ダンジョンで卑劣様は間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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数ヶ月前に卑劣様モデルのオリ主を思いついたのは良いけど、穢土転生させたいけど主人公が墓荒らしってのはなぁ………って思ってたら、ダンメモのアストレア・レコードを見たら何かいけそうだなって…………

あ、アストレア・レコードのネタバレ注意です


過去編
暗部の狐面


「これでいいか………」

 

深夜、オラリオにある工場、その一室で、その工場で造られている『撃鉄装置』を袋一杯に詰めた狐の面を付けている男はポツリと呟く

 

「(しかし‥……世界を知ろうと飛び出した先で偶々出会った死人のような男女と殺し合ったと思ったら、腐れ縁のままズルズルと付き合い、世界の中心地ともいえる都市でコソ泥の真似事とはな……‥)」

 

3年ほど前、黒い鎧を着た男といつも目を閉じている女とどういった理由でかは忘れたが、地形を変える勢いで殺し合い、2人とも自分が『恩恵』を貰っていないと分かると「俺達の希望だ!」と言わんばかりに自分の存在を喜び、「お前こそ真の『英雄』だ!!」などと抜かし始めたのである

 

「『英雄』なぞ『今』の人間が決めるわけではあるまいに………ッ!?」

 

そう思わず愚痴をこぼしていると、何かに気付いた男はその場から身を翻す

 

「皆!行くよ!!進軍(ゴー)進撃(ゴー)進攻(ゴー)!!!」

 

ドガン!!と工場の扉が派手に蹴破られ、赤い髪を頭の上で一つにくくった緑の眼をした少女の合図と共に、ドカドカと4人の少女たちが入って来る

 

「さあ!追い詰めたわよ!『闇狐』!もうこの工場は私達が包囲してる!大人しく捕まりなさい!!」

 

「【アストレア・ファミリア】か………」

 

そこに現れたのは『正義の翼と剣』を掲げる女神を主神とする【ファミリア】、【アストレア・ファミリア】の団員達であった

 

「団長の言う通り、もう狐狩りは飽きました………そろそろ毛皮になりませんか?性悪狐?」

 

穏やかな口調でこちらを罵倒してくる極東の………男と同郷であろう黒髪で人間(ヒューマン)の少女

 

「あー、輝夜ほどじゃねぇが、アタシもお前のせいでここ最近寝れてねえんだ………つか、てめぇ、いつもいつもどうやって合鍵も何も使わないで建物に出入りしてんだよ………道具(アイテム)か?だったら置いてけよ、いや、とっつかまえた後、全部アタシによこせ」

 

「輝夜!ライラ!油断をしてはまた逃げられます!!」

 

口の悪いピンクの髪をした小人族(パルゥム)の少女に気真面目そうな声の覆面のエルフ

 

「ハァ…」

 

…………ここ最近、己の依頼主となったとある糞男神の依頼で『火炎石』や今盗んでいる『撃鉄装置』を各工場から盗み出す仕事を請け負ってはや数ヶ月、何時の間にやら勝手に渾名がつけられ、更には自分をしつこいぐらいに追っかけてくる少女たちに男は心底呆れたようにため息をつく

 

「ムッ!工場を壊すだけに飽き足らず、盗みを働いただけでなく、私のような美少女を見てため息をつくなんて、なんて悪い奴なのかしら!」

 

「………確かに、依頼でここの工場に侵入したが、扉を壊し、工場を滅茶苦茶にしたのはお前達(【アストレア・ファミリア】)だが?」

 

「ええッ!!?」

 

くだらないことを言いながら自分にビシィ!と指を向ける赤毛の少女────【アストレア・ファミリア】団長、アリーゼ・ローヴェルに思わずツッコむと、少女はピシリと音が聞こえるぐらいに固まり、周りの少女も呆れたように彼女を見る

 

「コ、コホン!と、とにかく!あなたが各工場から盗んでいることは覆そうのない事実!大人しく捕まりなさい!今日はまだ着いてないけど【ガネーシャ・ファミリア】だって呼んでいるんだから!」

 

男の言葉に動揺したアリーゼは、その動揺を隠すように咳払いをすると男に右手で再び勢いよく指差し、左手を腰に当て、男に投降するよう伝えるが

 

「アリーゼッ!!」

 

