俺はロリコンではない。ただ成熟した女性より未熟な体の女の子が好きなだけだ。   作:ユフたんマン

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転スラで好きなキャラはミリムです。アニメのミリムなんか肉感的だったような…


俺がロリコンだ等と…その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ

南雲の車に乗って揺られること数時間、遂に北の山脈地帯と言われる山脈の麓に到着した。ここは山脈がいくつも繋がっており、北へ行けば行くほど強い魔物が生息しているらしい。ひとまず南雲にも促されたので影分身をあたり一帯に放つ。

南雲も鳥のようなドローン的な奴で上空から探すそうだ。

 

ひとまず俺たちは冒険者たちも通ったであろう山道を進む。南雲たちが言うに、今日魔物の目撃情報があったのは山道の中腹より少し上らしく、そこらを調査していたはずだと言う。

 

かなり時間がかかるかなと思っていたが、案外早く着いた。生徒たちは既にバテバテ、ペースが早すぎたな、うん。途中から分身に背負わせてもらっている。

そこらに来たところで分身から連絡が入る。ここからすぐの場所にある川で冒険者の物らしき武器や鞄を見つけたとか。

南雲に知らせすぐにその場に直行する。取り敢えず俗に言う死んだ水ではなく、透き通った生きた水の川だったため、これが上流から流れてきた物ということで、上流へと登っていく。分身の背中から悲鳴が聞こえたが気のせいだろう。南雲のスピードに合わせたから是非もないよね!

 

少し走ると、次々と争いの形跡が見られた。ここで冒険者たちが戦っていたのは間違いないだろう…しかしこれは…

木は薙ぎ倒され、地面は陥没、折れた剣や血が飛び散った痕が…こりゃ多分生きてないな…っと、一つだけ反応がある。

 

ご立派ァア!!な滝の裏にある洞窟、そこに一つの反応がある。ユエが何やら魔法でモーセのように滝を真っ二つに割り、その洞窟へと突入する。

その中には俺より少し年下ぐらいの青年が青い顔をしながら眠っている。鞄を漁ってみると食料は残っていたため、青ざめた顔をしているのは、恐らく仲間を失ったからだろう。特に体には異常がなかったためほんの少量の自然エネルギーを流し込む。

 

「ビリッときたあああああ!!?」

 

青年は叫びながら飛び起きる。本来自然エネルギーは危険なものだが、そもそも自然エネルギーはそこらかしこにあるものであり、今回のようなほんの少量なら体になんの影響もないのだ。摂取しすぎると魔物のような異形となって最終的に石像となるが…

まあ少量ならジョジョの吸血鬼特攻がない波紋だ。一応水上歩行も出来るし。波紋は立たなかったけどな。

 

「お前がウィル・クデタか?クデタ伯爵家三男の」

「いっっ、えっ、君たちは一体、どうしてここに……えっ、えっ!?えっとうわっ、はい!そうです!私がウィルクデタです!はい!」

 

どうやら彼が南雲が探していた相手のようだ。しかしデコピンの構えをとって名乗るように催促するのは先生感心しないぞぅ! 

そこから青年の長い話が始まった。

長かったのでこれまた3行で。

 

○調査中、数十の魔物と遭遇し戦闘。逃げるが強制エンカで逃げれない。

○途中で漆黒の竜が乱入。

○俺たちに任して逃げろ!後で必ず追いつく!

 

そして現在へと至るというわけだ。かける言葉が見つからない。するとウィルは顔をグシャグシャにして泣き出す。仲間が死んだというのに、自分は生き残れて嬉しいと思ってしまったことに嫌悪感を抱いているらしい。それを南雲がカッコいい言葉を投げかけ、ウィルは無事に立ち直った。目はもう未熟者のようなものではなく、覚悟の決まった戦士の目をしている。

南雲も成長したんだな…先生として誇らしいぞ俺ァ…!!

