こんなありふれもありえた   作:ラプラスの悪魔

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ええと、サブタイトルからお分かりの通り。

「奈落に落ちたハジメ・優花・香織・雫」のエピソードを書きたくなったので。

ええ。副題通りですよ?(笑

希望が何かで、
結実した想いが何かは言う必要もないですね?


希望が生まれる為には、絶望が必要です。

何かを手にする為には、何らかの対価が必要になります。

奈落へと落ちた4人は何に絶望し、希望を生み出すことになるのか。

そのために支払うための対価とは一体何になるのか。



※case5-3では無く2.EXとしてるのは、前話の後書き通り、原作に置いてのクラスメイトサイドを書く予定がないからです。
(だってこの4人抜けた地上サイドは勇者(笑)の暴走とか、愛ちゃん護衛隊としての離脱メンバー増やしたりとか、教会(王国)からの離反ぐらいしか浮かばないんです。)


case5-2.EX 「奈落の底にて生まれた希望と結実する想い」

ザーッと水の流れる音が耳へと届く。

 

冷たい微風が頬を撫で、冷え切った体が身震いした。頬に当たる硬い感触と下半身の刺すような冷たい感触に「うっ」と呻き声を上げてハジメは目を覚ました。

 

ボーとする頭、ズキズキと痛む全身に眉根を寄せながら両腕に力を入れて上体を起こす。

 

「痛っ~、ここは……僕は確か……」

 

ふらつく頭を片手で押さえながら、記憶を辿りつつ辺りを見回す。

 

周りは薄暗いが緑光石の発光のおかげで何も見えないほどではない。視線の先には幅五メートル程の川があり、ハジメの下半身が浸かっていた。上半身が、突き出た川辺の岩に引っかかって乗り上げたようだ。

 

「そうだ……確か、橋が壊れて落ちたんだ。……それで……」

 

霧がかかったようだった頭が回転を始める。

 

「!!!優花さんと白崎さんと八重樫さんは!!!」

 

そう、あの時の崩落で一緒に落ちた筈の3人を思い出し、焦りながら辺りを見回すハジメ。

 

だが見回すまでも無く、ハジメの右手の側には香織が。左手の側には雫が。二人と自分に覆い被さるように優花がいた。

 

3人共普通に呼吸はしているし、大きな怪我をしているようには見えなかったのでホッと一安心したが、川に浸かったままだと低体温症になる恐れもあると危惧したハジメは、3人を何とか起こすことにした。

 

「優花さん!白崎さん!八重樫さん!起きて!」

 

「・・・うぅん、ハジメ・・・?無事だったのね!?」と優花が、

 

「・・・ぁ、は、ハジメ君!?良かったよぅ!」と涙目の香織が、

 

「・・・あ、ハジメ君。皆無事だったのね。」と辺りを見回しながら雫が目を覚ました。

 

「うん、何とかね。無事を喜び合いたいのは僕もなんだけど、優花さんか白崎さんに"火種"の魔法をお願いしたくて。水の中で浸かってせいか皆冷え切ってるし。」

 

そう言われて3人は川の中に浸かっているという現状を認識できたのか、4人で急いで川から上がる。

 

川の近くの岩辺にて、「「"火種"」」と優花と香織が火を起こす。

 

4人でその火種を囲う様にして体と服を乾かすために暖をとっていた。

 

その際に、ハジメが突然背中を向けたので3人はキョトンとしながら「何事?」と思いつつ互いを見回す事で現状を認識した。

 

そう、水の中に浸かっていたので4人共服が濡れている(・・・・・・・・)のである。香織は法衣の様な薄手の白地ベースの服、雫と優花は前衛として動きやすい様な比較的軽装と言えるような格好で。

 

「ハジメ、気にしなくていいわ。緊急事態なんだし。」と頬を赤くしながら優花が一番先に服を乾かすために脱ぐ。

 

「ゆ、優花ちゃん!?そ、そうだよハジメ君!気にしないで大丈夫!」と優花より頬を赤くした香織も続く。

 

「ハ、ハジメ君。気を遣ってくれるのは嬉しいけど、それで貴方に何かあったほうが困るわ。」と耳まで赤くした雫も続く。

 

そんな事を言われても、振り向けないハジメ。背中を向けた状態のまま無言で服を脱いで、そのまま暖をとっている。

 

