続けての投稿になります。
それではどうぞ。
「まさか行く予定だったイベントに来れるなんて……あの3人を侮ってたよ」
「千聖ちゃんでもこんな間違いするんだね。別の駅に行くとは思わなかったよ」
「しかし、ここまで来て3人を見失ってしまうとはね……」
一方。悠里達を追いかけてイベント雑貨のある公園に着いた美咲、彩、薫の3人。
特に美咲は自分が本来行く予定だったイベントにまさか来れるとはと思っていた……
しかも肝心の悠里達を見失ってしまったのである。
「この人混みじゃ仕方ないよ。それより早く3人を見つけないと。駅でも人の波に呑まれてはぐれかけていたし、大丈夫かな……」
「ああ、こうしてる間も花音が不安な気持ちを抱えているかと思うと胸が締め付けられるよ。きっとたくさんの人に囲まれて、生まれたての子猫のように震えているはずさ」
「いや、そこまで怖がりじゃないでしょ……」
薫の例えに、そこまで花音さんは怖がりじゃないでしょと言う美咲。
てか、生まれての子猫って例えもどうなんだとも同時に思ったそうな……
「でも急がないと! はぐれてからじゃ大変だよ!」
「ああ、ただ目立たないように気をつけよう。今日の私達はあくまで3人を見守る天使だからね」
「まあ、この人混みじゃ気づかれることはなさそうだけど……ん?」
彩と薫と言葉を聞いて、人が多い中、3人が自分達に気づく事はないだろうと美咲が思った時、どこからか視線を感じた。
「どうしたの、美咲ちゃん?」
「や、なんか視線を感じるような気がして……」
「そういえば、さっきからなんだか周りがざわざわしてるね……?」
周囲の人々が3人を見る。
よく聞くとあそこにいるのってもしかして……とか、だよねだよね! 絶対そうだよねという声が聞こえた。
「「「!!?」」」
「まずい。彩先輩バレちゃってる……」
「そ、そうみたいだね。え、えへへ……」
状況を察した美咲が周りがざわざわしてる理由は彩ではないかと小声で言う。
しかし、彩は何故か嬉しそうな反応。
「え、あの、なんでちょっと嬉しそうなんですか?」
「だ、だって、あんまり街中で気づかれる事ってないから~」
「いや、そんなこと言ってる場合じゃないと思いますけど……」
普通、芸能人なら気づかれたらマズいんじゃ……と思う美咲。
「羽丘の薫様ですよね……! 握手してください!」
「「……ん?」」
「フフ、困ったね。子猫ちゃんのお望みが私の握手とは」
「これって薫さんにみんなざわざわしてたって事……?」
まさかの彩ではなく、薫にざわざわしてた事に驚愕する美咲。
「目立たないようにしていても、溢れ出る美しさは隠しきれないか。ああ、儚い……」
「うわ、薫さん囲まれちゃった……」
そして気づけば色んな人に囲まれてしまった薫。
「…………」
「あ、えっと……あの人どこでも目立つ人なんで。あんまり気にしないほうが……」
落ち込む彩に、苦笑い気味にフォローする美咲。
そして何を思ったのか、彩はサングラスを外したのだ。
「…………」
「……って、なんでサングラス外してるんですか!?」
「だって、気づかれないの悔しいよ~!」
だからって、そこまでします?と美咲は思ったそうな……
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「みんなへのお土産買えてよかったね。美咲ちゃん達、喜んでくれるといいなぁ」
「そうね。お店もたくさん回れたし、思った以上に楽しめたわ」
「僕も。千聖ちゃんと花音ちゃんのお陰で、妹に似合いそうな洋服とか他にも色々買えたし」
寧ろ買い過ぎたかな?と付け足す悠里。
悠里の特製指輪の玩具とペンダントを貰った千聖と花音は、貰ってばかりじゃ申し訳ないと言い、悠里に何かして欲しい事とかある?と訊ねた。
言い方がアレな気がする彼女達だったが、悠里は『妹に似合いそうな洋服』を選んでほしいと言った。
そして悠里が持っていた妹の写真を見せてもらった千聖と花音は……
『『か、可愛い……』』
『…あはは。
写真を見てうっとり。
千聖には妹が、花音には弟がいるが、まさか悠里に妹がいるとは思ってなかった。
しかも凄く可愛い。というか……天使でしょ!ってくらいの容姿だった。
そんな彼の頼みを聞き、千聖と花音が張り切ったのはいうまでもない……
「あっ、千聖ちゃん、悠里くん。ソフトクリームを売ってるよ」
「…ほんとだ、ソフトクリームのキッチンカーって珍しいね?」
「そこにベンチもあるし、少し休憩しましょうか」
ソフトクリームのキッチンカーを見つけた3人は、そこで休憩する事にした。
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「……うん、しっかり紅茶の味がして美味しいわ」
「こっちの苺のソフトクリームも美味しい~♪」
千聖が頼んだのは紅茶味、花音は苺味、そして悠里は……
