RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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遅くなりました!!すいません!!
大地と海の巨人コラボ3話目、どうぞ!!!


54.ギリギリまで頑張って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 渋谷区の上空に、4機の未確認飛行物体が浮遊していた。金色のそれらは光線を放ち街を破壊しながら進む。そして暫く進んだ後、4機はなんと合体し二足歩行のロボットとなり大地に立つ。金色のロボットは、その堂々たる姿を人々の前に現した。

 

 その様子を司令室のモニターから見ていた沙優は唇を噛み締める。

 

 

「キングジョー……厄介ね」

 

 

 宇宙ロボット・キングジョー。ペダン星人が開発した量産型のスーパーロボットだ。鋼鉄も溶かす強力な破壊光線、高い格闘能力、10万t級の戦艦を軽々と持ち上げる剛力と様々な武器を持っており、極め付けは非常に強固な装甲による防御力。並大抵の武器で傷一つ付ける事は出来ず、過去に地球に現れた際はどんな攻撃も効かず大きな被害を出した。その後開発が成功したばかりの新兵器を用いた事によってどうにか撃退出来たものの、キングジョーの恐ろしさは世界中に広まった。

 

 

「キングジョーは西向けて進行。このままのスピードでは後20分程で住宅密集地に到達します。ここはまだ避難が完了してません」

「リュウジ、紗季、キングジョーの進行を停止、或いは変更させて」

《了解!》

《了解です!》

 

 

 出動していた2機のマスケッティがキングジョーに攻撃を仕掛けてその歩みを止めようと試みる。

 

 

「涼風、陽花。貴女達は現場に向かい、サイバーゴモラ使用の準備を」

「了解しました」

「了解っす!」

 

 

 駆け出す涼風と陽花。

 キングジョーから生命反応は無く、何度かコンタクトを試みたが返事も無い。目的の解らないキングジョーだが被害が出ているのは確か。奴を止める為に、Xioは動いていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、これ見て!」

 

 

 同好会の部室内で愛が皆にスマホの画面を見せていた。

 

 

「ロボットが渋谷に出たんだって!」

「これって、キングジョーだよね?前に授業で習った」

 

 

 怪獣学の授業でキングジョーの脅威については皆学んでいたので、進行するその姿を見て息を呑んでいる。

 

 

「もしかして、翔琉はこのキングジョーを止めに行っているのかしら?」

 

 

 果林の言う通り、確かに彼ならキングジョーから人々を守る為に突っ込んでいきそうだ。これまでだって怪獣の所へと何度も走って向かっているのだからやりかねない。

 

 

「Xioの方々も一緒だとは思いますが、大丈夫でしょうか?」

「確かに心配。璃奈ちゃんボード『ハラハラ』」

「また怪我をしてないといいですが……」

 

 

 せつ菜と璃奈、しずくがそう言うと他の者達も段々と心配になって来る。

 

 

「大丈夫だよ」

 

 

 そんな中でそう発言したのは歩夢。彼女の表情はみんなと違って落ち着いたものであった。

 

 

「翔琉君なら大丈夫。ちゃんと元気な姿で私達の所に戻って来てくれるよ」

 

 

 少し前までなら彼女が一番不安に駆られていただろうが今は違う。彼が何をしているのか分からなくても、彼を信じ抜こうと決めたのだから。歩夢の瞳を見て、みんなも翔琉を信じようという気持ちが湧いて来た。

 

 

「そうだね、かけるんなら大丈夫だよね!」

「なんてったってかすみんの先輩ですからね!」

「かすみさんだけの先輩じゃないでしょ?」

「独り占めはダメだよ〜」

 

 

 不安は消え、彼を信じて待つことにした彼女達。

 

 

「翔琉君、待ってるからね」

 

 

 ただ唯一勘違いしていることと言えば、翔琉はキングジョーでは無くもっと恐ろしい存在と戦っている最中であることだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ボロボロの少年、遥が家屋の壁に寄り掛かっていた。着ている服は所々破れており、額や口元からは血が滴っている。

 

 

「ううっ……くっ……!?」

 

 

 彼は痛む左腕を押さえる。そこへ、銃を構えた1体の宇宙人が歩み寄って来た。

 

 

「フフフッ、正に虫の息だなウルトラマン」

「お、お前は……?」

「私は宇宙の帝王、バド星人!貴様の命、ここでもらうぞ!」

 

 

 バド星人の銃口が遥に向けられる。不気味な笑い声を溢しながら、奴はそのトリガーを引いた………。

 

 

 しかし、弾丸は遥には当たらず上空にへと飛んでいく。トリガーが引かれる寸前、飛び込んで来た翔琉がバド星人の腕を蹴り上げて銃を弾き飛ばしてしまったからだ。

 

 

「何!?ゴハッ!?」

 

 

 驚くバド星人へ裏拳が叩き込まれ、更に蹴りを受けて後方へと大きく吹っ飛ぶ。

 

 

「お、おのれ……!ぎゃあッ!?」

 

 

