現在の同行者は、「優花・香織・雫・ユエ・シア・ハウリアの助かった面々」です。
この樹海での出来事は、前3人の原作から見たイレギュラー組がいる事でどう変わるでしょうか?
まぁサブタイトル通り…って事で期待しておいてください(ぇ?
※シア以外のハウリアは原作通り同行することはないので、
そこを期待してしまった方は大変申し訳ありませんm(__)m
あとは本編で語りましょうか。
※世間では、未だ新形コロナで騒がしく大変な状況ですが……。それよりも何よりも暑い!!!
皆様、体調崩されたりしていないでしょうか。
私は、暑さでPCと一緒に熱暴走しそうです\(^o^)/
(熱中症とか脱水状態にならないよう水分と塩分はとってるので、健康的には問題ありません。ただ、暑くてダレているだけですよ(´・ω・`))
この話は、熱帯夜状態な中書き上げた物なので……。
しつこいようですが、優しい目で読んであげてください。(懇願)
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ハルツィナ樹海へ到着後、ハウリア族の案内で大樹「ウーア・アルト」へ向かうのは変わらず。
道中、ハジメ達の実力にシアやハウリア族が何処か複雑そうな感じになるのも変わらず。
あっさりと魔物を撃退するところから、虎人族(フェアベルゲン第二警備隊隊長)に出会うとこも変わらず。
ハジメ達が恐喝的な威嚇をして、ハウリアを守るところも変わらず。
長老達に伝令を出すために一人を見逃し、その待っている間に…優花と香織と雫とイチャつき。
それを見たユエとシアが私達も…っと苦笑いしながら亜人族達に呆れられ。
調子に乗ったシアが優花と香織と雫に制裁を食らっていた辺りまでは変わりません。
長老集の代表としてアルフレリックが来る所に、孫娘のアルテナが付いて来ていた所から始まります。
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霧の奥からは、数人の新たな亜人達が現れた。
彼等の中央にいる初老の男と隣にいる少女が特に目を引く。
流れる美しい金髪に深い知性を備える碧眼、その身は細く吹けば飛んで行きそうな軽さを感じさせる。
威厳に満ちた容貌は幾分シワが刻まれているものの、逆にそれがアクセントとなって美しさを引き上げていた。
何より特徴的なのがその尖った長耳だ。彼は、森人族なのだろう。
同じく隣に立つのは、足元まである長く美しい金髪を波打たせたスレンダーな碧眼の美少女だった。
耳がスッと長く尖っているので森人族ということが分かる。
どこか初老の男と同じ雰囲気を感じさせるので、家族なのだろうなとハジメ達はそう感じた。
「ふむ、お前さんが問題の人間族達かね?名は何という?」
「ハジメだ。南雲ハジメ。あんたは?」
「優花。園部優花よ。」
「雫よ。八重樫雫。」
「えっと、香織です。白崎香織。」
「……ユエ。」
香織以外のハジメ達の言葉遣いに、周囲の亜人が長老に何て態度を!と憤りを見せる。
「私は、アルフレリック・ハイピスト。フェアベルゲンの長老の座を一つ預からせてもらっている、隣にいるのは孫娘のアルテナだ。
さて、お前さんの要求は聞いているのだが……その前に聞かせてもらいたい。〝解放者〟とは何処で知った?」
「初めまして、アルテナ・ハイピストです。祖父に無理を言って付いて来てしまいした。」
「うん?オルクス大迷宮の奈落の底、解放者の一人、オスカー・オルクスの隠れ家だ」
「「「そうだ(ね、わ)、黒眼鏡をかけた人間族のお兄さんっぽい人だったね。」」」
「……ん。」
アルフレリックの方も表情には出さないものの内心は驚愕していた。
なぜなら、解放者という単語と、その一人が〝オスカー・オルクス〟という名であることは、長老達と極僅かな側近しか知らない事だからだ。
アルテナは???と疑問顔を浮かべていた。美少女エルフがやると何か絵になる……コホン
「ふむ、奈落の底か。聞いたことがないがな…証明できるか?」
ハジメは難しい表情をする。証明しろと言われても、すぐ示せるものは自身の強さくらいだ。
首を捻るハジメに優花達が提案する。
「ハジメ、オスカー・オルクスの遺品はどう?」
「ハジメ君、オルクスで取れた魔石とかなら?」
「ハジメ君、オスカーさんが付けていた指輪なら?」
「…ん、どうせだから全部見せればいい。」
「ああ!そうだな、それなら…」
ポンと手を叩き、〝宝物庫〟から地上の魔物では有り得ないほどの質を誇る魔石をいくつか取り出し、アルフレリックに渡す。
「こ、これは……こんな純度の魔石、見たことがないぞ。」
そう声を上げたのはアルフレリックの隣にいた虎人族の一人だった。
「後はこれ。一応、オスカーが付けていた指輪なんだが…。」とアルテナに渡した。
何を勘違いしたのか、アルテナは微妙に頬を赤く染めていた。
アルフレリックは、その指輪に刻まれた紋章を見て目を見開いた。そして、気持ちを落ち付かせるようにゆっくり息を吐く。
「なるほど…確かに、お前さんはオスカー・オルクスの隠れ家にたどり着いたようだ。他にも色々気になるところはあるが…よかろう。
取り敢えずフェアベルゲンに来るがいい。私の名で滞在を許そう。ああ、もちろんハウリア族も一緒にな。」
アルフレリックの言葉に、周囲の亜人族達だけでなくカム達ハウリアも驚愕の表情を浮かべた。
虎の亜人を筆頭に、猛烈に抗議の声があがる。それも当然だろう。
かつて、フェアベルゲンに人間族が招かれたことなど無かったのだから。
アルテナだけは、年の近い(ように見える)少女達やシアと話す機会が持てそうだと…喜びの顔を浮かべていたのは誰も知らない。
「彼等は客人として扱わねばならん。その資格を持っているのでな。それが長老の座に就いた者にのみ伝えられる掟の一つなのだ」
アルフレリックが厳しい表情で周囲の亜人達を宥める。しかし、今度はハジメの方が抗議の声を上げた。
「待て。何勝手に俺の予定を決めてるんだ?俺は大樹に用があるのであって、フェアベルゲンに興味はない。問題ないなら、このまま大樹に向かわせてもらう」
「いや、お前さん。それは無理だ」とアルフレリックが言う。
「なんだと?」あくまで邪魔する気か?と身構えるハジメに、むしろアルフレリックの方が困惑したように返した。
「大樹の周囲は特に霧が濃くてな、亜人族でも方角を見失う。一定周期で霧が弱まるから、大樹の下へ行くにはその時でなければならん。
次に行けるようになるのは十日後だ。…亜人族なら誰でも知っているはずだが…。」
アルフレリックは、「今すぐ行ってどうする気だ?」とハジメを見たあと、案内役のカムを見た。
ハジメは、聞かされた事実にポカンとした後、アルフレリックと同じようにカムを見た。そのカムはと言えば…。
「あっ」
まさに、今思い出したという表情をしていた。ハジメ達の額に青筋が浮かぶ。
「「「「「カム?(さん?)」」」」」一応さん付けで呼んだのは香織だ。
その後、言い訳するカムとソレをジト目で見るハジメ達。
カムが逆ギレしてシアや同胞に言い訳するのを見てシアも逆ギレし、
他の兎人族がさりげなく責任を擦り付ける所や、
「ハジメ達の容赦のなさを理由に」連帯責任で互いに責任を擦り付け合うハウリア達。
……流石、シアの家族である。総じて、残念なウサギばかりだったという事実。
青筋を浮かべたハジメが、一言ポツリと呟く。
「……優花、香織、雫、ユエ」
「…ん」
「「………覚悟はいい?(かしら?)」」
「……フェアベルゲンや周囲が大変そうだから結界張っとくね?」
ハジメ達の言葉に一歩前に出た優花とユエがスっと右手を掲げた。
雫は、右手を腰の刀に既に置いて、抜刀術の構えをしている。
香織は、既に結界を張る準備を終えたようだ。
それに気がついたハウリア達の表情が引き攣る。
喧々囂々と騒ぐハウリア達に薄く笑い、優花とユエは静かに呟いた。
香織は苦笑いを浮かべ、呟いた。
雫はとてもいい笑顔だった。目が笑っていなかったが。
「〝聖絶〟」と香織。
「〝嵐帝〟」とユエ。
「〝緋槍〟」と優花。
「--八重樫流抜刀術…霞穿」と雫。
――――アッーーーー!!!
