RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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お待たせしたんご!!






15.ダイヤモンドは砕けて

 

 

 

 

 

 カオスゴルメデがエックスを羽交い締めにする。それにより動けないエックスに、ダークファウストが容赦無い攻撃を叩き込んでいく。拳が幾度となく彼の身体に叩き込まれていき苦しめる。エックスは脱れようと捥がくがカオスゴルメデの強靭な力とファウストの痛烈な攻撃によってそれが出来無い。

 

 

「ぐっ……!があっ!?だあ!?」

 

 

 ファウストの攻撃が止まることは無い。エックスのカラータイマーの点滅スピードが早くなっていく。

 

 

「だったら!」

 

 

 この状況を打開するべく、翔琉はサイバーゴモラのカードをエクスデバイザーに装填した。ゴモラアーマーの力があれば、奴らを撃破出来ると考えたのだ。しかし……。

 

 

「おい……どうなってる!?」

 

 

 デバイザーは何も反応せず、鎧が装着される事は無かった。逆転の一手を容易く潰されてしまい、彼は奥歯を噛み締める。

 

 

「こんのォ……!舐めんなァ!」

 

 

 やけくそになって蹴りを放つ。だがそれを、ファウストは背後に軽く跳んで回避してしまった。そして闇の光球をエックスとカオスゴルメデの頭上に放った。光球は炸裂し、弾雨となって彼らへと降り注いだ。

 

 

「ぐお!?がああああ!?」

 

 

 エックスはカオスゴルメデと纏めて吹き飛ばされてしまう。拘束は外れたものの、代償として受けたダメージは非常に大きかった。

 

 

「ぐう……ううぅ……」

 

 

 倒れて苦悶の声を漏らすエックス。カオスゴルメデも相当なダメージを受けたのか苦しんでいる様子である。しかしそれでもカオスゴルメデは自身の身体を無理矢理起き上がらせた。この怪獣は最早ファウストの完全な支配下にあり意思など無い。ただ道具として使い潰されるしかないのだ。立ち上がったカオスゴルメデは血を流しながらも、その牙をエックスに向けて襲っていく。彼はどうにかそれを寝転んだまま蹴り飛ばした。

 

 そしてこの恐ろしい光景を、何故か空間内に入ってしまったかすみは目撃していた。目の前で繰り広げられる戦い……というよりは一方的なエックスへの攻撃に、恐怖から身体が震えている。更にこの空間が、彼女の恐怖をより加速させていた。

 

 

「な……何ですかこれ……!?」

 

 

 地球を守る為に戦っていると言われてるウルトラマンエックスが痛め付けられている。信じられないこの状況にかすみは困惑。膝は震え、額には汗。瞳からは涙が溢れている。

 

 

 立ち上がったエックスであったが、すぐにカオスゴルメデが接近して爪で彼の身体に傷を付ける。更にファウストが手から光弾を放ち、エックスは火花を散らした。

 

 

「ぐあああああ!!?」

 

 

 派手に吹っ飛んで岩山の様な物に激突しそれを砕いて倒れたエックス。彼に限界は近い。このままで死んでしまうかも知れない。そんな事を考えてしまったかすみの方を、首をグルリと回してファウストが向いた。

 

 

「ひっ……!?」

 

 

 更に震え上がるかすみに、ファウストは地響きを鳴らしながら近付いていく。下がろうにも足が震えて動かせず、体重だけが後ろに掛かったことでかすみは倒れる。

 

 

「きゃっ!?」

「うっ……かすみ………何……で……?」

 

 

 かすみが居ることに、そして彼女にファウストが迫っていることに気付いたエックス。

 

 

「チッ、させるか…………があっ!?」

 

 

 立ち上がり、かすみを助ける為に走り出す。しかしカオスゴルメデがそんな彼に向けて口から強力怪光という破壊光線を発射。背中にそれが直撃し、エックスは前のめりになってから倒れた。

 ファウストはかすみの側に立ち、能面の様な顔を彼女へと近づけた。

 

 

「いや……!来ないで……!」

 

––– အမှောင်(闇が)…… ပေါ်လာ(見える)……–––

 

 

「え……えっ……?」

 

 

 訳の分からない言葉。しかしその意味だけはしっかりと頭の中に流れ込んで来る。何とも言えない気持ち悪さに、かすみは思わず吐き気を感じてしまう。

 

 

「何なんですか……!?かすみんの、闇って……!?一体、何を……!?」

 

––– မင်းရဲ့(お前の) အမှောင်ထု(闇を)ကျွန်တော့်ကိုပြပါ(見せてみろ)……––––

 

 

 そう言ってファウストが手を翳すと、かすみの意識はゆっくりと落ちていくのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

