RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
遅くなりましたああああ!!
今回からカズオ様の書かれていた「ラブライブ!サンシャイン!!~大地と海の巨人~」とのコラボが始まります!!
それでは早速どうぞ!!
優しい風が町を吹き抜ける。
カラカラと風車が回る。
太鼓や笛の音が鳴り、人々の笑い声が聴こえる。
優しい時が、その町には流れていた。
原っぱで遊んでいる子ども達。かけっこをしてた彼らはあるものに気付いて足を止め、それを見上げる。子ども達の目の先、高い山の天辺には1体の怪獣が立っていた。彼らは怪獣を恐れること無く笑顔で手を振る。そしてそんな様子を見ていた1人の老人が座っていたベンチから立ち怪獣を呼んだ。
「ルクー!」
その呼び掛けに応える様に不思議な音が発せられる。その音を聴いた町の人達は皆、怪獣ルクーを見て柔かな表情になっていた。
この町はウクバール。遠い遠い空の町である───
「……………は?」
気が付いた時、見知らぬ場所に翔琉は立っていた。
辺りを見回すが全く身に覚えが無い。そもそも何で自分はこんな所にいるのか?混乱して来た頭をどうにか整理して直前までの記憶を辿る。
今日は朝からXioのラボチームの元に行き、ウルトラマン達のサイバーカードを調べたいと陽花に言われたからゼロ、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリのカード5枚を彼女に渡し、昼からある同好会の練習の為に虹学へ向かおうとラボを出た。そこまでは覚えている。しかしそこから先の記憶が無く、何故か彼はこんな場所に居た。
「え、何ここ?」
改めて周りを見る。中世ヨーロッパにタイムスリップしたかと思う様な石造の町であり、ビルや電柱、電灯など近代的な類いの物は一切無い。緑が美しく風景とマッチしている不可思議な場所だ。
特徴的なのは幾つも建てられている風車と塔。羽根車は常に回っており、風が吹き続けていることを示していた。そして何よりも、その風車は空に浮いているかの如く建造されているのだ。細い柱……というか棒の様な物で地上とは繋がっているが、明らかに人間が造り出せる代物とは思えない。
「これってアレか?せつ菜が言ってた異世界転移だの転生だのってやつか?」
主人公が自分達の住んでいる世界とは別の世界に飛ばされてそこで活躍する……前にせつ菜が持って来てたラノベでそんな作品を見せられたなと思い出す。死んだ覚えは無いので転生では無く転移だろうが、何でそんなことになったのかは彼には分からなかった。スマホやエクスデバイザーで他の皆に連絡を取ろうと試みるが、やはり繋がらなかった。
一先ず歩き辺りを散策してみることにした翔琉。吹き抜ける風が優しく彼の髪と肌を撫でていた。少し歩いていると、目の前から数人の子ども達が走って来る。
『こんにちはー!』
「お、おう」
翔琉に元気いっぱいの挨拶をしてからそのまま走り去っていった。どうやら日本語は普通に通じるらしい。
「ほんと何処なんだよここ……」
彼らが走っていった先に見える山に目を向ける翔琉。すると、その山の天辺の景色が急に蜃気楼の様にぼやけ始めた。何かと思いながら目を凝らして見詰めると……。
「ッ、怪獣!?」
1体の怪獣が姿を現した。生物の様でありロボットの様でもある不可思議な怪獣その怪獣は、顔の部分にある赤い球体を回転させながら安らかな音を発している。何となくではあるが、あの怪獣には敵意が無く、何かを伝えようとしていると翔琉は感じた。
「何だ、お前は……?」
そう問うと、彼の頭に不思議な声が響いた……。
────タスケテ……ウルトラマン……。
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「翔琉君が消えた!?」
Xio司令室内に紗季の驚きの声が響き渡る。
「ええ。先程上原さんからまだ天地さんが学校に来ていないと連絡がありました。それで気になって調べてみたんですが、記録上では彼まだこの基地から出ていないことになっていました」
涼風はモニターにこの基地の入所と退所の記録を映した。確かに翔琉は退所した記録が無く、彼はまだこの基地内にいることになっている。ならば何処かに居るのかと思い探してみたのだが彼は見つからなかった。
「監視カメラに、居なくなった時の映像とか映っていないんですか?」
「それなんだけどね……」
沙優がキーボードを操作し、モニターに監視カメラの記録を流す。そこには出口に向かって廊下を歩いている翔琉の背中が映されていた。そして彼は角を曲がり……。
「これが翔琉の映された最後の映像……っていうとちょっと縁起悪いわね……」
「曲がった先のカメラには?」
