RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
愛さん編ラストです!!
戦いが終わった夕暮れのビル屋上。翔琉はそこに居た。そして彼の前には1人の男性が立っている。
「アンタが、さっきの……」
「嗚呼。私はウルトラマンマックス。地球人・戸河 瑞斗を名乗り、かつてこことは別の宇宙にある地球の守りについていた者だ」
「そして……」と言葉を繋げながら背後を向く瑞斗。すると光と共に、ウルトラマンゼノンがその大きな姿を現した。
「彼はウルトラマンゼノン。私の大切な仲間だ」
「マックス……瑞斗さんにゼノンっすね。俺は天地 翔琉、ウルトラマンエックスっす」
互いに自己紹介を終えた後、瑞斗は何故自分がこの宇宙にいるのかを語り出した。
とある惑星で闇の力を感知したマックスはその調査の為に宇宙を飛んでいた。その際にソルア、タクニア、クアトと遭遇。この3体は彼が感知した闇の力を利用するべくここまで来たとのこと。奴らが攻撃を仕掛けて来た為戦闘となった。マックスは奴らを追い詰めていくが一瞬の隙を突かれて逃亡を許してしまい、ウルトラサインを飛ばして闇の力の調査をゼノンに託してから奴らを追って途中怪獣の妨害を受けながらもこの宇宙まで来たのだと。
「私が奴らをこの宇宙に来る前に倒し切れていれば、君達に迷惑をかけることも無かっただろう。申し訳なかった」
「あ、いえ、気にしなくて大丈夫っすよ。それに2人のお陰で、俺は助かったんっすから」
頭を下げる瑞斗に翔琉はそう返した。
「助けられたのは私の方だ。本当に感謝してる。これはそのお礼だ」
瑞斗が変身アイテムであるマックススパークを取り出して前に突き出すとそれが光った。そしてゼノンも翔琉に向けて手を伸ばし光を放つ。するとそれらの光が翔琉の手元に来て、2枚のサイバーカードにへと変化した。描かれているのはウルトラマンマックスとウルトラマンゼノンだ。
「この星の未来は君達自身の手で掴み取らなければならない。その為に私達の力が必要になる時は使ってくれ。君ならきっと、正しい使い方が出来る筈だ」
「2人の力……有り難く使わせてもらうっす」
にっこりと笑った後、瑞斗は光に包まれてマックスの姿に戻りゼノンの隣りに並ぶ。一度翔琉のことを見て頷き、それから彼らは空へと飛び去っていく。そんなマックスとゼノンのことを、翔琉は見えなくなるまで見送っていった……。
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机の上に散らばってるゼッパンドンの怪獣カプセルの欠片を右手で乱暴に払った。3人のウルトラマンと2体の怪獣によって敗北することになったゼッパンドンに、明里はもう興味を持ち合わせて無い。だらんと、イスの背もたれに身体を預ける。
「………ほんとにうっざ」
自分のやりたい事を邪魔するウルトラマンという存在。早くこれを消してしまいたいという一度は収まっていた思いが再び焔の様に沸き上がって来る。
《おやおやおやおや……エックスとかいうのだけでも鬱陶しいのに、ウルトラマンがこんなに出て来るなんて本当にびっくりだねぇ。もし彼らもこの地球に住み着いたらどうするんだい?》
「そんなの知る訳ないでしょ?もう、うざいから話しかけないでよ」
ルギエルの映されていたパソコンも机から乱暴に払い落とす。床に叩きつけられた事によって、液晶が割れ破片が飛び散った。
彼女は椅子から立ち上がってスパークドールズや怪獣カプセルが並べられた棚の前に来る。邪魔と言わんばかりにそれらを掻き分け倒しながら、奥に有ったある物を手に取り引っ張り出した。
「そろそろ本気で、殺そうかな」
《今まで本気じゃ無かったのかい?》
「うっさい死ね」
彼女の手に握られている物。それは黒く、中央にオレンジ色の宝玉の様なものがあるスティック状の禍々しい気配を放つ物体であった………。
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数日後。愛はゼットンを匿っていたあのスクラップ場に来ていた。しかし、ゼットンが巨大化して暴れてしまった影響からかこの場所は完全に更地にする事が決まり、入ることが出来なくなっていた。何か、彼との思い出の品が残っていないかと思って来たのだが仕方ないかと軽く息を吐いた後振り返る。するとそこには翔琉の姿があった。
「かけるん……」
「よっ」
場所を移動した2人は近くの公園のベンチに座る。夏休み中ということもあってか、遊び回る子ども達で賑わっている。
「しっかし暑いなぁ……溶けちまいそうだ」
「あははっ。かけるん暑いの苦手?」
「多分寒いのも苦手だ。一年中春ならいいのになぁ?」
「愛さんは春も夏も秋も冬も好き!春はお花見で、夏は海水浴でしょ。秋は紅葉狩りに、冬は雪合戦!他にもいっぱいやりたい事あるんだもん!」
