RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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愛さん編2話目!
そしてあのヒーローが……!

早速どうぞ!


28.サイコーの出会い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゼットン。別名宇宙恐竜。恐竜といっても、ティラノサウルスやトリケラトプス、ブラキオサウルスなどの巨大な蜥蜴の様な怪獣では無い。見た目に関してはクワガタやカミキリムシなどの甲虫を人型にした様な姿をしている。

 

 その戦闘力は恐ろしく、テレポーテーション、全方位を守るバリア、光線を吸収し増幅して跳ね返す能力、両手から放つ波状光線、頭部から放つ1兆度にも及ぶ火球と一切の隙が無い。素の防御力も非常に高く、前面からの攻撃にはほぼ無敵。パワー、格闘能力も高く殴り合いに於いても負ける事はない。

 

 過去に神奈川、愛知、シドニー、サンフランシスコ、ロンドン、リオデジャネイロ、北京に出現しており、その際はゼットン星人やバルタン星人によって連れて来られ阿鼻叫喚の地獄を作り出した。

 

 ゼットンの恐ろしさは記録に残され、多くの人間がそれを胸に刻んでいる………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてそのゼットンが今、翔琉達の目の前に居た。人間大の大きさで、ラムネを片手にヤンキー座りをしたゼットンが。何とも言えないこの状況に、彼らは開いた口が塞がらない。

 

 

「い、いやー、見つかっちゃったかぁ。あははー」

 

 

 後頭部を掻きながら笑う愛。

 

 

「あ、愛……何だコイツは……?」

「ゼットンだよ!」

「ぜ、ぜぜぜ、ゼットンって、あのゼットンですかぁ!?」

 

 

 ゼットンという単語にかすみが慄く。歩夢としずくもだ。

 

 

「うん。多分そのゼットンで合ってるよ」

「確か、めっちゃやべぇ怪獣だよな……?」

 

 

 翔琉も授業で奴のことを知っていたのだろう。その恐ろしい存在であるゼットンが何故か聞いていた巨大な姿でなくこんな小さな姿でいるのか……?

 

 

「てか、何処で拾ったんだこのゼットン?」

「それはねー––––」

 

 

 彼女はゼットンと出逢った日のことを語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日前。その日は練習が休みだった為、愛は散歩をしていた。川沿いを歩く彼女。真夏日ではあるが時折り吹く風が冷たくて気持ち良い。

 

 

「うーん!今日もいい天気!愛さんも空に輝く太陽みたいになりたいよう(・・・・)!」

 

 

 ぐっと背伸びをする愛。今日も何か良い事が起こりそう、そんなことを思いながら彼女は夏空の下を歩いていく。

 

 そんな時、何か妙な音が愛の耳に聴こえて来た。どうやら橋の下かららしい。

 

 

「何だろう?猫かな?」

 

 

 音の聴こえて来た方に向かっていく愛。その場所に着くと、そこに居たのは……。

 

 

「か、怪獣!?」

 

 

 地面に座っている怪獣の姿であった。顔の真ん中にある発光機関を光らせ奇妙な音を鳴らすその怪獣に、彼女は見覚えがあった。というより知らない者は居ないであろう、過去にこの国も恐怖のドン底に落としたことがある脅威の怪獣・宇宙恐竜ゼットンである。

 

 ゼットンは愛の方に目を向けた。しかしそれだけで特に何もせず偶に鳴くだけ。

 

 

「君ってゼットン、だよね?」

 

 

 愛からの質問に頭を縦に振って答える。

 

 

「やっぱりかぁ。でも、ゼットンって大きい怪獣じゃないんだっけ?」

 

 

 授業で聞いていたゼットンは60m程の巨大な怪獣であった。しかし今目の前にいるゼットンは2m程度の大きさしかない。それに恐ろしさも微塵も感じられない。

 

 ボーッとしているゼットン。彼(?)を見ていた愛はあることに気付く。

 

 

「あれ?君怪我してるよ!?」

 

 

 ゼットンの左腕に傷が付いていたのだ。血らしきものは出ておらず彼も気にしてない様だが放って置けないと思い、愛は水の入ったペットボトルとタオルを取り出す。そして傷口を水で洗ってからタオルを巻いて塞いだ。

 

 

「これでよし!痛くは無い?」

 

 

 巻かれたタオルを不思議そうに見つめるゼットン。

 

 

「どうしよう……やっぱXioに通報した方が良いのかな?でもそれだとどうなるか分からないし………うん、よしっ」

 

