ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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●前話:
半竜娘ちゃん、無事、産卵(助産:文庫神官)。
しかし、卵には既に賞金が懸けられていて……。

===

◆支払い能力の裏取りとは?(@歓楽街からの移動中)

文庫神官「居場所は分からないのに、“信用できない依頼人だ”、というのは分かってるんですね。あ、いや、皮肉とかではなく、純粋に疑問で……」
森人探検家「まあね。まず、そもそもぽっと出の依頼人で、与信がない」
文庫神官「 よ し ん 」
森人探検家「……与信がないどころか、どうも、過去に別名義で依頼仲介人(フィクサー)殺して支払い踏み倒したのと同一人物らしいのよね。連絡寄越した使い魔の術式の癖が同じだとかどうとか」
TS圃人斥候「うげっ。いくら気前よく魔法の道具バラまいてくれても、それじゃーなぁ」
森人探検家「前科はもう何十年も前の話みたいだから、向こうもバレないと思ったんでしょうけど。
 でも、ふつーに闇人だのの長命種が取りまとめや相談役してるローグギルドだってあるっていうのにね。横のつながりでも、特にそういうブラックリストの共有は早いし」
※長命種の記憶力をナメたのが敗因。

 


30/n たまご騒動(エッグ・ライオット)-2(ティーアースの導きと合流)

 

 はいどーも!

 “竜の卵を親元から引き離そうとするのは厄ネタ”ってのは、古来からの鉄板展開だから……な実況、はーじまるよー。

 卵を狙ってる輩に合掌しようね……。

 

 前回は、半竜娘ちゃんの体調も良くなって、魔女さんとティーパーティを始めたところまででしたね。

 どうやら、歓楽街やスラム的な地区を中心に、多数の人が動いて街を駆け回る騒動(riot/ライオット)が起こっているようですが……。

 

「なるほど。息を合わせて呪文を増強……勉強になるのじゃ」

 

 ……まあ、そんな騒動などまだ露知(つゆし)らず、半竜娘ちゃんは魔女さんと魔法談義しています。

 

 今のテーマは、複数人での同時詠唱ですね。

 TS圃人斥候を性転換させるときに、儀式により【分身】と力を合わせて増強し、効果をほぼ永続化させたことはありましたが、あれは落ち着いた環境で、魔法陣を敷いていたからできたこと。

 実戦の場で使えるかというと、そのレベルには至っていません。

 

「よく 使われる のは、例え ば『○○から続けて3手』、とか いう 掛け声、ね」

 『死の迷宮』の魔神王を討伐した6人の金等級の英雄たちは、3つの真言を3人の術士で分担することで、上級呪文である【核撃(フュージョンブラスト)】の術を使えたといいます。*1

 息の合った一党でないと難しいですが、その分、威力は跳ね上がりますし、あるいは1人では使えないような難しい呪文も使えます。1つの真言呪文に、3人分の精神力を込めるのですから。

 

「なるほど。あとはやはり訓練かのう……。他の者の真言と組み合わせて、上級の真言呪文を使うというても、やはりぶっつけ本番は厳しかろうしな」

 そうですね、やはり訓練は大事です。

 訓練は本番のように、本番は訓練のように、というやつです。

 

「貴女の ところ は、術士 が多いん だから、がん ばり なさい、ね?」

 そう言って、魔女さんが微笑みます。

 

 と、そこに割り込む声が――

 

「                     
 ゆーゆゆ! ゆゆゆーゆゆー!」

 

 経験値!! 経験値がきたぞ! 

 ―― 半竜娘ちゃんのおっきな胸の谷間から、つぶれまんじゅうのような一等身(なまくび)の姿の精霊が、むにゅっと姿を現しました。

 零落したTASさん(ティーアース)の破片ですね。……ああ、こんな姿になって、お(いたわ)しや……、時空や因果に干渉してブイブイ言わせていたのも今は昔です。

 

 とはいえ、幾つかの権能はいまだ健在なようです。

 例えば、まるで攻略本を見るように、限定的ですが、最適解について先見を得たりですね。

 なお、ユールの日に、本来戦わなくて済むはずの妖怪猟団(ワイルドハント)と戦うように仕向けて、危うく悪の死人占い師ルートに入れかけるなど、TASさん(ティーアース)の選択は、主に社会戦方面のダメージを度外視していますから、素直に従うのは考え物です。

