ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
●前話:
地上の争乱を辛くも逃れ、半竜娘ちゃんと卵が感動の再会!
そして彼女たちは、黒幕が潜む地下遺跡の奥へと向かう前に、ひと時の休息をとるのだった。
===
Q.
A.いっぱいたべよう!(目標値を明示するとTASさんが
はいどーも!
前回はクライマックスフェイズ前に休息をとったところまででしたね。
半竜娘ちゃん×2、魔女さん、森人探検家、TS圃人斥候、文庫神官は、軽く食べ物と飲み物をつまんで、ほっと一息。継戦カウンターをリセットします。
「……【聖餐】のランチョンマットがあると、いつでも温かい物を食べられていいですよね」
地母神さまにも感謝です。と、しみじみ呟く文庫神官ちゃん。
「まことにのー」 半竜娘も頷きます。
では早速突入――の前に、【竜血】を利用したポーション類を飲んでから行きましょう。
特に、炎と毒への耐性を得る【
光学迷彩の【
「飲みすぎて吐きそうだぜ……」 TS圃人斥候がお腹のあたりをさすっています。
あとは、零落した
『CRRRRR……』
蛟龍の姿をした水の大精霊が現れました。地下下水道で水気が多いため、場との相性が良いようです。【
念のため、森人探検家ちゃんには、交易神の奇跡【
「はいはい了解……『巡り巡りて風なる我が神、気の流れをも裏返し、賽子の天地返しに目こぼしを』――【
んー、これでまあ、大体いいでしょうか。
【
「えーと、これで
「あの、卵の守りに、【
「ああ、必要じゃの。手前も、形代の人形が常駐化して維持させとる【
では、灯明の娘は、残り4回、と」
半竜娘ちゃんが指折り数えますが、めっちゃリソース豊富ですよね、やっぱり。
バフ用の【竜血】ポーションや、死霊術の応用による呪文の長時間維持、そのほかにも色んな魔道具を使えるようになったので、リソースを節約できるようにもなりましたし。
「あ、いや。【
ということで、半竜娘ちゃん(分身)が、卵と文庫神官に触れながら【
もちろん、精霊たちや魔女さん、半竜娘本体の支援を受けて、呪文の達成値を20以上底上げしています。
無事に結界を作る祖竜術は発動し、半径100mの感知結界、その内側に半径30mの進入禁止結界(魔法や矢玉は防げない)が出来上がりました。
「……【
卵の生死も分かりましたし、相手を近づけないための結界も張れましたし(達成値をかなり底上げしているので、魔神将級でも突破は困難です)、これで大体の準備は整いました。
「矢避けの結界はどーする?」 聞いてきたのはTS圃人斥候です。
「いや、お主の呪文リソースは残り1じゃろ? もしもの時の【
「あいあいー」
保険は大事ですからね。
TS圃人斥候は、ここ一年くらいで魔術を覚えたのですが、攻撃魔術はとらずに補助的な呪文ばかり覚えていて、なかなか渋いチョイスをしています。
「贅 沢、ね」
そのやり取りを見ていた魔女さんの言うとおり。
ゴブスレさんの一党もかなり恵まれた方ですが、それより半竜娘ちゃんの一党は、
「まあ、恵まれておるとは思っとるぞ。して、そちらは残り何回じゃ?」
「あなたと 同じくらい、は、使える わ」
「じゃあ少なくとも8回、と」
さすが後衛専門の銀等級ですね。さすまじょ! 回数を明言しないので、実際はもっと使えるのかもしれません。
日頃から、槍使い兄貴と
準備と確認を終えて、地下水路の奥を見据えます。
「―― では、突入じゃ!」
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下水道の水路の奥。
辺境の街の地下は、いくつかの年代の遺構が複合しているようで、そこから先は、水路ではなく、石造りの通路となっていました。
通路は所々崩れていますが、十分な強度を保っているようです。かつて
横に3人くらい並べるくらいの幅の通路を、半竜娘たちは、2列縦隊で進んでいきます。
「……なんだか、息苦しいわね」
「ガス、じゃ、ねーとは思うけど。でも【竜命】のポーション飲んでるから、たとえ毒ガスでも分かんねーな、これ」
最前列は、探索技能が高い者をということで、森人探検家とTS圃人斥候。
周囲の通路は、TS圃人斥候の腰元のランタンで照らされているはずだというのに、闇が深いように思えます。まるで黒色の
「知識神様、どうか私どもの行く手をお照らし下さいぃ……」
「待て待て、あまりくっつきすぎるんじゃないのじゃ」