リュウジの疑問に答える為、今度はそのカメラの映像を映した。同じ時間帯の物であるので曲がって来た翔琉が映されている筈。しかし、いつまで経っても翔琉の姿は見えなかった。
「これって、神隠し?」
「まるで映画だねー、ミハネ」
「まるでドラマだねー、ミキリ」
忽然と消えた翔琉。今も職員達による捜索が続けられているが見つかる様子は無い。どうしたものかと沙優、紗季、涼風、リュウジ、ミキリ、ミハネは唸った。因みにシャマラ博士と陽花はラボで作業中であり、イヅルとハヤテは前回の怪我が完治しておらずXioメディカルで療養中である。
そこへザムザが入室して来て沙優の前に立った。
「ザムザ、どうかしたの?」
「UNVERより、堂馬参謀が、視察に、来られました」
「堂馬参謀が?」
その言葉に、事前のアポイントも無かったこともあって皆が驚く。翔琉が居なくなり大変だという所に急な堂馬参謀の登場。正直嫌なタイミングで来てくれたなと皆心の中で毒吐いた。
「分かったわ。じゃあ、応対室の方に案内を──」
「その必要は無い」
堂々と胸を張り、現れたのは鋭い目付きをした中年の男性。堂馬 亥耶麻参謀だ。
「堂馬参謀……。アポも無く訪問とは何かあったのですか?」
「君達が地球防衛の為にどれだけ頑張っているのか改めて見ておきたくてね。何やら騒がしいではないか」
嫌味を込めた様な言い方をして来る堂馬に、皆は少しイラッとする。
「翔琉隊員が基地内で行方不明になったので捜索を行っている所です」
「翔琉……ああ、インターンシップに来ているという高校生か。子どもの面倒を見ているとは、Xioも暇なのだな」
「彼は大切な仲間ですから」
穏やかな表情をしてそう言う沙優。しかし彼女と堂馬の間に、火花がバチバチと散っているのを他の隊員達は幻視した。
「フンッ、まあ良い。ラボの方を見させてもらうぞ」
「ラボを、ですか?」
「そうだ。誰か案内をしてくれ」
彼のその頼みに、涼風が「では私が」と言って応える。それから彼女の先導されながら、堂馬はラボにへと向かって行った。
「ミキリ、あのおじさんきらーい」
「ミハネもあのおじさんきらーい」
「まあまあ」
剝れるミキリとミハネの頭をリュウジが撫でる。
「少々、厄介な事に、なりそう、ですね」
「そうねぇ……。面倒起こしてくれなきゃいいけど。まあ、ともかく翔琉君の捜索を優先しましょう。ザムザ、紗季、リュウジは手分けして基地内を、ミキリとミハネはもう一度監視カメラの映像記録を調べてみて」
『了解!』
動き出す隊員達。翔琉の喪失と同じタイミングでの堂馬参謀の訪問……何か起こりそうな予感がして仕方がなかった……。
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「助けて、だと?」
確かにそう聴こえた。恐らくなのだがこの声の主はあの怪獣。
「お前が言ってんのか。どういう意味だよ?」
何故怪獣が自分に助けを求めているのか。問い掛けるが怪獣は答えず、その姿が次第に薄く透けていく。
「あ、ちょ!?」
そしてそのまま煙の様にフッと消えてしまった。一体何だったのか……訳が分からず首を傾げていると、背後から稲妻が迸った様な音が轟いた。驚いて振り返り、空を見上げるとそこには……。
「あ、穴?」
上空に、大きな穴が発生していた。ゼロアーマーで次元を超える際のものや、以前ニセメビウスとニセツルギを追って通ったものに似ている。そしてその穴・ワームホールから巨大な怪獣が降りて来て地響きを鳴らした。
「マジかよ……!?」
ティラノサウルスを巨大化させ、角と鰭を生やしたその怪獣は咆哮した後、角からエネルギーボールを放ち一つの家屋を破壊した。鳴り渡る破壊音。地を踏み締めて怪獣・ゲシェンクは進む。
「くっそ!」
エクスデバイザーを取り出し、ゲシェンクの元へと走っていく翔琉。ここ何なのかは分からないが、怪獣に破壊されているのを見過ごしては置けない。ブレーキをかけて止まりデバイザーを突き出し、上部のスイッチを押そうとする。
しかしその時、空に鮮烈な赤い光が輝いた。
「うお!?な、何だ!?」
光は空から地に落ちていき、そして後数十メートルという所で更に強く輝いて巨人の形を創り出した。赤と銀の身体、黒いプロテクター、そして胸には青い輝き。その巨人は大地に降臨し、着地の衝撃で凄まじい土煙を発生させた。
「あれって、ウルトラマン……!?」
ゼロやマックス、メビウスとは違うが、その姿は間違い無くウルトラマンの物。出現したウルトラマンはゲシェンクに目を向けて構えている。
『いくぞ!』
地球の大地が生み出した光の巨人・ウルトラマンガイアは、ゲシェンクへと駆け出すのであった。
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