』
それで、鉱人道士と鉱人神官が何をしようとしているかというと、軽銀の製法を学ぼうとしているのです。
『見て盗め、と言いたいところじゃが、姫を助けてくれたことに免じて伝授してやろうとも』
『よーく耳をかっぽじって聞けや、若造ども』
ちなみに、半竜娘ちゃんは、死霊術の杖を使って上古の鉱人たちを呼び出して軽銀の製法を聞き出すことで、令嬢剣士の実家の伯爵家から対価を貰えることになっています。
いまのところ空手形ですが、令嬢剣士ちゃんは、軽銀製法の再発見の功績を持ち帰れば、そのまま貴族としての実務に入らざるを得ないでしょうし、こんな重要ごとを持ち帰らずに済ますほど、貴族を辞めてもいません。踏み倒されるってことはないでしょう。
それにこれは、令嬢剣士ちゃんが出奔して冒険者になるときに望んだ、『冒険して自分の力で功績を立てる』 『家の名前ではなく、個人として身を立てる』ということを、図らずも達成した形になりますし。
最初のゴブリン退治で、冒険者としての目標を達成するとか、RTAかな? 令嬢剣士ちゃんも走者だった……?
まあ、冗句はさておき、この死霊術の杖は、まともに使えるのはこの雪山の砦の近くだけみたいですし、半竜娘ちゃんとしては、それなら貴族に恩を売っておいた方が良いという判断です。
死霊術の杖自体も、そこに使われている上鉱霊姫の頭骨の弔いを考えたら、鉱人道士か鉱人神官のどちらかに託す必要があるでしょうし、ていうか自分で持ってると、かえってドワサーの部員たちの恨みを買いそうですし。
あと、死霊の心臓は食えませんしね。死霊は夢を見ないせいか、『夢拾いの枕』のアーティファクトの対象にもならないみたいですし……。
「ドワーフ語じゃから、何言っておるかよう分からんが、交渉が上手く行ったようであれば良かったのじゃ」
半竜娘は、猛然とメモを取り始めた現代ドワーフたちを見て、死霊術の杖を片手に目を細めます。
それに気づいた上鉱霊姫が、自分の頭骨をあしらった杖を持った半竜娘にそっと手を振ってきます。
杖ごと砕いたりせずに回収してくれた半竜娘に、多少なりとも恩義を感じてくれているようです。
軽銀の製法に関する聞き取りメモも、あとで見せて貰えることになっていますし、半竜娘ちゃんとしても、収穫は多いですね。
もちろん、死霊術の秘術に当たって土地や遺体に書き込む秘印についてもメモしていますし、術具の助けを借りたとはいえ、実際に術を行使してみて術の使い方や使用感を覚えられたというのも、大きな収穫です。
半竜娘の習得可能職業として、『
【竜牙兵】の祖竜術も、ある意味では死霊術と似たようなものですし、竜司祭になれる者には死人占い師としての素質も多少はあるのでしょう。
もしくは、半竜娘ちゃんが
……ひょっとすると、【竜牙兵】の術は、かつて誰か偉大な竜司祭が、名のある死人占い師の心臓を喰って、その権能を簒奪した結果なのかもしれません。半竜娘ちゃんが
半竜娘ちゃんは、好奇心から、生きている方の若輩の――といっても鉱人道士などは半竜娘の10倍近く生きている――鉱人たちが取っているメモを覗き込みました。あ、メモはあとで令嬢剣士も見るので、片方の現代ドワーフには
どうせ後から見せて貰うのですから、今見たって変わらないでしょう。
「(ほー、なになに? 『
『軽銀の
あー、アルミ粉末って扱いに注意が必要ですもんね。
アルミ粉末……鉄粉……テルミット反応!(ぴこーん! ←技術ツリーが解放された音)
マンチの浪漫といえば、粉塵爆発とテルミット反応!
