モブAから主人公へ   作:どごちゃん

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風邪で学校休んでしまったのでぼちぼち書き上げました。第二話です。それではどうぞ。


第二話――俺達の旅はこれからだ!

「では、乾幸馬くん。 お願いします」

 

はい、と言い立ち上がる。

 

「乾幸馬。 趣味は写真撮影です。 1年間宜しくお願いします。」

 

そして座る。たったこれだけの動作におよそ40人程の視線が刺さる様に向けられる。

俺は珍獣じゃ無いぞ。俺がまるで珍獣の様な扱いを受けているのはこの教室に男が二人しかいないからだ。その男も――

 

「織斑一夏です……以上です!」

 

クラスの全員がずっこけた。

直後、一閃、そして炸裂音。織斑は頭を抑えている。

 

「げぇっ!関羽!」

 

また一閃。

 

「全く、挨拶もまともに出来んのか」

「ち、千冬ねぇ」

 

そして一閃、炸裂

どうやら織斑一夏の姉らしい。何だかとても怖そ――

 

一閃、炸裂。違うのは俺の頭上で起きた事と俺の手で炸裂した事。炸裂していたのは出席簿だったんですね。クソ痛いです。

 

「先生……手が凄く痛いです。すっごく」

「ふん。そこそこ出来るようだな」

 

ナニアノヒトコワイ

 

 

 

 

 

その後は特に問題も起こらず滞りなく進み休み時間。織斑と会話をしたかったんだけど、どうやら彼女さんに連れて行かれた見たい。残念。

仕方ない、他の人と話そう。

と言っても皆遠巻きに見ているだけで誰も話し掛けては来ない。自分から行くか。

 

「こんにちは〜」

「ひぃっ!」

 

まさか悲鳴をあげられるとは……

これはこちらからは話し掛けないほうが良さそうだ。でもそうすると誰とも話せない予感……!

 

 

 

 

結局誰とも話せず1時間目。

ISの基礎中の基礎の話らしいが専門用語が飛び交い過ぎでとてつもなくわかり辛い、大体半分程。

それでもノートはとる。後で誰かに聞こうなんて考えながら。

あれ? でも友達がいないぞ?

何としても作らなくては。

あ、織斑が全て分からないとか言って出席簿アタック食らってる。

 

「おい、乾。 お前も分からないところはあるか?」

「大体半分程度理解できません」

「必読と書いてあったあの本は読んだんだろうな?」

「大体頭に入ってます」

「大体、ではなく全て頭に叩き込め!」

「は~い」

 

なかなかキツイこと言うねあの先生。

きっと軍の教官とかが向いてるよ。鬼教官。

 

 

 

 

 

1時間目も終わり、休み時間。

 

「おーい、織斑! 俺いぬ――」

「ちょっと宜しくて?」

 

今度こそ織斑と話そうと席に向かったのはいいがお嬢様言葉に遮られてしまった。

 

「ん? 何だ?」

「まぁ! 何ですその態度!このわたくしが話し掛けてあげているというのに」

 

何だか凄く面倒臭そう……あれ? 何処かで見たことあるなこの顔。

 

「あぁ! セシリア・オルコットだ!」

「あら? そちらの方は常識をわきまえてらっしゃるのね」

 

満足げにフフンとする。オルコットさん。何と言うか小物感が凄いします。そして織斑、面倒だからって逃げるな。俺一人に任せる気か。

「それで、 オルコットさんは一体どの様なご用件で?」

「ええ、そうでしたわ。あな――」

 

ここでチャイムが鳴り、休み時間は終了した。話を遮られ、何か言いたそうだったけど、

 

「あの鬼教官にバレる前に席に着いたら?」

 

の一言で自分の席に帰って行った。

これで一件落着!

 

「そうか、よかったな。馬鹿者」

 

今度は防げず、頭に直撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間目の授業もISについてだった。この学校こんなにISの事ばかりやって他の教科は大丈夫なの? かなり心配。

 

 

2時間目も特に滞り無く授業は終わり、再び織斑の所へ行くと、周りの女子たちがずっこけた。

 

「ねぇねぇ、一体何があったの?」

 

取り敢えず一番近くにいた子に話し掛ける。会話は大切だからね。

 

「あ、あ~織斑くんが、オルコットさんに代表候補生って何? って質問したんだ」

 

なるほど、理解。俺はその子に礼を言って、オルコットさんの所まで行く。

 

「そう!エリートなのですわ!」

 

うわぁ耳に響く声……女子特有のものだよね。これ。

話しかけようにも2人の会話はヒートアップし、中々話に入れない。

と、そこでオルコットさんが気がついたようで、

 