 やっぱり邪神じゃないか!!? でもまあ、神は人間社会の事情なんか考えてくれないのがデフォルトですからねえ。

 

「それ、は?」

 魔女さんが、口元は微笑みながらも、目は笑っていない表情で尋ねます。

 まあ、胡乱(うろん)な物体にしか見えませんよね。

 

「……あー、昔、手前(てまえ)を助けてくれた神の、零落した姿……らしいのじゃ。命の恩義があるゆえ、ある程度の手助けはしたいと思うとるのじゃが……」

 

「なる、ほ ど?」

 

「まあ、どうも、“この世の外から来たもの”を糧に、力を取り戻すらしくての。この騒ぎ方や声の調子からすると、多分、なにかそういう、こやつ自身の糧になりそうなものか、あるいは手前の糧になりそうなものが近くに来ていると言いたいようじゃが」

 ―― 手前を鍛えれば、こやつ自身の復活も早まると思うておるようでな。今のところ、方向性は一致しておる。

 そんなことを言う半竜娘ちゃんを、魔女さんはなんとも言い難い表情で見ています。

 

 かーっ、俺もなーっ、下界に堕ちて美少女の胸の谷間でぬくぬくしつつ冒険とかなー、してみたいよなぁーーッ!

 なお、術の触媒として投げられて爆散する模様。それは流石にノーセンキューかな……。

 

「                     
 ゆゆゆ! ゆゆゆ! ゆゆゆ!」

 

 あっち! あっち! あっち! 

 TASさん(ティーアース)の髪の毛がアホ毛みたいにうねって、ある方向を指し示します。

 ―― 指示した方向は、斜め下方向……地下です。

 

「ふーむ。下水道、かのう。……しかし、これは、この感覚は――」

 

「――そ、ね。行った 方が、良さ そう ね」

 

 ただ単にTASさん(ティーアース)の私欲の戯言なら、『上質な触媒』でも餌付けして気を逸らして、あとは無視してもいいところですが、魔女さんのウィッチとしての勘と、半竜娘ちゃんのネクロマンサーとしての勘が、ビンビンに囁いています。

 

 ―――― これは、世界の危機である。魂を冒涜するものが現れたのだ。……と。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 TS圃人斥候、文庫神官、森人探検家は、騒乱の最中(さなか)にある歓楽街の外れで、猥雑な細い路地に身を潜めていました。

 

「うげっ、まーた居やがるぜ。あいつらもそうじゃねーか?」

 

「いくら何でも多すぎですよ……」

 

「裏取りもしないような適当な仕掛人(ランナー)が飛びついたんでしょ。まあ、依頼仲介する蔦(フィクサー)の質もピンキリだし」

 

 視線の先には、“たまご” “卵!” “た ま ご は ど こ じ ゃ ~ !!” と言って手当たり次第にあちこちひっくり返している者たちの姿が。

 先ほどまでは、森人探検家ら3人も、散々に追いかけられました。(らち)が明かないので、TS圃人斥候が【幻影】の呪文を切り、今は、なんとか撒いたところです。(【擬態】のポーションによる光学迷彩も考えたのですが、お互いの姿も見えなくなってしまうので、この状況では却下です。)

 

 とはいえ、逃げる間に何も手を打たなかったわけではなく。

 乱戦の中で、“物探しの蝋燭”持ちに狙いを絞って不意打ちし、そのダウジング用の魔道具は接収してあります。

 

 しかし、すでに3人の大まかな居場所と人相は割れてしまっています。

 となれば後は人海戦術で……と人手を集めた追っ手の者がいたり、あるいはうわさを聞きつけておこぼれを拾おうと集まって来た者たちがいたりで、一帯は“たまご探し人”たちでごった返しています。

 

「まったく、考えナシな仕掛人連中から情報が中途半端に漏れて、金の欲しい奴らが見境なしに、街中(まちじゅう)で“たまご探し”ってか」

 

(オツム)の哀れな連中よね」

 

「ここで見つかったら、また囲まれて追いかけられてしまいます。何の罪もない方たちが混ざっていると、薙ぎ倒して進む、なんてわけにもいきませんし……」

 