酸素を消費しないから、洞窟の中でも安心して使えるゾ!(安心とは)
あとでゴブスレさんにも教えようねえ(暗黒微笑)。
で、そのゴブスレさんはというと、ここにはいません。
念のため、生き残りのゴブリンが居ないか見回りに出ているのです。
こんなときでも真面目ですね……。
まあ良いでしょう。
他の冒険者たちと同様に、打ち上げの宴の準備を手伝いに行きましょう!
そして温泉に入ろう!
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かぽーん。
露天風呂です! 天然温泉ですよ!
雪除けの
冒険者たちは、冒険の疲れを癒やしに、温泉に浸かりに来たのです。
え、身の丈9尺の半竜娘ちゃんが入れるのかって?*6
「こんなこともあろうかと! 皆で入れるように、隙を見て拡張しておいたのじゃ!」
というわけで、用意周到なことに、事前に風呂を拡張してたみたいですね。
拡張工事後の湯の濁りもすっかりなくなり、湯の質も問題なさそうです。
半竜娘ちゃん用に拡張された深い方にも、仮組みですが屋根が掛けられており、雪が落ちてきて温度が下がったりしないようにしてあります。
ここは平時は混浴ですが、このときは事前に話を通してあって、女冒険者たちで貸し切りです。
「うー、ホントに大丈夫? 火と水と土と雪の精霊が入り混じって大変なことになってるんだけど」
「大丈夫ですって」 「気持ちいいですよー」 女神官を始めとして、他の者たちが苦笑して手招きします。
「うぅー、えいっ!」 妖精弓手は、意を決して体ごと飛び込みました。周りに飛沫が飛びます。
「「 きゃっ! 」」 飛沫がかかって周りから黄色い悲鳴があがりました。
非常に微笑ましいですね。
妖精弓手も、「あら、案外平気……というか、結構良いわね」とか言ってます。
風呂はいいぞー、文化の極みだぞー、なんせ四方世界には
「お、やっとるな! 手前も入るのじゃ!」
半竜娘ちゃんの登場です。いろいろでっかい!
他のみんなは、もう先に入ってしまっています。遅かったのは、覗き防止に、竜牙兵と精霊を召還して見回りに放したからですね。
ホントは半竜娘ちゃんはみんなとは時間ずらした方が良いんですけどね、お湯が減っちゃうから。
「はー、良い湯じゃのぅー」
ざばーっと、半竜娘ちゃんに押し出されたお湯が、湯船から溢れました。
見れば、
女神官は令嬢剣士と、
妖精弓手は森人探検家と半森人女戦士と、
TS圃人斥候は圃人女斥候と、
概ね種族ごとに、まずは話し始めているようですね。
文庫神官は、半竜娘を待っていたのか、さっと水深が深い方に移動してきました。
そのまま、半竜娘の胡座の上に座ると、すっぽり収まって、湯の高さもちょうど良さそうです。(ちちまくら)
「いいお湯ですねー、お姉さま」 手触りのいい、半竜娘の内股の鱗を撫でながら、文庫神官がしみじみと言います。
「そうじゃのう……ここを掘り当てたという昔の浴槽神の神官殿に感謝じゃー」
「そうですねー。新しい家のお風呂も一緒に入れるくらい広いと良いんですけど」
「さて、どうじゃったかのー」
そうそう、帰ったら新居も出来上がってるはずです。
そこでの新生活も楽しみですよね!
女だらけの共同生活!
