RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
Z、虹アニメ、ギャラファイ……どれも最高で週末が楽しみ過ぎます()
そして次のクロニクルシリーズにはティガ!!
これも期待大ですね!
さて、今回からは愛さん回となります!そして……
早速どうぞ!!
とある廃ビルの一室。そこに3人の人間……否、宇宙人が居た。スラン星人、バット星人、そしてゴドレイ星人の3人は何やら困っている様子である。
「しまったぁ……ほんと最悪だぁ……」
しゃがみ込み頭を抱えているスラン星人。彼はある物を無くしてしまいそれでショックを受けているのだ。その肩にゴドレイ星人が手、というか爪を置く。どうやら励ましてるつもりらしい。だがスラン星人はそれを払い除けて勢い良く立ち上がった。
「元はといえばお前がしっかりしてなかったのが悪いんだぞ!!」
ゴドレイ星人を叱り付けるスラン星人。彼はそれに圧されてあたふたとしていた。
「まあまあ、落ち着け」
そんな2人の間にバット星人が仲裁に入る。
「何はともあれ奴から逃げ切り、こうしてこの地球に侵入は出来たんだ。一先ずは良しとしよう」
「しかしだなぁ……」
「それに、アレを探す手ならもう既に思い付いている」
「ほんとか!?」
驚くスラン星人にバット星人はそのデカい頭を縦に振る。そして2人に耳打ちをした。
「……ふむふむ。なるほど、そんな手が!」
「どうだ?これならすぐに見つけられるし、目的も達成出来る。一石二鳥というやつだ」
胸を張るバット星人にゴドレイ星人が拍手。
「よし、では早速取り掛かるとしよう」
「おお!」
彼らの高笑いが辺りに響く。何処か小物臭いこの3人の宇宙人。しかしこれが、壮絶な戦いの始まりになる事など、この時誰も知る由は無かった………。
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虹ヶ咲学園のスタジオ内。そこではスクールアイドル同好会のメンバー達が練習に励んでいた。室内には冷房が点けられていて快適な温度となっている。みんなが柔軟や筋トレ、ダンスの練習などをしてる所を、翔琉は眺めていた。と言っても目を向けているだけであって思考に囚われており、心ここに在らずといった感じである。
原因は勿論、数日前のエースキラーとの戦いだ。戦いの果てに翔琉は謎の力を使用する事が出来る様になり、それでダイロを殺した。ダイロの亡骸を解剖したところ、人間で言う骨や筋肉はズタズタに、そして心臓や肺、脳などの内蔵機器は圧縮され潰された様になっていたらしく、まるで臓器を握り潰したあと体内で爆弾でも爆発させたかの様だと、解剖を担当した職員が言っていた。こんな事が出来る存在はこの広い宇宙と云えどもそうそう居ないであろうとも。
彼自身の肉体についても再び検査が行われた。骨、筋肉、内臓、血液、神経、皮膚、その他体組織は間違い無く地球人のもの。何度調べてもその結果は変わらず、彼が地球人であることをデータ状では示していた。しかし地球人では考えられない異常な迄の回復能力や身体能力を持っている事も間違い無い。
調べれば調べる程矛盾にブチ当たり、自分というモノが何なのか分からなくなって来る。自分は本当に翔琉なのか?そもそも地球人なのか?この力は、何の為の力なのか?
目線を彼女達から落として自分の掌を見つめる。これまでノリと勢いで戦ってきた彼であったが、流石にこればかりはそうはいかない。もし自分が地球人で、翔琉で無かったのなら彼女達とこうして居ていいのか……?そんな考えがふと浮かび上がり、それを消す様に頭を振った。
「翔琉君、どうかしたの?」
歩夢が翔琉に声を掛ける。
「んっ?いや、別に」
「嘘。何だかここ最近、ずっと思い詰めた様な顔してる」
彼女の台詞にぐうの音も出ない。幼馴染で付き合いの長い歩夢は、例え記憶を失い性格の変わっていても翔琉の変化にはちゃんと気付くのだろう。他の皆も心配そうな表情で彼に近付いて来た。
「先輩、大丈夫ですか?」
「先輩が元気無いと、かすみん悲しいですぅ〜」
「何か悩み事でもあるの?」
「やっぱり、Xio関連の事かしら?」
「まあ……そんな感じっす。ちょっと面倒な課題と言うか何と言うか……」
誰も彼もが翔琉ことを想い聞いて来るのだが真実を教える訳にもいかず、適当なことを言って誤魔化すしかない。
「私達にも手伝えることはありませんか?貴方の負担を少しでも軽減出来ればと思うのですが……」
「大丈夫だよ。これは俺の問題だから、俺で蹴りを着けないと」
「でも、1人で悩むのはあんまり良く無いと、彼方ちゃんは思うなぁ〜」
「平気平気。ほら、翔琉君ボード《やったるでー!》」
璃奈の璃奈ちゃんボードを取り、それを自身の顔の前に持ってくる。
「それ璃奈ちゃんボード《疲れた……》だよ」
「………慣れねえ事はするもんじゃねえな」
ボードを返してから彼は立ち上がり手を叩いた。
「はいはい!とにかく練習再開だ!ほらほら早く!」
