半死半生   作:星の降る夢

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Warning!
・作者はにわかです。
・知識が浅いです。
・漫画(驚愕の)1巻、小説「太宰治の入社試験」「太宰治と黒の時代」「探偵社設立秘話」のみ読みました。他は持ってるけどまだ読んでなかったり中途半端に読んでます。読めって感じですね。アニメは1期途中、黒の時代のみ。見ろって感じですね。映画「DEAD APPLE」は観ました。否がっつり観たんかーいって感じですね。他はpixivや二次創作等で流れだけ何となく、程度の知識です。申し訳ないです。
・語彙が少なく拙い文章です。
・誤字脱字きっと在ります。教えていただけるとありがたいです。
・これは二次創作です。非公式です。妄想です。誰かの地雷です。
・これは完全な自己満足です。読者の方の中に「イイね!」と思う方が居たら幸い、と考えております。
・ネタ程度に考えたものです。

地雷だと感じたらブラウザバックからの癒しに走って深呼吸です。


第1話

半死半生

意味: 今にも死にそうで、やっと生きている状態。

 

ーーー尚、意味通り、と云う訳では無い。

 

 

 

 

 

生きていたい。

ーー死にたい。

生きなければ為らない。

ーー已に死んでいる。

腹が減った。

ーー何も為せないものに生きる価値は無い。

痛い。

ーー他人の役に立て。

痛い。

ーー為す可き事を為せ。

いたい。

ーー守れ。

いたい。

 

 

頭の中が交ぜられて、混ぜられて、まぜられる。

軀の髪先から爪先まで全ての神経が反応しない。

眼から見える景色が曲がって歪む。

耳は振動を拾う様子が無い。

喉が痛い。

 

勿論気の所為。

 

 

 

強烈な痛みで目が冴えた。身体中の穴という穴から脂汗だとか唾だとか泪だとかが溢れて不快だ。呼吸が上手く出来ていない。

目前がちかちかしたので何度も瞼を瞑ったり開けたりしていたら院長が目の前に居た。

記憶が無い。

何時もの事だが、何も判らないので恐ろしい。

僕は記憶が無い間何をしていただろうか。

 

人を殺してなければ善い。

人を助けていたら善い。

 

けれども。

何時も、記憶が無くなる直前、脳が、軀が、五感が、機能を放棄し始めていて。

思考が空回り、論理は飛び、倫理が突如消え、善悪など無くなって、感情が爆発する。

脳か神経に支障を来たしているのだろう、と考えているが僕は生憎医者では無いし、身近の大人に医者は居ないので、此の暴走する私の止め方は1つ、院長が見つけた方法しか無い。今の所は。多分。

 

余計な情報を跳ね除ける程の強烈な痛みを与えること。

所謂目覚まし。

 

残念な事に其の大きさを僕自身が把握出来ず暴走している。把握しようとせずとも勝手に溢れる。此れでも感情の制御は得意になったと思っていたのだが…。

とはいえ他に止める方法が有るのならば其を採用しよう。僕は、痛みを好み、其の為に狂人の振りをする被虐趣向持ちでは無いのだ。

 

 

 

此の暴走癖を如何にかしようと奮闘して早数年。否、十数年。物心ついた時から孤児院にて道化と化していた僕は、とある出来事と大人の様々な思惑が交差する中、遂に「お前など孤児院にも要らぬ!どこぞで野垂れ死んでしまえ!」と熱烈に非難され孤児院を出る事となったのである。

 

思い出すと愉快な日々だった気がして堪らない。

其の中でも特に新しいものと言えば、孤児院の台所で人目を忍んで食った夜の茶漬けだろうか。

 

梅干に刻み海苔、其れに夕餉の残りの鶏肉。それを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒にかきこむ。たった一杯ではあったが、空腹と云う最高の調味料まであったので、とんでもなく旨かった。

 

だが今腹減って死にそうな此の状況で考える事としては失敗だった。尚更腹減ったわ。

 

 

嗚呼。液晶画面の前の皆さんには自己紹介が必要だな。

 

僕の名前は中島敦。齢十八。故あって餓死寸前です。

 

 

 

 

 

川の辺でぼけっと途方に暮れていた処、川の上流からどんぶらこっこと脚が流れて来て…。何方かと云うと、犬神家のおっと此処から先は危険だな。

然し、何があったら脚が流れて来るのか。抑あの脚は人間の脚なのか?だとしたら生きてるのか?引き揚げる可き案件では??

 

僕が川に飛び込む時、丁度其の脚は川の中に沈み、烏が屯し始めた処だったーー!

