RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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遅くなりました!
そしてかすみん誕生日おめでとう!!




34.ソノ在り方



 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……」

 

 

 少し開いたカーテンから、夏の陽射しが差し込み翔琉の顔に掛かる。目を覚ました彼は首を回して鳴らしてから時計を見た。時刻は10:52。学生が起きるには遅い時間だが、夏休みで尚且つ同好会の活動も今日は無いので良いだろう。腹に掛けてた薄い敷布団を除けて立ち上がる。寝汗で少々ベタつくシャツを脱ぎ、洗面所へと向かう。シャツを洗濯機に入れたから顔を洗い、それから翔琉はリビングへと歩いた。

 

 

 

 

 

「翔琉君おはよう」

「おはようございます先輩!って、何で裸なんですかぁ!?」

「ちょ、かけるん!?」

 

 

 するとそこには母である優里香の他に、歩夢、かすみ、愛の姿があった。

 

 

「………何でいんの?」

 

 

 歩夢は家が隣り同士の為、まあ分からなくは無い。だが何故かすみと愛までもがいるのか?実は2人とも今日は翔琉と遊びたいと思ったらしく、昨日の夜に連絡を入れていたのだ。しかし翔琉はその時既に眠っており返信は無し。今朝改めて連絡してもなかなか返って来なかったので、自宅まで赴いたとのこと。歩夢の家の隣りと前から聞いていたので彼女に連絡してここまで来て、扉を叩いてみたら優里香からせっかくだから中で待っていてと言われたのでこうしてリビングで彼のことを待っていたのだ。

 

 

「おはよう翔琉。朝ご飯どうする?もうすぐお昼だけど」

「軽く食べるけど、その前にシャワー浴びてくるよ。汗やばいし」

「むぅ〜!裸で来るなんて、先輩えっちですよぉ〜!」

 

 

 そう言って赤くした顔を手で覆いながら指の隙間から翔琉の身体をじっくりと見るかすみ。愛と歩夢も少し顔を赤くしている。

 

 

「はいはい。えっちな先輩はさっぱりしてくるから少し待ってろ」

「うぅ〜……何か言い方が卑猥ですぅ……」

「お前が言うな」

 

 

 手をひらひらと振りながら翔琉は踵を返して風呂場へと向かっていった。歩いていくその背中を歩夢は見つめる。

 

 

「翔琉君、何だか最近筋肉付きましたよね?」

「そーなのよー!気が付いたら亡くなった主人より大きくなってるし、また背も伸びてるんじゃないかしら?」

 

 

 そう言って優里香は笑う。元々170後半の長身だった彼だが、今はもしかしたら180cmに達しているかも知れない。

 

 

「先輩大きく羨ましいです。かすみんに少しくらい分けてくれればいいのに」

「小っちゃいかすかすも可愛いよ!」

「ほんとですかぁ〜?ってかすみんです!!」

 

 

 楽しく談笑する4人。そんな彼女達の耳に、点いていたテレビからニュースの音声が聴こえてきた。内容はここ最近多発している怪獣災害と宇宙人犯罪、そしてウルトラマンエックスに関してのものである。ゲストとして怪獣評論家や元政治家、ジャーナリスト、そしてXio隊長の沙優が出演している。

 

 

 

 

《今から2ヶ月前、デマーガという怪獣が出現した際に突如として姿を現したこの巨人。巨人はデマーガを倒し、その後姿を消しました。以降、次々と現れる怪獣や宇宙人を巨人は倒していき、その様子はまるで人類を守ってくれている様にも見えると世間では話題になっています。この巨人はウルトラマンエックスと名付けられ、Xioは共に戦っていますが、この巨人は我々人類の味方なのでしょうか?》

 

 

 アナウンサーは沙優に質問を投げ掛けた。

 

 

《はい。彼、エックスは確かに謎の多く不確定要素ではあります。しかし現段階では味方と言って間違いないでしょう。18年前のスパークインパクトにて出現したとされているウルトラマンと同一の者なのかは不明ですが、何らかの関連性があるのでないかと考えています》

《現段階、と言う事は今後敵になる可能性も考えられるという事ですか?Xioはそんな危険性も秘めた存在に我々の平和を預けているのですかねぇ?》

 

 

