RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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32.光るココロと共に



 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おい、何だあの怪獣は!?」

 

 

 突如現れた謎の怪獣に避難誘導を行なっていたXioメンバー達も驚きを隠せない。怪獣は光弾を連発してエックス達を攻め立ててる。

 

 

「怪獣のスキャン終わりました。これは……」

「どうかしたの?」

「あの怪獣はやはり合成怪獣の様です。1体はゼットン、もう1体はパンドン。そして未知の怪獣の反応が1体混ざっています」

 

 

 涼風が怪獣をスキャンし分析していく。どうやらあの怪獣はゼットンとパンドン、そして謎の怪獣3体による合体怪獣らしい。

 

 

「ゼットンとパンドンって……じゃあ、アイツはゼッパンドンってか」

「安直では?」

「この際名前なんかどうでもいい!とにかく避難誘導ももうすぐ終わるんだ、エックス達を援護しにいくぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼットン!?」

 

 

 エックス達を庇い、怪獣・ゼッパンドンによる火炎弾の直撃を受けてしまったゼットンはゆっくりと後ろに崩れ落ちていく。それをエックスがギリギリで受け止めた。

 

 

「おい、ゼットン!しっかりしろ!?」

 

 

 身体のあちらこちらが焼けており、顔中央部の光も弱々しくなっていてそのダメージが凄まじいものだというのは見ただけで理解出来る。

 

 

「ゼットン……!?」

 

 

 愛もゼットンの元へと走っていく。そして辿り着いた場所の見上げた先に居たのは、瀕死状態のゼットンと、彼に何度も呼び掛けるエックス。

 

 

 一方、マックスとサイバーゴモラは向かって来ようとしていたゼッパンドン達へ、ゼットン達を守る為に突っ込んでいった。先程までは有利に戦えていた彼らであったが、ゼッパンドンと勢いを取り戻したゼットン二代目、スラン星人ソルア、バット星人タクニア、ゴドレイ星人クアトの5体相手では流石に厳しく、奴らの猛攻に晒されていく。

 ソルアとタクニアの爪がサイバーゴモラを叩き、ゼッパンドンの尾、ゼットン二代目の腕、クアトの蹴りがマックスに打ち込まれる。

 

 

 

 

 

 

「ゼットン!?おい、目ぇ開けろ!?何処が目か知らねえけど!!」

「ゼットン……ゼットン!!」

 

 

 ゼットンは震えながら手を伸ばす。それをエックスはしっかりと握った。そして彼の方を向き、ゼットンはゆっくりと頷く。

 

 –––––愛を頼む……自分自身の死期を悟り、そう伝えているかの様だった。

 

 

「おい……何だそれは、ふざけんなよ!?カッコつけてんじゃねえ!!死ぬなんて許さねえぞ!!」

 

 

 ゼットンは次に愛の方を向く。彼女の目には涙が溜まっており、今にも溢れ出しそうだ。そんな愛に向かって、ゼットンはポツリと呟いた……。

 

 

 

–––––………ア…イ……。

 

 

「……!?ゼ、ゼットン!?

 

 

–––––トモ……ダ…チ……アリガ……トウ……。

 

 

 

 本来のゼットンに地球の言語を話す能力は無い。無い筈なのだが、今彼は間違いなく愛に対して精一杯の感謝の想いを伝えた。この事は、常識では考えられない、愛とゼットンの友情が起こした奇跡としか言い様がないだろう。

 

 彼女の頬を涙が伝う。ゼットンの肉体は次第に崩れていきそして……。

 

 

「おい……おい!?何だよこれ、どうやったら止まるんだよ!?ゼットン!ゼットン!!」

 

 

 彼の肉体は完全に風化。ゼットンは死を迎え消滅するのであった––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ゼットンが消滅するところを明里はパソコンのモニターで見ていた。

 

 

「馬っ鹿だねー。怪獣のクセにウルトラマンを庇うなんてさ」

《ああ、全くその通りだ》

「怪獣は暴れて、街壊して、人殺してればそれでいいのにね。何がしたかったんだろ、あのゼットン?馬鹿じゃん」

 

 

 ゼットンのことを嘲笑う明里。それに対してルギエルもその通りだと頷く。

 

 

「まあいいや。さっさとウルトラマン達殺しちゃってね、ゼッパンドン……」

 

 