 目が覚めた時、かすみは虹学の廊下に立っていた。周りには普通に歩いている生徒や教師。いつもと変わらぬ風景。先程まで怪獣が暴れていた筈。それに自分は……。

 

 

「うっ!?」

 

 

 何かを思い出そうとした最近、彼女の頭をズキリと痛みが襲う。まるで思い出すなと警告している様だ。

 

 

「そうだ、先輩やみんなは……!」

 

 

 翔琉と同好会のみんなことが気になり、かすみは取り敢えず部室へ向かって走り出した。そんな彼女の背に、周りの生徒達が冷たい視線を送っている事などつゆ知らずに……。

 

 

 

 部室に辿り着いたかすみはその扉を開けて中に入った。室内には自分以外の8人のメンバーがいる。しかし何故か彼女達の表情は暗く、翔琉の姿も無い。何かあったのだろうかと思いながら、かすみは8人に声を掛ける。

 

 

「みんな、どうかしたの……?」

 

 

 すると返って来たのは、全員からの敵意の込められた眼差しであった。

 

 

「どうかした、ですって?」

「かすみさん、それ本気で言ってるんですか?」

「え……えっ?何を……?」

 

 

 果林としずく、そして他の者達の視線がかすみに刺さる。何がどうなっているのか分からないでいると瞳に涙を溜め、人一倍強い怒りを秘めた歩夢が口を開いた。

 

 

「ふざけないで!」

「歩夢、先輩……!?」

「貴女の……かすみちゃんの所為で、翔琉君が死んだんだよ!!」

「…………は?」

 

 

 思考が止まる。

 

 翔琉が死んだ……?そんな筈は無い。自分は彼と数分前まで一緒に居たのだ。一緒に話し、一緒に歩いていた筈……その翔琉が死んだなど、彼女には信じられなかった。

 

 

「嘘です……そんなの嘘です!!先輩が死んだだなんて、絶対嘘––––」

「嘘じゃない!!!」

 

 

 かすみの叫びを、それよりも大きな声で歩夢が掻き消す。

 

 

「あの子は死んだの……。全部かすみちゃんの所為……かすみちゃんが、あの子を殺したの!!」

「そ、そんな筈は……!?」

「アンタの所為だよ!!」

 

 

 歩夢に続き愛もまた、怒りに任せて叫んだ。

 

 

「アンタが翔琉を殺したんじゃん!!アンタが居たから翔琉は……!!」

「私達の大切な仲間……それをかすみさんは奪ったんですよ!?なのにその態度、許せません!!」

「かすみちゃんが、居なければ……!」

「全部……全部かすみちゃんが悪いんだよ!」

「絶対に許せないよ……!」

 

 

 せつ菜も、璃奈も、エマも、彼方も。かすみに対して決して許さないという怒りをぶつけた。それから8人からの容赦無い罵倒が彼女へと浴びせられていく。普段の彼女達からは想像出来無い様な罵詈雑言が口から飛び出しており、それはかすみの心に傷を付け追い詰めていった。

 

 

「ちが……う……か、かすみんは………!?」

 

 

「貴女なんて居なければよかった」

「貴女が居たから大切な人が死んだ」

「貴女は邪魔でしかなかった」

「貴女の所為で私達は苦しんだ」

「貴女が全部悪いんだ」

「貴女が全て奪っていった」

「貴女は私達の仲間に相応しくなかった」

「貴女はスクールアイドルなるべきじゃなかった」

 

 

 震える身体、支えられない脚、霞む景色、絞め付けられる心。耐えられずに、彼女はその場にへたり込む。

 背後に何か気配を感じた。振り返えると目に映ったのは男子生徒の足元。まさか翔琉が生きていたのか。そう思い彼女は顔を上げた。

 

 

 

 かすみが目撃したのは、頭部や口から血を流し血塗れとなった翔琉であった。衝撃的なモノを目にした彼女は言葉を詰まらせる。

 

 

「せ……ん……ぱい……!?」

「お前の所為で……俺は死んだ」

 

 

 光の無い目がかすみを見下ろす。

 

 

「お前と一緒に居なければよかった。お前と出会わなければよかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

––––お前なんか、可愛くないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何よりも拘っていた「可愛い」。誰よりも大切な人からのそれを否定するその言葉がトドメとなる。

 そしてそれと同時に翔琉の身体は弾けて、彼女の眼前で血と肉片を撒き散らした。血が彼女の頬に当たり伝う。更なる追い討ちを受けて、かすみの中で何かが砕け散った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てめえ……かすみに、何しやがったァ!?」

 

 

 地に伏せたまま、エックスはファウストへと吼えた。彼の目には座り込み、虚な瞳で空を見上げながら痙攣を繰り返すかすみの姿がある。

 

 

「何とか言え……ぐはぁ!?」

 

 

