RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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14.魔人の名はファウスト

 

 

 

 

 

 

 

 虹ヶ咲学園の近くにて、エックスは古代暴獣ゴルメデと戦っていた。角を突き出したり蹴りを繰り出したりしてエックスに攻撃していくゴルメデだが、彼はそれらを躱していき逆に手刀を胸に打ち込んだ。怯んで後退するゴルメデ。そこにエックスは追撃の蹴りを放つ。ゴルメデは堪らず倒れて地響きを鳴らした。

 

 

 

 

 その様子を、かすみも校内を走りながら見ていた。途中揺れで転びそうになりながらも、何とか持ち堪えて避難するべく走っている。と、彼女はある事に気付いた。

 

 

「あれ?新城野先輩!?」

 

 

 一緒に逃げていた筈の明里の姿が見当たらないのだ。走っている内に逸れてしまったのだろうか。周りを見回しても何処にも居ない。

 

 

「もうー!新城野先輩も翔琉先輩も、かすみんを置いて行かないで下さいよー!?」

 

 

 泣き言を叫ぶかすみ。早く逃げてしまうのが一番良いのだが、明里はもしかしたら何処かで怪我をして動けなくなってしまっている可能性だって無きにしも非ず。とりあえず彼女は、明里を捜す為に校内を奔走する事にした……。

 

 

 

 

 

 

 叫びながら突っ込んでいくゴルメデだが、それをエックスは横に飛んで回避。ゴルメデは止まった後すぐに振り返って火炎弾を放った。しかしエックスは身体を反らしてそれを避けて逆にXスラッシュを放った。光弾はゴルメデの顔面に見事に命中し、奴は堪らず悲痛そうな鳴き声を上げる。

 

 

「楽勝だな」

 

 

 戦って分かったが、このゴルメデの強さは大したものでは無い。油断さえしなければ問題無く勝てるだろう。彼はゴルメデにトドメを刺す為に、ゴモラアーマーを装着しようとした………その時である。

 

 

「ん、何だ?」

 

 

 彼らの周りからドス黒い闇が浮き上がってきたのだ。闇は紅の稲妻を纏いながらエックスとゴルメデを囲いドーム状に彼らのことを包んでいく。

 

 

「何だこれ……!?一体何が!?」

 

 

 エックスもゴルメデも突然の出来事に困惑するしかない。

 闇はそのまま彼らのことを完全に包んでしまった。その光景を虹ヶ咲校内の生徒達も息を呑んで見つめる。闇によって形成されたドームは、数秒後に消えた。すると……。

 

 

 

 

「き、消えた……!?」

 

 

 闇のドームが消えた後に、エックスとゴルメデの姿は無かった。一体何が起こったのか?それを見ていた誰もが理解出来ず困惑するのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 Xio基地司令室。隊員達は怪獣出現の報告を受けて行動を開始していた。

 

 

「虹ヶ咲学園付近に怪獣が出たよー」

「虹ヶ咲学園って翔琉お兄ちゃんの学校だよねー?」

「そうだよー」

 

 

 キーボードを操作しながらミキリとミハネが告げる。

 

 

「この怪獣はゴルメデっすね。主に湖川付近や地下に生息してる怪獣っす」

「東京の地下にも居たって訳かよ」

「とにかく出動しないと!」

「そうね。イヅル、ハヤテ、リュウジ、紗季!マスケッティに乗って出動よ!」

『了解!』

 

 

 隊長である沙優の言葉を受けて4人は格納庫に向かおうとする……が。

 

 

「「待って!!」」

「ッ、どうしたの2人共?」

 

 

 ミキリとミハネが大きな声を出して皆のことを止めてしまった。2人は驚いた様子でPCの画面を見ながらゆっくりと口を開いていく。

 

 

「エックスと……」

「ゴルメデが……」

「「消えちゃった!!」」

『は、はあぁ!!??』

 

 

 まさかの言葉に全員が驚愕。彼女らの言う通り、エックスとゴルメデの反応は綺麗さっぱり消えてしまっている。一体何故突然2体が消えたのか?余りにも突然の出来事に、Xioメンバーの誰も理解出来ないでいた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「何だよ、ここは?」

 

 

 エックス、そしてゴルメデは不気味な空間の中にいた。赤黒い空、不規則に明滅する不気味な光。悪寒が身体中を襲う。まるで全身を生温かい空気に撫でられてる様な、それとも凍てつく風が身体を包んでいる様な……何とも形容し難い感覚が、エックスのことを襲っていた。

 一方ゴルメデもこの空間に酷く怯えていた。本能からここが、恐ろしい恐ろしい場所であると理解したのだろう。先程までの威勢の良い叫びでは無く弱々しい呻き声が口から漏れている。