天高く舞い上がるウサミミ達。舞い上がった所に優花の緋槍が。更に落下してきて射程距離に入ったその瞬間に雫の神速の三段構えの突き。
樹海に彼等の悲鳴が木霊する。同胞が攻撃を受けたはずなのに、アルフレリックを含む周囲の亜人達の表情に敵意はなかった。
むしろ呆れた表情で天を仰いでいる。彼等の表情が、何より雄弁にハウリア族の残念さを示していた。
アルテナだけは何故か楽しそうな顔で見ていたが…。
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ここからフェアベルゲンに案内されるまでは変わりません。
アルフレリックによるフェアドレン水晶の効果の説明等や
フェアベルゲンの門に到着した時の事やフェアベルゲンの亜人族がハジメ達に敵を向けていること。
フェアベルゲンの内部を見て、ハジメ達がその街の光景に見蕩れてしまう事。
ハジメ達が素直に称賛する事によって、周囲の亜人族達がケモミミや尻尾を振って喜びを表す事。
ハジメ達はフェアベルゲンの住人に好奇と忌避、あるいは困惑と憎悪といった様々な視線を向けられながら、
アルフレリックが用意した場所に向かった。
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「……なるほど。試練に神代魔法、それに神の盤上か……」
ハジメ達は、アルフレリックと向かい合って話をしていた。隣にはアルテナもいる。
内容は、ハジメ達がオスカー・オルクスに聞いた〝解放者〟のことや神代魔法のこと、
自分が異世界の人間であり、七大迷宮を攻略すれば故郷へ帰るための神代魔法が手に入るかもしれないこと等だ。
アルフレリックは、この世界の神の話を聞いても顔色を変えたりはしなかった。
不思議に思ってハジメが尋ねると、「この世界は亜人族に優しくはない、今更だ」という答えが返ってきた。
神が狂っていようがいまいが、亜人族の現状は変わらないということらしい。
聖教教会の権威もないこの場所では信仰心もないようだ。あるとすれば自然への感謝の念だという。
アルテナは、何故かハジメの方をジーッと見つめるようにしながら話を聞いていたようだが。
ハジメ達の話を聞いたアルフレリックは、フェアベルゲンの長老の座に就いた者に伝えられる掟を話した。
それは、この樹海の地に七大迷宮を示す紋章を持つ者が現れたらそれがどのような者であれ敵対しないこと。
そして、その者を気に入ったのなら望む場所に連れて行くことという何とも抽象的な口伝だった。
【ハルツィナ樹海】の大迷宮の創始者リューティリス・ハルツィナが、自分が〝解放者〟という存在である事と、仲間の名前と共に伝えたものなのだという。
フェアベルゲンという国ができる前からこの地に住んでいた一族が延々と伝えてきたのだとか。
最初の敵対せずというのは、大迷宮の試練を越えた者の実力が途轍もないことを知っているからこその忠告だ。
そして、オルクスの指輪の紋章にアルフレリックが反応したのは、大樹の根元に七つの紋章が刻まれた石碑があり、その内の一つと同じだったからだそうだ。
「それで、俺達は資格を持っているというわけか……」
アルフレリックの説明により、人間を亜人族の本拠地に招き入れた理由がわかった。
しかし、全ての亜人族がそんな事情を知っているわけではないはずなので、今後の話をする必要がある。
そうハジメ達とアルフレリックが、話を詰めようとしたその時、何やら階下が騒がしくなった。
ハジメ達のいる場所は最上階にあたり、階下にはシア達ハウリア族が待機している。
どうやら、彼女達が誰かと争っているようだ。ハジメ達とアルフレリックとアルテナは顔を見合わせ、同時に立ち上がった。
階下では、熊人族や虎人族、狐人族、翼人族、土人族が剣呑な眼差しでハウリア族を睨みつけていた。
部屋の隅で縮こまり、カムが必死にシアを庇っている。シアもカムも頬が腫れている事から既に殴られた後のようだ。
ハジメ達が階段から降りてくると、彼等は一斉に鋭い視線を送った。熊の亜人が剣呑さを声に乗せて発言する。
「アルフレリック……貴様、どういうつもりだ。なぜ人間を招き入れた?こいつら兎人族もだ。
忌み子にこの地を踏ませるなど……返答によっては、長老会議にて貴様に処分を下すことになるぞ?」
「!?」アルテナはその言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべていた。
必死に激情を抑えているのだろう。拳を握りわなわなと震えている。
やはり、亜人族にとって人間族は不倶戴天の敵なのだ。
しかも、忌み子と彼女を匿った罪があるハウリア族まで招き入れた。熊の亜人だけでなく他の亜人達もアルフレリックを睨んでいる。
しかし、アルフレリックはどこ吹く風といった様子だ。
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ここから長老衆の口論。
熊の亜人、長老ジンの暴走。
ハジメの力の発露、ジンの粛清。
敵対行動を取る長老衆への殺意を宿らせた視線での展開までは原作通り。
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「で?お前らは俺達の敵か?」
その言葉に、頷けるものはいなかった。
ハジメが熊の亜人を吹き飛ばした後、アルフレリックが何とか執り成しハジメによる蹂躙劇は回避された。
熊の亜人は内臓破裂、ほぼ全身の骨が粉砕骨折という危険な状態であったが、何とか一命は取り留めたらしい。高価な回復薬を湯水の如く使ったようだ。
もっとも、もう二度と戦士として戦うことはできないようだが……。
現在、当代の長老衆である虎人族のゼル、翼人族のマオ、狐人族のルア、土人族のグゼ、そして森人族のアルフレリックと補佐としてアルテナが、ハジメと向かい合って座っていた。
ハジメの傍らには優花、香織、雫、ユエとカム、シアが座りその後ろにハウリア族が固まって座っている。
長老衆の表情は、アルフレリックを除いて緊張感で強ばっていた。戦闘力では一,二を争う程の手練だったジン(熊の亜人)が文字通り手も足も出ず瞬殺されたのであるから無理もない。
「で?あんた達は俺達をどうしたいんだ?俺達は大樹の下へ行きたいだけで、邪魔しなければ敵対することもないんだが……。亜人族としての意思を統一してくれないと、いざって時、何処までやっていいかわからないのは不味いだろう?あんた達的に。殺し合いの最中、敵味方の区別に配慮する程、俺達はお人好しじゃないぞ。」
ハジメの言葉に身を強ばらせる長老衆。言外に、亜人族全体との戦争も辞さないという意志が込められていることに気がついたのだろう。
アルテナは何故かドキドキワクワクしているようだった。
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土人族の長老クゼが、ハジメと口論する。
長老のあんた達が、罪過の判断を下すなら立場をはき違えるな!と。
狐人族の長老ルアは、ハジメを口伝の資格者と認める。
翼人族の長老マオ、虎人族の長老ゼルも相当思うところはあるようだが、同意を示した。
代表してアルフレリックがハジメに伝える。
亜人族は人間族をよく思っていないから、敵対しないという事は厳命するが、従わないもので手を出した者を殺さないで欲しいと。
だがハジメはそれを断る。見逃した者たちが優花達やユエに牙を向かないとも限らないからだ。
それに対して、虎人族のゼルが口を挟んだ。
口伝の一部分の「気に入らないものを案内しなくてもよい」という部分だけ都合解釈して言う。
ハジメは案内はハウリア族に任せるつもりであったので何言ってんだ?コイツ的な表情になる。
その直後、ゼルの言葉で彼の真意が明らかになった。…という所までは原作通り。
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「ハウリア族に案内してもらえるとは思わないことだ。そいつらは罪人。フェアベルゲンの掟に基づいて裁きを与える。何があって同道していたのか知らんが、ここでお別れだ。忌まわしき魔物の性質を持つ子とそれを匿った罪。フェアベルゲンを危険に晒したも同然なのだ。既に長老会議で処刑処分が下っている。」
ゼルの言葉にシアは泣きそうな表情で震え、カム達は一様に諦めたような表情をしている。この期に及んで、誰もシアを責めないのだから情の深さは折紙付きだ。
「長老様方!どうか、どうか一族だけはご寛恕を!どうか!」
「シア!止めなさい!皆覚悟は出来ている。お前には何の落ち度もないのだ。そんな家族を見捨ててまで生きたいとは思わない。ハウリア族の皆で何度も何度も話し合って決めたことなのだ。お前が気に病む必要はない」
「でも、父様!」
土下座しながら必死に寛恕を請うシアだったが、ゼルの言葉に容赦はなかった。…アルテナは泣きそうな顔でシアを見ている。
「既に決定したことだ。ハウリア族は全員処刑する。フェアベルゲンを謀らなければ忌み子の追放だけで済んだかもしれんのにな。」
ワッと泣き出すシア。それをカム達は優しく慰めた。長老会議で決定したというのは本当なのだろう。他の長老達も何も言わなかった。
おそらく忌み子であるということよりも、そのような危険因子をフェアベルゲンの傍に隠し続けたという事実が罪を重くしたのだろう。
ハウリア族の家族を想う気持ちが事態の悪化を招いたとも言える…何とも皮肉な話だ。
「そういうわけだ。これで、貴様が大樹に行く方法は途絶えたわけだが?どうする?運良くたどり着く可能性に賭けてみるか?」
それが嫌なら、こちらの要求を飲めと言外に伝えてくるゼル。他の長老衆も異論はないようだ。…アルテナだけは文句を言いたそうな顔をしているが。
しかし、ハジメ達は特に焦りを浮かべることも苦い表情を見せることもなく、何でもない様に軽く返した。
「お前、アホだろ?」とハジメ。
「救いようが無いアホだわ。」と優花。
「…回復魔法いります?脳に。」と香織。
「呆れて物も言えないわ。」と雫。
「んっ、愚か者。」とユエ。
「な、なんだと!」ハジメ達の物言いに、目を釣り上げるゼル。
シア達も思わずと言った風にハジメを見る。
「俺達はお前らの事情なんて関係ないって言ったんだ。"俺からこいつらを奪う"ってことは、結局俺の行く道を阻んでいるのと変わらないだろうが!」
ハジメは長老衆を睥睨しながら、スっと伸ばした手を泣き崩れているシアの頭に乗せた。ピクッと体を震わせ、ハジメを見上げるシア。
「"俺からこいつらを奪おう"ってんなら……覚悟を決めろ。」
「ハジメさん……」
ハジメにとって今の言葉は単純に自分の邪魔をすることは許さないという意味でそれ以上ではないだろう。
それでもハウリア族を死なせないために亜人族の本拠地フェアベルゲンとの戦争も辞さないという言葉は、その意志は絶望に沈むシアの心を真っ直ぐに貫いた。
……………それを物凄く羨ましそうな顔で、アルテナが、見ている!!
