RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
ゼノオオオオオオオオン!!!!!
レジェンドオオオオオオオオ!!!!
ゼットオオオオオオオオ!!!!
歩夢うううううううううううう!!!!!
色んな感情がウルトラやばいことになってます←
とりあえず愛さん編は3話目をどうぞ
「あ〜…………はぁ……」
虹ヶ咲学園にて、翔琉は柵にだらりと寄り掛かって溜め息を吐いた。原因はもちろんゼットンのこと。
あの日から数日。彼は時折ゼットンの所に愛と共に行くようになった。ゼットンに会いたいからではなく、もしもの時の為の見張りをする為にだ。まあゼットンは相変わらずボーッとしており、愛達が持って来た食べ物や飲み物を食したり、偶に外に出て日向ぼっこをするくらいで、これが本当に話に聞いていたゼットンなのか正直疑わしい。中身だけ別の何かに変わってないだろうかと思ってしまう。愛は毎日楽しそうにゼットンの所に向かっており、彼と楽しく喋っている。と言っても愛が一方的に喋り、ゼットンは相槌を打っているだけではあるが。しかしそれでも彼女は楽しいそうだ。
Xioの皆には未だにゼットンのことは話せていない。ゼットンを探している桑井博士達に翔琉もあったが、彼らはゼットンを強大な力を持つ危険な物だと語っており、話してしまえば確実にゼットンは捕獲されて本部に送られるか最悪駆除されてしまうだろう。身勝手ではあるが愛のことを想うとそれは避けたいと考えてしまっていた。沙優や涼風をどうにか誤魔化しながらゼットンのことを隠し続けているがそれもいつ迄持つか……。下手したらもうバレてるかも知れないなんてことも思ってしまい頭痛が加速する。
「危ない奴は消される、か」
自身の掌を見つめる。その強い力故に皆から恐れられ排除されそうになっているゼットン。強い力を持つという点では彼と今の自分が重なって見えた。自分ももしこの力が世間にバレてしまったら、ゼットンの様に恐れられてしまうのだろうか?そうなれば、虹ヶ咲の皆からも畏怖の目を向けられてしまうだろうか?
「ッ……」
拳を握り締めて頭を振り、その考えを払おうとするがなかなか拭えない。もし彼女達に拒絶されたら……。想像すると何とも言えない恐怖が彼の胸の中に湧いてしまう。
「……………おわッ!?」
そんな時、彼の左の頬に冷たい何かが当たった。いきなりのことに驚いて飛び跳ねる翔琉。何かと思い振り向くと、そこには缶ジュースを持った愛の姿があった。
「愛、お前なぁ……」
「あははっ!はい、どうぞ」
「……どうも」
手渡されたジュースのフタを開けて口の中に流し込む。愛は翔琉の隣りに来た。
「ごめんね」
「あ?何がだ?」
「あたしの所為でかけるんに余計な悩み増やしちゃって……」
翔琉が何かに悩んでいることは知っていた愛であったが、今回のゼットンの一件の所為で悩みを更に増やしてしまった。その事を彼女はずっと気にしていたのだ。
「別に気にしてねえよ」
「でも、かけるんすっごく疲れた顔してる」
確かに否定は出来ない。ここ数日余り眠れておらず顔には疲労の色が見られる。それでも倒れてないのも、自身の力の為だろうか。
「確かに疲れてはいるし、ゼットンのことだってどうすっかなって悩んでる」
「そう、だよね」
「なあ……何でアイツのことそんなに大切に想えるんだ?アイツはゼットン、最強クラスの怪獣だぞ。その力が自分に向けられたらとか、考えたりしねえのか?」
愛はゼットンに対して一切の恐れを持っておらず、ごくごく自然に友達として接している。何でそんなことが出来るのか翔琉には解らなかった。奴が暴れれば愛は簡単に殺されてしまう。そうなるかも知れないと彼女は考えないのだろうか。
「うーん、考えたことないな。だって、愛さんとゼットンは友達だし!」
友達だから。彼女がゼットンを信じる理由はそれだけ。とてもシンプルだがこれ以上のものは無いだろう。
「友達……か」
「そっ!それにね、怪獣の友達はこれが初めてじゃないんだ」
「えっ?それって……」
愛は少し寂しそうな瞳を空に向けながら話し始めた。
「小さい時にね、小っちゃな怪獣を今みたいに見つけたんだ。それでみんなに内緒で橋の下で隠れて飼っていたの。ちっちゃいからチビスケって名前付けて、学校が終わったらすぐに遊びに行ってた。左目を怪我してて少し開きにくそうしてたけど可愛くて、あたしにすっごく懐いてくれて、怪獣って怖いだけのものじゃ無いんだって思えた!」