 明らかに一般人が混ざっている中で、強行突破は無理そうです。

 この騒乱の状況では、早晩、衛兵も出てくるでしょうから、そのときお縄になるリスクは取れません。

 冒険者は信用が第一ですからね。今回も、あくまで、“巻き込まれた被害者なんです”と言い訳できる程度には行儀良くしておく必要があります。

 

「空飛んでいければ早いんだけど。……【竜翼】のポーション持ってるでしょ?」

 

「死んでしまいます、やめてください。空だけはどうか、どうか……」

 

「そうね、わたしも空中で発狂したあなたの面倒みて、もろともに墜落とか嫌だから、それは最後の手段ね」

 

「やめましょう」(迫真)

 

 文庫神官ちゃんは、まだ空を克服できていません。半竜娘ちゃんの卵を抱えて、顔面を蒼白にしてぶるぶると震えています。

 強行すると、げっそり『消耗』しちゃいそうな感じですから、やはり【竜翼】のポーションで手を翼に変えて飛んでいくのは、最後の手段ですね。……案外、自力で飛んでみれば、文庫神官ちゃんもトラウマ克服できるかもしれませんが、最初のハードルが高いようです。

 

「となればあれだな、下水道を通っていくっつー感じだな。上がダメなら下だ」

 

「大丈夫でしょうか? 最近、私とお姉さまが【浄化】で綺麗にしてモンスターも追い払っているので、家のない方たちが入り込んで、寝床にするようになったみたいですが……。そちらを通るときも囲まれてしまうのでは?」

 

 これまでは、モンスターが居るから……と、浮浪者の溜まり場としては敬遠されていた下水道も、ゴミやヘドロが綺麗になって怪物もいなくなれば、今度はそこを住処にする人間が出てくる……というわけです。

 半竜娘ちゃんが“善き死人占い師(ネクロマンサー)”として徳を積むため、文庫神官ちゃんと一緒に、遺品・遺体回収などで連日潜っていた影響ですね。

 橋の下や、下水道は、雨風(あめかぜ)(しの)げて、誰のものでもない場所なので、過ごしやすくなったなら、まあ、家のない者たちの溜まり場(そういうこと)になります。

 

「いえ、それは情報が古いわ。あの子が体調不良で休んでる間に、浮浪者たちは大黒蟲(ジャイアントローチ)の大群に追われて、逃げ散ったって話よ」

 

「あーあ、適当に残飯捨てるから、蟲がまた増えたのか……。自業自得だな、そりゃ」

 

 ただ、半竜娘ちゃんが卵詰まりで休んでる間に、怪物たちも戻ってきたようで、結局、元の木阿弥になったとか。

 大黒蟲に齧られて死んだ浮浪者がいるかもしれませんし、この騒動のあとは、また供養のために下水道を見回るのを再開した方がいいかもしれませんね。

 

「じゃあ、下水道を通っていくということで。道は分かるわね?」

 

「はい、私の方で道順は覚えています。とりあえず、冒険者ギルドの近くまで向かいましょう。お姉さまなら、そちらにいらっしゃるかと思います」

 

「……なあ、無駄足や入れ違いも困るから、念のために“物探しの蝋燭”使ったらどーだ?」

 

「……そうね。たくさんあるし。使っちゃいましょうか。たまご探しの依頼人の方は、合流後に探すとして、その分の蝋燭は残さなきゃね」

 

 3人は、半竜娘ちゃんと合流するために、周囲を警戒しつつ、しかし迅速に動き出しました。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 ということで、半竜娘ちゃん×2(【分身】して増えた)&魔女さんトリオは冒険者ギルド方面から下水道へ。魔女さんは、病み上がりの半竜娘ちゃんを心配して付いてきてくれるそうです。

 

 一方、森人探検家&TS圃人斥候&文庫神官トリオは、歓楽街方面から下水道へと入りました。

 

 

 半竜娘ちゃん×2&魔女さんトリオは、霊感とTASさん(ティーアース)の導きに従って、黒幕の方にダイレクトに向かっています。

 

 え、黒幕の居場所はどこかって?