「本気かね?」アルフレリックが誤魔化しは許さないとばかりに鋭い眼光でハジメを射貫く。
「当然だ」しかし全く揺るがないハジメ。そこに不退転の決意が見て取れる。この世界に対して自重しない、邪魔するものには妥協も容赦もしない。奈落の底で言葉にした決意だ。
「フェアベルゲンから案内を出すと言っても?」
ハウリア族の処刑は、長老会議で決定したことだ。それを、言ってみれば脅しに屈して覆すことは国の威信に関わる。
今後、ハジメ達を襲うかもしれない者達の助命を引き出すための交渉材料である案内人というカードを切ってでも、長老会議の決定を覆すわけにはいかない。
故に、アルフレリックは提案した。しかし、ハジメは交渉の余地などないと言わんばかりにはっきりと告げる。
「何度も言わせるな。俺達の案内人はハウリアだ」
「なぜ彼等にこだわる。大樹に行きたいだけなら案内人は誰でもよかろう?」
アルフレリックの言葉にハジメは面倒そうな表情を浮かべつつ、シアをチラリと見た。
先程からずっとハジメを見ていたシアはその視線に気がつき、一瞬目が合う。
すると僅かに心臓が跳ねたのを感じた。視線は直ぐに逸れたが、シアの鼓動だけは高まり続ける。
「約束したからな。案内と引き換えに助けてやるって」
「……約束か。それならもう果たしたと考えてもいいのではないか?峡谷の魔物からも帝国兵からも守ったのだろう?なら、あとは報酬として案内を受けるだけだ。報酬を渡す者が変わるだけで問題なかろう。」
「問題大ありだ。案内するまで身の安全を確保するってのが約束なんだよ。途中でいい条件が出てきたからって、ポイ捨てして鞍替えなんざ…」
ハジメは一度言葉を切って今度は優花達を見た。優花達もハジメを見ており目が合うと僅かに微笑む。
それに苦笑いしながら肩を竦めたハジメはアルフレリックに向き合い告げた。
「格好悪いだろ?」
闇討ち、不意打ち、騙し討ち、卑怯、卑劣に嘘、ハッタリ。
殺し合いにおいて、ハジメはこれらを悪いとは思わない。生き残るために必要なら何の躊躇いもなく実行して見せるだろう。
しかし、だからこそ、殺し合い以外では守るべき仁義くらいは守りたい。それすら出来なければ本当に唯の外道である。
ハジメも男だ。奈落の底で確かめあった優花達の想いや、その彼女たちがつなぎ止めてくれた一線を自ら越えるような醜態は晒したくない。
ハジメに引く気がないと悟ったのか、アルフレリックが深々と溜息を吐く。
他の長老衆がどうするんだと顔を見合わせた。しばらく静寂が辺りを包み、やがてアルフレリックがどこか疲れた表情で提案した。
「ならば、お前さんの奴隷ということにでもしておこう。フェアベルゲンの掟では、樹海の外に出て帰ってこなかった者、奴隷として捕まったことが確定した者は死んだものとして扱う。樹海の深い霧の中なら我らにも勝機はあるが、外では魔法を扱う者に勝機はほぼない。故に、無闇に後を追って被害が拡大せぬように死亡と見なして後追いを禁じているのだ。…既に死亡と見なしたものを処刑はできまい。」
「アルフレリック!それでは!」完全に屁理屈である。当然、他の長老衆がギョッとした表情を向ける。ゼルに到っては思わず身を乗り出して抗議の声を上げた。
「ゼル。わかっているだろう。この少年が引かないこともその力の大きさも。ハウリア族を処刑すれば確実に敵対することになる。その場合、どれだけの犠牲が出るか……長老の一人として、そのような危険は断じて犯せん」
「しかし、それでは示しがつかん!力に屈して、化物の子やそれに与するものを野放しにしたと噂が広まれば、長老会議の威信は地に落ちるぞ!」
「だが……」
ゼルとアルフレリックが議論を交わし、他の長老衆も加わって場は喧々囂々の有様となった。
やはり、危険因子とそれに与するものを見逃すということが、既になされた処断と相まって簡単にはできないようだ。
悪しき前例の成立や長老会議の威信失墜など様々な思惑があるのだろう。
だが、そんな中、ハジメが敢えて空気を読まずに発言する。
「ああ~、盛り上がっているところ悪いが、シアを見逃すことについては今更だと思うぞ?」
ハジメの言葉に、ピタリと議論が止まり、どういうことだと長老衆がハジメに視線を転じる。
ハジメはおもむろに右腕の袖を捲ると魔力の直接操作を行った。すると右腕の皮膚の内側に薄らと赤い線が浮かび上がる。さらに〝纏雷〟を使用して右手にスパークが走る。
それを見た優花も香織も雫も同じように〝纏雷〟でスパークを走らせた。ユエは無詠唱で「天絶」と呟いた。
長老衆はハジメ達のその異様に目を見開いた。そして詠唱も魔法陣もなく魔法を発動したことに驚愕を表にする。
ジンを倒したのは左腕の義手型アーティファクトだけのせいだと思っていたのだ。
「俺達もシアと同じように、魔力の直接操作ができるし固有魔法も使える。次いでに言えばこっちのユエもな。あんた達のいう化物ってことだ。だが、口伝では〝それがどのような者であれ敵対するな〟ってあるんだろ?掟に従うなら、いずれにしろあんた達は化物を見逃さなくちゃならないんだ。シア一人見逃すくらい今更だと思うけどな。」
しばらく硬直していた長老衆だが、やがて顔を見合わせヒソヒソと話し始めた。そして、結論が出たのか、代表してアルフレリックが、それはもう深々と溜息を吐きながら長老会議の決定を告げる。
「はぁ~、ハウリア族は忌み子シア・ハウリアを筆頭に、同じく忌み子である南雲ハジメ達の身内と見なす。そして資格者南雲ハジメ達に対しては敵対はしないが、フェアベルゲンや周辺の集落への立ち入りを禁ずる。以降、南雲ハジメ達に手を出した場合は全て自己責任とする……以上だ。何かあるか?」
「いや、何度も言うが俺は大樹に行ければいいんだ。こいつらの案内でな。文句はねぇよ」
「……そうか。ならば、早々に立ち去ってくれるか。ようやく現れた口伝の資格者を歓迎できないのは心苦しいが……。」
「気にしないでくれ。全部譲れないこととは言え、相当無茶言ってる自覚はあるんだ。むしろ理性的な判断をしてくれて有り難いくらいだよ。」
ハジメの言葉に苦笑いするアルフレリック。他の長老達は渋い表情か疲れたような表情だ。
恨み辛みというより、さっさとどっか行ってくれ!という雰囲気である。その様子に肩を竦めるハジメは優花達やユエやシア達を促して立ち上がった。
しかし、シア達ハウリア族は、未だ現実を認識しきれていないのか呆然としたまま立ち上がる気配がない。
ついさっきまで死を覚悟していたのに、気がつけば追放で済んでいるという不思議。
「えっ、このまま本当に行っちゃっていいの?」という感じで内心動揺しまくっていた。
「おい、何時まで呆けているんだ?さっさと行くぞ。」
ハジメの言葉に、ようやく我を取り戻したのかあたふたと立ち上がり、さっさと出て行くハジメの後を追うシア達。
アルフレリック達長老衆とアルテナも、ハジメ達を門まで送るようだ。
シアが、オロオロしながらハジメに尋ねた。
「あ、あの、私達……死ななくていいんですか?」
「? さっきの話聞いてなかったのか?」
「い、いえ、聞いてはいましたが…その、何だかトントン拍子で窮地を脱してしまったので実感が湧かないといいますか…信じられない状況といいますか…。」
周りのハウリア族も同様なのか困惑したような表情だ。それだけ、長老会議の決定というのは亜人族にとって絶対的なものなのだろう。
どう処理していいのか分からず困惑するシアに優花達が呟くように話しかけた。
「……ハジメらしいわね、まったく。」
「……ハジメ君、変わらないままなのね。」
「……奈落に落ちる前のハジメ君みたいだね。」
「……素直に喜べばいい。」
「優花さん?香織さん?雫さん?ユエさん?」
「「「「ハジメ(君)に救われた。それが事実。受け入れて喜べばいい(のよ、わ、んだよ)」」」」
「……」
優花達の言葉とユエの言葉にシアはそっと隣を歩くハジメに視線をやった。ハジメは前を向いたまま肩を竦める。
「まぁ、約束だからな」
「ッ……」
シアは肩を震わせる。樹海の案内と引き換えにシアと彼女の家族の命を守る。シアが必死に取り付けたハジメ達との約束だ。
元々〝未来視〟でハジメが守ってくれる未来は見えていた。しかし、それで見える未来は絶対ではない。
シアの選択次第でいくらでも変わるものなのだ。だからこそ、シアはハジメの協力を取り付けるのに〝必死〟だった。
相手は亜人族に差別的な人間で、シア自身は何も持たない身の上だ。
交渉の材料など、自分の〝女〟か〝固有能力〟しかない。それすらあっさり無視された時は、本当にどうしようかと泣きそうになった。
それでもどうにか約束を取り付けて、道中話している内に何となくハジメ達なら約束を違えることはないだろうと感じていた。
それは自分が亜人族であるにもかかわらず、差別的な視線が一度もなかったことも要因の一つだろう。だがそれはあくまで〝何となく〟であり、確信があったわけではない。
だから内心の不安に負けて、〝約束は守る人だ〟と口に出してみたり〝人間相手でも戦う〟などという言葉を引き出してみたりした。
実際に、何の躊躇いもなく帝国兵と戦ってくれた時、どれほど安堵したことか。
だが、今回はいくらハジメでも見捨てるのではという思いがシアにはあった。帝国兵の時とはわけが違う。
言ってみれば、帝国の皇帝陛下の前で宣戦布告するに等しいのだ。にもかかわらず一歩も引かずに約束を守り通してくれた。
例えそれが、ハジメ自身の為であっても、優花達の言う通り、シアと大切な家族は確かに守られたのだ。
先程、一度高鳴った心臓が再び跳ねた気がした。
顔が熱を持ち居ても立ってもいられない正体不明の衝動が込み上げてくる。それは家族が生き残った事への喜びか、それとも……
シアは優花達の言う通り素直に喜び、今の気持ちを衝動に任せて全力で表してみることにした。すなわち、ハジメに全力で抱きつく!