 立ち上がろうとしたエックスのことをカオスゴルメデが蹴り飛ばした。彼はごろごろと転がっていく。胸のカラータイマーは更に激しく点滅を繰り返している。

 

 

–––– သိပ်မိုက်မဲတာပဲ(愚かだ)……––––

 

「ンだと……?」

 

–––– မင်းက(貴様は) စွမ်းအား(力の) အဓိပ္ပါယ်(意味を) နားမလည်ဘူး(理解していない)……––––

 

「力の意味……?」

 

–––– ကြောင်းပါဝါ၏(その力の事だ)––––

 

「何のこった……。てか、普通に日本語喋れよ。耳には変な言葉に聴こえんのに頭に意味だけ伝わってきて気持ち悪いんだよ……」

 

 

 膝立ちになりながら挑発する様に言うエックス。しかしファウストがそれに乗る様子は無い。それから逆に指をクイクイっと動かして彼のことを挑発してきた。立ち上がったエックスは拳を強く握り締めながらファウストとカオスゴルメデに構える。限界は近く、カラータイマーは激しく鳴り息は荒れ肩を上下させているが彼は決して負けられない。

 

 

「かすみから離れろ、能面野郎……!」

 

–––– ဟမ်ဟ(フフフッ)……––––

 

「笑ってんじゃねえぞゴラァァァアッ!!」

 

 

 かすみを救う為に、エックスは地面を強く蹴った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ヒッポリト星人

個体名:ケイプ

別名:地獄星人

身長:216cm〜62m

体重:307kg〜8万3千t

出典:大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

 

 ケイプ、ナックル星人ジェイラ、デスレ星雲人ダイロの3人からなる違法なハンティングと脱獄を繰り返す凶悪集団・脱獄ハンターズのリーダー格。自信過剰なナルシストで、何度も繰り返す脱獄や違法ハンティングも自分の力や地位を誇示する為のパフォーマンスとして楽しんでいるだけにしか過ぎない。主な武器はツインソードとロングライフル。難攻不落の禁固8万年の異名を持つ。

 パフォーマンスの一環としてXioの輸送するスパークドールズを狙う。バキシムを配下にしておりエックスを退け、アイザラから掠め取ったブルトン弾を使ってゼロを異次元に追放するなどした。最期は仲間も配下も全て失い、やけくそでエックスとゼロに立ち向かうも敵わず、2人の合体技の前に敗れ去った。

 アーケードゲーム作品「大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア」からの参戦。資料が少ない為、口調や性格は若干オリジナルで、身体データもオリジナル。

 

 

 

・ナックル星人

個体名:ジェイラ

別名:暗殺宇宙人

身長:208cm〜46m

体重:168kg〜1万2千t

出典:大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

 

 脱獄ハンターズの技師。傍若無人の懲役5万年の異名を持ち、一般的なナックル星人よりもかなり細身な体格をしている。目的の為なら周りの被害など考えない自分勝手な卑劣漢。主な武器はブーメランとツインガン。

 仲間達と共にスパークドールズを強奪する為にXioの輸送車を襲撃。配下していたベムスターを利用してスパークドールズのある車を狙わせた。Xioとの戦闘中、偶然その場にいた歩夢を人質に取り戦局を有利にしそのまま彼女を拉致した。最期はケイプ、レッサーボガールとゼロに立ち向かうが圧倒され、焼き尽くされた。

 こちらも「大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア」からの参戦。口調や性格、身体データは勿論オリジナルである。

 

 

・デスレ星雲人

個体名:ダイロ

別名:策謀宇宙人

身長:228cm〜67m

体重:188kg〜2万t

出典:大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

 

 脱獄ハンターズの策士担当。他者の報酬を掠め取る事を得意とし、それを当たり前に考えているという大変厚かましい性格で神出鬼没の前科500犯と呼ばれている。自身の外骨格の一部を脱獄する際の道具や戦闘の武器にしたりなど、かなり器用な一面を持っている。軟体動物の如き柔軟な身体を小型化して身を隠す事も可能。

 レッサーボガールを配下にして仲間と共に輸送車を襲撃。その後惑星ギレルモでエックスと激突。ベムスター、バキシムと共に立ち向かうが全く歯が立たず2体の怪獣は倒されてしまった。しかし、実はケイプの転移装置を掠め取っており、それを使い隙を見て逃亡し、脱獄ハンターズ唯一の生き残りとなった。その後の経路は分かっていない。

 こちらもオリジナル要素多め。唯一倒されることなく生き残ったが……。

 

 

 

 





ファウストによって追い詰められ、心を砕かれたかすみ。
果たして翔琉は自身も絶体絶命の状況の中で、彼女を救えるのか?

感想、質問、高評価、山形りんご、その他、是非是非お待ちしてるんご!

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