RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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35.キモチ揺れて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔琉は歩夢、愛、かすみと共に外に繰り出していた。歩夢の提案で外に出掛けることになり、かすみの提案で最近出来たというスクールアイドルのショップに向かっているのだ。

 

 

「そういえばかけるん、内浦はどうだったの?Aqours会えたんだよね!」

 

 

 愛が翔琉にそう聞いて来た。

 

 

「凄かったぜ。ライブを目の前で見て圧倒されたし、感動した。……アイツらはさ、輝きってのを求めてスクールアイドルを始めたんだ」

「輝き、ですか?」

「ああ。アイツらの学校、浦ノ星女学院は廃校が決定している。だから目一杯輝いて、学校とAqoursを多くの人の胸に刻み込もうってしてんだ」

「そうだったんだ……凄いんだね、Aqoursって」

 

 

 Aqoursの皆と過ごした日々を思い返す。共にサマーフェスティバル開催の為に手を取り合い、真近で見た彼女達の輝き。それは確かに翔琉の胸に刻まれた。これからもAqoursは輝き続け、人々の心を照らしていくだろう。同好会の皆を見守りたいと思うのと同じくらいに、Aqoursの輝いていくこれからを見てみたいと彼は感じていた。

 するとかすみが少し頬を膨らませて翔琉のことを見ている。

 

「先輩、何だかAqoursの肩持ち過ぎじゃないですかぁ?まさか!?かすみんを見捨ててAqoursのいる学校に行くつもりじゃ……!?」

「ンな訳あるか。てか、浦ノ星は女子校だから俺は行けねえって」

「女装したらいけるんじゃない?」

「こんなクソでけえJKなんかそうそういるかよ」

 

 

 呆れ気味に話す翔琉の左腕を、かすみがガッチリとホールド。

 

 

「かすみんの翔琉先輩は絶対に渡しません!」

「ちょ、おい」

「アタシもー!」

「おまッ」

 

 

 更に反対側の腕に愛が抱き付き、2人は翔琉のことを引っ張っていく。やれやれと言いながらも、彼は身を任せるのであった。

 そしてその背を、歩夢が微笑みを浮かべながら見つめて着いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おーい!みんなー!」

 

 

 そんなこんなで途中でどうにか2人から解放され目的の店まで進んでいる道中、聞き覚えのある癒しボイスが耳に入って来た。振り向くとそこに居たのはエマ、果林、彼方の同好会3年生メンバーだ。

 

 

「先輩達、おはよーございますっ!」

「おっはよーみんな!」

「うっす」

「みんなおはよ〜。お出かけ中〜?」

「はい!これから最近オープンしたっていうスクールアイドルのお店に向かってるんです」

「あら、なら私達と同じじゃない」

 

 

 どうやら彼女達も目的地は同じらしい。

 

 

「なら朝香先輩、ヴェルデ先輩、近江先輩も一緒に行きましょうや。大勢の方が楽しいっすし」

「ふふっ、良いわね」

「うん!愛さんも賛成!」

「みんなでお出掛け、嬉しいな!」

「よし、決まりっすね」

「でもぉ、その前にぃ〜」

 

 

 彼方が翔琉の前に立つ。

 

 

「な、何っすか?」

「そろそろ彼方ちゃん達のことを、苗字じゃなくて前みたいに下の名前で呼んで欲しいな〜」

「え、いやでも先輩だし……」

「そうねぇ。いつまでも朝香先輩じゃ、何だか壁があるみたいだわ」

「私もそれがいいな!そっちの方がもっと仲良くなれてる気がするし!」

 

 

 元々記憶を失う前は3人のことを下の名前でさん付けで呼んでいた翔琉。先輩相手という事で苗字で先輩付けして呼んでいたが、彼女達はまた以前の様に呼んで欲しいと思っていたのだ。

 

 

「それと、敬語も無しで良いわよ」

「それは流石に……あー、分かった…分かったよ。果林、彼方、エマ。これでいいだろ?」

「うん、おっけー」

 

