RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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ウルトラメダルが何処にも無い!!!!!
そんな悲しみの中の20話、どうぞ!!


20.共に生きるホシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸に連れられて、Aqoursの皆と共に翔琉はとある場所に来ていた。そこは花丸の実家でもある寺だ。彼女は翔琉を居間まで連れて行ってテーブルの前に座らせると、一旦そこから出る。そしてすぐに戻って来てからテーブルの上にある物を広げた。

 

 

「これは?」

「太平風土記ずら」

「太平風土記……てか、これって」

 

 

 正式名称・日本太平風土記。これは8世紀頃に書かれたとされている古文書であり、そこには古来に出現した怪獣や起こされた災害などについてが記されている。因みに翔琉がエックスとして最初に戦ったデマーガのことも書かれている。文書自体は複数存在しているがその殆どは所謂写しであり、原本は由緒正しき家に保管されているとのこと。

 花丸の家にある太平風土記は先祖代々から受け継がれて来たもので、家宝として丁重に扱われている。

 彼女から見せられた太平風土記のページにはあの怪獣、ホオリンガに関する事が書いてあった。

 

 

「ホオリンガは、内浦で眠って山になる……」

「昔からホオリンガはこの内浦に来て、そして山になる怪獣なんだずら。お父さん、お爺ちゃん、ひいお爺ちゃんもそうだったずら」

「じゃあ、あのホオリンガも?」

「うん。ホオリンガがあそこから動かないのは、近くに家族がいるから……。あの子はみんなと一緒に居たいだけなの!だから、あの子を殺さないで欲しいずら!」

「私達からもお願い!ホオリンガを助けて!」

 

 

 Aqoursの皆は翔琉に懇願する。これ以上ホオリンガに苦しい思いをして欲しくないのだろう。

 どうするべきかと翔琉が思考している時、大きな音が響いた。外に出てみるとホオリンガが更に激しく暴れていた。花粉もより大量に撒布されていく。

 

 

「ホオリンガ……もうやめて!?」

「ホオリンガ!」

「お願い、落ち着いて!」

 

 

 叫ぶAqours。しかしその声はホオリンガには届かない。

 

 

「…………お前達はここに居ろ」

「え、翔琉君!?」

 

 

 ホオリンガのいる方向に走り出した翔琉。そして一度立ち止まって彼女達に振り向いた。

 

 

「何とかしてみるから、絶対そこから動くんじゃねえぞ!」

 

 

 彼は再び、ホオリンガ目掛けて走り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 Aqoursから見えなくなった所で翔琉は立ち止まってエクスデバイザーを取り出す。ホオリンガを止めるにはスパークドールズにするか殺してしまうのが簡単であろう。しかし、それをするのは千歌や花丸、Aqoursの皆の想いを裏切る事になる。

 

 

「それは嫌だよなぁ」

 

 

 エクスデバイザーを突き出して上部のスイッチを押す。彼女達の望みに応える為、ホオリンガを助ける為に彼はウルトラマンエックスにへと変身するのであった。

 

 

「あ、あれって!」

「もしかして!」

「ウルトラマンエックスだぁ!」

「あれが、ウルトラマン……!」

「It's wonderful!」

「何という大きさ……!」

「凄いずら……!」

「大きい……!」

「まさに現代に甦りしネフィリム!」

 

 

 

 ホオリンガの目の前にエックスは降臨する。彼の登場にAqoursも、そしてホオリンガも驚いた様子だ。

 

 

「さて、一先ずはこの花粉どうにかしねえとな」

 

 

 これ以上花粉被害が広がったら悲惨な事になってしまう。それを止める為にどうすべきか……そう考えていた時、彼はあることを思い付いた。

 

 

「……くそっ」

 

 

 エックスは上空に光を放ち、自身とホオリンガを包む様にバリアをドーム状に展開した。それはまるで、あの日ダークファウストが自分を隔離する為に闇の空間を作った時と似ている。

 

 

「嫌な奴のこと、思い出させるなよ」

 

 

 花粉の被害はこれで抑えられる。顔の横に突き刺さっている治療弾を引っこ抜く為にエックスはホオリンガへと近付いていく。しかし、ホオリンガは根を振り回して叩き彼の進行を妨害。