 

 

「ッ……」

 

 

 背後から足音が聴こえてきた。エックスは振り返り、ゴルメデもそちらに目を向ける。そこに居たのは、赤と黒の巨人。深淵を連想させる黒い瞳を鈍く輝かせる道化師の姿であった。その者の様はまるで……。

 

 

「ウルトラ……マン……?」

 

 

 そう、自身と同じウルトラマンの様であった。しかし、纏っている邪悪な気配がソイツはウルトラマンでは無いと痛感させている。ゴルメデもこの空間に来た時以上に怯え身体を震わせていた。

 今エックスの目の前にいるのは、容姿だけがウルトラマンに似た恐ろしいナニカ。全神経が鋭敏となり、彼は謎の存在である闇の巨人を強く警戒する。

 

 

「ウルトラマンじゃねえ……何だてめえは?」

 

 

 エックスが問い掛けるが闇の巨人は何も答えず、手を天に向けた。すると空から、闇の波動とでも言うべき様なモノが発生してゴルメデに落下。ゴルメデは目を見開き、苦しむ様に凄まじい咆哮を放つ。

 

 

「なっ!?お前何を……!?」

 

 

 踠くゴルメデ。そしてゴルメデは姿を変質させていった。頭部の装甲が後ろへと二つに分かれ捲り上がり二本の角を後頭部に形成、更に複数の突起物が隆起する。瞳は血で塗り潰された様に赤い。身体にも葉脈の様に赤いラインが走っており、明らかに凶悪化したというのが見て取れた。

 ゴルメデが狂花したカオスゴルメデは咆哮を放ち、エックスに向かって進撃していく。

 

 

「マジかよ!?」

 

 

 カオスゴルメデの突進を受け止めたエックス。しかしその強力なパワーにより身体は後退させられてしまう。

 

 

「ぐっ……!?」

 

 

 どんどんとエックスは押されていく。そしてカオスゴルメデが身体を振ったことによって彼は飛ばされてしまい、地面へと叩きつけられた。苦悶の声を漏らすエックス。そこへ闇の巨人が歩み寄って来る。闇の巨人はエックスの首を掴んで無理矢理立ち上がらせ、強い力で締め付けていく。

 

 

「がぁ!?くっ……お前……何、なんだよ……!?」

 

 

 抵抗するが闇の巨人の力が強く……というよりもエックス自身の力が上手く入らなくて拘束を外すことが出来ない。この空間に来てから、何故か力が弱まっているのだ。

 

 

「くそっ……!どうなって–––––おわっ!?」

 

 

 闇の巨人はエックスのことをぶん投げた。エックスはまた地面に叩きつけられてゴロゴロと転がった。

 

 

「ぐぅ……。これって……やべぇかも……?」

 

 

 胸のカラータイマーが鳴る。これは危険信号で彼の体力の低下を意味している。フラフラしながら立ち上がるエックス。正直かなり厳しいが倒れる訳にはいかない。逃げることも出来ない以上、彼には戦うしか道は残されていないのだ。拳を握ってカオスゴルメデと闇の巨人に構える。

 

 

「てめえは一体、何者だ!?」

 

 

 エックスが再度問い掛ける。すると闇の巨人は鼻を鳴らし、言葉を紡いでいった。

 

 

–––توشیکو (ダーク)……شینشیرو(ファウスト)……–––

 

 

 放たれた言語は理解出来ないが、そこに秘められた意味は理解出来た。ダークファウスト……それが目の前にいる闇の巨人の名。

 

 

「ゲーテかよ……まあいい。とっととブッ潰す!」

 

 

 大ピンチなのは百も承知。しかしそれでも必ず勝って元の世界に戻る為に、エックスは走り出した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「翔琉せんぱーい!!新城野せんぱーい!!何処ですかー!?」

 

 

 ウルトラマンと怪獣が消えてから、かすみは翔琉と明里のことを探していた。翔琉の携帯に電話を掛けたが繋がらず、今彼女は中庭を探している。

 

 

「もう!本当に何処行ったんですか2人共ー!?」

 

 

 声を大にして呼び掛けるが返事は返って来ない。はぁ……と溜め息を吐いた時、ふと先程男子の先輩2人組から言われた言葉が頭を過ってしまう。

 

 

「普通の子……可愛くない子……」

 

 

 心無い言葉。翔琉は気にするなと言っていたがやはり気にしてしまう。胸の中にモヤモヤとした何かが浮かんで来る……この感情は一体何なのか?かすみにはまだ理解を出来ていないかった。

 

 

「……?何だろう……」

 