 

 少し気恥ずかしそうに名前を呼んだ彼のことを見て3人と歩夢、愛、かすみは笑う。

 

 

「あーもう、ほら!さっさと行くぞ!」

「あ、先輩待って下さいよー!?」

 

 

 恥ずかしさを隠す様にどんどん先に歩いていく翔琉を追い掛けるかすみ。なかなか見れない顔が見れたなと、彼女達は少し得した気分になりながら彼の背を追って歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 店の前まで着いた7人。因みに歩いてる途中、すれ違う男達が翔琉のことを羨ましそうに、そして恨めしそうに睨み、女達は顔が良いだけで女を蔓延らせているチャラ男なのかとクズでも見る様な目線を向けていた。

 

 

「うーん、辛かった」

「あはは……目立っちゃってたね」

「そりゃこんだけ大所帯、しかも男一に女多だからなぁ」

 

 

 頭を掻く翔琉。

 

 

「まあまあ!とにかく入ろうよ!」

 

 

 開いた自動ドアを通って店内に入る。すると……。

 

 

「あ、皆さん!」

「先輩達!」

「愛さん、翔琉さん、みんな」

「お!せっつーにしずくにりなりーじゃん!」

 

 中にはせつ菜、しずく、璃奈の姿があった。

 

 

「よう。お前らも来てたんだな」

「はい!新しいスクールアイドルのショップ、是非チェックしなければと思い来ました!」

「私としずくちゃんも一緒」

「ここに来る途中でせつ菜先輩と会ったんです」

 

 

 「なるほどねぇ」と翔琉は呟く。気が付けば、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が全員揃う事になった。偶然なのか運命なのか……。楽しそうに店内を見て回る彼女達のことを見て、これは悪くないと思い彼は思わず笑みを溢した。

 

 

「どうかしたの翔琉君?」

 

 

 そんな彼に歩夢が声を掛けて来る。

 

 

「ん、いや、楽しいなーって思っただけだ」

「そうなんだ。最近、貴方も忙しかったみたいだもんね。丁度いい息抜きになってるなら良かった」

 

 

 彼女がこうして翔琉を外に連れ出したのも、同好会の部長としての仕事やXioの事などで最近疲れている様に見えた彼にリフレッシュして欲しかったからなのだ。

 

 

「ありがとさん」

「うふふっ、どう致しまして」

 

 

 自分に献身的に尽くしてくれる歩夢。彼が記憶を失う前から彼女はいつも助けてくれていて、欠かせない人物になっている。これだけ尽くす彼女と、前の自分は付き合ってなかったというから少し不思議だ。

 

 

「なあ、歩夢」

「何?」

「俺らってさ……」

 

 

 その事を聞こうかとした時、かすみが翔琉の背中に飛びついて来た。

 

 

「うおっ」

「せーんぱいっ!2人だけで何話してるんですかー?」

「歩夢がいつも助けてくれるからありがとーって言ったんだよ」

「か、かすみんだって先輩のことを助けること出来ますよ!」

 

 

 ちょっと慌て気味にそう言う彼女に「はいはい」と言いながら彼は笑い掛ける。かすみはダークファウストの件以降、積極的にアピールを掛けており、この行動も歩夢に翔琉を取られそうに感じたことからのものだろう。

 楽しそうにしている2人のことを見て歩夢は笑みを溢した。

 

 

 

 

 

(…………あれ?)