 妖しく楽しそうに、モニターだけが明るく光る部屋の中で彼女は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「………ぐぅ……!?うおおおおおおおおおおおおッ!!!」

 

 

 膝から崩れ涙を流す愛。そして怒りを爆発させて咆哮し、ゼッパンドン達へと飛び込んで行くエックス。瞬時にエレキングアーマーを纏い、電撃の鞭を奴らへと振り回した。

 

 

「ぐほっ!?」

「があっ!?」

「喰らえやあああああ!!」

 

 

 ソルア、タクニアを叩き、続けてゼッパンドンに打ちつける……が、ゼッパンドンは何と口で受け止めてしまった。更に鞭を引き千切り、何とそれを丸呑みしてしまう。

 

 

「なッ……!?クソがああッ!!」

 

 

 だったらと必殺のエレキング電撃波を放った。しかしゼッパンドンは緑色に光る六角形のシールドを出してそれを防ぎ、更に破壊光線を放ってエックスを吹き飛ばした。

 

 

「があああ!?」

 

 

 アーマーが解除され地面に倒れたエックスに、マックスが駆け寄る。

 

 

「大丈夫か?」

「くっそ……あの野郎、絶対許さねえ……!」

 

 

 支えられながら立ち上がったエックスは再度ゼッパンドン達に向かって行こうとするが、その肩をマックスが掴んで止めた。

 

 

「よせ!怒りに囚われたまま、戦ってはならない」

「はあ!?何言ってんだよ!?こちとらアイツらに友達殺されてんだぞ!!ブチ切れるに決まってんだろうが!?」

 

 

 マックスに掴み掛かるエックス。その身体からは、黒いモヤの様なモノが滲み出ていた。怒りに駆られている彼のことを、マックスは冷静に制する。

 

 

「落ち着け。君の友達が、それを望んでいると思うか?」

「それはッ!?………」

 

 

 エックスは何も言い返せなくなる。ゼットンは愛を守り、奴らを倒す事は願っているだろうが、彼が暴走して怒りのままにゼッパンドン達を殺戮する事など望んではいない筈。それを思うと、湧き上がっていた怒りがスッと引いていった。

 

 

「心に光を灯し、愛する者達を守る為に戦う。それがウルトラマン……未来を掴む、我々の力だ。」

「それが、ウルトラマン……」

 

 

 掌を見つめるエックス。先程愛から貰った言葉、そして今マックスから伝えられたウルトラマンとしての在り方。それが翔琉の心に染み渡っていき、光となる。

 

 そんな時、彼らの側にサイバーゴモラが飛ばされて来た。どうやらゼッパンドンの攻撃により吹き飛ばされてしまったらしい。サイバーゴモラに寄るエックスとマックス。前方に目を向けると、そこにはこちらへと向かって来るソルア、タクニア、クアト、ゼットン二代目、そしてゼッパンドンの姿があった。

 

 構えるエックス、マックス、立ち上がったサイバーゴモラ。全員ダメージを負っており不利な状況ではあるが、ゼットンの想いを無駄にしない為にも、彼らは自分達の心を奮い立たせ怪獣達の前に立つ。

 

 

「フンッ、ウルトラマン共め!我々が皆殺しにしてくれるわ!!」

 

 

 啖呵を切って駆け出すソルアに続いて他の怪獣、宇宙人達も大地を蹴る。徐々に縮まっていく距離……その時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおっ!?」

「な、何だ!?」

「あれは……?」

 

 

 ウルトラマン達と怪獣達の間に、大きな赤い光の玉が空から降りた。光は晴れていき、その中から現れたのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無事か、マックス?」

 

 

 赤いボディに銀のラインとプロテクター。マックスにとって唯一無二の親友であり、神秘の巨人ウルトラ戦士の1人、ウルトラマンゼノンが彼らの前に降臨した。

 

 

「来てくれたんだな、ゼノン!」

 

 

 ゼノンは振り返りマックス、それからエックスを見ると彼に向かってエネルギーを分け与えた。点滅していたエックスのカラータイマーが青い輝きを取り戻す。

 

 

「サンキュー」

「礼には及ばない。さあ、いくぞ!」

「嗚呼。フンッ!」

「うっし……ハァッ!」

 

 

 怪獣達に構えるエックス、マックス、ゼノン、そしてサイバーゴモラ。彼らの背中を見て、ゼットンが死んだ悲しみを払う様に涙を拭った愛は思いっきり叫ぶ。

 