「「「・・・ハジメ(君)。」」」 3人の声が重なる。優花は元より香織と雫の声音も、もはや愛しい者を呼ぶ様な響きである。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

結局の所、服が乾き身体が温まるまでハジメが一度も振り向くことも無く。

3人が乾いた服を着終えて身支度が終わるまでずっと背を向けたままで、その後にハジメも乾いた服を着た。

その際にハジメに向けられていた3人の眼差しはとても暖かく、愛情や色々な好感情だけが含まれたものだった。

勿論背を向けていたハジメは気付ける訳がないのだが。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

現在いる場所がオルクス大迷宮であることには間違いないが、何階層かもわからずいつ何処から魔物が襲ってきてもおかしくはないので4人は周囲を警戒しながら探索することにした。

 

クラスメイトや団長達と共に進んできた階層と違い、天然の洞窟とも思える通路を慎重に障害物に隠れながら何とか進んでいった。

 

ハジメを先頭に、左翼を雫が右翼を優花が後衛として香織が。

(※この陣形を決める際に、非戦闘職であるハジメを先頭に立たせる事に猛反発した雫と優花だがハジメは頑なとして譲らなかった一幕があったのは別の話。)

 

そうして4人が疲労を感じ始めた頃、巨大な四辻へと辿り着いた。

 

岩陰に隠れるようにしながらどの道に進むべきか相談しようとしたその時、ハジメ達4人の眼前方向にある道の方で白い毛玉みたいな何かが動いてるのが視界に入った。

 

・・・そう。「蹴りウサギ」と後に呼ばれることになる、中型犬ぐらいのサイズがあるウサギ。

 

あからさまに不気味でヤバそうな魔物がいる前方は諦めて、距離の遠そうな右側の方に4人が進もうとしたその時。

 

蹴りウサギが何かを警戒する仕草を見せていたので、慌てて隠れ直す様な体制で4人が様子を見ていたら

 

「グルルゥアア!」と獣の雄叫びを上げた尾が二本ある狼が合計三体タイミングを計らう様に蹴りウサギに襲いかかった。

 

それを見ていた4人は間違いなく、二尾狼によるウサギの捕食が行われると思っていた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

蹴りウサギが二尾狼を圧倒し勝利の雄叫び?をあげた所と、

その時の全員の心情が

(う、嘘でしょ?嘘だと言ってくださいお願いします。)と神に祈るような気持ちで一致していたことは言うまでもない。

※もちろん、心情的な神であって決してエヒトではない。というのは付け加えておきましょう。

 

恐怖心から無意識に後ずさった4人が蹴飛ばしてしまった小石か何かで蹴りウサギに気づかれ襲われハジメの左腕が粉砕される所、

(その際、他の3人を無意識化で庇いながらだったためハジメ以外はコレと言った負傷はしていない。)

その後爪熊が現れ、蹴りウサギを圧倒し捕食し、4人を視界に収め次はお前たちだと言わんばかりの目を向けられて恐慌状態に陥った香織と雫が思わず逃げ出そうとする。

その辺りまでは原作通りの流れとほぼ(・・)と変わりません。

ただ、優花だけは崩落前にトラウムソルジャーに殺されかけた恐怖から腰を抜かしてしまっていたという状態が追加されます。

もちろんその状況下で爪熊のターゲットにされるのはハジメでは無く優花へと変わります。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「優花!!!!」

 

と叫びながらハジメが優花を庇い共に吹き飛ばされ、ハジメの左腕が咀嚼されるそんな展開へ。

 

その際に、背後の壁を「錬成」で開き、香織・雫・優花を先に押し込むようにし、ハジメ自身も恐怖と痛みと生存本能と3人を死なせるわけにいかないと言う防衛本能から

 

出血多量で意識を失うその直前まで錬成を繰り返し続け、何とか3人と自分が最低限動けるだけの空間を作り出し意識を手放す前に走馬灯の様に思い浮かんだ映像は。

 

トータスに召喚される前日の夜、ウィステリアにて交わした優花との何気ない会話。

 

そして、月明かりの元での香織と雫との会話。そして約束をした時のその笑顔。

 

その輝かしい映像の消失と共にハジメは完全に意識を手放した。その直前にぴたっぴたっと頬に水滴を感じた。

 