 

 

 

 

 

 しかし、何か胸の奥に変な感触を覚えた。大切な仲間達が仲良くしてる様子を見て、自分も嬉しく楽しい筈なのに。何かが自分の中で少しだけドロッと流れた様な気がした。

 

 今まで感じたこの無い感情。これは何なのかと思考しようとしたその時、轟音と共に店内が大きく揺れる。

 

 

「うわっ!?」

「な、何!?」

「大丈夫、りなりー!?」

「う、うん……!?」

「地震……かしら?」

「でも、それにしては何か変では……?」

 

 

 揺れは二度、三度と襲って来る。これはまさかと思った翔琉が店を飛び出して見上げると、そこには巨大な怪獣の姿があった。怪獣はムササビの様な皮膜を広げて激しく咆哮を放つ。

 

 

「やっぱりかよ!」

「か、怪獣です!?」

 

 

 翔琉に続いて店から出て来た歩夢達。周りでは人々が怪獣から必死に逃げている。

 

 

「みんな先に逃げろ!」

「でも、先輩は!?」

「俺はあれだ、避難誘導してくっから!」

 

 

 避難誘導と言ったが実際は彼女達から離れてエックスに変身して戦うつもりなのだ。その為に走り出そうとしたが、その腕を誰かが掴んで止めた。

 

 

「ッ!?な、歩夢……?」

「ダメだよ!翔琉君も一緒に逃げなきゃ!」

 

 

 エンペラ星人が現れた際、いつの間にか居なくなっていた翔琉が怪我をして入院したことから、彼を行かせたくないと歩夢は思っているのだ。

 

 

「翔琉君、また怪我するかも知れないし……逃げるんだったら一緒に行こう!?」

「大丈夫だって。終わったら俺もすぐに避難するから」

「で、でも!?」

 

 

 そうこうしているとまた大地が大きく揺れた。怪獣が体当たりで高層ビルを破壊したのだ。揺れによってうっかり翔琉の手を離してしまった歩夢。彼は心苦しいがチャンスだと思い、怪獣へ向かって一気に走り出した。

 

 

「翔琉君!!……翔琉くーーーんっ!!!」

 

 

 去っていく彼の背中。それを彼女は見送る事しか出来なかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・エースキラー

種族:不明

本名:不明

身長:197cm

体重:139kg

出典:漫画ULTRAMAN 第43話「厨房」

 

 「超一流の殺し屋」を自称する異星人。プロの傭兵であり、多数の異星人から構成される傭兵団を率いるリーダー。部下からはマスターと呼ばれている。エースキラーはあくまでも通称で、本名や出自、全身を特殊スーツで包んでいる為素顔までもが一切不明。マチェットやダガレット製の弾丸を放つ銃を武器にし、人間には目視不可能な程の高速移動も可能。飄々としてどこか掴み所の無い性格だが、軽い口調で相手を容赦無く痛ぶり楽しむなどその本性は極めて残虐。

 デスレ星雲人ダイロの依頼を受けて翔琉を狙う。圧倒的な実力でエックスに変身した彼を弄んだ。しかしXioの面々が彼を助けに来たことにより形勢逆転されてしまった。ザムザと激闘の末、敗北を悟った彼は仲間達を予め彼らに仕込んでいた装置で殺害したあと自身も頭を撃ち抜いて自死。肉体は完全に溶解してしまい、スーツからも彼に関する情報は何も出て来なかった為、エースキラーの正体は謎のままとなった。

 漫画ULTRAMANからの登場。身長体重は独自設定。元ネタは勿論ウルトラマンAの異次元超人エースキラー。本編にて北斗星司がウルトラマンとなる原因を作る。アニメ版と漫画版では性格に少し差異があり、その結末は大きく違う。

 

 

・ネペンテス星人

身長:226cm

体重:284kg

出身地:ネペンテス星

出典:漫画ULTRAMAN 第45話「磔刑」

 

 エースキラーの傭兵団で軍師を務めている植物に似た生体組織を持つ異星人。背中にある蕾型の器官から無数の枝に似た触手を伸ばして相手を締め上げたり、これを束ねて打撃武器として用いたりする。知能が高く5000にも及ぶ他星の言語を巧みに使い熟せる。普段は冷静だがプライドが高く、他者を見下しており、自身を愚弄する相手には激しく激昂する。