「ハジメさ~ん!ありがどうございまずぅ~!」
「どわっ!?いきなり何だ!?」
「「「「むっ……」」」」
泣きべそを掻きながら絶対に離しません!とでも言う様にヒシッとしがみつき顔をグリグリとハジメの肩に押し付けるシア。
その表情は緩みに緩んでいて、頬はバラ色に染め上げられている。
それを見たユエが不機嫌そうに唸るものの、何か思うところがあるのか特に何もしなかった。
優花や香織や雫も不機嫌そうに唸るものの、長老衆の前でのあの対応を見れば仕方ないか…と、納得していた。
内心、「この女ったらしめ!」と思われているとはハジメは想像もしていまい。
喜びを爆発させハジメにじゃれつくシアの姿に、ハウリア族の皆もようやく命拾いしたことを実感したのか隣同士で喜びを分かち合っている。
とそんな中、
「私もハジメ様達に付いていきますわ!!!」
そんな声が辺りに響いた。発信元は、アルテナである。
「ア、アルテナ?何を言っておるんだ?」とアルフレリックが動揺しまくりだ。
「「「「アルテナ様、何をおっしゃってるんですか!?」」」」と他の長老衆も大慌てだ。
「私は、今回の長老会議の場の話合いを見てフェアベルゲンや長老衆やお祖父様、貴方達に愛想が尽きましたわ。だってそうでしょう?このハルツィナ樹海を作ったとされる解放者リューティリス・ハルツィナ様の口伝を無視して、長老自らハジメ様達に敵対する意思を示す始末。更には、同じ亜人族であり同胞であるはずのシアさん達ハウリア族を処刑するだなんて言って…更にハジメ様達の怒りを買おうとする。今まで皆様にも伝えてませんでしたが、私も魔力を持っていますわ?固有魔法は持っておりませんけど…だからハジメ様達に付いていきますわ。それとも私もシアさん達のように長老会議にかけて処刑します?」
「「「「「……」」」」」何も言えない長老衆。
「ま、そこの女が魔力を有してるのは案内される前に気づいていたけどな。」とサラリと言うハジメ。
「ん…多分、シアと同じ先祖返りかも…。」とユエ。
「仕方ないんじゃない?フェアベルゲンの慣習に従うならあの娘も忌み子になっちゃうんだし?」と優花。
「固有魔法が無いって事はないと思うんだけど、わかってないだけかな?」と香織。
「どちらにしても、同行は断ったら面倒なことになりそうね。」と雫。
「私も、皆様とご一緒に付いていってよろしいですの?」と懇願顔で言うアルテナ。
「…うぅん。まあリューティリスの前例が無い訳じゃないし、自分の身は自分で守る。その実力を身に着けるなら構わないか。」とハジメ。
「ありがとうございますですわ!絶対に付いていってみせますわ!」とハジメの背中からシアの邪魔にならない様に抱きつくアルテナ。
「「「「ハジメ(君)の、女ったらし!!」」」」遂に言葉に出した優花達。
前方はシア、後方からはアルテナに抱きつかれてるハジメは無言で肩を竦めた。
「き、気になる発言があったのだが…聞いても良いかね?」とアルフレリックが言う。
「ん、なんだ?」と顔だけアルフレリックの方に向けてハジメが答える。
「リューティリス様の前例とは……?」とアルフレリックが尋ねる。他の長老衆も同じようだ。
「長老衆達なら知っているはずだな?リューティリス・ハルツィナが"解放者"という集団に属しており、仲間の名前と共に「七大迷宮を示す紋章を持つものが現れたらどのような者であれ敵対しない事。気に入ったらなら望む場所に連れて行く事。」という口伝を残し伝えた事。アルフレリックから聞いた話だしな、口伝の部分はな。敵対しないことという部分は、大迷宮の試練を越えた者の実力が途轍もないことを知っているからこその忠告だ。リューティリス・ハルツィナのな。ここまではいいな?」とハジメが問う。
「…うむ。」とアルフレリックが頷く。他の長老衆達も同様に頷く。
「"解放者"の七大迷宮は、
オスカー・オルクスが作ったオルクス大迷宮。
ミレディ・ライセンが作ったライセン大迷宮。
ラウス・バーンが作ったバーン大迷宮(この時点で神山とハジメ達は知らないので。)。
ナイズ・グリューエンが作ったグリューエン大火山。
ヴァンドゥル・シュネーが作った氷雪洞窟。
メイル・メルジーネが作ったメルジーネ海底遺跡。
リューティリス・ハルツィナが作ったハルツィナ樹海の大迷宮。…そして、オスカー、ミレディ、ラウス、ナイズは人間族だが。メイルは海人族と吸血鬼族のハーフであり、ヴァンドゥルは魔人族と氷竜の竜人族のハーフであり。そして…リューティリスは森人族だ。」
「「「「「「!!!!!」」」」」」アルフレリック達は驚愕の余り言葉が出ない。アルテナもだが。
「で。前例って言ったのは神代の時代の亜人族である、"解放者"ヴァンドゥル・シュネー、メイル・メルジーネ、リューティリス・ハルツィナ。彼らは亜人族にも関わらず、神代魔法や魔法・魔力の行使が出来たって事だ。リューティリスと同じ森人族で魔力を有してるアルテナが、先祖返りで魔法を行使出来る可能性は否定出来ない。そして、あんたらがシアを迫害する理由にした「魔力や固有魔法」を持った亜人族…あんたらは忌み子と嫌い処刑するという愚行をしていたようだが…。」とそこで言葉を切るハジメ。
「「愚行だと!?」ゼルとクゼが怒髪天を突くかのように怒鳴り散らす。アルフレリックとルアとマオは何かに気づいたように黙っている。
「『最も差別意識があるのは、差別を受けている者である。』という言葉が、俺達の世界にはある。亜人族は神に見放された種族として人間族、魔人族共に差別されているよな?魔人族は生まれつき魔法の力を有しているという事を除いても、生まれつき魔法の力を有していない人間族にすら体力や各種技能等で勝っている筈の亜人族が何故敵わないかわかるか?」
「一つは、数の問題。人間族に関しては言うまでも無いが、魔人族も魔物を使役することで数の力を底上げしている。二つめは魔力。魔法の行使の問題だ。魔人族は言わずもがなだが、人間族も俺たちのような例外を除いても全員では無くとも一定程度の魔法の行使が出来る。それに対してあんたら亜人族は、忌み子として魔力を有した者を排除している。数でも負けてるのにそれで勝てるわけが無い。」
「「「「「………………。」」」」」長老衆は無言だ。何かを考えてはいるようだが。
「シアのような場合は特例だろうが、アルテナもその可能性があるとすれば。本来ならば、忌み子ではなく亜人族の勇者としてでも称えてフェアベルゲンを守る事に協力を仰ぐべきだったな。
そうすれば、人間族や魔人族に対する数の不利や魔法の行使による不利を越えて対等になれる可能性があった筈だ。
…シアとアルテナに関しては俺達に同行させるから特段の事情でも無い限り、もう頼まれても協力させる事はないだろうな。」と冷たく言い放つハジメ。シアとアルテナも頷いている。
「「「「「………………。」」」」」長老衆は何も言えない。
「あんたらの嫌いな人間族の言うことだ。"資格者"が言う事だが、戯言と切って捨てるも良し…どう判断するかは好きにしろよ。」とハジメ。
「私が言うのもアレかもだけど、自分の家族に『魔力を有する子が生まれたら』忌み子と切り捨て処刑される運命を受け入れられる?」と優花。
「ハッキリと言うわ。同族である亜人族の兎人族を差別している貴方達が、人間族や魔人族に差別されても文句言えないのよ。」と雫。
「えっと、家族は大事に…だし。仲間や同族を大切にしない人達は自分達も大切にされないよ?」と香織。
「……ん、これから先、考え方を変えていくことは出来ないわけじゃない。そうするかどうかは貴方達次第。」とユエ。
「「「「「!?!?!!!」」」」」長老衆はハジメ達、特に優花達の言うことを聞いて心底驚愕しているようだ。
特にアルフレリックの場合はアルテナの件があるので、動揺も激しいようだ。
「じゃあ、俺達は"追放された資格者"としてフェアベルゲンを去るよ。決定通りシア達とハウリア族、そしてアルテナを連れてな。」
と言いながら、フェアベルゲンの門をくぐり樹海へと戻っていくハジメ。その後を付いて行く優花達とシアとアルテナとハウリア族。
それを何とも複雑そうな表情で見つめているのは長老衆だ。そして、遠巻きに不快感や憎悪の視線を向けている者達も多くいる。
ハジメはその全てを把握しながら、ここを出てもしばらくは面倒事に巻き込まれそうだと苦笑いするのだった。
アルフレリックだけはもっと複雑そうな、なんとも言えない顔をしていた。
…長老衆は皆、一様に後悔したような顔をしていた。
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ハウリア族とアルテナに対する訓練。
フェアベルゲンを追い出されたハジメが、拠点を作りながら言った言葉だ。
(ハジメがさり気なく盗ん……貰ってきたフェアドレン水晶を使って結界を張っただけのものだ。)
ハウリア族達はポカンとしていたし、シアは疑問に感じているようだが。
…アルテナはハジメの話をきちんと聞いていたので、納得顔だった。
ハジメが十日は大樹へ行けないのなら、兎人族の性質を変えてでも…自分達で戦う力を身に着けろ!と言う。
それに疑問を挟んだシアはやっぱり残念ウサギだった。
ハウリア族との約束は「樹海の案内が終わるまで。」なら、その後はどうするんだ?とハジメは問う。
フェアベルゲンを追放され、ハジメ達の庇護すら失えばまた窮地に陥る。その事実にやっと気づいたハウリア族。
アルテナに関しては、同行を許さざるを得ない状況であるからして……。