 ジャーナリストが嫌味を込めてそう尋ねた。評論家と政治家も賛同する様にうんうんと首を振っている。

 

 

《そうですね。ウルトラマンエックスが敵となり我々に牙を剥く可能性は、低いといえ決してゼロとは言い切れません》

《でしたら––––》

《ですから》

 

 

 政治家の言葉を遮り、沙優は宣言をする。

 

 

《その時は、我々Xioがウルトラマンエックスを排除します》

 

 

 その発言にスタジオに居た全ての人は勿論のこと、放送を観ていた人達も驚き唖然としていた。

 

 

《い、いや、幾ら何でも排除は……なぁ?》

《そ、そうだ。それはやり過ぎなんじゃあ……》

《ウルトラマンは一応我々を守ってくれているのだし……》

 

 

 彼女の発言を受けて急に掌を返す3人。もう少し何か言ってくるかと思ったら、こうもあっさり返されるとは思っていなかったらしい。

 

 

《我々の使命は人類を、地球を守る事です。確かにウルトラマンエックスは我々を守ってくれています。しかし、もしも彼がその力を人類に向けるというのなら、その時は総力を持って彼を殺します》

 

 

 Xioは地球と人類を守ることを使命としている。だから例えエックスが何度人々を救い地球を守ったとしても、敵対するというのならその時は決して容赦する事無くXioはエックスを抹殺するだろう。それだけの覚悟が、Xioにはあるのだ。

 

 

《あ、ありがとうございます沙優隊長。それでは次のコーナーに参りましょう》

 

 

 何とも言えない空気になったスタジオをどうにかする為にアナウンサーは番組を次のコーナーに移らせる。

 

 ニュースを見ていた歩夢、愛、かすみは呆気に取られていた。

 

 

「なんか、凄い内容だったですねぇ……」

「う、うん」

「ねえ、歩夢とかすみんはウルトラマンのことどう思う?」

 

 

 愛が2人に対してそう尋ねた。

 

 

「かすみんは良い人だって思いますよ。何度も助けてもらってますし、きっと地球を守るヒーローなんだってせつ菜先輩も言ってましたし!」

「私もかすみちゃんと同意見かな。それに、前に危なかった所を助けてもらった事もあるから。愛ちゃんは?」

「愛さんも2人と一緒。ウルトラマンは、アタシ達人間の友達だって思うんだ!」

 

 

 彼女達は何度も人類を、そして自分達を助けてくれたウルトラマンエックスが味方であると信じていた。

 

 

「ふふふっ。3人とも、ウルトラマンのことが大好きなのね」

 

 

 彼女達を見て優里香が笑いながらそんな事を言う。

 

 

「大好きかぁ、そうなのかもね!」

「うん、私達のヒーローだもんね」

「まあ、かすみんとしてはウルトラマンがかすみんのファンになってくた方がいいんですけどね!」

 

 

 また改めて4人は会話をしていく。優里香は娘が増えた様に感じてとても楽しく感じていた。この中の誰かが翔琉と交際をして将来的に結婚でもするだろうか?いや、この子達以外にもまだ同好会の子はいるらしいし、もしかしたらそっちから……。歩夢とそういう関係になるものばかりと思っていたが気が付いたらハーレムみたいな状態。本人は大変かも知れないが、見てる側として面白いなと彼女は思っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、浴室に入った翔琉。丁度良い温度のシャワーを浴びながら、彼は自身の掌や身体を見る。結構な数の戦いを経験して来たが、この身体には傷一つ無い。自分で言うのも何だが、なかなか綺麗な肌だ。背も高く、筋肉もしっかり付いていて顔も良い。更に元々は優しくて温和な性格だったことから記憶を失う前翔琉はかなりモテたのではないかと彼は思った。

 

 

「ふぅ……」

 

 

 記憶喪失前の翔琉と今の翔琉は大きく性格が違い、まるで自分が彼を乗っ取った様にも少し前までは感じていた。けど今はそんなネガティブなことは考えず、とにかく前を向いていかなければならない。記憶が有ろうが無かろうが、自分は天地翔琉でありウルトラマンエックスなのだから。

 

 

「よし、出るか」

 

 

 シャワーを止めて身体を拭き、浴室を出た翔琉。改めて身体を拭いて服を着てからリビングにへと向かった。着いてみると4人が楽しそうに話している。

 