 

ひとまず下山しよう!といったところで話に出ていた黒竜が現れる。はえー、おっきい。見た感じかなりの力を持っているだろうが、神山にいたドラゴンよりは低いな。恐らく力量はこの竜の方があるかもしれないが、あのドラゴンは内包している魔力と自然エネルギーは桁違いだ。恐らく南雲以上のエネルギーを溜め込んでいるだろう。一体何者なんだあのドラゴン…っと、そんなことよりコイツの相手をしなくちゃな。

影分身で黒竜を翻弄し、何百という分身が黒竜に纏わり付く。まるでアリが大きな獲物に集っているようだ。

しかし防御力がやけに高くダメージが全く入っていない。相手の魔力を消耗させているだけだなコリャ…いつまで続くんだろ…ハジメの銃も大したダメージにならず、極太の光線を放ち、分身を振り落とそうと大暴れする。生徒たちに被害がいくのもアレな為、遂に仙人モードもどきを解禁する。

 

肌は硬質化し鱗のようになり、目元と額に隈が現れる。

 

『『殺』』

 

を隠すために赤いバンダナを巻き完成。仙人先生誠ニンジャである。ロリコンニンジャとか言った奴、後で職員室へこい。俺はロリコンじゃないから。

 

「イヤーーーッ!!!」

 

手に螺旋丸を作り出し黒竜に押し付ける。四代目の技、仙法・螺旋丸である。偽だけど。

螺旋丸は黒竜を巻き込み爆発、黒竜が悲鳴のような雄叫びを上げたと同時に脳天をかかと落としをお見舞いする。

 

「イヤッ!イヤーーッ!!」

 

かかと落としを喰らいふらつく黒竜、首にしがみ付き、突き刺すように地面へと頭を叩きつける。

それと同時に…南雲がパイルバンカーを黒竜の尻穴へとブッ刺した。

 

“アッーーーなのじゃああああーーーーー!!!”

 

くわっと目を見開き悲痛な絶叫を上げる黒竜。俺は尻を押さえて黒竜に同情した。しかし話せるのか?あのドラゴンのように力を見定めたかったとかそんな感じか?けどそれで人間を殺すとなるとまた話が違ってくる…一体どういうことだってばよ…?

 

○勇者が召喚されたと気づき、竜人族を代表して視察に来た。

○疲れて一休み!と思ったらその間に洗脳される。

○穴に凄まじい痛みが走ったため洗脳が解けた。

 

といった感じらしい。竜人族は伝説の生き物であり、今や絶滅したと言われている種族だ。まさかその生き残りがいたとは驚きである。

まぁひとまずは挨拶だ。これ大事、テストに出るから復習しておくように。どうやらティオ・クラルスというらしい。

 

何か南雲がSMのようなことをしだしたので相川と園部の目と耳を塞いでおく。教育上に悪いからな。南雲?アイツは知らん、もうヤってるし。相川が暴れまわったが容易い容易い。すぐに押さえつけてやったぜ。

 

その後、誰に洗脳されたのかという話になり、闇魔術の天才とティオが称したところで俺にはある生徒が思い浮かんだ。それは…清水幸利。行方不明となっていて俺が今探している生徒だ…

 

 

いや、考えすぎだろう…魔人族だ魔人族。きっとそうだ、うん。大量の魔物を洗脳してウルへと攻めているのも魔人族が操っている魔物だ。そう願おう…

しかし現実は非常である。

 

 

 

 

“いや、あやつは黒髪黒目の人間族じゃったぞ”

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

さーてさて、ウルに帰って参りました。ティオは人の姿に戻れるのを見た俺は神山のドラゴンも姿を変えられるのでは?と考えたが声からするに男なのでどうでもいいか。

ティオに関してはウィルとの問題やら色々あったが、最終的にまずは迫りくる魔物の大軍の問題が終わってからという話で纏った。

 

しかし魔人族ではなく人間族、そして黒髪黒目、更に勇者に妬みを持つ者…妬みは知らないがそれ以外は…

 

畑山先輩にもそれを伝え二人で話し合うが、やはり本人に直接聞かなければ分からないという極当然な話になる。

 

南雲が依頼はウィルを連れ帰ること、だからもう帰ると言い出したので必死に止める。俺一人でも一応は何とかなるが負担が凄まじいことになる。結構難航したのでクッソ恥ずかしいことを言ってようやく許可を得た。やめてよね本当!!

敵は数万の魔物…仕方ない…先輩と生徒を守るためだ!!

全て駆逐する!