 

 下水道の奥の未踏遺跡があったじゃないですか。あそこです。*2

 西方辺境領域の地下は、いろいろな事情*3で儀式をするのに適した地脈が形成されているのですが、今回の黒幕もそれを利用しようとしているのでしょうね。

 もちろん、中央から離れた辺境の方が、そういった悪の蠕動がバレにくいということもありますし、目的の半竜娘の卵があるこの辺境の街で隠れ潜むなら、地下下水道がやはり第一候補になるでしょう。

 

 今回は双六(すごろく)的な感じで、その地下水道を探索してもらいます。

 25×25のマス目上に、『黒幕へ続く道』、『半竜娘×2+魔女トリオの突入ポイント』、『森人探検家&TS圃人斥候&文庫神官トリオの突入ポイント』を、2D25で置いていきます。

 

 ■双六(すごろく)上のどこにいる?:

  黒幕への道(2D25。以下同じ):(22, 1)

  半竜娘エントリー地点    :(18,11)

  森人探検家エントリー地点  :(15, 3)

 

 プロットするとこんな感じです。

 なんか右上に偏っちゃいましたね。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 半竜娘×2+魔女トリオは1D6を振って、黒幕へ続く道へ向かって進んでいきます。

 まっすぐ進むことができれば、14マスで黒幕へ続く道まで到着できます。

 ただ、止まったマスのイベント次第では、まっすぐ進めない可能性もあります。

 

 一方で、森人探検家&TS圃人斥候&文庫神官トリオは、動き回る半竜娘ちゃんへ向かって1D6を振って進んでいくことになります。

 今のところは11マス分、離れていますが、すんなり合流できるかは、ダイス目次第です。

 

 ということでスタート。

 

 1投目:

  半竜娘チーム4 (18,11)→(22,11)

  森人探検家チーム6 (15, 3)→(18, 6)

 

 マップを拡大して、移動後の位置関係はこんな感じになりました。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 それぞれのマスで何が起こるかは、1D6を2回振って決めましょう。

 イベントテーブルは、大体、次のような感じですね。

 

 ダイスAの出目:

  1→敵エンカウント、

  2→罠あり、

  3→比較的悪いイベント、

  4→当たり障りないイベント、

  5→比較的良いイベント、

  6→アイテム取得

 

 ダイスBの出目:

  1→かなりマズい事態、

  2→そこそこ悪い事態、

  3→比較的悪い事態、

  4→比較的良い(楽な)事態、

  5→そこそこ良い事態、

  6→かなり良い事態

 

 まず、半竜娘ちゃんチームのイベント処理は……2D666

 おおっと、クリティカル。「アイテム取得」で、「かなり良い」というやつを引きました。

 様子を見てみましょう。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「……ん?」 下水道を行く半竜娘ちゃんが、何かに気づきました。

 

「ど、した の?」 魔女さんが怪訝に問いかけます。

 

「何か光ったのが見えたような……」 そう言って、半竜娘ちゃんは落ちていたものを拾い上げました。

 

 半竜娘は、TASさん(ティーアース)に捧げることができる『上質な触媒』を10個拾った!

 竜の鱗のようで、しかし、決してそうではない、法則が違う世界から飛来したもののように思える……。

 

 あー、これはどうやら、黒幕さんが落っことしたやつみたいですね。

 魔女さんが、【魔法知識】判定、【鑑定】判定に成功したので、彼女らの霊感が察知したという『魂を冒涜するもの』によって変質した何かであることも分かりました。

 

「竜の鱗のようじゃが、もとは、人族の皮膚かの……? しかし、祖竜術の【竜鱗】の術のようなものでもなさそうじゃ。もっと禍々しい何かの気配を感じるのじゃ」

 

「呪い や、(けが)れ――みたい ね」

 

「                     
 ゆっゆくゆーー!」

 

 いただきまーす! 

「あっ、食べよった!?」

 

「……なる、ほど。こう やって、この世の外から 来た ものを、糧に できる の ね」

 

 ティーアースの零落した欠片(ゆっくりまんじゅう)が、ここで拾った、この世ならざる鱗を全て食べてしまいました。

 10個も一気に食べたおかげか、非常に満足げに見えます。

 

「拾い食いはどうかと思うのじゃ」

 

「それ より、先を、急ぎ、ましょ?」

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 続いて、森人探検家たちのイベント処理です。

 ダイスロール! 2D612

 おおっと? 「敵エンカウント」で、「そこそこ悪い事態」というやつを引きました。

 様子を見てみましょう。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「なんでこんな時に蟲が~~~!!??」

 

「知らないわよーーー!!」

 