 

「お!おっかえりーかけるんっ」

「遅いですよー先輩!」

「烏の行水よりマシだろ?」

「あ、髪乾かせてないよ」

 

 

 歩夢が立ち上がって彼の側によりその髪を触る。

 

 

「ちゃんとドライヤーで乾かさないと」

「自然乾燥でいいだろ?面倒だし」

「だーめ。ほら、こっち来て」

「あ、ちょ」

「あー!ずるい!かすみんも行きますぅ!」

「アタシも!」

 

 

 歩夢に連れられていく翔琉とそれに続くかすみと愛。その背中を優里香は微笑みながら見送るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 新城野 明里は自宅で朝ご飯を食べていた。目の前では母の利子と父の広也が並んで座っている。2人の前には皿が並べられ手にはスプーンが持ってある。

 

 椅子の上で体操座りをして目の前にある適当に皿に盛られてる切られたリンゴがあり、彼女はフォークにそれを刺してから口に運んでいく。テーブルの上に置かれたスマホには、ダークルギエルの姿が映されていた。

 

 

「ねえ、ルギエル。何か面白いことしてよ」

《おやおやおや……相変わらず無茶な注文をしてくるねぇ》

「出来ないの?」

《それは君が一番よく解ってるだろう?過剰な期待は嬉しいが荷が重い》

 

 

 困った様な口調になるルギエル。まあ実際は微塵も困ってないのだろうが。明里もどうでもよくなったのか何も言わずまたリンゴを食べる。何となくテレビを点けてみるとXioの隊長がウルトラマンエックスに対する考えを述べていた。

 

 

《敵になるなら殺す、か。人間とは本当に身勝手な生き物だと思わないかい?》

「そんなもんでしょ、人間なんて」

 

 

 「それに……」と言葉を続ける。

 

 

「どうせあのウルトラマンは、私が殺すから」

「だったら、ボクも手伝うよ」

 

 

 にこにこと笑顔を浮かべながら、カタラが堂々とリビングに土足で入って来た。

 

 

「汚すなクソが」

「女の子がそんな汚い言葉使っちゃダメじゃないか。あっ、でも君は––––」

 

 

 適当に掴んだ皿の一枚をカタラへと投げる。皿はカタラの鼻先でまるで見えない壁にぶつかったかの様に粉々に割れてから乗っていたサラダと共に床に落ちて撒き散らされた。

 

 

「ごめんごめん。余計な事は言わないでおくよ」

「ついでにさっさと帰ってくれない?」

「そんな事言わないでよ。せっかく面白い事を考えたから、それを教えに来たのに」

「興味無い。消えろ。死ね」

 

 

 何処までも辛辣な彼女に「はいはい」と両手を挙げながらカタラは背を向ける。

 

 

「あ、でも一応言っとくね。……明里ちゃんは並行宇宙って知ってるよね?」

「それが何?」

「ボク、ちょっとある宇宙に遊びに行くんだ。そこでちょっとやってみたい実験があるからね。だから……」

 

 

 カタラの手には、2つの怪獣カプセルが握られていた。明里の部屋から盗って来た物である。一つは巨大なる破滅を齎す天使の皮を被った悪魔。もう一つは5体の凶悪な獣が混ざり合った王。

 

 

「お前……」

「コレ、貰っていくね」

 

 

 そう言うとカタラの姿は煙の様に消える。

 

 

《よかったのかい?》

「どうでもいい。並行宇宙で、アイツ死なないかなぁ……」

《多分無理だろうねぇ》

「分かってるから一々言わないでバカ」

 

 

 ルギエルの映るスマホを手で払いテーブルから落とす明里。最近自分をイライラさせるものが増えている。早くそれらを全部消して楽しい生活を取り戻さなければ……。胸元から黒く禍々しい棒状のアイテムを彼女は取り出す。これでウルトラマンを殺してしまおう。そう考えると、思わず可愛らしい笑みが溢れてしまった。

 

 そしてそんな事が起こっている間にも利子と広也はひたすらにスプーンを動かし、何も入っていない皿に当てて金属同士の触れ合う音を鳴らし続けていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 






コラボ回まであと2話の予定です。
感想、質問、高評価、ここすき、その他、是非是非お待ちしてるんご!

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