それはまるで、誰かの流した涙のようだった。

 

 

その後に、

 

 

「ハジメぇぇ!!!」と優花の泣き叫ぶ声。

 

「ハジメ君!!!香織ぃ!治癒魔法を!急いでぇ!」と涙を流しながら叫ぶ雫。

 

「ハジメ君!!!出血は止まったけど!身体がどんどん冷たくなっていくの!と号泣し叫ぶ香織。

 

その香織の言葉を聞いた瞬間に、優花はハジメの胸元へと抱きつきこの場で共に死ぬ覚悟を決めた。

 

それを見た香織と雫も優花の決意を理解し、ハジメと優花を抱きしめるようにし優花と同じ覚悟を決めていた。

 

そして、ハジメに続いて3人もまた意識を手放した。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

この後のハジメの神水による復活から、優花・香織・雫に対する想いの理解。

優花・香織・雫からの想いの告白。それに対するハジメの返答。

共に生き延び、元の世界へと帰るために神水服用での魔物を食す事による苦痛と変貌。

(もちろん、爪熊で心折られてるので精神的な変貌も含んでます。)

※前話で言及してませんが、ハジメが奈落に落ちた(落とされた)理由は4人共、糞野郎(檜山)であると理解しています。勿論、明確なる殺意も。原作ではハジメ一人なのでどうでもいいと放棄してますが。ハジメ嫁である3人がそれを認めるわけありませんね?(ガクガクブルブル

 

で、奈落を共に攻略していく所は原作と変えようがありませんので・・・。(汗

ただし、完全戦闘職な雫と完全後衛職な香織とどっちにも回れそうな優花。

・・・そう、優花がいるのです。ウィステリア継ぐ意志を持つ料理上手な優花が。

血抜きや解体等した事は無くても知識があれば出来なくも無さそうなので食生活はマシになるかもです。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




読んでいただけたらお分かり頂けたと思いますが、

絶望は原作通り、「ハジメの左腕の消失」と「生存への意志の放棄」です。

希望は、「ハジメの復活」と「新たなる力の獲得」と「最後まで共にという確固たる意志」です。

支払った対価とは、「ハジメの左腕」「容姿の変貌」「日本における常識感の放棄=自分達に敵対する者への明確なる殺意」など、挙げればきりがありません。

やっぱりハジメはカッコよく書かなきゃ、という筆者の独断偏見の元。
無意識下で3人の女の子かばうとか。
ちょっと濡れs(ryてる女の子達に何も言わず背を向けて目をそらす紳士っぷりとか。
爪熊に対して恐慌状態に陥らず、優花を庇うとか。
もう勇者(笑)とか比較対象にならないぐらい「カッコいい」ですよね?
唯でさえ好意持ってる男の子にそんなふうに守られたら、

「ほれてまうやろー」ですよね!?(笑

結実した想いの部分は要所要所で匂わせたラブ臭(ぇ?
と書く予定が100%ない(書ける才能もないです)ユエ合流後のヒュドラ撃破以降オスカーの隠れ家でのR-18指定受けんだろゴラァ!となる5人の甘々生活など、
想像で何とかしてくださいね?(ぉぃ と丸投げです。

今回のcaseはセリフや描写を極力省いた事もありとても短いですが、
結構頭を捻らせながら書いたつもりです。

ちなみに本文の最後に書き足した通り、3人が加わった事による要素以外の変化は原作通りのままなので続きはないです。

書くとしたら、隠れ家脱出後のシア合流以降からとかになるでしょうかね?
・・・多分書けませんので、期待はしないでお待ち下さい。

次は・・・思い切ってリリィルートとか構想してみましょうか(自爆
・・・ぇ?原作それ何?美味しいの?って状態になりそうですけど。
それもまた、期待しないでお待ち下さい。

優花本妻ルートのハジメヒロイン枠についてですが、原作通りに進んだら……ユエしかひんぬー枠がいないのです(笑) なのでひんぬー枠ヒロイン追加は必要かのアンケートとなります。一応次のライセン大迷宮攻略話を書くだろう期間までとなります。(いつ頃かは未定)

  • ミレディもひんぬー枠ヒロインに入れよう!
  • 奈々っていうひんぬー枠が入るからいらない
  • 愛ちゃんと奈々も入るからもう良くない?
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