 

 

 

引き揚げ完了。脚の正体は大分上背の有る男性だった。顔が善い。砂色の外套が善く似合っている。顔が善い。後包帯が巻かれている。見える所だけでも両腕と首。怪我人なのか?だとしたら何故川を流れてたんだ…。

 

男性の目が突然ぐるりと回り焦点を合わせる。

 

他の特徴としては寝起きが怖い、かな。

思わず凝視してしまう。其れ位怖い。得体の知れない、物の怪でも相手しているような態度で済まない。でも此れは貴方の所為だ。自身の恐ろしさを自覚してくれ。妖怪の所為で無いのならば。

 

目を覚ました時同様身体を起こす時も突然だった。此方は驚きで声も出ない。怖い。が、関わってしまった事には何かしらの別れ迄は自分の言動には責任を持たなければ。仮令どれだけ此の人が怖くても、川に流れていた処を引き揚げたのならば、此の人の意識の状態、記憶の状態、精神の状態を観察し、必要ならば病院に連れて行く。よし、決まった。

 

「あの、あんた川に流されてて……大丈夫?」

 

コミュ障か??

 

他にも聞く可き事が有るのでは?

お名前は言えますか?とか、お宅は何方ですか?とか、何か危険なお仕事をした結果川を流れてたんですか?とか。聞けよ、敦。聞けェー!!

 

否でも最後の質問は僕が危険では?危険なお仕事って、其れ、何やねんって感じじゃん。え、ヤの付く稼業とかだったら如何すんの?殺し屋です★とか言われたら如何すんの?死ぬ気か我?

 

混乱気味ですね一寸待ってねお兄さん。

 

キョロキョロと周囲を窺っていたお兄さんからの一言。

 

「ーー助かったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………ちぇっ。」

 

一寸待ってってお兄さん。

 

「君かい。私の入水を邪魔したのは。」

 

一瞬の瞠目。

 

「入水?」

「知らんかね、入水。つまり自殺だよ。」

「は?」

 

え、待って待って、本当に待って。

 

「私は自殺しようとしていたのだ。それを君が余計なことをーーー」

 

お兄さんブツブツ文句言い始めちゃったよ。

だけどねお兄さん。僕は混乱してんだよ。済みませんね、話を聞いている余裕が無いんだ。だから一寸待ってって言って、言って…。

 

 

 

言って無いわ。

 

 

 

 

混乱街道珍道中を潜り抜け、何とか平常心を取り戻した僕とお兄さんが文句を止めたのは同時だった。

 

お兄さんの信条には「人に迷惑をかけない清くクリーンな自殺」為るものが有るらしく、僕に迷惑をかけたのでお詫びする、と。

 

否、人に迷惑をかけない自殺とか無理では?とか一瞬思ったが、お詫びと云う言葉に心が奪われる。

此れはアレ。御飯を奢って貰えるのではないだろうか。僕特に何もしてないのに。向こうが勝手に自殺の落ち度とかで自責の念に駆られてくれている。実の処彼が自責の念に駆られているか如何かは知らないが。だが、そう思って。

 

一瞬で萎えた。

 

僕の空腹音を聞いて微笑んだお兄さんは空腹かい?と聞いてきた。

勿論空腹だ。だが答える気が無くなったので口を閉じる。

お兄さんは何も言わない僕を不思議そうに見た。

僕は何か他の話題を探して、口をまごつかせて、

 

 

大きな空腹音がお兄さんから聞こえた。

 

思わず口を開けて凝視。

 

お兄さんはフッと微笑み。

「実は私、ここ数日何も食べてなくてね。ちなみに財布は流された。」

「其れ微笑んでる場合じゃないですよ。」

 

財布流されたって、ヤバイな此の人。何で笑ってられるんだ此の人。

お兄さんから若干の狂気を感じていると、対岸から生真面目そうな眼鏡の男性が僕の目の前のお兄さんを「こんな処に居ったかこの唐変木!」と呼んでいた。

 

「やあ、国木田君。ご苦労様。」

「苦労は凡てお前の所為だこの自殺嗜癖!お前はどれだけ俺の計画を乱せばーー」

 

生真面目そうでは無く生真面目だった。そんな眼鏡の男性は国木田君と云うらしい。

黄にも茶にも見える色の髪を結える位に伸ばしている。尾の様だ。眉間に皺が寄っている。此のお兄さんに大層苦労しているのが叱責の中から垣間見える。

 

お兄さんを引き気味に見ると、国木田君はお兄さんの同僚らしく、彼に奢ってもらおうと云った。完全に国木田君の叱責はガン無視。良いこと思いついた、じゃねえから。お兄さん滅茶苦茶か?国木田君(の財布)が可哀想だな。

 

「君、名前は?」

 

其処で初めて名前を聞かれた。

互いの名前を知る前から衝撃的過ぎる出会いだな。

 

「中島…敦ですが。」

「ついて来たまえ敦君。何が食べたい?」

 

あれ?