 

 捨てゼットンを拾ましたなんて言ったら大部隊がやって来てしまい、それによって彼が殺されてしまうかも知れない。何となくそれは嫌だと感じた愛は、取り敢えずゼットンのことを匿うことにしたのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てな訳なの」

「どんな訳だよ」

 

 

 愛からゼットンとの出逢いのあらましを聞いたのだが翔琉達は少し理解に苦しんでいた。

 

 

「その、大丈夫なんですか……?」

「大丈夫って何が?」

「いやだってゼットンですよ!?怪獣ですよ!?危険じゃないですか!?」

 

 

 慌てるかすみだが無理もないだろう。目の前にいるのはあの恐ろしいゼットンなのだから。

 

 

「大丈夫大丈夫!この子は何にもしないよ。ほら!」

 

 

 愛は何とゼットンに抱き着いた。その大胆な行動を見て皆驚くが、彼女は気にせずゼットンに頬擦りしてる。何とも奇妙な光景だ。

 

 

「襲われたり、しないのですか……!?」

「しないよー。だってゼットン優しいもん!」

 

 

 確かにゼットンは愛に抱き締められても特に何もしない。それどころか少し喜んでいる様にも見える。表情は一切分からないし喋りもしないが。

 

 

「ほら、みんなもおいでよ!」

 

 

 ゼットンから離れて手招きする愛。それに従って翔琉達はゼットンの方に近付いていった。歩夢、かすみ、しずくは翔琉の後ろに隠れて少しおどおどしてる。

 

 

「よ、よお?」

 

 

 手を上げゼットンに挨拶する翔琉。彼はじっと翔琉のことを見つめている。暫く沈黙が続く。

 

 

「お、おい、お前らも何か言えよ!」

「え、ええ!?」

「私達もですか!?」

「そうだよ早くしろよ!俺だけなんて何か気不味いだろ!?」

「うぅー、仕方ないですねぇ……」

 

 

 小声で話合った後、歩夢達も前に出てゼットンに声を掛けた。また反応は無い……かと思いきや、ゼットンは勢い良く立ち上がった。

 

 

「ッ!?」

 

 

 襲われるのかと思い、拳を握って構える翔琉。歩夢達も驚き身体を硬直させた。しかしゼットンは何かを仕掛ける様なことはせず、くるりと彼らに背を向けると背後にあった箱を開けて漁り出した。そしてまた彼らに振り向き箱の中から取り出した物を突き出す。4つの流星の形をしたオモチャのバッジだ。

 

 

「………は?」

「もしかして、私達にくれるの?」

 

 

 歩夢の問いにゼットンは頭を縦に振る。出されたそのバッジを歩夢としずくが取り、少し警戒しながらかすみも取って、最後に翔琉が取った。

 

 

「愛さんもそれ貰ったんだ!ほら!」

 

 

 彼女はポケットから同じバッジを出して見せた。どうやらゼットンにとってそれは友好の印らしい。何処で拾って来たのか分からないが。

 

 

「これでみんなもゼットンと友達だね!」

 

 

 そう言って愛はにっこりと笑う。歩夢、しずく、かすみの3人はこちらに対して敵意を向けず、寧ろ好意を見せてくれているゼットンへ少しずつ警戒が解けている様だ。ちょっとずつ近付き、彼に話し掛けてみている。その様子を、まだ警戒心の解けない翔琉が側から見つめていた……。内浦の一件で怪獣との共存に興味を持ったとはいえ、流石に相手が相手では身構えてしまう。

 そんな時、彼のエクスデバイザーに通信が入る。翔琉はみんなに断りを入れてから外に出て通信に出た。

 

 

「はい、どうかしました?」

《天地さん、実は協力してほしいことがあるんです》

 

 

 連絡をして来たのは涼風だ。

 

 

《実はある怪獣のスパークドールズが行方不明になっていて、それの捜索を手伝って欲しいんです。今XioメンバーやUNVERの職員達で探しているのですが見つからなくて……》

「なんか、大変そうっすね」

《ええ……そのスパークドールズというのがとても危険な怪獣でして、早急に回収しなければならないのです》

「何なんです?」

 

 

 涼風に質問する翔琉であったが、それを聞かなきゃ良かったと数秒後に思うことになる。

 

 

《ゼットンという怪獣です》

「…………は?」

《ゼットンです。宇宙恐竜ゼットン。前に授業で教えましたよね?》

「え、あ、いや……まぁ……」

 

