もてもてドクター   作:雅裕

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初めて当てた☆6がシャイニングさんだったんですよ。
というわけなのでドクターとくっつかせます。うちの世界のシャイニングはこうなのでその体でよろしくお願いします


シャイニング

「なんだか静かですね」

 

 秒針と紙の擦れる音、それ以外なにも聞こえないこの部屋で声はぽつりと雫のように垂れる

 彼女も静かなのは嫌いじゃないらしいが、それでも少し気まずいのか先にシャイニングが話しかけた。

 なにも意図してこうなっているわけでもなく、単に話す話題用意してなかったがゆえにこうなる

 

「そうだね、昼間はあんなに人が出入りしてたのに」

「ええ……これほど静かになるのは今でも違和感を覚えますね」

「でも、これほど静かだと退屈じゃないの?」

「いいえ…、私は…ここに居るだけで充分です」

彼女は微笑みながらそう答える

 

やはり誰もいない方が落ち着くのか、シャイニングはこの時だけ微笑みを見せる事がある

いずれにせよ、時針は0時を指してる。ほとんどの職員は寝てるし、騒がしい方がはた迷惑だ

 一方でドクターは底冷えする部屋で未だ終わりが見えない事務作業に心を削られ、精神崩壊まで秒読みである。実のところロドスが抱える闇は大きい

 

「就寝……なされないんですか?…お体に障りますよ」

 

 心配してくれているのか、こんな時間までシャイニングは付き添ってくれている

終わる気配がなくても、そこに彼女がいるならまだ辛抱ができる

 

「シャイニングは寝ないの」

「私は大丈夫ですよ…それよりドクターは」

「まだやる事があるんだ。今に終わるよ」

「……普段どこで寝ていらっしゃるのですか」

「そこだけど」

 

 シャイニングの座っている1つ向かいのソファ、そこを指さすとまた作業に戻った。

 今に終わると言って終わらない、今は終わりたくても終えられない。

 昨日は何時に寝ていたか、どのような体勢で寝ていたか、ドクターはハッキリとは思い出せない、だけれど昨日もきっとこの時間で、同じ気持ちでここに座っていた

 

「…昨日から一睡も居ていないのではありませんか?」

「どうして。僕でも覚えてないのに」

「ずっとあなたの傍におりましたから」

 

 だそうで、ならば昨日と同じことをするまで。実にドクターは単純な男であった

 

「そろそろ……寝てはどうでしょうか」

 いつまで経っても終わらない作業に、シャイニングはしびれを切らしこちらを見ている

「……まだ」

「寝てください」

 

 穏やかだった声が、些かでも突然と力が入っているように思える、

 思考停止していたドクターの耳に届くには充分だった

 

「疲れているあなたを見るのは…心が痛いのです」

「…………」

「ベッドはないんですか……?」

「ない」

「でしたらソファでも構いません、どうか睡眠を……」

「明日の書類がある」

「……頑固な方ですね」

 

 勘が鋭いのかドクターはペンを置いて身構える

 一方で意を決したシャイニングは席を立ち上がって互い見つめたまま、ドクターの左側まで寄ると、こちらの右脇と膝裏に手を伸ばした

 俗に言うお姫様抱っこ。しかしドクターは勘が鋭い。彼女の行為を素早く察し、くるりと身を回して力を入れられる前に席を立ち上がった。椅子を挟んで向かい合う2人、歪な攻城戦は幕をあげる

 

「さぁ……こちらへ」

「いやだ! あと少しなんだ!」

「手荒な真似はしたくありませんが……致し方ありませんね」

 

 そうしてシャイニングは椅子を避けてこちらへ距離を詰める

 当然男としてお姫様抱っこはされたくないので詰められた分だけまた後ろへ下がる

 しかしこれではいつまでも不利、壁に背が当たると今度は右へ避けた。彼女は至って冷静で落ち着きながらも着実に距離を詰めるが、同様に眠いのか、彼女もまた足にふらつきがあった

 

 彼女から回り込んで壁のない方へ移動した。状況が状況だ、執務室から出れば、たちまち敗北を意味する。

 為す術もなく部屋をぐるぐる回れば、最終的に後ろ歩きのドクターはソファに膝裏がぶつかり倒れ、起きるより先に、シャイニングも側へ寝転び頭を抱える形に抑えられる。

頭がほんの一瞬、冴える感覚を覚えるが、抵抗する気力もなく、ついにされるがままになった

 

 もはや争いのベクトルではない、不毛な距離の詰合いはさっさと幕を下ろした

 

「これで寝てくれますね……?」

「……息がしずらい」

「我慢してください」

鎖骨の辺にあるスカーフへぴったり顔が埋まっている

「…私がそばに居ますから、安心して…どうか安らかに」

「私の鼓動が……聞こえますか」

耳を澄まして聞こうとすればするほどに自分の心音で打ち消される

「あんまし…かな」

「あなたの鼓動が……こんなにも近くで聴こえます」

そう言うと抱きしめられる力が強くなった

 

それからは互いに一言も発さず、眠りにつこうとしている

製薬会社の実質トップと謎の多い旅医者が、今だけは怪談じみたものに捕われることもなく心の距離縮められる気がした

 

彼らは深く、暖かい暗闇に身を委ねる




眠い中で書いてたからぼくも実質ドクター。

あと前に、ニアールさん編を出したかと思うんですけれど、それとこれはまた別の世界線ってことなので浮気にはならないかと思います。

ナイチンゲールさんは持ってないので別の派閥書きます。リクエストあればどうぞ

えらべ

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