 

 

「チッ!少し落ち着けって!––––おわっ!?」

 

 

 首、そして腰に根を巻き付けられてしまった。そしてそのまま、ホオリンガはエックスのことを怪力で持ち上げてしまう。逃れる為に捥がくが、強力な力で締められてる所為で抜けられない。

 

 

「この……いい加減にしろ!」

 

 

 根を掴み、そこから軽く電流を流し込んだ。突然のことに驚いたホオリンガは思わずエックスを解放。彼は大地に降り立つ。軽く頭を振って体勢を整えた後、エックスは右手をゆっくりホオリンガへと向けていく。

 

 

「ピュリファイウェーブ!」

 

 

 エックスの手から放たれた光はホオリンガを優しく包み、心を落ち着かせると同時に治療弾を除去し、体内に溜まっていた余分な栄養を排出させた。ホオリンガの瞳は赤から青へと戻っていく。もう怒っていないという証拠なのだろう。

 

 バリアが解除されて皆がホオリンガの姿を確認出来る様になった。落ち着いた様子のホオリンガを見てAqoursの皆は胸を撫で下ろし、Xioメンバーも安堵の表情を浮かべていた。するとホオリンガの身体が淡く光り始める。そして一度天に向かって鳴いた後に、ホオリンガは文字通り山となりこの内浦の町に恵みを与えるのであった––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 全てが終わり、翔琉は高台から山となったホオリンガのことを見つめていた。側には千歌と花丸、そして陽花もいる。

 

 

「あれがお父さんで、あっちがお爺ちゃん。そしてあれがひいお爺ちゃんとひいひいお爺ちゃんずら」

 

 

 山を指差していく花丸。遥か昔から、この内浦はホオリンガの恵みを受けて生きて来たのだ。

 

 

「怪獣の恵み、か」

「凄いでしょ?私達はお婆ちゃんのお婆ちゃんの、そのまたお婆ちゃんの時から、ずっとホオリンガと一緒に生きてたんだよ!」

 

 

 表情をキラキラさせながらそう言う千歌を見て翔琉は笑みが溢れる。怪獣や宇宙人は倒すべきだと先程まで考えていた翔琉であるが、この件を通してその考え方は変わり始めていた。ただ倒すのでは相手のことを理解し、本当にそれが正しいのかを考える事。それが大切なのだと思う様になっていたのだ。

 

 

「おーい、チカー!マルちゃーん!」

「あ、果南ちゃん!じゃあ、私達そろそろ行くね」

「ああ。いろいろありがとな」

「マル達の方こそ、ホオリンガを助ける為に頑張ってくれてありがとうございます」

 

 

 翔琉と陽花に頭を下げてから千歌と花丸は果南達がいる所へと去っていった。それを見送った後、翔琉はサイバーゴモラとサイバーエレキングのカードを取り出して見つめる。

 

 

「思えば、俺も怪獣から力を借りてたか」

「あはは、そうっすね」

「怪獣との共存……何となく、悪くはないなって思えてきました」

「この地球は豊かな恵みのある星なんっす。だからそれを分け合って一緒に生きていくことが絶対に出来るってアタシは信じてるっす」

 

 

 そう言って彼女はゴモラのスパークドールズを手にした。自然豊かな星である地球。怪獣達もこの星で共に生きる仲間であり、いつの日かきっと争う事無く彼らと絆を結べる未来が来ると彼女は信じていた。翔琉もそんな世界になれば良いなと少しだけ思う。

 陽花が手にしているゴモラに、彼は軽く触れる。

 

 

「いつもありがとな、ゴモラ」

 

 

 共に戦ってくれる仲間への感謝の言葉。それに応える咆哮が、聴こえた様な気がした––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あれがウルトラマンエックスです、マスター」

「へー、あれがねぇ」

 

 

 遠く離れた山道から翔琉を見つめる数人の集団があった。普通の人間なら特殊な機械でも使わない限りは決して見えない距離の筈だが、彼らは問題無く翔琉のことが見えている。

 

 

「ここで仕掛けますか?」

「いや、まだだ。依頼だと出来るだけ苦しめてから殺せっめ話なんだ。ここじゃまだ早い」

 

 