 

 

 授業で教わった事は覚えている。だが問題はそこでは無く、そのゼットンが今まさに自身の近くにいることだ。しかも幼馴染や友人、後輩達と一緒に。余りにも予想外の状況に、翔琉は固まっていた。

 

 

《……どうかしたんですか天地さん?》

「べ、別にどうも………あ、もしも仮に、仮にですよ?ゼットンが実体化したらどうなるんっすかね?」

《まあ、Xio総力を挙げてスパークドールズ化、或いは駆除をする事になります》

 

 

 その返答を聞いて何とも言えない気持ちになる。愛はゼットンのことを本気で友達と思っており、どうやらゼットンの方も彼女のことを気に入っている様子。チラリと中を見ると先程まで怖がっていた歩夢、しずく、かすみの3人も彼を囲んで楽しそうにしていた。スパークドールズなんかにしたら間違い無くゼットンはXioやUNVERに保管され、もう愛が会う事は出来なくなるだろう。そうなると思うとモヤモヤとした気持ちになり、駆除なんかは絶対にしたく無いと考えしまっている。

 

 

《天地さん、何か隠してます?まさか、ゼットンを見つけたとか?》

「へ!?いや、そんな訳無いじゃないっすかー、あはは!あ、じゃあ俺も頑張って探してみるっすね!それじゃ!」

《あ、天地さんちょっと––––》

 

 

 通信を強制的に切る。これ以上話してたらボロが出るかも知れないからだ。………もう出てたかも知れないが。

 

 

「はぁ………どうしよ」

 

 

 再び小屋の中を覗く。楽しそうな彼女達、特に愛はゼットンを3人に紹介出来たという事もあってか満面の笑みだ。Xio隊員としてやるべき事を放棄してゼットンのことを匿ってしまった翔琉。これからどうなるのか?どうすべきか?頭の中に浮かぶ悩みが頭痛をさせていくのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 月面に1体の怪獣が降り立った。奴の名は凶獣ルガノーガー。両腕も顔の様になっていてまるでミツ首龍に見える緑溢れる星をいくつも破壊して来た恐るべき怪獣。全身武器の凶悪な存在であり、とある者達に嗾けられ地球を破壊し人類を皆殺しにするべく向かっていたのだ。乗せられるのは少し癪だが自身にとって最も好む事である破壊と虐殺を行えるのなら文句は無い。ルガノーガーは邪悪に口を歪めながら、地球へ向けて飛んでいた。

 

 

 しかし、ルガノーガーの行動を妨害してくる者がいた。それは謎の真っ赤な球体であり、ルガノーガーに体当たりを仕掛けてきた。鬱陶しい球体を破壊するべく、ルガノーガーは一旦月に降りたのだ。球体もそれに合わせてルガノーガーの前に降りていく。そしてその中から、赤い巨人が姿を現した。

 

 

 真っ赤な身体、胸には金と銀のプロテクター、左腕には神秘の輝きを放つ手甲が装備されている。拳を握ってルガノーガーに構える巨人。最強最速の力を持つ彼の名は、ウルトラマンマックスだ。

 

 

 

 

「シェアッ!」

 

 

 眼前に立つ邪魔者に怒りと憎しみを込めて咆哮した後、ルガノーガーは肩の角から雷撃を放った。マックスはそれに向かって突っ込んでいき、全て躱してから接近し強力なキックを撃ち込んだ。胸の装甲板でダメージは軽減されたがそれでも数歩退がる。

 

 

 マックスは続けて飛び込み手刀を打つ。更にパンチやキックを放ちルガノーガーを攻めていった。奴も負けじと牙の付いた両腕を振るうがマックスは躱し、防ぎ、見事に対応していた。隙を突きルガノーガーの首を掴むマックス。そしてそのまま一本背負いの要領で奴のことを投げ飛ばしてしまった。

 

 地面に叩きつけられ転がっていくルガノーガー。奴は立ち上がり両腕と頭部から熱線を放つ。だがマックスは前面に両手を突き出してバリアを発生させ防いだ。

 

 

 ルガノーガーは尻尾をマックスへと伸ばす。この尾はエネルギーを吸収する事が出来る。しかしマックスはそれを飛び上がって回避。そして頭部のブーメラン・マクシウムソードを飛ばし、ルガノーガーの尻尾を切り落とした。悲鳴を上げるルガノーガー。更にマクシウムソードは奴の両肩の角も切ってしまう。これで奴はもう雷撃を放つことは出来ない。