けど……と彼女は言葉を続ける。
「チビスケは段々大きくなっていって、隠れて飼うのが難しくなって来たんだ。後で聞いて知ったんだけど、あの子はゲスラっていう猛毒を持った怪獣だったの。チビスケも多分自分が大きくなって毒が強くなっていってるのが分かってたみたいで、私に擦り寄る事が無くなって来た。それが拒絶されてるみたいに思えてさ……何だか少し寂しいなって」
チビスケは毒を愛に喰らわせない様にする為に離れていたのだろうが、事情を知らなかった当時の愛からすれば急にチビスケが自分を拒絶し始めた様に思えたのだ。
「どんどん大きくなって、もう触らせてもくれないし、どうすれば良いか分からなくなってきちゃって……。それでね、Xioに報告したんだ。怪獣がいますって。………けど、それが間違いだった」
「間違い?」
翔琉の疑問に、愛は首を縦に振る。
「Xioは悪い怪獣が居るって思ったみたいなの。1人があたしのこと抱きかかえて、残りの人達が銃でチビスケを撃ってたのを今でも覚えてる。それでチビスケは逃げてしまったんだ。死んじゃったのか生きてるのか、今でも分かんない」
気付けば愛の瞳は潤んでいた。数ヶ月の付き合いだが、こんな彼女を見るのは初めてだ。
「別にXioのことを恨んだりはしてないよ。そりゃあ、当時は少しだけ恨んだけど、あの人達はやるべき事をしたんだって今では理解してる。ちゃんとしてなかったのは愛さんの方……。助ける方法はきっとあった筈なのに、チビスケのことが段々怖くなって楽な方を選んでた」
愛は涙を拭い翔琉の方を向く。
「だからさ、もうあの時みたいな思いはしたくないんだ!ゼットンが愛さんやみんなと友達になって仲良くしてる所を見せたら、Xioの人達だってあの子を殺さないって思うの!だからかけるん、あたしに力を貸して!」
頭を下げる愛。身勝手なことは重々承知済み。それでもゼットンとずっと友達でいる為に、殺させない様にする為に、翔琉に協力して欲しかったのだ。もうチビスケの時の様な後悔をしたくないから。
翔琉はそんな彼女の頭に両手を置く。そしてわしわしと全力で撫でた。
「えっ!?ちょ、かけるん!?」
「オラオラオラァァ!!」
「いや、ちょ、ダメだって!?髪崩れちゃうじゃん!?」
一頻り撫で回した後、彼は愛から手を離した。彼女は少し剝れながら髪を直していく。
「酷いよかけるん!もう!」
「ハハッ、お前意外と髪サラサラなんだな?てか地毛か。染めてんのかと思ってた」
「染めるなんてしないよ。愛さんこの髪好きだし!」
そう言ってにっこりと笑う愛。やはり笑っていた方が良い。だから、彼女のこの笑顔を守る為にゼットンと共に居れる道を探そうと翔琉は思うのであった。
「でもまぁ、こんだけ大切に想われてるとか、ゼットンに嫉妬するわ」
ふとそんな言葉を溢す翔琉。自分と同じ様に大きな力を持ちながらも、自分と違い誰かに大切に想われてるゼットンの事が少し羨ましく思えたのだ。
「何言ってんの?かけるんもだよ」
「は?」
愛は翔琉の手を取り優しく握る。
「かけるんだって愛さんの大事な人だよ!それに、みんなだってそう思ってる!」
「…………例え俺が、化け物みたいな力持ってたとしても、か?」
「もちだよ!かけるんが何であろうと、かけるんはかけるん!愛さんの大好きな友達だよ!」
太陽の様な愛の笑顔が、暗くなっていた翔琉の心に暖かな光を優しく灯す。どれだけ大きな力を持っていようが関係無く、彼女にとって翔琉は大事な友達なのだ。その考えが揺らぐ事は決して無い。拒絶すること自分を無く受け入れてくれる愛の想いは、翔琉の悩みを消していく。
「そっか……友達か」
「うん!だから、悩みがあるなら何時でも相談していいからね!」
「いや、なんか楽になったから大丈夫だ」
「え、そうなの?」
「ああ。ゼットンのこと何とかなる様気張ってみる。俺もアイツの、友達だしな」
「本当!?ありがとうかけるん!!」
翔琉に抱きつく愛。ゼットンやみんなと一緒に居られることを思うと楽しみでワクワクが止められなかったのだ。
だがこれまでの様子を、物陰から見ていた者が居たことに、彼らは気付いていなかった……。
