ペルソナ∞ 作:ジャイル
ついにこの日を迎えたね
そうですね、ベラノ様。しかしその台詞は来年まで取っておいた方がよいのでは…?
それもそっか……そういえば準備はできた?
はい、すでに各国の衛星のハッキングは完了しております。対カウンタープログラムも問題ありません
それじゃあゲームを始めようか
―――――
とある日のIS学園、夜――
「明日から新学期ですね」
んー、と背伸びをしながら仕事を終えた
「そうですね、今回も我々は1年1組ですか…先が思いやられますね」
頭を抱える後輩に先輩は苦笑していた。というのも一年前、後輩が初めて受け持った教室は問題児が多く揃ったクラスだったからだ。『やっかい者はひとまとめにしよう』という魂胆見え見えなクラスを副担任として任された初日から悩みの種は尽きなかったのだ。そんなクラスも丸くなり、平和になったのはつい最近のこと。ようやくストレスが減った矢先にまた新入生のクラス、しかも今度は担任を任されるという事態に後輩は手放した
「更識姉から解放されるだけ十分ですよ…」
「あはは…それにしてもクラス名簿見すぎじゃないですか?流石に全員覚えてるんじゃ?」
「あ、いや、そうですが念にはと思って」
「生徒を思いやる気持ちはいいですが、それで体調崩しちゃ目も当てられませんよ?寮に戻ってご飯を食べて明日に備えないと」
そう言って改めてクラス名簿に目を通しはじめた後輩を連れて寮へと向かおうとしたその瞬間―
「…!?」
―職員室中のパソコンが一斉に起動した。誰も操作していないのにもかかわらず、某動画投稿サイトを開き、砂嵐が映る生放送中の画面を全画面で映し出した。有事に対し身構えるまでの速さは流石といったところだが、異常事態にはそれだけではなかった。二人に支給されている端末も同じように点灯し、砂嵐を映しだしたのだ。
「まさか、アイツか?……いや、違う…」
心当たりのある後輩がこういう事をしそうな
既に寮に戻っていた他の教師が生徒を落ち着かせる声が聞こえてきたために二人は大丈夫だろうとその場を動かず画面を注視していた。それから数十秒後、砂嵐はゆっくりと止みその代わりに不気味に光る月を背中に二人の女の子が映っていた。
「…っ!」
その2人を見て後輩は息をのんだ。その二人はかつて接していた二人だったからだ。一人は自分の【
『我は人間の無意識よりいでし管理者、統制神ヤルダバオトの使徒、ベラノ』
『同じく、モイライ。これより我らが主からの宣託を下す』
『管理者の役目は、人類を正しい発展へと導くことである』
『しかし人類の愚かさと退行が示された今、それを粛正することが我らの役目』
『人類に任せておいては緩やかに破滅するのみ。最早更生程度では生ぬるい』
『よって、天よりの刑罰を下す』
交互に話しだしたベラノとモイライの二人。その内容をすぐに理解できる人はいなかった。後輩は映る二人に動揺して話などまるで聞いていない。何故、どうして、という疑問が頭の中を回り続けていた。話を終え、口を閉じた彼女が指を鳴らした。その瞬間、全世界で大規模な爆発が起こった。もちろんIS学園も例外ではなかった。
燃え上がる校舎たち、巻き起こる熱風と炎、そして遅れて聞こえてきた悲鳴。これらによって、ようやく彼女はこの惨状に気が付いたのだった。すぐさま生徒の無事を確認するため、二人は寮へと向かった。
『主からの宣託は以上。なお、反逆の翼を用いて刑罰から逃れようとする姑息な賊が現れないよう、ISのコアは
『これで第一の刑罰は完了。次の執行日は日本時間6月1日午前0時だ』
『最期に無様に足掻け』
『ではまた会おう』
そう言い残し、生放送は終了。画面は砂嵐へと戻り、すぐさま操作される前の状態へと戻ったのだった。しかし、わずか数フレームだけ映ったメッセージに唯一反応できた天災はただただ涙を流していた。