笑顔でそう言う愛に翔琉は思わず失笑してしまう。実に彼女らしい答えだ。
「そうだ、これ」
翔琉はポケットから1枚のカードを取り出して愛に差し出した。彼が出したのはサイバーゼットンのカードである。
「これ……ゼットン?」
「ああ。何つーか、ゼットンの想いが込められたカードみたいなもんだ。愛が持ってたらきっとアイツも喜ぶさ。あ、この事は誰にも言うなよ?」
サイバーカードはウルトラマンエックスやXioに力を与える重要なアイテム。それを一般人に渡すなど絶対にやってはいけない事。露見すれば重罪となるのは間違い無い。それを承知の上で、翔琉はゼットンの想いから生まれたこのカードは愛が持つべきだと考えていた。
しかし愛は受け取ったカードを見詰めた後、それを翔琉にへと返す。
「愛?」
「かけるんが持ってて」
「いや、けど……」
「これはきっとかけるんが持つものだと思うんだ。だからほら、ね?」
出されていたカードを翔琉は改めて受け取った。
「分かった。ゼットンの力、決して無駄にはしないよ」
「うん、よろしくね」
互いに笑い合う翔琉と愛。
「………ありがとね、かけるん」
「ん、何がだ?」
「愛さんのこと、励ます為に来てくれたんでしょ?」
「さあ、どうだか」
「隠さなくてもいいのにー。照れてるの?」
照れ隠しから、頬を突いてくる愛の指を払う。
「ふふっ」
「ふんっ。………泣きたきゃ泣いていいんだぞ」
「えっ?」
あんな事があって辛くない筈が無い。愛が無理をしているのは明白だ。
「だ、大丈夫だよアタシは……!」
「大丈夫な訳ないだろ。俺だって、まだ辛いんだ。無理なんかしなくていい。思いっきり泣いていいんだぞ」
翔琉のその言葉を聴いた時、愛の胸に熱いものが込み上げてきた。
「あ、あれ?」
ぽろりと溢れる一つの涙。そしてそれに続いて次から次に涙は出て来る。思い出すゼットンとの日々。短い間だったが毎日楽しく、掛け替えの無い時間であった。
「……ねえ、少し胸借りていいかな?」
「好きなだけ使えよ」
翔琉の胸に顔を埋めて涙を流す愛。そんな彼女のことを彼は受け入れ、右手をその頭の上に優しく乗せた。
「ありがとう……翔琉」
失ったものは大きい。けれどそれを糧にして未来へ進んで行かなければならない。それでも今は、こうして悲しみ止まることだって許されるだろう。
夏空の下で、彼らは大切な友を想うのであった–––––
・
ウルトラマンマックスの地球人としての姿。身長176cm。別の宇宙にある地球で、26歳の教師として滞在していた。元は光の国の文明監視官であったが、地球に怪獣が現れた際、自らの命も顧みずに子どもを助けようとしたある少女の姿に感動し、彼女を助ける形で地球に降り立った。以降、この星のことを気に入り、守る為に戦う。冷静で厳格なところもあるが、基本的に心優しい人物。実はその地球にはμ'sが存在しており、彼女達の通う音ノ木坂学園の教師であった。東條希に半ば騙される形でオカルト研究部の顧問になっていた彼だが、部がスクールアイドル部と統合されることになった為、自然とスクールアイドル部の顧問にもなってしまう。学園を廃校の危機から救う為に頑張る彼女達のことを応援し、更に地球を狙う侵略者や暴れる凶悪怪獣達と戦い抜いた勇士だ。
・ウルトラマンゼノン
マックスと同じく文明監視員のウルトラマン。当初、人類は危険な文明ではないかと考えており、マックスに光の国へ帰還するべきだと説得していた。しかしマックスの話しや、誰かや何かの為に一所懸命になれるμ'sや地球人を見て次第にその考えは変わっていく。強敵ゼットンによってマックスが苦戦していた時、ゼノンは彼を助け神秘のアイテム・マックスギャラクシーを授けた。そして彼も地球を守るウルトラマンとして立ち上がるのだった。地球では決まった姿を持たず、老若男女様々な姿なってマックスやμ'sのことを影から助けていった。
これにて愛、そしてマックス編終了です!
思ったより長丁場になって投稿も遅くなったりしてすいませんでしたあ!!!←
本作でのウルトラマンマックスこと戸河瑞斗ですが、実は無印「ラブライブ!」、しかもその漫画版と「ウルトラマンマックス」のクロスした世界の住人という設定になっています。以降本作に登場するオリジナルのウルトラマン達も大体そんな感じでラブライブ作品とクロスした世界からの客演といった形になっていきます。
ゼノンは「ウルトラマンネオス」のセブン21の様に様々な人間の姿になって行動していたという設定も。
さて、何とか終わったマックス客演。愛さんをもう少し書けていればといくつか後悔もありますが取り敢えずほっとしています。
次回から少しだけ間話を挟み、それからメビライブコラボ編へと突入する予定ですので皆様是非お楽しみに!
それでは今回はここまで!
感想、高評価、質問、ここすき、その他、山形りんご、是非是非お待ちしています!