ダンジョンで卑劣様は間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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え?お気に入り登録250件越え?…………マジで?


神のお守り

「あ、そうだ扉間、今日、オラリオをうろつくから護衛してくれよ」

 

「…………なに?」

 

魔石工場から『撃鉄装置』を盗み出した次の日の朝、己の武器である苦無や小刀、起爆札を整理し、手入れをしていた扉間はエレボスの言葉を理解できなかった

 

「目的は何だ?エレボス」

 

「なに、ただ知りたいだけさ…‥…『正義』とは何か『悪』とは何なのかをさ………」

 

そう微笑みながらいそいそと準備を始めるエレボスに扉間は小さなため息をつく

 

「どうせ気に入りの玩具を見つけたいだけだろう………『必要悪』の神よ」

 

***

「う~ん、このジャガ丸くんというのは美味しいな、このホクホクの食感、不快過ぎない脂っこさと少しばかり強い塩味………癖になるよ」

 

「人に金を出させといてその言い草かエレボス」

 

「おいおい、今の俺はエレンだよ………でも何でヴィトーに変装しているんだ?」

 

夕暮れのオラリオ、だが『世界の中心地』とも呼ばれる場所に活気はなく、人々は何かに怯えるように俯き、店には防犯用に格子が付けられている大通りをエレボスと扉間は歩いていた

 

「俺としては素顔のままの方がどうかしているがな………この男の顔を使っているのは特徴がなくて覚えられないからだ………あと、『変装』ではなく『変化』だ」

 

「へぇ~。そんなことも出来るんだぁ………ねぇ?」

 

「………」

 

閉じている目をうっすらと開けたエレボス……エレンのアイコンタクトに扉間は無言でワザと隙をつくる

 

「ははッ!いただきだぁ!」

 

すると、案の定先程からエレボスを狙っていたことがバレバレであった男がエレボスから財布を奪い取り逃げていく

 

「あ~~~~~れ~~~~~~!」

 

「お、おのれぇ!それは我が主神の全財産四四四ヴァリスの入った財布ッ!くっ!だが、我が主神を置いていくわけにも………ええい!だ、誰かぁ!協力してくれぇ!」

 

((扉間(エレボス)、芝居上手(下手糞か)っ!))

 

内心、互いの芝居にツッコミを入れつつ、まるで財布を取られた被害神とその眷属の様に振舞うと

 

「あれって男神様?神から財布をブンどるなんて世も末ね!というか所持金が微妙にショボいわ!神なのに!!」

 

「(よりにもよって【アストレア・ファミリア】か)」

 

前方から聞こえてきた昨日も聞いた聞き馴染んだ声に、僅かに顔をしかめつつも、エレボスに歩調を合わせ追いかけると

 

「ぐえっ!」

 

財布を盗んだ男が飛ばされ、地面に挨拶する

 

「(【アストレア・ファミリア】に続いて【ガネーシャ・ファミリア】か………『正義』を問うには丁度いいかもな)」

 

そう思い隣を見ると、エレボスも彼女たちに興味を持ったのか胡散臭い笑みを浮かべながら近づいていく

 

***

「(しかし、相手が未熟だと分かっているのによくもまぁペラペラ話せるものだ)」

 

内心、エレボスに呆れつつ、神とはそういうものかと納得しつつ、エレボスが空気をあえて読まない少女と天然の容赦のない、腹を抉るいい言葉のコークスクリュー・ブローを喰らったりしているのを見て

 

「………我が主神よ、そろそろ」

 

「ん?ああ、じゃあ俺達も戻ろうか、じゃあね正義の女神の眷属達」

 

エレボスがそのうちのエルフの少女に興味を示し、どうやらそのエルフは自分が玩具にされかけていることに気付いていないようだが、【ガネーシャ・ファミリア】の少女と【アストレア・ファミリア】の団長は薄々気付きかけているようなので、これ以上ボロが出ないようにエレボスを促し、彼女達に一礼をし、立ち去る

 

「おいおい、せっかく面白い奴を見つけたってのにもう帰るのか?」

 

「当り前だ、あのエルフはともかく、残りの二人は警戒し始めている………それにもうマーキングはした」

 

そうサラリと告げる扉間に「……いつ?」とエレボスが尋ねると、「先ほどお前と話しているときにな」と答える

 

「手癖が悪いなぁ……」

 

「そうか?」

 

そう言いながら、大通りから狭い裏路地に入り、周辺に誰もいないことを確認してから

 

「じゃあ、よろしく」

 

「ああ」

 

そうエレボスの肩に手を置くと、1柱の神と1人の男は音もなく消え、拠点としている人口迷宮へと戻る

 

***

「………」

 

「どうしたよ?輝夜、『闇狐』の武器なんか見つめて」

 

【アストレア・ファミリア】の本拠(ホーム)で、唯一と言って良い『闇狐』の手掛かりとなる『闇狐』の武器を睨むように見ていた輝夜にライラが声を掛ける

 

「いや……何でもない、ただ、ナイフでも小刀でもない珍しい武器だと思ってな」

 

「まあ、オラリオじゃあ見かけねえ武器だよなぁ、持ち手に変な文字みてえな模様書いてるし」

 

「そうだな………」

 

「?」

 

どこか心あらずな輝夜にライラは首を傾げ、「悩みすぎんなよー」と手をひらひらさせながら去っていく

 

「(この字は極東の忍び文字………ならば『闇狐』は私と同じ極東の者か……)」

 

しかも相手は忌まわしい血生臭い極東の中でも、目的を果たすためならばどんな非道も外道も平然と行う『忍びの者』、今はコソ泥のような真似をしているが、もし、本格的に敵対すれば

 

「私やライラ、≪勇者(ブレイバー)≫ならばともかく団長様やあのエルフはな…」

 

間違いなくあの真っ直ぐすぎる性格が災いし、『闇狐』の仕掛けた罠に簡単に引っ掛かり、命を落とすだろう

 

「アストレア様に相談しなければな……」

 

己の主神の元に向かうべく椅子から立ち上がって呟いた輝夜の不安げな声は、誰もいない本拠(ホーム)に消えていった




Q.魔法を使う奴と相対した時は?

A.飛雷神斬りを応用して、喉or口内で起爆札もしくは自爆装置を爆発させて詠唱させなければいいだろう?



      なお、アルフィアに起爆札でドカンした模様
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