「え、あ、ちょっと!?」
彼女達の背を押していく翔琉。これ以上この話題を出すべきでは無い。そう考えて明るく振る舞うのであった。
「あっ!ごめん、アタシ今日はもう抜けていいかな?」
「別にいいけど、何か用事か?」
「う、うん、そんな所!じゃあ、また明日ね!」
そう言って愛は荷物を纏めてからスタジオを出ていく。
「愛さん、最近あんな感じだね」
「お家のお手伝いが忙しいとかかなぁ?ほら、愛ちゃんのお家ってもんじゃ焼きのお店なんでしょ?」
「まあ夏だし、観光客とかで忙しいのかもな」
夏休みを利用して地方から東京観光に来る人も多いだろう。それで愛の店も繁盛していて忙しく、それで彼女が手伝っているのかも知れない。
「さぁ、私達はもう少し練習していきましょう」
「そうですね」
練習を再開する愛以外のメンバー達。翔琉がふと外に目を向けると、走って校内から出て行く愛の背中が見えた。
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「UNVER本部からの訪問者?」
「ええ。こちらにいる
Xio司令室にて、沙優隊長は本部からXio日本支部に来た桑井博士のことをメンバーに紹介していた。ザムザ、リュウジは別件で現在海外に出ている。
「勿論っす!スパークドールズ研究に於ける第一人者……!!こうしてお会い出来るなんて光栄っす!!あ、握手してもらってもいいですか!?」
目をキラキラと輝かせながら桑井に握手を求める陽花。桑井はそれに笑顔で応じた。
「水瀬博士夫妻の娘さんだね?君のことはよく聞かされてたよ。幼いのにとても聡明なお嬢さんだと」
「ほ、本当っすか!?なんか、恥ずかしいっす……」
陽花は頬を掻く。父と母の話題が出て、その両親に褒められていたという事を聞いて少し気恥ずかしくなったのだ。
「後ろのお二人は?」
「私の助手とボディーガードです。ボディーガードの方はゴードン。そしてこちらは……」
頭を下げるゴードン。そしてもう1人の男性が前に出る。
「
礼をしたあと頭を上げ、柔かな笑顔を向ける戸河と名乗った男。彼は数日前から桑井の助手として働いているらしい。優秀な人材らしく博士も信頼してるとのこと。
Xioメンバー達も自己紹介を終えた後、桑井は真剣な表情となって話を始めた。
「実は、皆さんに頼みたい事があるんです」
「頼みたい事、ですか?」
涼風の疑問に桑井は「ええ」と応える。
「ここに来る途中、宇宙人と思われる者から襲撃を受けました」
「え、大丈夫だったんっすか!?」
「ゴードンに助けられましてね。こうして無事でいられました」
「レーダーにその様な反応はなかったが……」
「かなり高速で動く宇宙人でした。恐らくレーダーでも捕捉出来なかったのでしょう」
そう言われてシャマラ博士は唸る。そんな事があるのだろうか?しかし実際起こってしまった事ではあるし、事実なのだろう。
「そんな訳でどうにか宇宙人からは逃げ切れたのですが、少し……いや、かなり重大な問題が起きまして……」
「問題?」
少し言い難そうな表情の桑井。すると代わりに戸河が前に出て口を開く。
「襲撃を受けた際、あるスパークドールズを紛失してしまったんです」
「スパークドールズを!?」
申し訳なそうな桑井達3人。超高速での襲撃を受け、命こそ無事であったがその際、研究対象であったとあるスパークドールズを入れていたケースが無くなってしまったとのこと。周辺を捜索したが見つからず、Xio日本支部に手を借りようと考えたのだ。
「もし一般市民が拾って何か起きたり、その宇宙人が手に入れてしまっては大変なことになります……どうか、皆さんで探して欲しいんです!責任は私にあり、身勝手なことを言っているのは承知してます……けど、アレを放置しては大きな被害が出てしまいます!この通り、お願いします!」
「私からもお願いします!」
頭を下げる桑井、戸河、ゴードン。
「勿論協力します!悪意ある宇宙人が現れ、その上スパークドールズが紛失したとあっては黙ってられません。必ずそのスパークドールズは見つけるっす!」
「そうね……。こちらとしても見過ごせない事態だし、早速捜索を開始しましょう。それで、そのスパークドールズは一体?」
彼らの頼みを承諾するXioメンバー達。それから紛失したというスパークドールズが何の怪獣の物なのかを尋ねた。桑井は深刻そうな表情をしながらパソコンを操作し、それをモニターに映した。
「なッ……!?」
「この怪獣は……!?」
「おいおい、本当か!?」
怪獣を見て皆は驚く。その怪獣の名は……。
「ゼットン……宇宙恐竜ゼットンです」
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練習を終え、翔琉は歩夢とかすみ、しずくと共に秋葉原の街を歩いていた。かすみに誘われて遊びに来ていたのだ。翔琉を元気付けたいというのが理由らしい。彼女にオススメされたコッペパン屋で買ったコッペパンを食べ、ウィンドショッピングを楽しみながら街を歩く4人。しかし、やはり翔琉の顔は時折沈んだ様なものになる。