 彼らはダイロに雇われた殺し屋集団。そしてマスターと呼ばれているこの男こそ、リーダーである超一流の殺し屋ことエースキラーなのだ。エースキラーは懐から数枚の写真を取り出す。そこに写されていたのは歩夢やかすみ達、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のメンバー達だ。

 

 

「コイツら、利用出来そうだな……。標的(ターゲット)にはたっぷり地獄を味わって貰うとしますか」

 

 

 踵を返し歩き出すエースキラー。配下の者達もそれに追従する。恐ろしい毒牙を向けられている事に、翔琉も同好会の皆も気付く術は無かった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 夜、新城野 明里は自室にて、下着姿の上に大きめのシャツを羽織るだけという扇情的な姿で机の前に座り、脚をその上に乗せていた。机の上にはスパークドールズや怪獣カプセルが乱雑にばら撒かれている。

 

 昼頃にウルトラマンエックスが内浦に出たというニュースを見たが別にどうでもよかった。少し前まで殺したいと思っていた相手であるが今はあまり興味が湧かない。まあ、邪魔をするというのならしっかりと殺さなければならないが。

 

 翔琉とかすみという友達が出来た事が、彼女の心に新たな満足感を与えていた。思わず溢れる笑み。そんな時、背後に何か気配を感じた。椅子を回転させて振り返るとそこには……。

 

 

「やあ、初めましてだね」

 

 

 内浦で翔琉のことを空から見つめていた謎の人物。ソレが彼女の目の前にいた。中性的な顔立ち、艶やかな黒髪、すらりとしたスタイル、高くも無く低くも無い声。男性なのか女性なのか全く分からないの人物が明里に笑顔を向けていた。

 

 

「誰、アンタ?」

「ボクはカタラさ。よろしくね、ダーク––––」

 

 

 カタラと名乗る者が言葉を続けるより先に光弾がその頬を掠めた。明里は立ち上がりカタラのことを睨んでいる。

 

 

「出てってくんない?邪魔なんだけど」

「そんな邪険にしないでくれよ。ボクは君と友達になりたくて来たんだからさ」

「不法侵入って言葉知ってる?私泥棒の友達とかいらないから」

「ははっ、酷い言われ様だね」

 

 

 怪しさしかないカタラに明里の苛立ちが募っていく。するとカタラは黒いカプセルを取り出してそれを彼女に投げた。カプセルは明里の豊満な胸に弾かれて床に落ちる。落ちた際に上向きになった面を見て、彼女の表情に少しだけ変化が起きた。

 

 

「あげるよ、それ」

「これって……でも、何で?」

「カプセルがあるのは怪獣だけじゃないってことさ。代わりと言ったら何だけど、君の力を少し貸して欲しいんだ。どうかな?」

 

 

 少しだけ考える明里。それからしゃがんで落ちていたカプセルを彼女は拾った。

 

 

「分かった。友達にはならないけど、ビジネスパートナーくらいにはなってあげる」

「うーん……本当は友達が良かったんだけど、今はそれで我慢するしかないか」

 

 

 ちょっと困った様に笑うカタラと、そんなの見向きもせずカプセルを見つめるだけの明里。

 

 

「で、何すればいいの?」

「そうだなー……じゃあまずは、ウルトラマンエックスに挨拶かな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新たな戦いは既に始まっている。狙われるのは彼だけで無く、その仲間達も。襲い来る魔の手からは逃れられず、ただ立ち向かうしかない。深く暗い闇は、光を塗り潰すべく広がっていく。

 

 明里が見つめるカプセル。そこに描かれているのは、黒き王の姿であった–––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ホオリンガ回これにて終了です!
翔琉の怪獣に対する考えに変化を与える回ともなったこの話、いかがだったでしょうか?

そしてその裏で動き出す者達……。
エースキラー達傭兵集団の魔の手は同好会メンバーに向けられていき、謎の人物カタラは明里と手を組むことに。
混沌としていくこの状況、ぜひお楽しみ下さい。

Aqours編はもう少し続きます!
彼女達と翔琉の邂逅もぜひお楽しみに!

それでは今回はここまで。

感想、質問、高評価、その他、山形りんご、ぜひぜひお待ちしてるんご!

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