さぁ、ショータイムだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺は今、絶対守山先生を敵に回さぬように決めた。あれはエグい…目の前に現れた竜に先生の分身が纏わり付き、なんだか気持ちが悪い感じになっている。ありゃ檜山たち小悪党組の時よりも酷い…

手に螺旋丸らしきものを作り何度も何度も分身の隙間に打ち込んでいく。少し竜が可哀想に思えてきた。と言っても敵対したのだからあの黒竜は俺の敵であり排除する対象だ。

 

しかしあの先生のパワーアップは何の技能だ?見た感じ限界突破に近いが、それなら姿も変わらないし、何より魔力も倍加され魔力感知で感知出来る筈だ。

ならあれは一体…

 

ドパンッ!!

 

俺も考えながらも分身の隙間にドンナーで撃ち抜くがダメージは殆ど無さそうだ。だが次の先生のかかと落とし、あれは確実に黒竜にダメージが入っている。ドンナーでも傷一つ、ダメージも与えられなかった防御を容易く先生は打ち破ったのだ。一体先生はどんな修行とやらを…

 

いや、先にこの黒竜を倒すことが先決だな。そろそろ俺もトドメを刺そう。宝物庫からパイルバンカーを取り出し、倒れる黒竜に固定し射出準備を開始する。

しかし凄まじい咆哮を上げた黒竜は、暴風を生み出し先生の分身を撒き散らし、パイルバンカーが刺さっていた地面ごと持ち上げ脱出する。しかし…

 

「イヤーーーッ!!!」

 

先生が飛び立つ黒竜の首を掴み地面へと突き刺す。首が地面に埋まりめちゃくちゃ痛そうだ。これからもっと痛くなるんだがな…

そして横たわる黒竜に、パイルバンカーの杭を持って尻の穴に突き刺す。竜人族を元にしたことわざで竜の尻を蹴り飛ばすといったものもあるほど竜にとって、鱗のない尻は唯一の弱点なのだろう。ならば狙わないわけがない。

 

“アッーーーなのじゃああああーーーーーー!!!”

 

女の艶かしい叫び声がその場に響き渡り空気が冷める。絶対零度だ。

 

「うわー…ないわー…」

 

先生は顔をドン引きといった感じで呟く。いや、集団リンチしてた先生に言われたくないんだが…

取り敢えずイラついたので黒竜の尻に刺さった杭をガンガンと叩きながら事情を説明させる。

 

「ドーモ。ティオ・クラルス=サン。守山誠です」

「ンンッ//!!あ、よろしくの、キッチリとこんな状態の相手に挨拶とは礼儀正しい人間よな」

「我々の国では挨拶は奥ゆかしい作法であり、せねばスゴイ・シツレイだからな!」

 

ハッハッハと笑う先生。いや、初めて聞いたんだが…というかそれってニンジャスレイヤーの忍殺語じゃないのか?そういえば掛け声もイヤーーーッ!だし天職は忍者だからな…まさかあの先生がニンジャスレイヤーを知っているとは…NARUTOなどのメジャーもメジャーなアニメとは違い、普通の人はあまり見ないニンジャスレイヤーを知っている…まさか先生って俺と同じオタクか?人は見かけによらないとはよく言ったものだ。

 

そう思いながらも尋問は緩めない。何か痛みに悶える声から喘ぎ声に変わってきたのは気のせいだろう。

どうやらティオは何者かに操られていたらしい。最初は魔人族かと思っていたが、黒髪黒目の人間族ということがわかり先生の顔色が悪くなる。しかもそいつは万を超える魔物を引き連れウルの町へと侵攻しているらしい。

 

はっきり言うが今回は俺は関与しない。あくまで俺たちの依頼はウィルの捜索と保護であり、ウルの町の防衛ではない。元クラスメイトの相川や園部に色々と言われるがそれをバッサリと切り捨てる。

 

「さっきも言ったが、俺の仕事はウィルの保護だ。保護対象連れて、大群と戦争なんかやってられない仮にやるとしても、こんな起伏が激しい上に障害物だらけのところで殲滅戦なんてやりにくくてしょうがない。真っ平御免被るよ」

「まぁ、ご主じ…コホンッ、彼の言う通りじゃな。妾も魔力が枯渇している以上、何とかしたくても何もできん。まずは町に危急を知らせるのが最優先じゃろ。妾も一日あれば、大分回復するはずじゃしの」

 

押し黙った元クラスメイトたちへ、後押しするようにティオが言葉を投げかける。しかし今変な呼び方をされかけたような…気のせいだろう。

 

「もう既に町には連絡を付けている。今は畑山先生があちらで指揮をしてくれている」

 