 

「否、何故何気なく僕の分も奢らせようとしているんですか。」

 

というか勝手について行く前提にするの止めてもらえません?

 

「空腹なのだろう?お詫びもすると云ったし、何か不満でもあるのかい?」

「不満とかじゃ無いです。」

 

勿論ついて行って御飯を奢って貰えたらそりゃ得だが。生憎此方は何も出来てない。

 

「対価が釣り合いません。此方が不利です。」

「は?如何いう事?」

 

怪訝な顔。だろうな。

 

「僕は何もしてません。なのに奢って貰うのは対価が釣り合いません。」

 

フェアじゃない。

 

ぽかんとした顔で此方を見るお兄さんを見てこれ以上何と云ったら分かりやすのか分からず黙り込む。

 

「……君の中の規則が有って、それに反するという事なのだろうけど。」

 

そう云って何処か柔らかい表情を此方に向けて。

 

「始めに云っただろう。私の信条に反する、此方の落ち度だと。君は私の命の恩人なんだ。遠慮しなくて良い。」

 

余計な世話だったろうに、むず痒い。

うーむ、如何にも説得は難しそうだ。

 

「で、何が食べたい?」

 

善いのだろうか。流されない方が善い気がする。借りを作ると後が恐ろしいのだ。

でも、まあ。借りを作っても善いか。なんて思ってしまったので不思議な人だ。

 

「え、っと。御相伴に与ります。茶漬けが食べたいです。」

 

何故かウケたようで。

 

「はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か!良いよ。国木田君に三十杯くらい奢らせよう。」

「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰!」

 

御免なさい国木田君。勝手に御相伴に与ってしまって。

其れから、お兄さんの名前は、

 

「……太宰?」

「ああ、私の名だよ。」

 

爽やかな風が吹く。

 

「太宰。」

 

僕の伸ばしっぱなしの右前髪と、後ろ髪が風の流れに乗ってふわりと舞う。

 

「太宰治だ。」

 

お兄さんーー太宰治の表情は夕日の逆光で見え辛かったが、微笑んだままであるようだった。

もしかしたら太宰治と云う人の微笑みは無表情と変わらないのかもしれない。




て感じの、余りstray dogしてない中島敦が原作世界で生き抜く話を書きたかった。
作者は俄かでクロスオーバーにもダブルパロディにもする気が無いくせに敦君に型月の価値観を若干めり込めせてます。ごめんね敦君。



ある程度の設定がないと落ち着かない人向け作者自己満足の設定
本編には入れる心算は無いけど一寸型月っぽいですごめんね。
作者の方で設定盛り込んだ方が善いのだろうか?何が面白いかな…。


主人公は中島敦

元々は「BEAST」時空の中島敦
何の因果か「BEAST」の世界を繰り返していた


如何して繰り返しているのだろう

誰かの異能か、否違う。望みか。
誰の望みだ。芥川か?太宰さんか?
僕、なのか。
僕の望み。

「太宰さん。友だちなら仲直りしてください。」

僕が白虎(御前)だと云うのなら。白虎(御前)が僕だと云うのなら。
ならば「僕の」死後は白虎(御前)に開け渡す。
故に白虎(御前)は為す可き事を為せ。此の世界を守れ。
理性無き獣よ。
約束だ。

「BEAST」時空××回目にして中島敦自決。


繰り返していたように思っていたけど、少しずつ世界は変わっていた
並行世界とはそう云うものだ

沢山繰り返して、段々と始め(「BEAST」)から遠くなって、似ても似つかなくなって、気付いたら原作時空だった(下記の暴走時代に死亡登場人物を生存させても善い気がする)


髪の毛伸ばしっぱなしにしてる
仏頂面、無愛想(無表情じゃない、表情筋が仕事しないわけじゃない)
心の中では割と感情表現豊かっぽい…?
頸に絞められたような、斬られたような痕があるので、「BEAST」のようなチョーカー付けてる(異能制御の機能は無い)

自らの望みを叶える為の対価として自らの命を差し出した
これが後の「等価交換(尚中島敦自身の価値が無なので等価交換になってない)」と云う中島敦の自分規則(ルール)になっている

望みを叶える為に死んだ時、中島敦は死にましたって事に(本人の中で)なってる
敦の中では自分が「死んだ」事になっていて、異能力「月下獣」が肉体を「生かしてる」
これがタイトルの所以


繰り返し過ぎて時々記憶や感情が暴走する
異能を使っているわけではないがしてる
孤児院時代は頻繁に暴走してた
繰り返し過ぎて始めの記憶は殆ど覚えてないし、なんなら1つ前の世界の記憶もない


でもぼんやりと覚えているよ。大切な人たちだった筈だから。

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