なのでハジメは更に問う。淘汰され、全滅させられる程弱く、家族や恋人や友人を守れない事を許容するのか?と。許容できない!が自分達が本当に強くなれるのかと疑問を投げかけるハウリア族。
それに対してハジメは答える。かつての自分は「無能」と呼ばれ、ステータスも技能も一般人並だったと。
優花や香織や雫が、当時のハジメの心境を思ってか抱きつき、無言で励ます。
ハジメの告白にハウリア族は例外なく驚愕を顕にした。アルテナも含めて。熊人族のジンを一蹴した実力があって、「無能」だなんて信じられなかったからだ。
ハジメの独白は続く。奈落の底に落ちて強くなるために行動したと。出来るか出来ないかなんて頭になかったと。出来なければ死ぬと。優花達を守るためにも自分の全てをかけて戦ったと。
優花達も同様の気持ちだったのか、ハジメが話すたびに頷いていた。
語られる内容にハウリア族達やアルテナの全身を悪寒が走る。一般人並のステータスということは兎人族よりも低スペックだったということだ。
その状態で自分達が手も足も出なかったライセン大峡谷の魔物より遥かに強力な化物達を相手にして来たというのだ。最弱でありながら、そんな化け物共に挑もうとしたその精神の異様さにハウリア族は戦慄した。
自分達なら絶望に押しつぶされ諦観と共に死を受け入れるだろうと。
だからハジメは言う。お前達の状況はかつての俺と似ていると。約束の内にある今なら絶望を打ち砕く手助けはすると。無理だと言うのならそれでも構わないと。
その時は今度こそ全滅するだけだと。約束が果たされた後は助けるつもりは毛頭ないから、残り僅かな生を負け犬同士で傷を舐め合ってすごせばいいと。
それでどうする?と目で問うハジメ。ハウリア族達は直ぐには答えられなかったというべきか。自分達が強くなる以外に生存の道がないことは分かる。
ハジメは正義感からハウリア族を守ってきたわけではない。故に約束が果たされれば容赦なく見捨てられるだろう。
だが分かっていても、温厚で平和で的心根が優しく争いが何より苦手な兎人族にとってハジメの提案は、まさに未知の領域に踏み込むに等しい決断だった。
ハジメの様な特殊な状況にでも陥らない限り心のあり方を変えるのは至難なのだ。黙り込み顔を見合わせるハウリア族。
そんな彼等を尻目に、先程からずっと決然とした表情を浮かべていたシアが立ち上がった。
「やります。私に戦い方を教えてください!もう、弱いままは嫌です!」と。
樹海の全てに響けと言わんばかりの叫び。これ以上ない程思いを込めた宣言。シアとて争いは嫌いだ。怖いし痛いし何より傷つくのも傷つけるのも悲しい。
しかし。一族を窮地に追い込んだのは紛れもなく自分が原因でありこのまま何も出来ずに滅ぶなど絶対に許容できない。
とあるもう一つの目的のためにも、シアは兎人族としての本質に逆らってでも強くなりたかった。
それと同時にアルテナも宣誓した。シアと同じ2つの目的を持って。一つは強くなってハジメ達と共に行く事。もう一つはシアと同じだろう。
不退転の決意を瞳に宿し真っ直ぐハジメを見つめるシアとアルテナ。
その様子を唖然として見ていたカム達ハウリア族は、次第にその表情を決然としたものに変えて一人、また一人と立ち上がっていく。
そして男だけでなく、女子供も含めて全てのハウリア族が立ち上がったのを確認するとカムが代表して一歩前へ進み出た。
言葉は少ない。だが、その短い言葉には確かに意志が宿っていた。襲い来る理不尽と戦う意志が。
ハジメはハウリア族を訓練するにあたってまず、〝宝物庫〟から取り出した錬成の練習用に作った装備を彼等に渡した。
先に渡していたナイフの他に反りの入った片刃の小剣、日本で言うところの小太刀だ。
これらの刃物はハジメが精密錬成を鍛えるために、その刃を極薄にする練習の過程で作り出されたもので切れ味は抜群だ。
タウル鉱石製なので衝撃にも強い。その細身に反してかなりの強度を誇っている。
そして、その武器を持たせた上で基本的な動きを教える。もちろん、ハジメに武術の心得などない。
あってもそれは漫画やゲームなどのにわか知識に過ぎず他者に教えられるようなものではない。
教えられるのは、奈落の底で数多の魔物と戦い磨き上げた〝合理的な動き〟だけだ。それを叩き込みながら適当に魔物をけしかけて実戦経験を積ませる。
ハウリア族の強みはその索敵能力と隠密能力だ。いずれは奇襲と連携に特化した集団戦法を身につければいいと思っていた。
シアに関してはユエと雫が魔法と体術の訓練をしている。亜人でありながら魔力がありその直接操作も可能なシアは知識さえあれば魔法陣を構築して無詠唱の魔法が使えるはずだからだ。時折、霧の向こうからシアの悲鳴が聞こえるので特訓は順調のようだ。
アルテナに関しては、優花と香織が訓練している。香織がまず魔法の行使の基礎を。優花がハジメと共に身につけた体術や銃撃の訓練を。
固有魔法がハッキリとしていないアルテナに関しては適正がわからないため、合間を見て全属性適正があるユエがたまに様子を見に行っている。
ハウリア族の訓練を受け持っていたハジメ。
しかし……
ここまでが原作と異なる部分+αです。
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ここから先のハジメのハウリア族に対する訓練は原作通りです。
ハー○マン軍曹方式です。
シアとユエの訓練に雫が立ち会ってますが、体術を教えた後は審判です。
原作通り、対応がワンパターン化したユエの頬に小さな傷をつけたシアの勝ちと雫が宣言します。
なかなか認めなかったユエを雫がなだめ、シアがハジメ達の旅に付いて行くために協力して下さいと。
優花と香織と雫は既に認めているので、あとはユエとハジメだけなのです。(原作と違うトコがここ。)
ユエも「仲間」なので同意を取りなさいと、優花達に諭された結果の交渉なのです。
最終決定権はどの道ユエには無いので、渋々認めるのは変わりませんけど。
…アルテナに関しては、既にハジメを含め全員が認めているので同行は決定しています。(本人はまだ、知りません。)
原作では絡まないキャラなので、魔法適正(現在は何にするか未定)+体術+ガンカタを見につけて既に同意を得るべき実力を見せ始めているからです。
※アルテナの天職もどうしましょうかね?
ユエと雫とシアがハジメのもとへ到着したとき、ハジメは腕を組んで近くの樹にもたれたまま瞑目しているところだった。
優花と香織とアルテナは更に実力を伸ばすべく、樹海の魔物を狩りに行っていてこの場にはいないようだった。
ハジメも何かを賭けて勝負していることは聞き及んでいる。シアのために超重量の大槌を用意したのは他ならぬハジメだ。
シアが真剣な表情で、ユエに勝ちたい、武器が欲しいと頼み込んできたのは記憶に新しい。
ユエ自身も特に反対しなかったことから何を賭けているのかまでは知らなかったし、聞いても教えてもらえなかっただろうが、ユエの不利になることもないだろうと作ってやったのだ。
ハジメは、ユエとシアが戦っても十中八九、ユエが勝つと考えていた。奈落の底でユエの実力は十二分に把握している。
いくら魔力の直接操作が出来るといっても今まで平和に浸かってきたシアとは地力が違うのだ。
しかし、帰ってきた雫以外の二人の表情を見るにどうも自分の予想は外れたようだと、内心驚愕するハジメ。
そんなハジメにシアが上機嫌で話しかけた。
調子に乗りすぎてユエのジャンピングビンタを食らい錐揉みしながら吹き飛び、ドシャと音を立てて地面に倒れ込んだ。
よほど強烈だったのかピクピクとして起き上がる気配がない。雫はそれを見て苦笑いしていた。
正直、どんな方法であれユエに勝ったという事実は信じ難い。ユエから見たシアはどれほどのものなのか、気にならないといえば嘘になる。
ユエは不機嫌な雰囲気を隠しもせず、渋々といった感じでハジメの質問に答えた。
魔法の適性はハジメと変わらないが、身体強化に特化している。正直、化物レベルだと。
強化してないハジメ達の四割〜五割くらいだと。
雫にも目線で問うたが、黙って頷いていた。
その話をしている間に、優花と香織とアルテナも戻ってきていた。
ここから先もほぼ同じですが、シアの一世一代の告白シーンなのでカット風にしません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シアはいそいそと立ち上がり、急く気持ちを必死に抑えながら真剣な表情でハジメのもとへ歩み寄った。
背筋を伸ばし青みがかった白髪をなびかせ、ウサミミをピンッと立てる。これから一世一代の頼み事をするのだ。いや……むしろ告白と言っていいだろう。
緊張に体が震え表情が強ばるが不退転の意志を瞳に宿し一歩一歩、前に進む。
そして、訝しむハジメの眼前にやって来るとしっかり視線を合わせて想いを告げた。
「ハジメさん。私をあなたの旅に連れて行って下さい。お願いします!」
「断る」
「即答!?」
まさか今の雰囲気で、悩む素振りも見せず即行で断られるとは思っていなかったシアは驚愕の面持ちで目を見開いた。
その瞳には「いきなり何言ってんだ、こいつ?」という残念な人を見る目でシアを見つめるハジメの姿が映っている。
シアは憤慨した。もうちょっと真剣に取り合ってくれてもいいでしょ!と。
「ひ、酷いですよ、ハジメさん。こんなに真剣に頼み込んでいるのに、それをあっさり…」
「いや、こんなにって言われても知らんがな。大体、カム達どうすんだよ?まさか、全員連れて行くって意味じゃないだろうな?」
「ち、違いますよ!今のは私だけの話です!父様達には修行が始まる前に話をしました。一族の迷惑になるからってだけじゃ認めないけど…その…」