「…結果的にいつも頼むチョコミントで落ち着く僕。まぁいいんだけど……」
チョコミント味だった。
最初はレモン系かコーヒー系にしようと思ったが、最終的にいつも頼んでいるチョコミントにしようとなった。
ちなみにベンチに座る順番は、真ん中に悠里という形である。
何故か千聖と花音がそこに座ってと言われたので、仕方なくである……
「「…………((じー……))」」
悠里がソフトクリームを食べてると、千聖と花音からの視線を感じた。
もしかして食べたいのかな?と思った悠里は……
「…食べる?」
「えっ、いえ……悠里がチョコミントを選ぶなんて珍しいなと思って……」
「…要約すると千聖ちゃんは食べたいと。はい、あーん……」
「え、えっ!? あ、あーん……」
何を勘違いしたのか、スプーンで悠里に食べさせてもらう千聖。
食べさせ終わると悠里は、今度は……
「…ん、花音ちゃんにも。はい、あーん……」
「ふ、ふぇっ!? あ、あーん……」
花音にも食べさせる。
そして終わったのを確認すると再び自分で食べ始めた。
ソフトクリーム、うまうま……と言いながら。
「「…………((か、間接キス、しちゃった……))」」
こんな嬉しいイベントありなの!?と思うくらい嬉しさ半分、恥ずかしさ半分な気持ちになる千聖と花音だった。
「……いや~、それにしてもあの雲、クラゲに見えるなぁ……」
「ふえ? どれ?」
「んー? 花音ちゃんから見てあの大きい雲。丸い所が頭で、その下のふわふわって伸びてる雲が足に見えない?」
「あっ。ほんとだ~♪」
「言われてみれば、そう見えなくもないような……」
悠里の呟きに花音と千聖が反応を示す。
すると今度は花音が……
「クラゲ雲の奥に見える雲は、クジラみたいに見えるかも」
「確かにクジラの形に見えるわね。あ、でもイルカのようにも見えないかしら?」
「…確かにイルカっぽいけど、僕は親子イルカにも見えるよ? 小さい雲が混じってるから……」
「わっ、そうだね。親子で仲良くジャンプしてるみたいだね。凄いなぁ、空に水族館があるみたい」
雲を見ながらそう言った。
それを聞いた悠里と千聖は、空の水族館って面白い表現だなぁと思った。
千聖がいつもそんな事を考えながら空を見てるの?と訊くと、花音はいつもじゃないけど、こうやって空を見るのは好きなんだと言った。
「……花音の周りの時間はゆっくり流れてるわね。ハロハピに入って変わったところもあるけど、こういうところは変わらないわ」
「えっ? 変わった……かな?」
「…変わったと思うよ? 前の花音ちゃんだったら、今日みたいに遠出したいなんて言わなかったと思うし。今より迷子になるのを怖がっていたと思うから」
千聖の言葉に悠里も花音は変わったと続けて言う。
「言われてみれば、そうかも……でもそれを言うなら、千聖ちゃんだって変わったよ。前の千聖ちゃんなら電車で出かけようなんて言わなかったと思うな」
「…確かに今までだったら、頑なになっても言わなさそう。『や、やっぱり……車で行きましょ?』みたいな感じで」
「ちょっと……それもしかして私の真似?」
「ふふっ……悠里くん、千聖ちゃんにそっくり……」
花音の言葉に千聖のモノマネをしながら言う悠里。
「花音まで……でもそうね。前の私は安全な方法を選んできたから。でも今は少しだけ夢を見れるようになったわ」
「「夢……?」」
「ええ、笑われるかもしれないけど、今まで夢を持った事がなかったの。自分が叶えられる目標の事だけを考えて、できないかもしれない事は考えなかった」
そう言う千聖は、でもねと言い……
「パスパレのみんなと出会って、夢を持ちたいと思えるようになったのよ。できないかもしれない、でも叶えたい……そんなふうに思える夢を」
「それじゃ、千聖ちゃんが出かけようと思ったのって……」
「ええ、小さな事だけど夢……大きな夢はどんなふうに持てばいいか分からないけど、小さな夢を叶えられたら、少しだけ近づける気がして……おかしいわよね? こんな話」
自分でも2人に何を言ってるんだろう……と思う千聖。
「ううん。そんな事ないよ。とっても素敵な事だと思う。千聖ちゃんの夢、私も応援するよ!」
「…千聖ちゃんが今の言葉を忘れない限り、大きな夢に近づけると思うよ。僕も応援するよ。友達なんだから」
「花音、悠里……」
夢を持った事がないなんて笑われるじゃないかと思った千聖だが、花音と悠里は自分の夢を応援するよと言った。
「(そうよね……あなた達は出会った時からそうだった……)」
千聖が思い出すのは、彼女にとっては大事な2つの思い出。
「ねぇ、覚えてる? 私達が初めて会った時の事……」
読んでいただきありがとうございます。
ソフトクリームのキッチンカーって、ありそうでないですよね。
クレープとかなら見た事はあるんですけど……
次回も頑張りたいと思います。
本日はありがとうございました。