中列は、文庫神官と半竜娘(分身)。タンク組です。戦闘の時は前列に出ます。
文庫神官は、家を出るときは戦闘になると思っておらず、軽装のまま出てきたせいで、先ほどまでは、いつもの鎧ではなく神官服でした。ただ、いまは
卵をしっかり守ろうという気は強いようで、それはもう、しっかりと抱えています。
半竜娘(分身)の方は、文庫神官に寄られつつも(まあ半竜娘ちゃんがでっかいせいで通路が狭いというのもありますが)、油断なく周囲を見回しています。
そして後列。
「……“瘴気”という感じじゃのう……世の理が捻れて軋みを上げておるようじゃ。この先では、果たしてまともに呪文は使えるのかや……?」
「やっぱり、汚染源、が、この先に、いる みたい、ね」
後列の半竜娘(本体)と魔女は、お互いの霊感で得た悪い予感を補強するようなこの状況に、さらに警戒を強めています。
―― 魂を冒涜し、世の
その気配は、どんどんと強まっています。
って、シリアスぶっていますが、
…………。
……。
やがて、ひと際に不吉な気配の強い場所へと辿り着きます。
扉で封じられた先から、瘴気が漏れて流れてきています。
その扉の大きさからして、おそらく先は広間でしょう。
隊列は入れ替えて、3列縦隊。
前列は、
後列は、
TS圃人斥候が罠感知をしますが、扉に罠はないようです。
【
「行くのじゃ」
半竜娘の言葉に、静かに全員が頷きました。
「――ッ!!」
半竜娘の分身体が、無言で気合を込めて、広間と思われる場所へと通じる扉を
続いて瞬時に、6人全員が中へと飛び込みます。
「……」
油断なく陣形を組んだ半竜娘ちゃんたち6人の冒険者たち。
逸る気持ちもありますが、それを抑えて、広間の中を手早く確認します。
「……瘴気が濃いのう」
広間の中は、闇色の粒子が充満しており、視線を這わせますが、全貌は
ただ、【竜眼】のポーションの作用により、一党は全員、ドラゴンと同様の眼を得ています。
ランタンの明かりが瘴気の黒い粒子で遮られても、その奥を見通すことができました。
闇色の粒子は、広間の中央から噴き出しています。
いえ、正確にいえば、
広間中央の、ローブを被ったその男は、
ぎりぎりで、【
随分と広い空間のようです。
―― 『SHHYYY……、こんなところまで来られるということは、護符を預けた
どうやら相手は、こちらのことを、卵泥棒の依頼を受けた
……というか、この口ぶりだと、通路やこの部屋に充満している黒い粒子は、こいつの言う【護符】がないと防げないみたいな感じですね。まあ、ポーションの効果で毒気は防げたおかげで、奥まで来られたんでしょう。
おそらくは、
―― 『ぐぐぐ、その邪魔な結界を解き、卵を早くこちらに寄越すがいい。じきに地獄の門が開き、天からは外宇宙からの悪意が落ちてくる。そしてこの世は、暗黒に包まれるのだ』
陶酔するように語る、卵泥棒の依頼主。
―― 『そのとき、あらゆる暗黒の勢力を併呑し、天地を統べるは、
あ、情報収集してないからフラグが足りない分、
―― 『
自らの占いで得たという予知を語る男。
―― 『ゆえに、王の器は、その卵でなくばならないのだ』
語り終わって満足したのか、死人占い師のようなローブの男――
―― 『さあ、それを渡せ。でなくば報酬は渡さぬぞ。優秀なる
それを受けて、代表して森人探検家が応えます。
「ふん。幾つか訂正があるわ」
―― 『ほう?』
「まず1つ。優秀な
指折り数えていきます。
「次に、得意満面に裏事情を話したってことは、生かして帰す気ないのが丸わかり。不意打ちする知能もないの?」
冥途の土産に、というやつですよね、明らかに。
「そして、私たちはそもそも
その言葉を聞いて、いよいよ
―― 『冒険者! 冒険者か!! ならば、貴様らを殺してから卵を奪うまでのこと!! 我が領域に踏み入ったその不明を恥じて死ね! さすれば死せるその魂は、我が同胞として堕として
メリメリとローブが盛り上がり、
さらに、そのフードで覆われた顔があらわになり、3
―― 『死して竜となりし屍よ、我らの敵を根絶やしとせよ!!』
そして、
異界の理に侵された下水道のモンスターたちです。
大鼠は、竜のような鱗に覆われて、まるでセンザンコウのような姿になり、背中から翼が生えています。
大黒蟲は、甲殻や脚が鋭く伸び、そして硬くなり、
これが『黒き寵愛』という名の瘴気の侵食の結果であれば、はた迷惑な愛もあったものです。『キサマの愛は侵略行為』と喝破してやらねばなりますまい。
