ダンジョンで卑劣様は間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
「依頼通り、各【ファミリア】の
夕刻のオラリオにある古ぼけた教会、そこでエレボスと合流すべく跳んできた扉間が教会に入るとそこにはエレボスだけでなく、屈強な大男と華奢な美女がいた
「……急に後ろに現れるな不愉快だ」
「ハハハ!気にするな、アルフィアは『恩恵』を貰ってもいないお前に何度も後ろを取られるのが悔し「ザルド」す、すまん」
銀の美しい髪の女が睨みつけ、それを大男が茶化すが、ザルドより低いアルフィアに下から睨みつけられ、ちょっと引きながら謝り、それを見ながら「ゼウスとヘラの力関係が分かるなぁ」と微笑を浮かべるエレボスと呆れる扉間
‥……そこには明日にでもオラリオに混沌と破壊を呼び、新たなる『英雄』の踏み台になるような剣呑な空気はなく、何処か穏やかな日常の光景があった
「………しかし、扉間よ、本当にいいのか?俺達は『覚悟』はできているが、お前はただの『依頼』だ……それに成功しても失敗しても」
「愚問だな、神エレボス、『忍』とは依頼人に忠実であるもの、そこに善悪は関係ない」
「そうか……難儀だな『忍び』というのは」
「ああ、つまらんものさ」
夕日に照らされながら、そう語り合う神と人間達は、暫く田舎に置いてきた家族について話し、たった一人の家族がどうなって欲しいかを語り合ったあと
「では………行こうか」
「「「ああ」」」
オラリオの新しい英雄達に、過去の『英雄』を超えさせるべく『絶対悪』として、大罪人として名を残す覚悟を決めて、廃教会から出ていった
「あ!『闇狐』!」
「………またお前達か」
ダンジョン18階層、エレボスからダンジョン内で活動している闇派閥のフォローを依頼された扉間は、人工迷宮の秘密の出入り口から出て、何人かを回収していると、再び【アストレア・ファミリア】の面々と鉢合わせしていた
「さぁ!ここで会ったが百年目!大人しく捕まりなさい!」
などと、赤い髪の少女が、目の前で抜かしているが、それを無視して、逃げようとすると
「─────居合の太刀・五光」
「!?」
視界の端に映った一閃、咄嗟に右手の苦無を首元に出すと、甲高い音を立て、苦無と太刀が火花を立てる
「やはり、その武器…………貴様、極東の者、しかも『忍び』だな、誰に雇われた!」
切りつけたのは、【アストレア・ファミリア】の黒髪の極東の服を身に纏う少女、彼女と鍔迫り合いをしながら扉間は仮面の下で薄く笑い
「その太刀筋は知っている、成る程、お前『ゴジョウ家』だな…………まさか暗部の負け犬がオラリオに流れ着いていたとは驚きだ」
「貴様ぁ!!」
「輝夜!下がって!」
軽く挑発すれば、少女は怒りを見せるが、すかさず赤い髪の少女と小人族の少女、フードを被ったエルフの少女が扉間に切りかかるが
扉間は鍔迫り合いを止め、苦無を輝夜に向かって投げつつ、その攻撃をバックステップで躱す
「今よ!」
が、そこに追撃と言わんばかりに魔法陣が展開され、魔法が扉間に向けられる
「!」
扉間が見たのは、炎、氷、風、様々な魔法が自分へと向かう光景であった
「(仕方あるまい)」
素早く手で印を組み、左手で僅かに仮面をずらし
「水遁・水陣壁!」
「なっ!」
口から大量の水をはきだし、水の壁を作ると、水の壁は魔法を全て飲み込み、無力化する
その光景に絶句している【アストレア・ファミリア】の面々をよそに、扉間は、再び印を組み
「水遁・水龍弾の術!」
先程までの壁となっていた水が、龍の形となり、一気に【アストレア・ファミリア】へと襲いかかり、彼女達を押し流していったことを確認し
「………任務完了」
そう呟いて、扉間は音もなく18階層から消える
「随分と小娘相手に手間取ったようだな」
「ふん…………」
闇派閥がアジトとしている人工迷宮で扉間を迎えたのは、アルフィアであった
「しかし………貴様、幾つ『術』とやらを持っている?私とザルドとの時は確か『火遁』とやらを使っていた筈だが」
「俺が使えるのは、基本的には火、水、土、風、雷の五遁、それに陰遁だ」
「ほぅ、便利なものだ」
「…………嫌味か?」
「本心だが?」
そのアルフィアの言葉の後、妙な静寂が二人の間に暫く流れ
「まぁ、そういうことにしておこう」
「ああ、そうしておけ」
先に折れたのは扉間であった
───────決して、アルフィアがうっすらと目を開けていたのが怖かったからとかそういう理由ではなく、自発的に折れたのである
次回投稿は未定です…………