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Xio司令室内には沙優、シャマラ、ミキリ、ミハネが居た。他のメンバー達はゼットン捜索の為出ており戸河もそれに同行。桑井博士とゴードンは現在与えられた部屋にいる。
「しかし、これだけ捜索しても手掛かり一つ見つからんか……。やはりもう誰かに拾われとるんじゃないのか?」
パソコンを操作しながらシャマラがそう言う。レーダーなどを使っても探しているがゼットンは未だに見つからないでいた。
「何処に行ったんだろうねー?」
「何処かわかんないねー?」
数日経っているがこれといった進展は無し。翔琉が何かを隠している様ではあるが、沙優は彼が最近自身の力に悩んでいることを知っていた為、敢えて言及せず暫く見守ることにしていた。
ただ悪戯に時間だけが過ぎていきどうしたものかと思ってたいた時、通信が入って来た。外部からのもので誰からかは不明。怪しい通信だが一先ず彼女はそれを取った。
「はい、Xio司令室。––––––えっ?貴方は……」
聞こえて来た声とその話の内容に目を丸くする沙優。そして通信が終わると同時に、彼女は険しい表情と共にシャマラ達に声を掛ける。
「ミキリ、ミハネ、桑井博士達の部屋に行って彼らがいるかを確かめて!」
「ど、どうかしたのか?」
「紗季、聞こえる!?」
彼女の指示を受けて桑井博士の部屋に向かっていく2人。その後すぐに沙優は紗季に通信を入れた。
《隊長、どうかしました?》
「戸河さんはいる?」
《え、戸河さんですか?そういえば先程から姿が見えないですね……》
「博士居なかったよー!」
「ゴードンさんも居なかったよー!」
沙優とミキリ、ミハネの報告を聞いた沙優は眉を顰める。
「おい、まさか……」
「ええ……。どうやらいっぱい食わされたらしいわね」
一度頭を押さえる沙優。それから彼女はすぐに全員へと指示を飛ばしていく。桑井博士達の真の目論み、それを打ち砕く為に……。
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「さて……」
高層ビルの屋上から街を見下ろしているのはカタラ。手には2つのスパークドールズが握られている。
カタラは神経を研ぎ澄ませる様に目を閉じる。そして暫くしてからそれを開き口角を上げた。
「スラン星人、バット星人、ゴドレイ星人、ゼットン……そしてウルトラマンマックス。なかなか豪華な役者達だ。なら、豪華な前座を用意して上げないとね」
カタラは左手に持っていたスパークドールズの背中の部分を右手に持っていたスパークドールズに押し付ける。異様な音が鳴り響くと同時に、闇の力が漏れて閃光が放たれた。そして右手の怪獣は新たなる姿へと変化を遂げ、それをカタラはビルから投げ捨てた。
「行っておいで、ラゴラス。いや……ラゴラスエヴォ」
投げられたそれは巨大化し大地に降り立つ。進化怪獣ラゴラスエヴォは怒号と共に熱と冷気を纏った光線を放ち、街に地獄を齎すのであった………。
「うわっ!?」
「うおっ、何だ!?」
突然の地鳴りに驚く翔琉と愛。2人はゼットンに会うべく向かっている途中であった。フラついた愛を翔琉が支えて何とか持ち堪え見上げる。彼らの目線の先に居たのは赤熱化したマグマの様な身体を持つ怪獣。道路に足跡を刻みながら進む怪獣ラゴラスエヴォは口から超温差光線を放って街を破壊していく。
「おいおいマジかよ……!?」
予想外の事態に唖然としている翔琉の隣りで、愛は顔を青くしてラゴラスエヴォが進んでいく方向に目を向けていた。
「あの方向……ゼットンがいるところだ!」
「あ、おい!?」
ラゴラスエヴォの進む先にはゼットンの隠れている小屋がある。このままではそこが破壊されてゼットンが潰されてしまうかも知れないと思った彼女は一心不乱に走り出した。
「チッ、クソが!」
エクスデバイザーを取り出す翔琉。走っていってしまった愛のことも追わなければならないが、一先ずは怪獣をどうにかしなければならない。
《X UNITED》
デバイザーの上部を押し光を解放。翔琉はウルトラマンエックスとなり、ラゴラスエヴォにへと殴り掛かった……。
タイガからチビスケ、そしてマックスからラゴラスエヴォの登場!
そして次回から愛さん編はクライマックスに入っていきます。
次回も是非お楽しみに!
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