自然に目が開くと、体全体が心地よくしびれていて、頭の半分はまだ冴えていない
「起きたか、ドクター?」
身を起こすと、サイレンスは自分の席に座っていた
「ん...いつの間に」
「随分と寝てたな。あと少しで全ての書類が終わる所よ」
「ごめん、今行く」
そういって床に足をつけると、まっすぐ机へ向かう
「分けてもらえる?」
「はい、これ。すぐに終わるはずだよ」
研究以外の時間のほとんどはここにいて、手伝ってくれる。ありがたい限りなんだ
自分もサイレンスの隣に座ると、せっせと作業を始めた
いつもとは席が逆の様子
時計は2時を指している。昼間では眠そうにしているが、今こうして見る限り、本当に夜型のようだ
「それはしなくていいの?」
「これは大丈夫。イフリータに渡す宿題だから」
「...イフリータも最近、よく笑うようになったの」
「君のおかげだよ」
これ以上は触れなかった。イフリータはいい子だ
いつも忙しい彼女はこの頃、眉間の皺が晴れた気がする
「この作業が終わったら何かする?」
「することもないでしょう」
「それはそうだけど...」
「ならもう一度寝たらどう?」
「少しもったいないけど、そうするかな」
そう決めると手元に視線を戻し今に書類を終わらさんと、会話は少なくなった
ほとんど触らずに寝ていたはずだったのに、起きるとサイレンスがほとんどを終わらせてくれていて、頭が上がらない
「よし。これで最後だ。いつも手伝ってくれてありがとう」
「もとから一人で終わるような量じゃないでしょう。好きでやってるから気にしなくていいよ」
「それじゃ僕は寝るけど、サイレンスはどうするの?」
「私もどうするかな」
「寝てる間はここ、好きにしていいから」
「ならそうさせてもらうよ」
最後に提出するものを仕分けると、ドクターはまたソファへ戻った。ベッドは、ない
待ちかねたように飛び込み、仰向けに身を預けると、すっと寝息を吐いた
しかし程なくして目が覚めると、薄目に周りを見渡した
人は寝る直前に見た情報と今を照らし合わせて状況を確認するらしいが、特段言うことはほとんどなく
一つ、サイレンスは頭のすぐ上に座りこちらを見ていて、手が自分の頬に添えられている
「寝なくていいの?」
尋ねると、同じように自分の頬に手を重ねた
「狸寝入りとはらしくないね」
「寝てたのは本当だよ。君が寝たほうがいいんじゃない?」
「今は、まだ眠くないかな」
「まぁ、無理はしないでね」
頬に添えられた手はやがてゆっくり移動しながら、頬を撫でた
「世界からオリパシーはなくなるのと思う?」
「...いつか。かな」
「ならそれまで、一緒に研究を続けてくれる?」
「もちろんだよ」
「それが聞けたなら安心ね」
そう言うと、首元を持ち上げられる。ずるずると器用に体を上へ移動すると、ドクターの頭は彼女の膝の上に置かれた。ありていに言って膝枕
日が当たらないために白く、それがまるでつい先刻まで何かに覆われていたものが初めて外気にさらされたように、色も形もあまり無防備に見えた
「でももし、一生なくならなかったらどうする?」
「一生やるよ」
「それはどういう意味?」
「そのままの意味だけど」
「...そう、なら私も頑張らないとね」
そう言って彼女は微笑んだ。それを最後にパタリと会話は止んだ。
多少寝ていれど体の細胞は未だ睡眠を求めるように訴えかかっている。
目を閉じるとそのまま暖かい泥に身を包まれるような感覚を、覚える間もなく眠りについた
やがて最後に目が覚めると、頭を体で挟むように、サイレンスは寝息を立てていた
以後は何もないが、サイレンスはよく実験成果を事務室へ報告してくるようになった
"イフリータを生み出した"を直喩として捉えた途端、三人の関係性が昼ドラに思えてきました
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