 

「負けないで、ウルトラマン!!!」

 

 

 愛の願いを受け、戦士達は大地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スラン星人ソルアが腕から怪光線をサイバーゴモラに放つ。だがそれをものともせず、サイバーゴモラはソルアに向けて突っ込んでいき、奴の眼前に迫る。

 

 

「フンッ!」

 

 

 突進が当たる寸前、ソルアは高速移動でそれを回避。そしてサイバーゴモラの周りを囲いながら動く。

 

 

「フハハハハッ!貴様に私の動きが見切れるかァ!?」

 

 

 エックスには理不尽な理由で看破られてしまったが、人間の造った怪獣程度には対応出来まいとソルアは笑っている。

 

 

「くぅ……!そうだ!ゴモラ、地面にサイバー超振動波っす!」

 

 

 陽花の指示を受け、サイバーゴモラは地面に向かって爪を突き立て超振動波を放出。超振動波は彼を中心に全方位へと放たれて囲んでいたソルアの本体と分身全てに炸裂し、分身は打ち消され本体は仰反って後退する。

 

 

「ヌゥッ!?」

「今っす、ゴモラ!」

 

 

 轟く咆哮を上げた後、サイバーゴモラは光を放ちながらソルアに突撃。爪と角を突き立て、奴の体内へとサイバー超振動波を叩き込んだ。

 

 

「ば、馬鹿なあああああああああッ!!!??」

 

 

 送り込まれていくエネルギーに肉体が耐えられず、ソルアは内側から爆発四散。身勝手な理由で桑井博士の命を奪ったソルアを、陽花とサイバーゴモラは無事撃破することが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 胸から破壊光弾を連射するゴドレイ星人クアト。ウルトラマンゼノンはアクロバティックな動きで華麗にそれを回避し接近。そして延髄蹴りを叩き込んだ。更に怯んでクアトへと連続でキック、パンチ、チョップを打ち、奴をどんどん追い詰めていく。

 

 

「フッ、ハッ!」

 

 

 カポエイラの様な動きで逆立ちからの蹴りをクアトの顔面に炸裂させる。クアトは顔を抑えてながら後退していき、ゼノンはそこへ追撃の跳び蹴りを叩き込んだ。

 

 過去にマックスと共に幾多もの敵を撃ち破って来たゼノン。彼にとってクアト程度の相手を倒すことはそう難しくない。やけくそで振られる爪を容易く躱し、受け止め、すぐに身体を寄せて膝蹴りを打ち、続けて勢いを付けた回し蹴りを腹部に打ち込んだ。

 

 身体をくの字に曲げて大きく吹き飛び地面に叩きつけられたクアトに対し、ゼノンは腕を広げてエネルギーを溜め、その腕を逆L字に組んだ。組んだ腕から、超高出力の必殺光線・ゼノニウムカノンがクアトに向けて放たれる。

 

 爪を盾にして防ごうとするがゼノン最強の光線を受け止められる筈も無く、ゼノニウムカノンによってクアトは爪を砕かれ身体を貫かれ、敢えなく粉砕されるのであった。

 

 

「よしっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ!」

 

 

 マックスの右腕に、神秘のアイテム・マックスギャラクシーが装着される。その様子を見て、バット星人タクニアは怖気付く。

 

 

「そ、それがどうしたああああ!!」

 

 

 しかし逃げる訳にもいかないので、やけくそでミサイルを発射する。だがそれを、マックスはマックスギャラクシーより形成された光の刃で斬り裂いて着弾する前に破壊した。

 

 

「何ぃッ!?」

「終わりだ、バット星人タクニア!」

 

 

 マックスギャラクシーを撫でる仕草をした後、それをタクニアに向けて突き出し先端から必殺光線を放った。これこそがマックス最強の必殺技・ギャラクシーカノンである。

 

 

「ぐぅ…!?ぐあああああああああああッ!!??」

 

 

 光線はタクニアの胸を貫き、跡形も無く粉砕。愚かな野望を企んだ宇宙人三人組は、全て討ち取られる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エックスはゼットン二代目に連続パンチを放つ。彼の凄まじい攻撃によりゼットン二代目は反撃する隙も見出せずにいた。

 

 

「うおらああああ!!」

 

 

