とある科学の幻想操作   作:モンステラ

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再会

 

学園都市・第23学区

1学区丸ごと航空・宇宙分野開発のために占有させている学区である

民間機の他に学園都市の制空を守るための戦闘機やヘリコプターなどの開発も行われている

また、研究所も多く存在しており、研究者の数が他の学区に比べて遥かに多い

 

 

そんな学区のとある研究所に御坂たちは来ていた

 

 

「どうだ、わかりそうか?」

 

「もうちょっとです。プロテクトが硬くて」

 

 

初春と木山が中央の管制室にあるパソコンを使い、子供たちの居場所を調べる

しかしそれも少し時間がかかるようだった

 

 

「全く、お姉さまと降魔さんが1人残らず片付けるから・・・」

 

「しょ、しょうがないじゃない。さっきは中に誰もいないなんて思いもしなかったんだから」

 

 

白井と御坂と降魔は管制室の外に座り込んでいる

降魔は彼女らの会話には参加せずに近くにあるコンセントを弄って電極を少しだけ充電していた

ここへ来るまでと先ほどの戦闘でバッテリーをかなり消費してしまった

後々のことを考えると少しでも充電していくのに越したことはないだろう

 

すると

 

 

「あった!!今この施設内で、1ヶ所だけ消費電力が桁違いな場所。最下層ブロックの・・・」

 

 

初春が見つけた場所に向かうと

そこには木山の教え子たちが眠らされていた

それを見て木山は表情を緩ませる

 

 

「春上さん!!春上さん!!!」

 

 

彼女らの友達の春上という少女も無事だったようだ

初春が必死で名前で呼ぶ

 

感動の再会のはずだった

 

 

「待ってろ、今助けて・・ッ!?」

 

 

木山でさえも感じ取れる程の嫌な音が脳へ響き渡った

 

 

「ぐッ!!ぐぅぅう!!」

 

「お、おい!!大丈夫か!!?」

 

 

初春、白井、御坂達が苦悶の表情を浮かべる

それに異変を感じ取った降魔は電極のスイッチを切り替える

 

しかし、

 

ドサッと先ほどまで普通に立っていた降魔の体が急に倒れる

御坂達とはまた違った症状だ

 

 

「この、クソガキ共が」

 

 

御坂達の後ろには顔を血で汚しているテレスティーナがいた

 

 

「なッ!?アンタはッ!!」

 

「さっきの礼だぁ!!!」

 

 

そう叫んで自由に動けない御坂と白井を吹き飛ばす

御坂達は受け身も取れずに壁に激突し、地面に倒れ伏す

 

 

「白井さん!!御坂さん!!」

 

 

それを見ていた初春が叫ぶ

そしてテレスティーナは地面に寝転ぶ降魔に近づき

 

 

「お前もなぁ!!!」

 

 

蹴り飛ばす

まるでサッカーボールでも蹴るように足を振り上げ、降魔の腹を蹴り飛ばす

 

 

「ごっ、がぁ!!?」

 

 

降魔の体がボールのように吹き飛び、地面をバウンドする

それを見ていた木山が飛び出す

 

 

「貴、様ぁぁぁぁ!!!」

 

 

しかし、駆動鎧を着ているテレスティーナに敵うはずもなく、片手で吹き飛ばされる

希望はある少女の手に託された

 

 

 

 

降魔は血を流しながら目の前に景色を見る

 

 

(な、んだ、これ)

 

 

突然演算能力を奪われた

能力を使うどころか体を動かすこともできない

キャパシティダウンではないだろう

 

恐らく、電極が繋がっているネットワークを妨害するような電波が流されているのだろ

歪んで、色彩さえおかしくなった視界で辛うじて見えるのはテレスティーナに首を掴まれ、宙に吊し上げられている御坂美琴だった

 

 

「あぁ?何だぁ?」

 

 

醜く、嬉しそうに笑みを溢すテレスティーナの耳にどこからか声が聞こえた

 

 

『モルモットだろうが、何だろうが、そんなこと知ったことじゃない!!!!』

 

「佐天さん!!!」

 

 

どうやら先ほどの管制室からマイクを使って放送しているようだ

 

 

「ガキがもう1匹!?何で動けるっ!?」

 

 

焦ったように辺りを見渡すがもう遅い

既に彼女は手に持っていたバットを振りかぶっていた

 

 

『私の友達に、手を出すなぁ!!!!!!!』

 

 

ガッシャーンという何かが壊れる音と共に御坂達を襲っていたキャパシティダウンと降魔を封じ込めいた妨害電波が消え去った

 

 

「しまっ、ぐッ!!?」

 

 

そう思った時には白井が自身の鉄の矢をテレスティーナの右手に食い込ませた

手に持っていたファーストサンプルが地面を転がる

 

それと同時にどこかで地面を蹴る音がした

バッテリーは持つだろうか

いや、考える前に動け!!