「その?なんだ?」
何やら急にモジモジし始めるシア。指先をツンツンしながら頬を染めて上目遣いでハジメをチラチラと見る。あざとい。実にあざとい仕草だ。
ハジメが不審者を見る目でシアを見る。傍らのユエがイラッとした表情で横目にシアを睨んでいる。雫は苦笑している。優花と香織は、少し機嫌が悪くなってそうだ。
アルテナは、シアさん頑張って!という感じだろうか。
「その…私自身が、付いて行きたいと本気で思っているなら構わないって…」
「はぁ?何で付いて来たいんだ?今なら一族の迷惑にもならないだろ?それだけの実力があれば大抵の敵はどうとでもなるだろうし」
「で、ですからぁ、それは、そのぉ…」
「……」モジモジしたまま中々答えないシアにいい加減我慢の限界だと、ハジメはドンナーを抜きかける。
それを察したのかどうかは分からないが、シアが女は度胸!と言わんばかりに声を張り上げた。思いの丈を乗せて。
「ハジメさんの傍に居たいからですぅ!しゅきなのでぇ!」
(((((このタイミングで噛む!?)))))と黙って聞いていた優花達の内心は、それは見事に一致していた。
「……は?」
言っちゃった、そして噛んじゃった!と、あわあわしているシアを前に、ハジメは鳩が豆鉄砲でも食ったようにポカンとしている。
まさに、何を言われたのか分からないという様子だ。しかし、しばらくしてようやく意味が脳に伝わったのか思わずといった様子でツッコミを入れる。
「いやいやいや、おかしいだろ?一体、どこでフラグなんて立ったんだよ?自分で言うのも何だが、お前に対してはかなり雑な扱いだったと思うんだが?」
「「「「「え?ハジメ(君、様)気づいてなかったの!?!?」」」」」
優花達とユエとアルテナが一斉にツッコむ。
「え?」
シア以外にツッコまれて思わずキョトンとなるハジメ。
代表して優花が答えた。本妻なので…。
「長老衆の前で、シアとハウリア族をかばった時。"俺からこいつらを奪おう"ってんなら……覚悟を決めろ"ってシアの頭撫でながら言ったでしょ?…それまでは"俺達"って言ってたのに。多分、それよ。」
「そうですわ!ハジメ様!私もシアさんと同じであの時のハジメ様にもう…心奪われましたわ!」と同意しつつどさくさに紛れて告白するアルテナ。
「っていうか、雑だと自覚があったのならもう少し優しくしてくれてもいいじゃないですか…」
「いや、何でお前に優しくする必要があるんだよ…そもそも本当に好きなのか?状況に釣られてやしないか?」
ハジメは未だシアの好意が信じられないのか、いわゆる吊り橋効果を疑った。今までのハジメのシアに対する態度は誰がどう見ても雑だったので、無理もないかもしれない。
だが自分の気持ちを疑われてシアはすこぶる不機嫌だ。
「状況が全く関係ないとは言いません。窮地を何度も救われて、同じ体質で…長老方に啖呵切って私との約束を守ってくれたときは本当に嬉しかったですし…。ただ、状況が関係あろうとなかろうと、もうそういう気持ちを持ってしまったんだから仕方ないじゃないですか。
私だって時々思いますよ。どうしてこの人なんだろうって。ハジメさん、何かあると直ぐ撃ってくるし、鬼だし、返事はおざなりだし、魔物の群れに放り投げるし、容赦ないし、鬼だし、優しくしてくれないし、優花さん達ばかり贔屓するし、鬼だし……あれ?ホントに何で好きなんだろ?あれぇ~?」
話している間に、自分で自分の気持ちを疑いだしたシア。首を傾げるシアに、青筋を浮かべつつも言っていることは間違いがないので思わずドンナーを抜きかけるも辛うじて堪えるハジメ。
「と、とにかくだ。お前がどう思っていようと連れて行くつもりはない」
「そんな!さっきのは冗談ですよ?ちゃんと好きですから連れて行って下さい!」
「あのなぁ。お前の気持ちは…本当だとしても、俺には優花や雫や香織がいるって分かっているだろう?というか、よく本人達目の前にして堂々と告白なんざ出来るよな…。前から思っていたが、お前の一番の恐ろしさは身体強化云々より、その図太さなんじゃないか?お前の心臓って絶対アザンチウム製だと思うんだ。」
「誰が、世界最高硬度の心臓の持ち主ですか!うぅ~、やっぱりこうなりましたか…ええ、わかってましたよ。ハジメさんのことです。一筋縄ではいかないと思ってましたし…」突然、フフフと怪しげに笑い出すシアに胡乱な眼差しを向けるハジメ。
「こんなこともあろうかと!命懸けで外堀を埋めておいたのです!優花さん、香織さん、雫さん。ささっ、ユエ先生!お願いします!」
「は?ユエ?」
完全に予想外の名前が呼ばれたことに目を瞬かせるハジメ。してやったり!というシアの表情にイラッとしつつ、傍らのユエに視線を転じる。
ユエはやはり苦虫を百匹くらい噛み潰したような表情で、心底不本意そうにハジメに告げた。
「…………………ハジメ、連れて行こう」
「いやいやいや、なにその間。明らかに嫌そう…もしかして勝負の賭けって……」
「……無念」
ガックリと肩を落とすユエに大体の事情を察したハジメは、もはや呆れやら怒りを通り越して感心した。
「「「ちなみに私達は認めてるわよ。」」」と優花と香織と雫がサラッと言う。
きっとシアは、直接ハジメに頼んだところで望みを聞いてもらえるとは思えず、自分の力だけでは本気は伝わらないと考えたのだろう。
また、ハジメが納得しても優花達が同意しなければ、絶対に連れて行ってくれない筈だ。それ故に、優花達やユエを味方につけるという方法をとった。
〝命懸け〟というのもあながち誇張した表現ではないはずだ。生半可な気持ちで優花達やユエを納得させることなど不可能なのだから。
この十日間、ほとんど見かけなかったが文字通り死に物狂いでユエを攻略しにかかったに違いない。つまり、それだけシアの想いは本物ということだ。
ハジメはガリガリと頭を掻いた。別に、優花達が認めたからといって、シアを連れて行かなければならない理由はない。結局のところハジメの気持ち次第なのだから。
ユエは、不本意そうではあるが仕方ないという様に肩を竦めている。この十日間のシアの頑張りを誰よりも近くで見ていたからこそ。
その上で自分が課した障碍を打ち破ったからこそ、旅の同行は認めるつもりのようだ。元々、シアに対してはハジメの事を抜きにすれば、其処まで嫌いというわけではないという事もあるのだろう。
一方シアの方は、ユエに頼んだときの得意顔が一転し不安そうでありながら覚悟を決めたという表情だ。シアとしては、まさに人事を尽くして天命を待つ状態なのだろう。
ハジメは、一度深々と息を吐くとシアとしっかり目を合わせて、一言一言確かめるように言葉を紡ぐ。シアも静かに、言葉に力を込めて返した。
「付いて来たって応えてはやれないぞ?俺の"特別は”優花と香織と雫だ。」
「知らないんですか?未来は絶対じゃあないんですよ?」
それは、未来を垣間見れるシアだからこその言葉。
未来は覚悟と行動で変えられると信じている。
「危険だらけの旅だ」
「化物でよかったです。御蔭で貴方達について行けます」
長老方にも言われた蔑称。しかし、今はむしろ誇りだ。化物でなければ為すことのできない事があると知ったから。
「俺達の望みは故郷に帰ることだ。もう家族とは会えないかもしれないぞ?」
「話し合いました。〝それでも〟です。父様達もわかってくれました。」
今までずっと守ってくれた家族。感謝の念しかない。何処までも一緒に生きてくれた家族に、気持ちを打ち明けて微笑まれたときの感情はきっと一生言葉にできないだろう。
「俺達の故郷は、お前には住み難いところだ。」
「何度でも言いましょう。〝それでも〟です。」
シアの想いは既に示した。そんな〝言葉〟では止まらない。止められない。これはそういう類の気持ちなのだ。
「……」
「ふふ、終わりですか?なら、私の勝ちですね?」
「勝ちってなんだ……」
「私の気持ちが勝ったという事です。……ハジメさん」
「……何だ」
もう一度はっきりと伝える。シア・ハウリアの望みを。
「……私も連れて行って下さい」
見つめ合うハジメとシア。ハジメは真意を確認するように蒼穹の瞳を覗き込む。そして……
「……………はぁ~、勝手にしろ。物好きめ」
その瞳に何かを見たのか、やがてハジメは溜息をつきながら事実上の敗北宣言をした。
樹海の中に一つの歓声と不機嫌そうな鼻を鳴らす音が響く。その様子にハジメは、いろんな意味でこの先も大変そうだと苦笑いするのだった。
優花達は、多分これからもまた同行者…もとい、ハジメ(君)を好きになる娘は増えるんだろうなぁ…なんて想いつつ苦笑いしながら、嘆息した。
ちなみにアルテナの方だが…。
優花と香織に「森人族の姫を追放させて、責任取らずに放置はしないわよね?(よね?よね?)」と半ば脅迫の様に言われ、受け入れることに。
同行の承認と共に、シアと同様に自分の気持ちに答えてもらえるかわからなくても、一先ずは、受け入れてもらえたという事実で、アルテナの顔は耳まで真っ赤に染まり、ハジメをして見惚れる程綺麗だった…という裏話があったり無かったり。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シアが「ウザウサギ」化したり、旅の仲間となっても扱いの雑さは変わらないようだった事に半泣きになったり。
ハウリア族が……………原作通り、
それを見た優花達が、呆れた者を見る目でハジメを見ていたり。
アルテナがハウリア族の変化に思わず顔を青くしながら、シアに同情していたり。
シアが、カムが「この世の問題の九割は暴力で解決できる」なんていう発言をした事で、号泣しながら、優しかったハウリア族の家族達はもう帰ってこないんだと絶望した事。