 

 彼女は木の下に何かがあるのに気付いた。近付いてみるとそれは黒い空間の歪の様なものであった。

 

 

「何、これ?」

 

 

 異様なそれに恐怖を感じるかすみ。しかし同時に、ソレに対する興味も出て来た。恐る恐る、彼女はソレに向かって手を伸ばしていく。募ってしまった好奇心が、恐怖に勝ってしまったのだ。

 手は黒いソレに近付いていき、遂には触れてしまう。そして………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

 

 かすみは気付いたら奇妙な場所にいた。赤黒い空と大地。まるでのこの世の終わりの地かと思わせる様な場所。どうしてこんな所にいるのかと困惑していると背後から大きな音が聴こえて来た。振り返るとそこには……。

 

 

「あ、あれって……!?」

 

 

 彼女が目撃したのはウルトラマンと、それを容赦無く攻め立てる怪獣と巨人の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ベムスター

別名:宇宙大怪獣

身長:46m

体重:6万1千t

出典:帰ってきたウルトラマン 18話「ウルトラセブン参上!」

 

 宇宙大怪獣の別名の通り宇宙、約1000年前のおうし座かに星雲の爆発による影響で誕生したと言われている怪獣。腹部にある五角形の口・吸引アトラクタースパウトで何でも吸収してしまう。角からはベムスタービームという破壊光線を放ち、空をマッハ5で飛ぶ。

 ナックル星人ジェイラの操っていた怪獣。高エネルギーを求める習性を利用してスパークドールズを探し当てた。初戦ではリーチの差でエックスに優位に立たれたがバキシム、レッサーボガールの援護によって勝利する。2戦目ではデスレ星雲人ダイロ、バキシムと共にエックスと戦うが圧倒され、ソードレイ・クロス・ゼロによりバキシムと一緒に斬り裂かれスパークドールズになった。

 スペシウム光線などのウルトラマンジャックの技を尽く無効にした強敵。しかしウルトラセブンがジャックに渡したウルトラブレスレットにより一瞬で切り裂かれてしまった。宇宙ステーションを職員ごと丸呑みというトラウマクラスなことをやっているが、意外にもトラウマ扱いされてない珍しい怪獣。

 

 

・バキシム

別名:一角超獣

身長:65m

体重:7万8千t

出典:ウルトラマンA 3話「燃えろ!超獣地獄」

 

 芋虫と宇宙怪獣を合成して造られた超獣。超獣は怪獣よりも強力な生物兵器。腕から火炎やロケット弾を放つ。更に頭部の角は誘導ミサイルとなっており、ホーミング効果も持っている。最大の特徴は空を割って現れること。

 ヒッポリト星人ケイプの操ってた超獣。ミサイルや火炎を武器にエックスと戦うが、最期はベムスター共々斬り裂かれてスパークドールズになった。

 超獣の中でもトップクラスの人気と知名度を持ち、ウルトラ怪獣屈指のデザインと言われる事もある程。空を割って現れるというのは他の超獣もやっているが、やはり最初にやったバキシムのイメージが強い。因みにゼロライブを書かれているがじゃまる氏の推しウルトラ怪獣だったりする。

 

 

・レッサーボガール

別名:高次元捕食獣

身長:2〜47m

体重:200kg〜4万7千t

出典:ウルトラマンメビウス 21話「虚空の呼び声」

 

 宇宙空間のウルトラ・ゾーン内にある怪獣墓場に漂う小惑星に生息。仲間の死骸も捕食するまでに貪欲で食欲旺盛。ボガールという高い知能と能力を持つ怪獣と同族だが、こちらは知能も低く特殊能力も持たない為レッカー(劣っている)と名付けられた。基本的に人間大の怪獣だが、仲間を食べることで急速に巨大化する。

 デスレ星雲人ダイロの操っていた怪獣。初戦ではベムスターとバキシムと一緒にエックスを追い詰めた。しかし惑星ギレルモでゼロと戦い、手も足も出ないまま最期は氷漬けにされ斬り裂かれた。その為唯一スパークドールズ化していない。

 当初はインペライザーを出す予定だったが最終的にレッサーボガールに変更。本作では常時強大化状態で戦っており、最終形態にはならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ダークファウスト参戦。その正体、目的や如何に?
そしてカオスゴルメデですが本来はカオスヘッダーがゴルメデをコピーして誕生した怪獣なのですが、本作ではダークフィールドのエネルギーによって変化したものになっています。

このピンチを、エックスは乗り越えられるのか?

それではまた次回お会いしましょう。
感想、質問、高評価、その他、山形りんご、是非是非お待ちしてるんご。
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