 

 

 マクシウムソードを収納し月面に降りたマックス。そんな彼に向かってルガノーガーは再度熱線を放った。マックスは超高速移動・コメットダッシュを使用し躱し、そのまま動き回りルガノーガーを翻弄する。ルガノーガーは熱線を連続で放つが全て回避されてしまった。

 マックスは超光速でルガノーガーに向かい、強烈なドロップキックを叩き込んだ。キックを受けた奴は吹っ飛び、装甲板には大きな亀裂が刻まれる。

 

 

「フッ!」

 

 

 数回バク転してルガノーガーとの距離を開いた後、マックスは左腕を天に掲げた。装着されているマックススパークに光のエネルギーが溜められていき、チャージ終了と共に肘を曲げて立て、そこに右手を当てて逆L字型に組む。すると組んだ左腕から強力な必殺光線が放たれた。これがマックスの必殺技・マクシウムカノンだ。

 

 マクシウムカノンは立ち上がったルガノーガーの胸に直撃。ルガノーガーは装甲板で防ごうとしたが既に破れているそれでは防げる筈も無く、光線はルガノーガーの身体を装甲板ごと貫いた。そして断末魔を上げると倒れ、ルガノーガーは木っ端微塵に爆散するのであった。

 

 

 

 

「あの地球か……」

 

 

 戦いを終えたマックスは地球に目を向けていた。青と緑の宝石の様な美しい星。かつて彼は別の宇宙の地球に滞在し、そこでとある9人の少女達と共に物語を紡いだことがある。今でも色褪せること無く鮮明に覚えているその記憶。彼にとってそれはかけがえの無いものであり、地球はもう一つの故郷と言っても過言では無かった。

 

 その地球に今危機が迫っている。例え彼が訪れた地球とは別だとしてもそれを見過ごす訳にはいかない。

 

 

「行かねば」

 

 

 地を蹴って飛び立つ。目指すのは地球。大切なその星とそこにある無数の命を守る為に、マックスは光の速さで地球へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「うーん、なかなか見つからないっすねぇ……」

 

 

 陽花はゼットンのスパークドールズを捜索する為、紗季、ハヤテ、イヅルと共に街に繰り出していた。桑井博士の助手である戸河も一緒だ。

 

 

「悪い宇宙人に拾われてなきゃいいんだけどなぁ」

「そうなったら最悪だろ……」

 

 

 そうハヤテとイヅルがボヤく。ゼットンと戦うという事態は出来る限り避けたいと彼らは願っていた。

 

 

「ゼットンが暴れたら甚大な被害が出るでしょう……早急に回収しないと……」

「大丈夫っすよ戸河さん!」

 

 

 過去に愛知に現れた際には約9000人の死者行方不明者を出しており、更に過去のサンフランシスコでは約2万人の死者を出して復興に3年掛かる程の大被害をもたらしている。そんなゼットンがこの東京で暴れたらどれだけの被害が出るか……焦り不安になっている様な戸河に、陽花は心強い声色で声を掛けた。

 

 

「ゼットンはあたし達が必ず見つけるっす!だから、心配しないで下さい!」

「水瀬さん……ありがとうございます」

 

 

 陽花に礼を言う戸河。それから彼女は「よーし!」と気合いを入れ直してジオデバイザーでスパークドールズを探知しながら駆け出した。憧れである桑井博士とその助手である戸河の役に立ちたいという一心なのであろう。

 

 

「陽花さん、めっちゃ張り切ってるなぁ」

「ええ。とても心強い限りです」

「よし、じゃあ俺達も頑張るか!」

「だな!」

 

 

 陽花に負けていられないと、紗季とハヤテ、イヅルの3人も改めて気合いを入れ捜索を始める。

 だから彼女達は気付いていなかった。戸河が一瞬、不敵な笑みを浮かべた事に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







愛とゼットンの奇妙な(?)友情。それとXioに板挟みとなってしまう翔琉。ゼットンを探す為に頑張る陽花。何か裏のありそうな戸河……。そんな感じで物語は進んでいきます。そして……


最強最速のヒーロー・ウルトラマンマックス登場!!

今回は愛編でもありマックス編でもあります。どの様に展開していくのか、是非お楽しみに!
因みにこのマックスですが本編とは別人のオリ主設定になっています。どの様な人物なのかは追々説明させてもらいます。

では今回はここまで!

感想、質問、高評価、その他、山形りんご、是非是非お待ちしています!


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