心優しかった少年のパル君すら軍人的に化した事等で、ハジメも内心やりすぎたかもしれないと思ってた事。
完全武装した熊人族の集団が大樹への道を妨害しようとしている事。
ハウリア族がそれを対処する事に決まったことで、シアの表情は絶望に染まっていく。
ハジメは一度、瞑目し深呼吸すると、カッと目を見開いた。
「聞け!ハウリア族諸君!勇猛果敢な戦士諸君!今日を以て、お前達は糞蛆虫を卒業する!お前達はもう淘汰されるだけの無価値な存在ではない!力を以て理不尽を粉砕し、知恵を以て敵意を捩じ伏せる!最高の戦士だ!私怨に駆られ状況判断も出来ない〝ピッー〟な熊共にそれを教えてやれ!奴らはもはや唯の踏み台に過ぎん!唯の〝ピッー〟野郎どもだ!奴らの屍山血河を築き、その上に証を立ててやれ!生誕の証だ!ハウリア族が生まれ変わった事をこの樹海の全てに証明してやれ!」
「「「「「「「「「「Sir、yes、sir!!」」」」」」」」」」
「答えろ!諸君!最強最高の戦士諸君!お前達の望みはなんだ!」
「「「「「「「「「「殺せ!!殺せ!!殺せ!!」」」」」」」」」」
「お前達の特技は何だ!」
「「「「「「「「「「殺せ!!殺せ!!殺せ!!」」」」」」」」」」
「敵はどうする!」
「「「「「「「「「「殺せ!!殺せ!!殺せ!!」」」」」」」」」」
「そうだ!殺せ!お前達にはそれが出来る!自らの手で生存の権利を獲得しろ!」
「「「「「「「「「「Aye、aye、Sir!!」」」」」」」」」
「いい気迫だ!ハウリア族諸君!俺からの命令は唯一つ!サーチ&デストロイ!行け!!」
「「「「「「「「「「YAHAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」」」」」」
という会話が繰り広げられ、「うわぁ~ん、やっぱり私の家族はみんな死んでしまったですぅ~」と号泣するシア。
ハジメの号令に凄まじい気迫を以て返し、霧の中へ消えていくハウリア族達。
温厚で平和的、争いが何より苦手…そんな種族いたっけ?と言わんばかりだ。
変わり果てた家族を再度目の当たりにし、絶望し始めたシアを、流石に見かねたのか優花達がシアを慰めるように手を握り、頭を撫で、抱きしめている。
アルテナはまるでお姉さんみたくバックハグしている。
更にシアに追撃するように、
パル君が「今は〝必滅のバルトフェルド〟これからはそう呼んでくだせぇ」と去っていく。
答えるものは誰もおらず、彼女の家族は皆猛々しく戦場に向かってしまった。ガックリと項垂れ、再びシクシクと泣き始めたシア。
既に彼女の知る家族はいない。実に哀れを誘う姿だった。
そんなシアの姿を何とも言えない微妙な表情で見ているユエ。ハジメは、どことなく気まずそうに視線を彷徨わせている。
ユエは、ハジメに視線を転じるとボソリと呟いた。
「…流石ハジメ、人には出来ないことを平然とやってのける」なんてネタを。
「…正直、ちょっとやり過ぎたとは思ってる。反省も後悔もないけど」と呟くハジメ。
しばらくの間、ハウリア族が去ったその場には、シアのすすり泣く声と、微妙な空気が漂っていた。
というハウリア族の変化と、熊人族の敗北。
油断と慢心と……ありえべかざる兎人族の変化に、「これはないだろう!?」とレギンは堪らず絶叫を上げた…とか。
そんなわけでパニック状態に陥っている熊人族では今のハウリア族に抗することなど出来る訳もなく、瞬く間にその数を減らし、既に当初の半分近くまで討ち取られていた。
部下の命を守るために頭を下げ続けるレギンに対するカム達ハウリア族の返答は……「だが断る」という言葉と投擲されたナイフだった。
と
怒り心頭!といった感じで、まるで重さなど感じさせずブオンッと突風を発生させながら振り回し、巨大な鉄槌をビシッとカムに向かって突きつけた。
正気に戻れ!と。それに対してカムは「ダメ?まさかシア、我らの敵に与するつもりか?返答によっては……」なんてこと聞く。
「いえ、この人達は別に死んでも構わないです」とあっさり言うシア。
「当たり前です。殺意を向けて来る相手に手心を加えるなんて心構えでは、ユエさんや雫さんの特訓には耐えられません。私だってもう甘い考えは持っていませんよ」と。
では何故止めた?と尋ねるカムやハウリア族にシアが言った一言。
「……まるで、私達を襲ってきた帝国兵みたいです」と。
宿った狂気が吹き飛ぶほどの衝撃だった。家族を奪った彼等と同じ……耐え難い事実だ。
「まぁ初めての対人戦ですし、今気がつけたのなら、もう大丈夫ですよ!大体、ハジメさんも悪いんです!戦える精神にするというのはわかりますが、あんなのやり過ぎですよ!戦士どころかバーサーカーの育成じゃないですかっ!」
今度は、ハジメに対してぷりぷりと怒り出すシア。小声で「何であんな人好きになっちゃったんだろ?」とかブツブツと呟いている。
とその時、突如として銃声が響いた。
シアの背後で「ぐわっ!?」という呻き声と崩れ落ちる音がする。こっそり逃げ出そうとした熊人族のレギンだ。
霧の奥からハジメが優花達とユエとアルテナを伴って現れる。そして放たれたハジメの一言。
「あ~、まぁ何だ、悪かったな。自分が平気だったもんで、すっかり殺人の衝撃ってのを失念してた。俺のミスだ。うん、ホントすまん」
ポカンと口を開けて目を点にするシアとカム達。まさか素直に謝罪の言葉を口にするとは予想外にも程があった。
正気を疑われたハジメ。香織に回復魔法の要請がハウリア族から入る。青筋を浮かべ、口元をヒクヒクさせるハジメ。
取り敢えずこの件は脇に置いておいてレギンのもとへ歩み寄ると、その額にドンナーの銃口をゴリッと押し当てた。
「さて潔く死ぬのと、生き恥晒しても生き残るのとどっちがいい?」ハウリア族が驚きの目を向ける。
今のセリフでは、場合によっては熊人族を見逃してもいいと聞こえるからだ。敵対者に遠慮も容赦もしないハジメにあるまじき提案だ。
「……どういう意味だ。我らを生かして帰すというのか?」
「ああ、望むなら帰っていいぞ?但し、条件があるがな」という会話が繰り広げられる。
あっさり帰っていいと言われ、レギンのみならず周囲の者達が一斉にざわめく。
後ろで「頭を殴れば未だ間に合うのでは……」とシアが割かしマジな表情で自分の大槌とハジメの頭部を交互に見やり、カム達が賛同している声が聞こえる。
「ああ、条件だ。フェアベルゲンに帰ったら長老衆にこう言え。〝貸一つ〟とな。」と。
レギン達が生き残るということは、自国に不利な要素を持ち帰るということでもあるのだ。長老会議の決定を無視した挙句負債を背負わせる、しかも最強種と豪語しておきながら半数以上を討ち取られての帰還…まさに生き恥だ。更に追撃をかけるハジメ。
「それと、あんたの部下の死の責任はあんた自身にあることもしっかり周知しておけ。ハウリアに惨敗した事実と一緒にな」
ハジメがこのような条件を出して敵を見逃すのには理由がある。もちろん、慈悲などではない。
フェアベルゲンとは絶縁したわけだが、七大迷宮の詳細が未だわからない以上、もしかしたら彼の国に用事ができるかもしれない。
何せ、口伝で創設者の言葉が残っているぐらいなのだから。アルテナが居るとは言え、成り行きで出てきてしまったのでちょっと失敗したかなぁと思っていたハジメ。
渡りに船であるし、万一に備えて保険を掛けておこうと思ったのだ。
「五秒で決めろ。オーバーする毎に一人ずつ殺していく〝判断は迅速に〟基本だぞ?」と脅され同意するレギン。
「そうかい。じゃあさっさと帰れ。伝言はしっかりな。もし、取立てに行ったとき惚けでもしたら……」
ハジメの全身から強烈な殺意が溢れ出す。もはや物理的な圧力すら伴っていそうだ。ゴクッと生唾を飲む音がやけに鮮明に響く。
「その日がフェアベルゲンの最後だと思え」
どこからどう見ても、タチの悪い借金取り、いやテロリストの類にしか見えなかった。
後ろから「あぁ~よかった。何時ものハジメさんですぅ」とか「ボスが正気に戻られたぞ!」とか妙に安堵の混じった声が聞こえるがスルーだ。
ハウリア族により心を折られ、レギンの決死の命乞いも聞いていた部下の熊人族も反抗する気力もないようで悄然と項垂れて帰路についた。
若者が中心だったことも素直に敗北を受け入れた原因だろう。レギンももうフェアベルゲンで一生日陰者扱いの可能性が高い。だが理不尽に命を狙ったのだから、むしろ軽い罰である。
霧の向こうへ熊人族達が消えていったのを見届け、ハジメはくるりとシアやカム達の方を向く。
もっとも俯いていて表情は見えない。なんだか異様な雰囲気だ。カム達は、狂気に堕ちてしまった未熟を恥じてハジメに色々話しかけるのに夢中でその雰囲気に気がついていない。
シアだけが「あれ?ヤバクないですか?」と冷や汗を流している。
ハジメがユラリと揺れながら顔を上げた。
その表情は満面の笑みだ。
だが細められた眼の奥は全く笑っていなかった。
ようやく、何だかハジメの様子がおかしいと感じたカムが恐る恐る声をかけると、ハジメがボソっと言う。
「うん、ホントにな?今回は俺の失敗だと思っているんだ。短期間である程度仕上げるためとは言え、歯止めは考えておくべきだった。」
「いやいや、いいんだよ?俺自身が認めているんだから。だから、だからさ、素直に謝ったというのに…。随分な反応だな?いやわかってる。日頃の態度がそうさせたのだと…しかし、しかしだ…。このやり場のない気持ち、発散せずにはいれないんだ…わかるだろ?」と。
だんだん青筋が増えていく!