 

すでに電極は切り替えてある。あとは体に命令を送るだけだ

足元にかかるベクトルを操作し、爆発的な加速を生み出す

 

 

「吹き飛べ、三下がよォ!!!」

 

 

降魔の拳がテレスティーナの顔面に突き刺さる

ズンと低い音と共にテレスティーナの体が入り口付近の壁まで吹き飛ばされる

その瞬間にピーっと電子音と共に再び降魔の演算能力が失われる

バッテリーが切れ、ズシャっと地面を転がり、動かなくなる

 

それでもなおテレスティーナは立ち上がる

 

 

「んふふふっ、ぎゃっはははは!!!!!!」

 

 

笑い、嗤い、微笑った

 

 

「もぉいい、わかったよ。テメェらはこの施設ごと吹き飛ばしてやんよぉ!!!!!!!」

 

 

そう言って手に持っていた何かを展開させる

それは電気を帯び、まるで何かの準備をしているようだった

 

 

「これはテメェの能力を解析して作ったもんだぁ、テメェより強力にな!!!!」

 

「ったくどこまで自分を哀れんだらそこまで逆恨みできんのよ」

 

「学園都市超能力者だろうがこの街じゃただのデータなんだよ!!!!」

 

「学園都市はね、私たちが私たちでいられる最高の場所なの」

 

 

自分にできないようなことをやってくれた友人達

それには感謝しかない

 

 

「私1人じゃできないこともみんなと一緒ならやり遂げされる。それが・・・」

 

 

そう言って御坂はどこにでもあるようなコインを弾く

 

 

「私の、私だけのッッ!!!」

 

 

両者が同時に超電磁砲を放つ

凄まじい衝撃波と共に轟音が撒き散らされる

 

 

「あああああああああああッッ!!!!!!」

 

 

少しずつ御坂の超電磁砲が押し始める

そして

 

 

喰い破った

 

 

御坂の超電磁砲がテレスティーナの超電磁砲を打ち消した

声を上げる暇もなく、爆発が起きた

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

佐天が中央管理室から戻ると、そこには床が何かで抉れ、木山がパソコンを叩いてる姿が目に映った

初春に春上が肩を貸し、それを見守っている

 

それを見て佐天の肩の力が抜ける

 

 

「はぁー」

 

「お疲れ様。助かりましたわ」

 

 

柵に寄りかかっている佐天に白井が労いと感謝の言葉をかける

実際彼女がいなかったらテレスティーナは倒せなかっただろう

 

白井は降魔の電極を弄っていた

どうやら降魔の電極のバッテリーを充電しているようだった

 

 

ファーストサンプルが手に入り、プログラムを作成する

キーボードをを動かす木山の手が止まった

 

 

「これで・・」

 

「あぁ、プログラムは完成だ。あとは・・・・」

 

 

ボタンを押せば子供達は起き上がるはずだ

だけど一歩、あと一歩勇気が出ない

 

そんな彼女に

 

 

「大丈夫なの。絆理ちゃんがね、先生の事、信じてるって」

 

 

唯一、枝先絆理の声を聞き続けてきた春上が背中を押す

子供に背中を押され、一歩を踏み出さない教師はいない

 

木山はゆっくりとボタンを押した

 

 

 

 

少しすると

 

 

「う、うぅん?せんせい?どうして目の下に隈があるの?」

 

「色々と、忙しくてね・・」

 

 

涙を流し、その声を懐かしむように目を閉じる

 

 

「ホントだ、髪も伸びてる」

 

「でも、先生だ」

 

「木山先生だ」

 

 

木山がどれほどこの瞬間を待ちわびたのだろうか

 

 

「今度こそ、言わせてくれ」

 

「え?」

 

 

木山は涙を流しながら御坂を見る

 

 

「ありがとう」

 

 

ただ一言そう言った

そして御坂は少し恥ずかしそうにし、笑みを浮かべた

 

 

「あと、あの少年にも礼を言わなければな」

 

 

あの少年とは降魔のことだろう

面倒ごとだ何だと言いながら手伝ってくれた

 

 

「あ、降魔さんならあちらで電極の充電をなさってますの」

 

 

白井が降魔を座らせている場所まで案内する

しかし、そこに降魔の姿はなかった

 

 

「あれ?」

 

 

代わりに煙草の灰が落ちているだけだった

どうやら先に帰ってしまったのだろう

 

 

「・・礼が言えなかったな」

 

「でも、降魔さんなら『礼なんていらねーよ、そこらへんの機械にでもしてろ』っていいそうじゃないですか?」

 

 

少し残念そうな顔をする木山に佐天が降魔の真似をしながら笑う

それを聞いて彼女らは笑った

 

 

 

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