機動戦士ガンダム 輪廻の果てに 作:ザク大尉
「お前はビスト家の一員となることを望むか?」
カーディアスのその問いは自分にとって予想していなかっただけにすぐに答えることはできなかった。
「ビスト家の一員……」
「そうだ。」
「……それは私を養子にしたいということでしょうか?」
「そういうことになる、な。」
「……身寄りのない私を引き取っていただけるのであればすぐにでもお願いしたいのはやまやまですが…なぜです?なぜ私を?あまりあったこともないのに…」
「君が優秀であったから、というのはダメかね?」
エルナードは少し眉をゆがめ、カーディアスから視線を戻し虚空を見つめる。
しばらくの静寂ののち、風がさっと吹いた。
「宇宙世紀
「確かにそうだがそれがどうかしたかね」
一瞬カーディアスの表情が変わった気がしたがすぐに繕われ、元の表情へと戻る。
「けれどももし、それが現存していたら。そしてそこに消された1章があるとしたら。宇宙に適応した新人類を優先的に政治へ参加させる。そんな条項があったとしたら。」
「……何のことを言っているのかね、そんな作り話 」
「第七章 地球連邦政府は、大きな期待と希望を込めて、人類の未来のため、以下の項目を準備することとする。
第十五条
一、地球圏以外の生物学的な緊急事態に備え、地球連邦政府は研究と準備を拡充するものとする。
二、将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させることとする。 いつまでしらを切るつもりです?父上?」
「……なぜ、なぜ君がそのことを知っている?それに父親などと…」
「実際事実でしょう。おじい様…サイアム様はご健在で?」
(いったいどこまで君は知っているんだ……)
「さあ?私は知っていることは知っているし知らないことは知らない、それだけです。ああ、私を養子にしたい本当の理由をうかがっていませんでしたね。お聞かせ願えますか?父上。」
「……ご当主は君が十全に軍でも成果を上げているということで君を家に加えることをお望みだ……」
「そうですか。私はあなたの気持ちが知りたかったのですがご当主がお望みというのならばそうなのでしょう。」
俺は来た方向に体を向け、肩越しにカーディアスを見ると一言言って帰る。
「ビスト家への養子縁組の件。了承いたしました。」