機動戦士ガンダム 輪廻の果てに 作:ザク大尉
オークランド研究所での試験(という名の人体改造)が終わり一応の自由の身となった俺はしばらく研究所で過ごした後、財団のほうから何らかの働きかけがあったらしく、アークの姓を名乗り連邦軍士官学校へ入学することになった。
無論、完全なる自分の意志でというわけでもなく研究所の人間や財団の人間に勧められた結果だ。
彼らの話によれば、
・自分は後天的に強化されたため不安定な部分がある(多分)、とのことで年に一度定期健診を受けなければならない。
・だが、それには専門の機器やスタッフのいる病院でなくてはならず費用がバカにならない額になる
・そこで連邦軍に入るならば公費で検査できるし体の欠陥が見つかった場合も速やかに対処できるよ、とのこと。
・・・勝手にあんたらが体を改造しといて挙句、欠陥があるかもしれなくて検査が必要で検査にお金がかかります……ってどこの悪徳商法なんだよ!
と思う俺がいるのは事実ではあるが一方でこれまでの自分の受けた人体改造によって今の俺があるも確かであるため残念ながら当然であると思う自分もいる。なんかくやしい。
そもそもビスト家に生まれた自分であるからしてまっとうな人間としての道を歩むことは無理だ、いろいろ考えたところ何かが変わるわけでもないし…そう、大事なのはこれからのことだ。
思考が迷走しかけていたので強引に路線を戻す。
士官学校ではエルのヘルプもあり4年間十分な成績を修め主席で卒業。
卒業論文はアニメ知識を生かして、
『ミノフスキー粒子散布による戦場の変化とミノフスキー粒子散布下の予想される新兵器及びそれらを用いたコロニーの質量兵器転用そしてその対処法』
という長い題名のものになってしまったが卒業できた。学生生活?特に面白いことはなかったですよ。友達はできましたけど。
卒業後の配属先はできたばかりの総司令部ジャブロー。部署と階級は統合参謀本部・戦術研究室付きの少尉である。
戦術研究室の仕事は前線部署などから何らかの問題の報告があった時、それに対し何かしらの解答を出す、
というぬるいものなのでその仕事を済ませれば割と残業などもなく、有給は取りたいときに取れるし定時に帰ることができた。最高の職場である。
たまにいらっしゃるお偉いさんの相手がキツいのである。っていうか来るのがおかしい。
自分はただの一介の少尉に過ぎないというのにレビル派、そしてそれに対抗してかゴップ派のお偉いさん(下っ端ではなく将官クラスというか派閥の長)が来るのである。これは良くない……
もともとは卒業論文内容に興味を持った佐官レベルの将校が話していたところ、どういう経路かレビル大将とゴップ大将の耳に留まり、それぞれに呼び出しを喰らって……
レビル大将にはミノフスキー粒子下での戦闘はモビルスーツが主となるという話で意気投合し、ゴップ大将にはモビルスーツの開発・発展などで話が合い……結果両方共と仲良くなりました。
この時点でもう何かがおかしい。
で、私の部署が問題に対処する方法などを考える部署なので……
大将自らあれが問題だ、これはどうなっている?
と直接私のところに話に来るようになってしまった……
この間はゴップ大将とレビル大将が同時に自分の部署に来るなんて状態になり、これは修羅場か……と覚悟したのだが、お互い私と話した内容で盛り上がり、ミノフスキー粒子を散布された場合の戦闘やジオンの作ってくるであろうモビルスーツに対しての意見が一通り一致し互いに仲良く……
とまでは行かないのかもしれないが楽しげに語らい合っていた。
私のいる部署で。
もう一度言おう、
普通の会社で考えると入ったばかりの幹部候補社員に社内の二大トップ派閥の長が話に来るんだよ?!
毎日。おまけにいきなり重役会議みたいなのはじめるし、結構機密情報とかも出てくるし。
おまけに会社の今後のあるべき道筋について自分に聞いてくる!
こんな感じ。
うん、わかりやすくしたつもりだけどちょっとワカラナイデスネ……
ストレスで胃に穴が飽きそうだったので異動願いをひとまず室長の大佐に出そうと思ってしたためてきたらその大佐が胃潰瘍になって入院してました。まる。
今の月日は宇宙世紀0075年8月18日。
一年戦争まであと1234日。