さて、周りの会話にも少し耳を澄ませてみましょう。
まずは圃人ペアから。
絶対値は小さいですが、縮尺的には二人ともそこそこご立派なものをお持ちですなあ。
「んー、あんたって男兄弟多い?」
「まあ、そんなとこ」
「道理でなんか振る舞いとか言葉とかが男っぽいなーと」
「あ、分かる? そーなんだよなー、ちょっと自分でも気にしててさー」(震え声)
圃人女斥候に何気なく話題を振られて、内心恐慌状態のTS圃人斥候が見れました。
やはり同族の女から見ると、TS圃人斥候の擬態は、まだまだ
次は森人(&半森人)トリオに目を向けましょう。
妖精弓手が、森人探検家と半森人女戦士の一部分を自分と見比べています。そんな物憂げな様子は、華奢で儚い肢体と合わさり、まさしく妖精の如し。
エルフだからといって平坦だとは限らないのだ……。
実際、妖精弓手の姉である、花冠の森姫はスタイル良かったんじゃなかったですっけ。豊穣の象徴のごとくである、とかなんとか。
「んむむむ、やっぱり只人の食べ物の影響なのかしら」
どうでしょうね。妖精弓手の姉を見るに望み薄というわけでもなさそうなもんですが。でも2000歳から成長するのかな……。
百面相する妖精弓手を見て、森人探検家と半森人女戦士は小声で話しています。
森人探検家は瑞々しい林檎のような佇まいで、半森人女戦士は、しなやかな猫のような鍛えられた肢体です。
「はぁあ、姫様尊い……」
「あたしは人里育ちだから知らなかったけど、
「そうでしょう、そうでしょう。森の化身であり、ゆくゆくは森そのものとなるお方ですもの。それはもう……」
森人探検家がなんか布教してますね……。
森から離れていた時間が長すぎるのか、やはり少し森の要素に対する禁断症状でも出ているのではないでしょうか。
新居では立派な樹が個室の壁面と融合してるので、それで森林分を補給して落ち着くと良いんですけど。
最後に目を向けるのは、女神官ちゃんと令嬢剣士です。
どちらも“若さ”って感じです、青い果実というか。女神官ちゃんは華奢、という感じですが、令嬢剣士は幼い頃から栄養状態が良かったのと剣士としても鍛えられているので、とてもバランスの良い身体をしています。両名とも、将来性を感じさせます。
「冒険者、辞めちゃうんですか?」
「そうですわね、まずは実家に帰ってから、ということになりますけど、まあ、多分そうなりますわね」
軽銀剣を家宝にする貴族家に、軽銀の製法をもたらすのですから、キンボシオオキイですよ、実際。
彼女の実家の方も、令嬢剣士が経済方面の才能が大きいのは把握してそうですし、おそらく軽銀の生産、普及、開発にあたって、大きな商会を任されたりするんじゃないでしょうか。
軽銀は色んなところで活用されるでしょうから、国との関わりも自然と大きくなるでしょうし。
つまり、女商人ルートです。しかも、経歴に一切の瑕疵のない、完璧ルートですよ! ゆえに剣の乙女からの共感が生じないという若干のデメリットもありますが。
「あぅ、折角の同年代の冒険者仲間ですのに」
「落ち込まないで、きっと、手紙を書くから」
「約束ですよ?」
「ええ。それに、冒険者の経験を生かして、いろいろと事業も考えていますのよ。きっとまた、力を貸してもらうことになりますわ」
少女たちが楽しそうに、将来のことを語り合っています。
そのうち、他の者たちも巻き込んで、やれ竜になるだの、大金持ちになるだの、夢を語り合ったり、冒険者になるきっかけを話したり、
まあ、のぼせた半竜娘ちゃんは、雪を掛けたり食べさせたりして冷却したら、すぐ復活したんですけど。
というところで、今回はここまで!
ではまた次回!
死人占い師の職業レベルの上昇に伴い与えられるのは、『見える眼』『聞こえる耳』『触れる手』『聞かせる声』などの死霊との接触手段となる秘術であり、死霊ごとに存在の位相が異なる場合があり、それぞれの位相に応じたチャンネルを開けることが必要(職業レベル上昇に伴い選択獲得)。そして接触した死霊を従えられるかどうかは、対象である死霊の魂を『説得』『誘惑』『脅迫』などの交渉で従える必要があり、また別の判定が必要になる。(死霊術の仕様については
次は成長回+辺境の街のユールの日&新年の宴になるかなと思います。そしたら原作小説6巻(訓練所襲撃編)に……。
……女魔術師ちゃん生き残ってるから、弟くんの絡みはさらっと流して適当な別のシナリオと絡めるか……、うーむ。思案中です。