「団長様?自らの手の内を明かすのはお馬鹿を通り越して『愚か』ですよ?」

 

「なぁーんで自分で言うかなぁ!?」

 

「…………うん、貴様、阿呆だな」

 

団員どころか狐の面からでも分かるぐらい呆れた目を男から向けられたアリーゼは「ええッ!?」と驚く

 

「(相も変わらず阿保らしい………依頼も達成したし帰るか)」

 

内心、呆れ果て、少女たちと闘う気もうせている男は懐から素早く煙球を取り出し、地面へと叩きつけると辺り一面が煙に覆われ、少女たちも煙に隠れる

 

「ッ!煙幕!!」

 

「チッ!またかよ!!」

 

「だが、毎度そう上手くいくと思うなよ性悪狐!」

 

「ええ!この工場は1階しかなく窓は少ない!それに各窓を皆で見張ってるんだから!!」

 

が、窓から脱出した人影はなく、工場内に自分達以外の気配はない

 

「ま、また逃げられたぁ~~~ッ!!」

 

そして、ここ最近、おなじみになったアリーゼの悔し気な声が深夜のオラリオの一角に響くのだった

 

***

「戻ったか………扉間」

 

「依頼の撃鉄装置だ、これだけあれば文句はないだろう」

 

正義の派閥の少女たちが悔しがっている頃、男の姿は千年の妄執に囚われた一族の『作品』の一角にあった

 

「ああ、十分だとも………しかし時空間忍術だったか?便利なものだな、マーキングしていた場所に一瞬で移動できるとは………しかし、一体いつの間に工場にマーキングを仕掛けていたんだ?」

 

「決まっている、このオラリオに来たその日のうちに飛び回り、仕込んだ」

 

「うへぇ………」

 

扉間と呼ばれた男からのあっけからんとした答えに【闇派閥】の邪神である男神はその手際の良さにドンびく

 

「腐れ縁の連中から『会ってほしい神がいる』と言われたから会って依頼を受けたのはいいが、まさかコソ泥の真似事をさせられるとは思わなかったぞ………()()()()

 

「そう言うなよ……俺だってまさか伝説っていうのは……『恩恵』もなしに第一級冒険者以上の戦闘力を持つと恐れられた極東の『伝説の一族』、その生き残りがまさかここまでとは思ってなかったんだ」

 

エレボスと呼ばれた神は肩をすくめ、言い訳じみたことを男に言うと、男は狐の面を外す。その瞳が赤く発光し、瞳孔が歯車の様に変え、どこか誇らしげにどこか切なげに男の────とうの昔に滅んだとされている一族の『伝説』を漏らす

 

「かつて………数百年ほど前、極東に派遣されたゼウス・ヘラの【ファミリア】に所属していたレベル6を含むオラリオの冒険者数百人を全て返り討ちにした一族………が、その強さ故に一族の内紛で壊滅した愚かな一族…………」

 

もはや、この世界にその一族の生き残りは────今、この場にいる男ただ一人

 

が、男の実力はその『伝説』に恥じず、事実、『恩恵』をその身に受けずともこのオラリオで『頂点』であった2大【ファミリア】の生き残り────今はエレボスの眷属になっているレベル7、≪暴喰(ぼうしょく)≫や≪静寂≫とも互角以上に渡り合える数多くの『術』を持っている

 

「ああ、では改めて依頼しよう……どうか俺達の手伝いをしてくれないか────『伝説の一族』の末裔………ウチハ・扉間よ」

 

「ふん………」

 

微笑みを浮かべ、真正面から向き合うエレボスにウチハ・扉間は鼻を鳴らし、踵を返すと

 

「依頼は果たす………その後は好きにさせてもらうぞ」

 

そう言い残し、音もなく消えた




この時の卑劣様オリ主は22歳………つまり本編時は29歳のアラサーのおっさんです

そして姿ですが、顔に暗部の狐のお面をつけて、肩にモフモフをつけた青い鎧姿です



え?何でギルド側じゃないのかって?しょーがねーだろ、血やら得られるの【闇派閥】側しかねーんだから



(嘘です、実は数ヶ月前はアーディとかアリーゼとか遺品に血がついてたからそれ使って穢土転生させたろ!思ってたら2人とも何も残ってなかったというね………
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