 ゼットン二代目の腕を取り、エックスは思いっ切り投げ飛ばした。奴は背中から地面に叩きつけられて悶絶。

 

 

「さて……んっ?」

 

 

 翔琉のポケットの中で何かが光る。取り出して見るとそれはゼットンから貰った流星マークのバッジ。輝くバッジは、なんとサイバーカードに変化した。描かれているのはゼットンにそっくりなサイバーゼットンの姿。これはゼットンが翔琉に託してくれた想い、絆の証なのだろう。

 

 

「ありがとう、ゼットン!」

 

 

《CYBER Z-TON LOAD》

《CYBER Z-TON ARMOR ACTIVE》

 

 

 両腕と胸にゼットンと似た様なアーマーが装着。これこそが最強怪獣と呼ばれる宇宙恐竜ゼットンの力を宿した最強の鎧・ゼットンアーマーだ。

 

 

「ゼットン、一緒にいくぜ!」

 

 

 駆け出してゼットン二代目に接近し、エックスはその右腕を叩きつけた。それは防御しようとした奴の腕ごと圧し潰してしまい、更に左腕を突き出す。後退していくゼットン二代目に、エックスは腕のアーマーから三日月型の光弾を放った。光弾の直撃を受けたゼットン二代目は更に退がっていくことになる。

 

 

「これが俺と、ゼットンの力だ!!」

 

 

 燃え上がるエックス。その炎を胸元集約させ、彼はゼットン二代目に向けてそれを放った。

 

 

「ゼットン火炎弾!」

 

 

 撃たれた火炎弾はゼットン二代目に直撃。奴は断末と共に爆発した。

 

 

「残るは……」

 

 

 ゼットン二代目を倒したエックスは最後の敵、ゼッパンドンに目を向ける。マックス、ゼノン、サイバーゴモラも奴に構えた。

 

 

「さあ、クライマックスといこうかぁ!!」

 

 

 無数の光弾を放って来るゼッパンドン。エックスも光弾を撃っていき、マックスは光刃を振るってそれを撃ち落としていく。そしてゼノンとサイバーゴモラが走って接近しキックと爪で攻撃。喰らったゼッパンドンは少しだけ後退する。

 

 

「セアッ!」

「ハッ!」

 

 

 マックスも瞬時に近寄り光刃で斬り、続けて瞬間移動して来たエックスが火炎を纏った両腕を叩き込んだ。彼らは更に続けて怒涛の攻撃を仕掛けていく。ゼッパンドンも反撃をしようとするがそれを許さず畳み掛けていった。

 

 マックスとゼノンの光線がゼッパンドンに向かってはなたれた。ゼッパンドンは2枚のシールドを出現させてそれらを何とか受け止める。その隙にサイバーゴモラがエネルギーを溜めていき、彼の前に立ったエックスが軽く飛んでからシールド・ゼットンシャッターを全身に纏う。

 

 

「決めるぜ、みんな!」

「「応!」」

 

 

 2人のウルトラ戦士の光線は威力を増し、奴のシールドを撃ち破って直撃。そこへサイバーゴモラによって撃ち出されたエックスがゼッパンドンに高速回転しながら突撃していった。マックスとゼノンの光線のエネルギーがエックスに纏わり、その威力をより向上させていく。

 

 

「コンビネーションマキシマム!」

 

 

 強烈な突撃攻撃を受け、ゼッパンドンは最後の叫びと共に爆死するのであった––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








ウルトラマンゼノン登場!!
マックス客演回を書く上でこれだけは絶対にやりたかったので、何とか書けて良かったです。

3人のウルトラマンとサイバーゴモラ、そしてゼットンの想いによってゼッパンドン達に無事勝利。宇宙人達の野望も打ち砕く事が出来ました。次回は愛さん編にしてマックス編のプロローグになります。是非お楽しみに。

そしてお知らせがあります。
なんと、以前コラボさせて頂いたがじゃまる様の書かれるコラボ作品「ウルトラのキセキ 〜One More Sunshine Story〜」に、この作品が参加させて頂くことになりました!
このコラボ作品は私以外にも今度コラボさせて頂く蒼人様、そして「ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜」を書かれていたカズオ様も参加する大きな企画となっていますので、皆様是非読んで下さい!

それでは今回はここまで!
感想、質問、高評価、ここすき、その他、是非是非お待ちしてるんご!


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