そう言い出てきたのは守山先生だ。恐らく分身で伝達したのだろう。念話以上に便利かもしれない…いや、他人とは意思疎通出来ないから半々ってとこか…

 

「ティオさんは手伝ってくれるってことでいいんだよな?」

「そうじゃの、ここまで奴らの戦力が大きくなったのは全て妾の責任じゃ。魔力も枯渇同然じゃが、自分で犯した責任は自分でとらなきゃダメじゃからの。後、妾のことはティオと呼び捨てでもいいのじゃぞ」

「そうか、ありがとうティオ…そして南雲…頼む!!俺と一緒に魔物と戦ってくれッ!!」

 

先生が頭を下げる。しかし先生が頭を下げるとこなんて久しぶりに見た。前に見たのは教頭のヅラを誤って取った時だろうか…いや、今はそんな事を考えている場合じゃないな…

 

「……意外だな…生徒を大事にしている先生が生徒の俺に戦えと?さっき言ってたことと真反対な気がするんだが…それに先生なら影分身で殲滅出来るんじゃないか?」

「あぁ…出来ない…ことはない。全力を出せば殲滅は出来るだろう…だが問題はその後だ。影分身は分身の記憶、経験、そして疲労、傷の痛みを引き継ぐ能力がある。それで万といる俺の影分身からの膨大過ぎる情報量、痛み…というか幻肢痛のようなものが一斉に俺の脳に襲い掛かる。恐らく俺は死ぬだろう。生きていても目が覚めるのはいつになるやら…」

「じゃあ先生は何故それが分かっていてここから去ろうとしない?アンタにはこの町がどうなろうと関係ないだろ?」

 

それが謎だ。見捨てるのに抵抗があるのはまだ分かる。だが自分の命が掛かっているというのなら、大事なモノがない限り逃げても損害はない筈だ。先生は何故命を捨てる覚悟を持って町を守ろうとするのか…

 

「あ、先に言っておくが俺は死ぬつもりはない。意識不明になるつもりもない。そうなりゃ悲しむ人が出ちまうからな。それに何故逃げないのか…ハハッ…そうだな…本来なら生徒たちの静止を振り払ってでもここから撤退したいところだが…

先輩は確実にここに残る…今のお前なら分かるんじゃないか?恋した女にゃずっと笑顔でいて欲しいってな」

 

 

 

……は?

「「は?」」

 

俺と相川、園部の声が重なる。

 

「えぇぇえええ!?マジっすか先生!!」

「恋した女にゃずっと笑顔でいて欲しいってな!…キャーーッ!!トクダネトクダネ!!皆に伝えなきゃ!!」

 

真剣な雰囲気を一瞬でブレイクする二人。某カードゲームで言うなら相川がWブレイカー、そして園部はTブレイカーのスピードアタッカーだろう。

先生の顔は真っ赤に染まっている。あれ、結構恥ずかしかったんだな。俺は別にそこまで恥ずかしいとは思わないが…

 

だが先生の気持ちはわかる。俺もユエにはいつも笑顔でいて貰いたい。あの優しい愛ちゃん先生のことだ。きっとあの町が守れなかったり、守山先生が死ねば全て自分の責任として背負って生きていくだろう。そういう人だ、あの先生は。

 

「ハジメさん…」

「…ハジメ」

 

俺を見つめるユエとシア。そんな目で俺を見なくたってわかってるよ…ハァ…

 

「しょうがねぇな…そこまで言うんなら手伝ってやるよ…だが最後に聞かせてくれ。先生はこの先何があっても、俺の先生か?俺がどんな決断しても、それが先生の望まない結果でも…俺の先生でいてくれるのか?」

「そんなの当たり前だろ?初日に言ったじゃねぇか。裏切ろうが何しようが、お前たちは俺の生徒だってな」

「そうかい…わかった…ひとまず町に戻る。戦うにしても相手の数は膨大だ。準備がいる。戻るぞ」

「ああ、ありがとう、南雲…だが南雲は最低限の援護でもいい。流石にさっきああ言ったばかりだからな」

「やるならトコトン…ってやつだ。先生が気にすることねーよ」

 

 

 

 

 

まったく…先生は俺みたいに変わらないでくれよな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽車にて▽▽

 

「お前があそこで切り捨てるって言ってれば日本に戻った時にも同じこと出来んのか!って言うつもりだったんだけどなー」

「それ絶対断れねーやつじゃねぇか…」

 

 

 

 


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