「翔琉君」
「んっ?ああ、何だ?」
「あれ見て」
彼女が指差した方にあったのは大きなモニター。そこにはスクールアイドルのライブ映像が流されていた。
「あれって、東雲学院のスクールアイドルだよね?」
「ええ。確か彼方さんの妹さんが所属してた筈です」
画面に映る彼女達のパフォーマンスを4人は見つめる。
「あの日を思い出すなぁ」
「あの日?」
「うん。初めて貴方と一緒にスクールアイドルを見た日。その場所もここなんだよ」
歩夢と2人で出掛けた際、ここで見たμ'sとAqoursの合同ライブが全ての始まりだったと彼女は話してくれた。あの時の翔琉の顔はとても輝いていたと。
「覚えてないな……」
「大丈夫、きっと思い出せるよ」
「…………だと良いが」
暫く画面を見つめる4人。そんな時、かすみがあるものを目撃する。
「あれ?あれって愛先輩では?」
かすみが目を向けている方向には裏路地に入っていく愛の姿があった。
「お店の手伝いではなかったのでしょうか?」
「でも、何であんな所に?」
周りを少し気にしている様子だった愛。側から見ればその様子は少し怪しく感じる。
「怪しい……追いかけましょう!」
「え、でも……それは良くないんじゃない?」
「もしかしたら、何か悪い事に巻き込まれてるかも知れないじゃん!ね、翔琉先輩と歩夢先輩も追いかけるべきだと思いますよね?」
かすみにそう言われて少し困った様子の歩夢。一方翔琉は彼女達に特に返答する事なく、小走りに愛が入っていった裏路地へと向かった。
「え、翔琉君!?」
「先輩!?」
「あ、待ってください!かすみんも行きますぅー!」
彼の後に続いて3人も走る。
狭く複雑な路を歩き、愛の背を追う翔琉達。見つからず、見失わない程度に距離を置いて確実に追跡していた。そして暫く行くと今は使われていないであろうスクラップ場に辿り着いた。そこにある小屋の中に愛は入っていく。
「あそこだね……」
「愛さん、何であんな所に?」
「まさか、悪い男に呼び出されて……!?」
変な妄想して顔を青くかすみ。とはいえ可能性として無いとは言えず、寧ろ高いかも知れない。そう思うと歩夢としずくは顔も青くした。
「……お前ら待ってろ」
「え、ちょ、翔琉君!?」
3人を置いてから翔琉は小屋にへと近付く。中から妙な気配がし、何となく嫌な予感がしていた。入り口に立って耳を傾け中の音を聴く。すると愛の話し声が聴こえて来た。
「いやー、遅くなってごめんねー!今日も同好会で大変だったんだー!」
そしてそれに対する返答なのか妙な音も聴こえた。
「はいこれラムネ!ささっ!これでグイッといっちゃって!」
ポンっとラムネの瓶を開ける音が響く。普通の友達なのか?ならば何故こんな所で落ち合っているのか?それと先程から相手の声が聞こえないのも気になる。
「ラムネ飲む時は一緒に羊のお肉を食べるのが良いと思うんだ!ラムネに合うのは
相変わらず微妙なダジャレが炸裂してる。これを記憶を失う前の自分は大爆笑していたらしいから信じられない。話し相手からの反応は特にない様だ。因みに歩夢、かすみ、しずくの3人がいつの間にか翔琉の背後に来ていた。
「面白い!?本当!?ありがとー!いやー、今の愛さんも結構自信あったんだよねー–––––」
「いや笑ってねえだろ!……………は?」
突っ込みながらドアを勢い良く開ける翔琉。そして彼は目の前の光景に彼も、そしてその背中越しからそれを見た歩夢達も固まってしまった。
「え!?かけるん!?それにみんなも!?」
驚く愛。だがそれ以上に翔琉達は驚愕している。少しぎこちない動きになりながら、翔琉は愛の前にいるソレを指差した。
「お前……何だ、ソイツ……!?」
黒を基調とした身体。二本の触角。目らしき物の窪みのある顔の真ん中には黄色い発光体があり、胸にも二つ大きな物がある。フォルムとしては人型に近いが、決して人ではないソレはヤンキー座りのまま翔琉達の方を向き、一言呟く。
ゼットン……と。
宇宙恐竜……ではなく、ウルトラゾーンより「不良怪獣ゼットン」の登場です!
これは流石に予想外だったのでは?笑
何故こんな怪獣が登場したのか?それは次回以降に明らかとなります。
そして冒頭ではスラン星人、バット星人、ゴドレイ星人が登場。バット星人は平成版では無く昭和版の見た目となっています。ゴドレイ星人は本編では無差別に破壊行為を行う宇宙人でしたが、今回の個体は無口で何処か少し抜けた感じの個体となっています。
彼らは良くアニメとかにいる三馬鹿的な感じだと思って下さい←
そしてXioには桑井博士達からゼットンのスパークドールズの捜索依頼が……。
そんな中で自分の存在が分からなってきている翔琉。迷う彼は、果たして答えを見つけられるのか?
それでは今回はここまで!
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