「あー、もーー! これでも食らえ!!」

 

 運悪く遭遇してしまった30匹以上の大黒蟲に追いかけられてしまったところ、TS圃人斥候がアイテムポーチから【メディアの油(ガソリン)】を取り出し、蟲の大群に向かって投げました。

 

「燃えろ!!」

 

『『『 GGYYYSSHHAAAAAA!!?? 』』』

 

「今のうちに逃げるぞ!!」

 

「ひーん!」 「卵を落とさないでよ!?」

 

 大黒蟲の大群が焼け焦げていく中で、彼女たちは一目散に逃げだしました。(継戦カウンター+2に加えて、消耗+1)

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 イベント処理が終わったところで、2投目です

 

 2投目:

  半竜娘チーム5 (22,11)→(22, 6)

  森人探検家チーム2 (18, 6)→(20, 6)

 

 位置関係はこんな感じになりました。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 おお、お互い、かなり近づいていますね!

 

 さらにイベント表を振ります。

 

 半竜娘ちゃんチームは2D625! 「罠アリ」ですが、「そこそこ楽な事態」です。

 崩れかけた水路が天然の落とし穴になっていましたが、半竜娘ちゃんの【第六感】と【軽業】が冴えわたり、特に消耗なく突破です。描写は省略!

 

 

 森人探検家チームは2D666

 こっちもクリティカル出ましたか。「アイテム取得」で、「かなり良い」を引きました。

 ちょっと様子を見てみましょう。先ほどの半竜娘チームの例を見るに、銀貨約100枚相当の品が手に入りそうですね。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「おおっ? 戦輪(チャクラム)が落ちてやがるな。ネズミの巣か、これ?」

 

「しかも四枚も……。少し錆びてますけど、手入れすれば使えそうですね」

 

「錆び方が違うから、下水道にそれぞれ別々に落ちてたのを、モンスターが集めたのかもね」

 

「あ~、カッコいいからって戦輪を選んで、大暴投、そして回収できずに逃げるハメに……って新人冒険者が目に浮かぶな」

 

 まあ、ありがたく再利用するんだけど。

 そう言って、TS圃人斥候がほくほく顔で戦輪を回収しました。

 

 そのとき、ネズミの通り道なのか、チャクラムが落ちていた場所の近くの壁に開いた隙間から、半竜娘チームの姿が垣間見えました!

 

「おっ! リーダー! おーい!! すぐそっち行くから待っててくれ!!」

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 クリティカルということで、アイテム獲得に加えて、PCにとって良いことが起きたわけですね。

 無事に合流できました。

 

「お主らも下水道に来とったんじゃな!」

 

「ていうか、リーダー探してたんだよ~」

 

「はて? なんぞあったかや?」

 

 おずおずと文庫神官が、前に出てきます。

 

「お姉さま……」

 

「おっ、なんじゃ?」

 

「こ、これ! お姉さまと、私の……っ、たまごです!! ついつい持って行ってしまってすみませんでした……!!」

 

 キャバァーン!! 文庫神官が差し出した()()()()の中には、白磁のような表面をした、大きな卵が!!

 

「うん? …………うむ、卵。 …………たまごォッ??! 手前とお主のォッ!?

 

はい!!

 

 はい、じゃないが。

 

 ほら、魔女さんがめっちゃ笑いこらえてるじゃないですか。

 

 その次の瞬間、半竜娘の頭の中で、最近の体調不良や、今朝それが急になくなったこと、故郷の呪術医(ウィッチドクター)の教え、部族の女衆のお喋り、東方戦域で同じく従軍していた同期の女蜥蜴人の悩みなどが、次々と繋がっていきました。

 

「あ、あ~~~! たまご! なるほどのぅ、たまごかぁ! ははぁ、なるほどなるほど……! あー、たまご、はいはいはい、なるほどぉ~~~!」

 

 凄く腑に落ちた感じですね。

 ていうか、やはり、すっかり忘れてたみたいですね、自分が年頃の乙女だということを。

 

「はー、なるほどのう。……でも、どうせ無精卵か、手前の同位体が産まれるものじゃないかの? (タネ)は貰っておらんし」

 

「そんな!? ……って、やっぱりそうですよね~。あ、でも小さなお姉さまが産まれるならそれはそれで……」

 