とその時「今ですぅ!」と、シアが一瞬の隙をついて踵を返し逃亡を図った。傍にいた男のハウリアを盾にすることも忘れない。しかし……。
---ドパンッ!!!
一発の銃弾が男の股下を通り、地面にせり出していた樹の根に跳弾してシアのお尻に突き刺さった。
「はきゅん!」
と銃撃の衝撃に悲鳴を上げながらピョンと跳ねて地面に倒れるシア。お尻を突き出した格好だ。シュウーとお尻から煙が上がっている。シアは痛みにビクンビクンしている。
痙攣するシアの様子とハジメの銃技に戦慄の表情を浮かべるカム達。股通しをされた男が股間を両手で抑えて涙目になっている。銃弾の発する衝撃波が、股間をこうふわっと撫でたのだ
何事もなかったようにドンナーをホルスターにしまったハジメは、笑顔を般若に変えた。
そして、怒声と共に飛び出した。
「取り敢えず、全員一発殴らせろ!」
----わぁああああーー!!
ハウリア達が蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出す。一人も逃がさんと後を追うハジメ。しばらくの間樹海の中に悲鳴と怒号が響き渡ったとか。
後に残ったのは、ケツから煙を出しているシアと、
「「「「「……何時になったら大樹に行くの?(かな?かしら?)」」」」」とすっかり蚊帳の外だった優花達とユエとアルテナの呟きだけだった。
ここまでが、ハウリア族の変化とかのアレです。
部分的な追加要素はありますが、ほぼ原作通りの展開です。
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この後、大樹に行き。
大樹の迷宮を攻略するには、
「〝四つの証〟・〝再生の力〟・〝紡がれた絆の道標〟・〝全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう〟
というメッセージを見ることになり、4つ以上の迷宮攻略と、再生に関する神代魔法と、亜人族の案内が必要だという事を知り。後回しにする事になるのを決め、他の迷宮攻略に行こうとすると、ハウリア族が付いてこようとするが。ハジメがバッサリ切り捨てる。
そして樹海の迷宮の入り口たる大樹を守れと言う。
…家族との別れなのに、誰もかまってくれないシアが一人イジケていたのを優花達は苦笑いしながら見ていた。
アルテナに関しては、「むしろお祖父様にはいい薬ですわ!」なんて事を言って挨拶にすら行かなかった。
樹海の境界で魔力駆動二輪を2台出したハジメ。
一台はサイドカー付きだ。
そちらには運転、ハジメ。前には優花。後ろにはシア。サイドカーにはユエ。
もう一台には、運転、雫。前には香織。後ろにはアルテナ。
やはり、この乗り方を決める時にまたひと悶着あったとかなんとか…。サイドカーのユエは確定していたので不貞腐れていたが。
そしてシアが、次の目的地は何処かと質問する。
サラリと「ライセン大峡谷」だと答えるハジメ。
…シアとアルテナは聞いていなかったので、コミュニケーションが大事ですよと!不貞腐れる。
ついででライセン大峡谷にあるらしいライセン大迷宮を探す事に思わず頬が引き攣るシアとアルテナ。
ハジメが、はっきりと二人に向かって言う。
「シアは身体強化に特化してるんだから、独壇場だろうと。アルテナは優花と香織の訓練で魔法以外の討伐手段を身に着けたのだからそこらの魔物と変わらないぞ?」
と。恥ずかしくなったのか話を逸らすようにシアが、
近くの街に行くのか?野宿なのか?と聞くと。
「出来れば食料とか調味料関係を揃えたいし、今後のためにも素材を換金しておきたいから町がいいな。前に見た地図通りなら、この方角に町があったと思うんだよ」
それにもう一つ、ライセン大峡谷に入る前に落ち着いた場所で、やっておきたいこともあったのだ。
ハジメの言葉に、何故か安堵の表情を見せるシア。ハジメが訝しそうに「どうした?」と聞き返す。
「いやぁ~、ハジメさん達のことだから、ライセン大峡谷でも魔物の肉をバリボリ食べて満足しちゃうんじゃないかと思ってまして。…ユエさんはハジメさんの血があれば問題ありませんし、どうやって私達用の食料を調達してもらえるように説得するか考えていたんですよぉ~杞憂でよかったです。ハジメさん達もまともな料理食べるんですね!」
「当たり前だろ!誰が好き好んで、魔物なんか喰うか!……お前、俺達を何だと思ってるんだ……?」
「プレデターという名の新種の魔物?」
「OK。お前、町に着くまで車体に括りつけて引きずってやる。」
「ちょ、やめぇ、どっから出したんですかっ、その首輪!ホントやめてぇ~そんなの付けないでぇ~、ユエさんも優花さんも見てないで助けてぇ!」
「……自業自得」
「うんうん。早く料理のための材料色々買いたいなぁ…。」
「向こうは騒がしいわね。でも街に寄って買い物とか色々したいわね。」
「うんうん。あ、アルテナさん…。ハジメ君がシアさんに付けたような首輪。あれアルテナさんも付けてね?」
「え?あ…はい。ハジメ様達の奴隷って扱いにしないと樹海の外だと、大変だからですね…?」
「「そうそう。シアは…わかってないから弄られてるみたいだけど。」」
ある意味、非常に仲の良い様子で騒ぎながら草原を進む二台の二輪と七人。
数時間ほど走りそろそろ日が暮れるという頃、前方に町が見えてきた。ハジメ達の頬が綻ぶ。奈落から出て空を見上げた時のような、〝戻ってきた〟という気持ちが湧き出したからだ。
他のメンバーもどこかワクワクした様子。きっと、ハジメと同じ気持ちなのだろう。
「あのぉ~?いい雰囲気のところ申し訳ないですが、この首輪取ってくれませんか?何故か自分では外せないのですが…あの、聞いてます?ハジメさん?優花さん?ユエさん?ちょっと、無視しないで下さいよぉ~!泣きますよ!それは、もう鬱陶しいくらい泣きますよぉ!」とシアの叫びが響いた。
それを聞いたハジメと優花と香織と雫とユエとアルテナは微笑みあった。
新たな同行者は、
「シア=ハウリアとアルテナ=ハイピスト」です。
原作だと、ティオさんと同等以上(?)のドMの変態と化すアルテナさんですが。
本作のストーリーでは、変態化回避+ハジメさんの嫁枠に入るかも?の余地を足しました。
※ありふれ零をきちんと読んでいるわけじゃありませんが、ありふれに出てくる森人族(エルフ)の女性は何らかの変態性を有してるのは必須なのでしょうか…。
リューティリスさん然り…。
原作でも、アルテナさんは愛の力(?)で身体強化(Xまで行ってないくても、7~8までは最大で行ってるだろう)したシアを追いかけ回して疲れさせるぐらいですから。魔力操作、持ってませんか?と。
最低でも身体強化(魔力変換での)は?と思いましての追加同行者となりました。
後は、他の方も二次で変えている方がいますが。
フェアベルゲンの「忌み子」の件などや、ゼル・クゼと言った長老集の認識の甘さ等色々突っ込みたいぞソレ!って感じで思ったことをぶち込みました。
結果としては、原作通りハウリアはフェアベルゲンを追い出されてますし、
ハジメ達もフェアベルゲンに滞在する事にはなりません。
これは、原作通り帝国からの亜人族解放時の為です。
(そこまで話を書けるかは未定ですが……。多分書けません。理由は、原作展開で進めた場合。ホルアドで勇者一行を助けに行く理由が無い事。助けに行ったとしても、確実に檜山は優花達に処される展開になるからです。その場合、恵里を救済するのか、王国転覆を実行する前に処するのか。そこが展開としては、原作通りに進める場合の限界となる…からですね。)
まさか、フェアベルゲン編だけで一話分になるとは思いませんでしたので、
…しかもおよそ30000文字。長い、長すぎるっ!!!!
最後のブルックの街に寄ってからのキャサリン・ソーナ・クリスタベルとの出逢いは既に済んだものとして…って形でとなると思います。続きを書くとするならば…。次は、「ウザイあの人」の出番になるかと。
男1人に女6人(全員美少女で内2人は兎人族と森人族)のパーティですね?
………………………こりゃハジメさん刺されますわ。
※原作ありふれ世界において、どちらの亜人族も美しさ(可愛さ)で人気がある種族です。
アルテナさんの性格と喋り方等、登場シーンが少ない(あとドM化した後しかない)ので、かなり独自設定で書いてます。
喋り方等は、樹海の試練突破後のリューティリスさんの女王風味を意識して書いています。
※※七大迷宮と解放者達の件の部分については、多々意見があるとは想いますが。
オスカー・オルクスの手記(日記)に書いてあったのを、ハジメ達が見て伝えただけとお考え下さい。
伝えたことによる変化が発生するかもしれないのは、帰還後のアフターのアフター世代のお話ぐらいになるはずですから。
亜人族への扱いは神話大戦で変わりますので。
原作通り、迷宮や解放者達の名前や人種がわかってても
在り処を知っている大迷宮は変わりません。
メルジーネ海底遺跡、神山、ライセン大迷宮の在り処は不明のままです。
ミレディに聞いて、初めて知る事になるのは原作通りです。
………ミレディも、思い切ってハジメ嫁枠に入れちゃいますか!?(無いな!)
ひんぬー枠として、ユエの同士が欲しいなと。
まあ、ウルで奈々が……?の方向で考えているので、
……まあ、要らないかな?
アンケートって形でどうするか、皆様に決めてもらうのも…有りかな?
優花本妻ルートのハジメヒロイン枠についてですが、原作通りに進んだら……ユエしかひんぬー枠がいないのです(笑) なのでひんぬー枠ヒロイン追加は必要かのアンケートとなります。一応次のライセン大迷宮攻略話を書くだろう期間までとなります。(いつ頃かは未定)
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ミレディもひんぬー枠ヒロインに入れよう!
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奈々っていうひんぬー枠が入るからいらない
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愛ちゃんと奈々も入るからもう良くない?