『『『『 GRRROOOO!!! 』』』』
百以上は居るであろうそれらの小型竜たちが、【
この
そして、
―― 『小癪な結界を張っておるようじゃが、雷鳴の息吹は防げまい! そして卵には雷を防ぐ術をこちらがかければ、死ぬのは貴様らだけということだ!』
雷のブレスは、直線状に60mほどの射程があるため、【
もとが鼠や蟲とは言え、百以上にも及ぶ、
―― 『瘴気によって、術はまともに使えんはずだ。雷鳴の中、踊るように焼け焦げて死ね!!』
しかし、
すなわち、時間稼ぎのためです。
口上の間に、半竜娘たちのうち術士組は、術の準備をしていました。
「……【
「もちろんじゃ!」 「承知したのじゃ!!」
「いい子 ね。マナの流れは、こっち、で つくる わ ね」
森人探検家が
分割詠唱による相乗により、上級の呪文を使おうというのです。
リードするのは、熟達の魔術師である魔女さんです。
三人の集中に伴って、瘴気溢れる中でも、確かにマナが高まっていきます。
しかし、瘴気がやはり邪魔をしているようです。
それを祓うは、文庫神官の役目です。
「では、私は、周囲の瘴気の浄化の準備を。――『蝋燭の番人よ、汚濁を取り除く我が手に、どうぞ一筋の灯火を』……」
そしていよいよ、森人探検家の返答に痺れを切らした
「―― 知識神様、御力を……【
ですが、異物を清める【浄化】の呪文であれば、瘴気を
マナの流れを阻害する瘴気が、文庫神官の祈りによって、きれいさっぱり消えていきます……!
しかし、瘴気の影響を逃れたマナを掌握するのに、あとほんの一瞬だけ足りません。
「雷か! それならちょーど良いぜ! チャクラム4つの空中回路でぐるぐる回ってな!」
しかしそこに、TS圃人斥候が、下水道で拾った
散らばった4枚のチャクラムが、迫る雷電の吐息を中間地点で惹き集めます。
空中に並んだ4枚のチャクラムの間を、雷が駆け巡り、ほんの一瞬だけ、その進行を遅らせました!
そして、その一瞬で十分でした。
三人の術士が、清浄になったマナを瞬時に掌握!
「
半竜娘の分身体が、力ある言葉を唱えます!
……あ、こっそりファンブルしてたみたいですが、森人探検家ちゃんの【逆転】で事なきを得ましたね……。
風の真言なので、交易神の助力との相性もばっちりです。「交易神さまに感謝なさいよ!」と森人探検家なら言うでしょうね。
「
半竜娘の本体が、それに続きます。
彼女たちがいま想像しているのは、かつて全てを薙ぎ払ったという、偉大なる祖竜の輝く息吹です。
「
最後に合わせて三人分のマナを、
練習ナシのぶっつけ本番ですが、熟練のウィッチは
「「「 【
全てを破壊する光が、激しい爆風とともに解放され、迫っていた雷電など歯牙にもかけず、すべてを呑み込んでいきます……!!
―― 『……ぐ、ぐぐ、ぐ』
そして破壊の嵐が去った後、小型竜は全て一掃され、
生きている敵は
それでいて広間の壁は壊れず、半竜娘たちも健在。あの魔法によってもたらされるエネルギーは、破壊すべきものとそうでないものを選り分けることが可能なようです。
その生き残った
体中の至る所が泡立ち、爛れてしまっていて、やがて死ぬのは、誰の目にも明らかです。
―― 『まさか、ここで、このような、試練が、ある、とは』
むしろ、これで殺しきれていないのが異常な状況です。
熟練の術者3人の術を束ねた【
―― 『だが、たとえ、死すとも、異界の、
なにか呪詛めいたことを言っていた
―― 『な、なんだ、こいつ……ぬわーーーーー!!??』
バリバリ グシャグシャ バキバキ ゴクン。
はい、
ではまた次回!!
卵から何が生まれるかとかその辺含めて、後始末のことは、次回、『30/n たまご騒動・裏』編で。
ちなみに、蜥蜴人の場合、族長の家系の一粒種(=王卵)は一個だけみたいですが、そうじゃない一般蜥蜴人の場合は、複数個産むんじゃないかと思われます。また、爬虫類や鳥では、数日おきに産卵するのは普通です。つまり、半竜娘ちゃんの産卵期は、まだ終わっていない……。
>半竜娘「うっ、またなんか、腹の中に違和感がきたのじゃ……ッ」
あれ、ということは、半竜娘ちゃんにも、同時期の同腹の卵から生まれた兄弟がいる可能性が……?
感想や評価&コメが誠に、まことに、ま こ と に、励みになっております! 感謝感激
◆◆◆ダイマ重点◆◆◆
原作最新14巻は、北の山の向こうの北海の話になるそうなので、ひょっとしたら
◆◆◆ダイマ重点◆◆◆