「卵の中身が生きておるか死んでおるかは、あとで【狩場(テリトリー)】の術の触媒にできるか試せば分かるのじゃよ。*4……それで、卵を届けにここまで来たのかや?」

 

 半竜娘は、文庫神官から卵を受け取りながら、森人探検家にことの経緯を確認します。

 

「いやそれが、それだけじゃないんだけどね。でも、なんかそっちも厄介なことに巻き込まれてる?」

 

「まあのう。……では情報交換からかの」

 

「そうしましょうか」

 

 少女情報交換中……。

 かくかくしかじか、まるまるうまうま。

 

「ああ、その賞金を懸けたという依頼人と、手前らの探しておった『魂を冒涜するもの』は、同じじゃろうな」

 半竜娘ちゃんが口にした推測が正しいか、魔女さんに目配せすると、頷きが帰ってきました。

 

「そうっぽいわよねー。人間やめてる系かしら」

 念のために森人探検家が、卵に賞金を懸けた依頼人の場所を“物探しの蝋燭”で探りますが、ティーアースの零落した欠片(ゆっくりまんじゅう)のアホ毛が指し示す方向と一致しています。

 

「とりあえず、一休みしてから出発しましょうか……」

 森人探検家チームは、群衆から逃げ、また大黒蟲の大群からも逃げて、若干疲労していますからね。

 

「そ ね……。休む なら、臭いを、散らす、わ ね」

 

 ―― ウェントス(風よ)。と、魔女さんが一言真言(ワンワード)を用いて、気流を生み出してくれました。

 おかげで、下水の臭いによって消耗するようなこともなく、休むことができそうです。

 

 休んだら、あとは一直線に駆け抜けて、突入しましょう!

 

 

 というところで、今回はここまで!

 ではまた次回!

 

 

*1
死の迷宮を踏破した6人の金等級:外伝2鍔鳴の太刀(ダイ・カタナ)。3人で協力して【核撃】を撃つ場面は、漫画1話(立ち読みはこちら)で描写されている。なお、同じ呪文を敵は一人で撃ってくるぞ。

*2
地下未踏遺跡:過去話『9/n 精霊使い四方山話、ゴブリン退治ルーティン、下水道遺跡からの救出』にて発見した遺跡。太古の錬金術の産物である万能細胞(ショゴスのなりそこない的な何か)が暴走していたが、槍使い&魔女が率いた冒険者たちにより鎮圧された。

*3
いろいろな事情:未開領域ゆえに、地下には厄介な遺跡や怪物たちが眠っており、それらによる負の作用がある。人族は、地脈の要にある遺跡(テレイン)を利用して、至高神神殿(水の都)や、地母神寺院(辺境の街)を築くことにより、それら負の作用に霊的にも対抗しながら生存領域を拡大してきた。

*4
狩場テリトリーの祖竜術:仲間に触れながら使うことで発動する術で、感知結界と排除結界を張ることができる。卵の中身が生きていれば、術が発動するし、死んでれば発動しないので、それで無精卵かどうか、あるいは生死が分かる。




 
本当は、前々話でチラ見せした、黒幕である怪しげなネクロマンサーだけじゃなくて、美食家とか、卵コレクターとか、軍の研究部門とかも出張らせて卵の争奪戦~とか思ってたんですが、そこまで描写できませんでした。キャラクター増やすと扱いきれないのと、テンポ重視ということで(シナリオカラテぢからが足りない!)。まあ、多分、シャドウランナーたちは、それぞれから依頼を受けて暗闘(シャドウラン)してると思います。

=====

蜥蜴僧侶さんは、知識階級かつ医療従事者でもある神職なので、卵の世話とか、同族の女体の神秘とかもある程度は知ってるとは思いますが、姪っ子とそれらについて赤裸々に話せるかというと、ちょっと躊躇しちゃうかもですね。(「拙僧らはオスもメスも卵を温め、子育てしますのでなあ」とか言って詳しく知ってるパターンも、「それは拙僧の領分ではありませんでしたのでなあ」とか言って全く知らないパターンも、どっちも想像できます。どっちを取るか悩ましい……)

=====

感想評価&コメをいただきまして、いつもありがとうございます! 次で、『たまご騒動』は決着で、その次に、たまご騒動・裏&原作小説7巻への導入って感じで考えています。
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