 仲間達と共に翔琉を襲撃、彼に対して磔にした歩夢達(実際には偽物)を見せ付けて動きを封じた。彼に蔦を斬られた際は凄まじく激怒していた。その後リュウジと戦い、何度も蔦を斬られていくことに怒り、一気に決着をつける為一本に纏めてに肥大化させた蔦を振り下ろすがそれすらも斬られてしまい、最後は殴られて気絶。そしてエースキラーの手によって死亡した。

 漫画からの登場。身長体重は独自設定。ネペンテスとは英語でウツボカズラという意味。公募で採用されたキャラクターの1体。

 

 

・ウヴェルヴ星人

身長:348cm

体重:1.28t

出身地:ウヴェルヴ星

出典:漫画ULTRAMAN 第45話「磔刑」

 

 エースキラーの傭兵団の1体。本来は温厚で自ら攻撃を仕掛ける様な種族ではないが、この個体は好戦的な性格。ウヴェルヴ星人は平均身長が3mと大柄な種族であるがその巨体からは想像出来ない速さで動ける。持ち前の怪力で相手を捩じ伏せる戦法を得意とする。

 傭兵団の中でも地位は高いらしい。そのパワーでエックスを圧倒。そしてミキリとミハネと戦うことになったが彼女達の素早い動きを捉えることが出来ずにおり、麻酔銃を受けて地面に落ちた。その後エースキラーの手で死亡。

 漫画からの登場。身長体重は独自設定。本編では傭兵団で登場したメインキャラの中では生死が不明となっている。こちらも公募によって採用されたキャラクター。

 

 

・ブラックキング

身長:506cm

体重:2.8t

出身地:不明

出典:アニメ版ULTRAMAN 5話「異星人の街」

 

 エースキラーの傭兵団の1人。かつて地球に現れた用心棒怪獣ブラックキングと非常によく似た異星人であり、彼らもその名称で呼ばれている。かなりの巨大で凄まじい怪力を持つ。知能は低い。

 その怪力で翔琉を襲撃。それからエースキラーと共にザムザと戦うことになるが軽く遇らわれてしまう。最後はザムザの拳を受けて倒れ、エースキラーによって殺された。

 アニメ版にレッドの代わりとして登場。代わりと言っても立場は大分違う。漫画版でもブラックキングに酷似した異星人が登場しており、ジャックに制圧された。

 

 

・バラバ

別名:殺し屋超獣

身長:75m

体重:8万5千t

出典:ウルトラマンA 13話「死刑!ウルトラ5兄弟」

 

 エースキラーがXioを誘導する為に連れて来たアゲハ蝶の幼虫と宇宙怪獣が合成された超獣。右手の鉄球、左手の鎌、頭頂部には剣がありそこからショック光線を放ち、鼻先から火炎放射を放つなど、殺し屋超獣の名に恥じない高い戦闘力を持つ。また、放射能の雨によって守られている為、一切の攻撃が通用しないという防御面に於いても隙の無い強敵であった。

 都心に放射能の雨と共に現れて、Xioの攻撃が通用しないことやエックスが現れないのをいい事に大暴れ。街に大きな損害を与えた。しかし突如現れたシャマラの幻影に惑わされ、更にはレディエーションデストロイヤーGによって放射能の雨が無効化されたこと、そしてサイバーゴモラが現れた事によって一気に不利となり、徹底的に追い詰められた上で最期はサイバー超振動波を受けて爆散した。また、バラバの死によって放射線も消滅した為放射能の被害は抑えられた。

 実はAに登場する超獣の中では最重量級の超獣。また、ウルトラシリーズで初めて直接的な攻撃で子どもを死亡させる場面が描かれた怪獣(超獣)でもある。前後編であるエースキラーの方が目立っていたりタイラントの腕程度の認識しかなかったバラバであるが「ウルトラマンZ」にて48年ぶりに再登場し注目を浴びることになった。

 

 






次回は意外な怪獣が出ます。

感想、質問、高評価、ここすき、その他、是非是非お待ちしてるんご!

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