「あら?まだ常識のある方の――」

「乾幸馬だ。宜しく」

「幸馬さんね。宜しく」

 

高飛車なだけかと思いきや、案外普通の様。

 

「まぁ、ともかく、ISの事で分からない事があれば、まぁ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

凄いね〜。俺は相性が悪すぎて負けたよ。

だけど織斑は違うらしく、

 

「あれ?俺も倒したぞ、教官」

「は?」

 

どうやらそれが相当ショックらしく、目を見開くオルコットさん。ちょっと怖い。

 

「わ、わたくしだけだど聞きましたが?」

「女子ではってオチじゃねえの?」

 

その時、何かが割れる音がした。

 

「貴方!そう、貴方はどうなの!」

 

俺を指差し半分狂ったように尋ねるオルコットさんは、恐怖を通り越してる。

 

「俺? 残念ながら負けちゃったんだよね〜。あの教官は絶対にあの鬼教官だな」

 

そうに違いない。あの出席簿捌き、生身でISと戦った化物と同じにおいがする。

俺の一言に安心したのか、少し調子も戻った様子。

 

そして鳴り出す授業開始のチャイム。

鬼教官がやってくる。ヤァヤァヤァ。なんちゃって。

ガヤガヤしていた教室が鬼の登場により、静まり返る。音楽をかけるならター○ネーター だな。

そういえば1、2時間目は俺命名子供教師だったのに鬼に変わっている。余程大事な事があるのだろうか?

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

つまりどういう事だってばよ?

 

「そう言えば、授業の前にクラス対抗戦に出るクラス代表を決めようと思う」

 

この声で静まり返った教室に混沌が訪れる。

ところでクラス代表って何するんだ?そして各種装備の説明の説明も!

 

「先生!クラス代表って何をするんですか?」

 

俺の心を代弁する様に一人の女子が質問をする。

 

「クラス代表とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まぁ、早い話がクラス長だ。そして、クラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を図るものだ。今の時点で大した差はないが、競争は向上心を産む。一度決まれば一年間変更するつもりは無い」

 

要は面倒くさい仕事って事か。よし、俺パスで――

 

「はいっ! 乾君を推薦します!」

「俺ェ?」

「ちなみに自薦他薦は問わないぞ」

 

なんでや……もっといい人いるでしょ? ほら、オルコットさん自分の名前呼ばれないから泣きそうよ? 自尊心強そうだから自分から言えないのね……可哀想に。よし、ここは俺が流れを変えよう。

 

「じゃあ俺はオルコットさんに推薦します」

 

この一言で取り敢えず俺になる確率は1/2、織斑も推薦されたようなので1/3恐らく俺にはならないだろう。完璧だ。

 

「他にいないな?では――」

 

鬼が何か発するより早く、甲高い声が遮った。

 

「待ってください! 納得行きませんわ!」

 

机を叩き立ち上がったのは俺推薦オルコットさん。一体何が不満なの?

 

「そのような選出は認められません!大体男がクラス代表だなんて、いい恥さらしですわ! このわたくし、セシリア・オルコットにその様な屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

いいな、それ。

 

「ちょっとそそる。それ」

「貴方は黙っていて!」

 

いけないいけないついうっかり本音が出てしまった。

周りからはジトっとした目で見られるがそれはそれで興奮……ゲブンゲフン

 

「いいですか!? クラス代表とは実力トップがなるべき、そしてそれは私ですわ!」

 

演説に火がついたのか、オルコットの怒りは留まる事を知らない。

 

「大体、文化的にも後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては――」

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい飯で何年覇者だよ」

 

ここで織斑の反撃、見事に決まる。

やっちまったって顔の織斑。しかしもう遅い。

 

「あっ、あ、あなた! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

命名、激おこオルコット丸。

「決闘ですわ!」

「いいぜ。四の五の言うより話しが早い」

青春だねぇ。おじさんとっくの昔においてきちゃったよ。

 

結局どうやらこの二人は戦う模様で。よし、これで俺はフェードアウト――

 

「話はまとまったな。では来週の月曜日、放課後、第三アリーナにて勝負を行う。織斑、オルコット、乾は用意しておくように。以上、授業を始める」

 

 

え?俺もッスか

 

「待ってください!俺も参加するんですか!?」

「当たり前だろう」

 

そんなさも当たり前みたいな言い方……

 

鬼ぃいぃぃぃいぃいい

 

そう、心の中で叫ばざるおえなかった。

 

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