 反撃する為に立ち上がったバド星人。だがそんな奴のことを巨大な足が踏み潰してしまった。遥と翔琉が見上げるとそこに居たのは、ブヨブヨとした身体の不気味な怪獣・マザーディーンツであった。触角の先にある光る目を2人に向ける。そこから放つ光線で人間を生きたシミに変化させることが出来るのだ。マザーディーンツは狙いを定め、彼らに光線を放とうとする……。

 

 

『だああッ!!』

「アグル!」

 

 

 しかしそこへ、アグルが突っ込んで来て奴を蹴り飛ばした。吹っ飛んで倒れたマザーディーンツに、アグルは間髪入れず頭部より放たれる光の刃・フォトンクラシャーを放って爆散させる。それから彼は地面に膝を付き、ゆっくりと消滅していくのだった。

 

 

「博樹さん!?」

「おいおい……!」

 

 

 彼の元へと走っていく2人。辿り着いた場所には息を荒くして膝を付いた博樹の姿があった。

 

 

「大丈夫ですか!?」

「あ、ああ……。これで、全部倒す事が───」

「まだ出来てないみたいだぜ」

 

 

 上空に幾つもの穴がまた開き、そこから怪獣、ロボット、宇宙人が降りて来る───

 

 

 彼らはひたすらに戦っていた。エンザン、カバラ、アリゲーダーを倒した後、更に怪獣や宇宙人が現れ、それを倒してもまた怪獣達が降って来る。正に終わりなき戦いをさせられている様であった。アイロス星人、ビルガモ、ゴロザウルス、グロブスク、ドレンゲラン、リガトロン、カオスバグ、ヘルズキング、バラゴン、ジャイガー、ジグラ……これら以外にも様々な怪獣達が間髪入れずにエックス、ガイア、アグルを襲い苦しめていき、どうにか倒していくことが出来たがエックスとガイアは変身を解除されることとなる。

 

 

 そしてまた、多くの怪獣がこの街と彼らを襲撃するべく出現。戦おうにも、流石に3人ともエネルギーの限界であった。

 

 

「どうすれば……!?」

「一先ず逃げるぞ」

「でも!!」

「こんな状態で向かったって死ぬだけだぞ?悪いが死体の処理なんてごめんだぜ」

「悔しいがコイツの言う通りだ。退くぞ遥」

 

 

 2人にそう言われ、唇を噛み締めながら遥は頷く。

 

 

「撤退って言っても何処に逃げれば……」

「多分、あそこが正解だろうな」

 

 

 翔琉が指差した方向にあったのはこの街の中心部であり、彼らに語り掛けて来た怪獣が立っていた小高い山。そこに向かって怪獣の放った火炎弾が飛んでいくが、見えない何かに遮られて打ち消された。

 

 

「バリアが張られているのか!?」

「みたいだな。それに先程から気になっていたが居た筈の住民が皆消えている。恐らくあの山に避難しているのだろう」

「てな訳で、走るぞ!」

 

 

 駆け出す3人。ダメージはあるがここに留まっていたら確実に踏み潰されてるか焼き尽くされるだろう。彼らは痛む身体に鞭を入れて全力で走った。

 

 だがそんな彼らのことを背後より、人狼の様な怪物が複数体で襲って来た。それらは本来大人しい性格の筈の怪獣であるが、牙と爪を剥き唸りながら3人の背を追い駆けて来た。

 

 

「あれは、前に内浦に出た怪獣に似てる……もしかして同族か?」

 

 

 その姿は以前梨子と千歌と居たところを襲って来たウルフファイヤーに酷似している。それもその筈、この怪獣・ウルフガスを改造したことで産み出されたのがあのウルフファイヤーだからだ。

 1体のウルフガスが大きく跳び咬み付く為に口を開いて遥に迫る。彼は無理押して走るスピードを上げ、それをどうにか躱した。

 

 

「くっ!?」

「速く走れ!出なきゃ死ぬぞ!」

「分かってる……!」

 

 

 全力で走る彼らをウルフガス達も全力で追う。そして更に、上空に爬虫類と蜻蛉を掛け合わせた様な凶悪な面構えの怪獣が現れて翔琉達を見下ろしていた。怪獣・メガギラスは咆哮した後、降下して来て鋏となっている前脚を3人目掛けて突き出す。

 

 

「飛べ!!」

「うわっ!?」

「ッ!」

 

 

 当たる前にジャンプしたことでどうにか回避する事が出来たが、その余波で思いっきり吹っ飛ばされてしまう。また、鋏の一撃はウルフガス達を巻き込んでおり、多くの個体が潰されることになった。

 

 

「ぐっ!?」

「があッ!?」

「くっ……立て、お前ら!」

 

 

 博樹の言葉を受けて2人は立ち再度走り出す。そんな彼らを刈り取ろうと、メガギラスは鋏を横に振るった。鋭い鋏は地を抉る。3人は再びジャンプしてそれを躱し着地と共にまた走る。

 

 

「見えたぞ!」

 

 

 走り続け、彼らは遂にバリアーまであと少しの所に来た。

 

 

「もうすぐで……ッ!?」

 

 

 そこでメガギラスが吼えた。上昇し、尻尾の針を彼らへと向けて突き出していく。アレを喰らえば一溜まりも無い。避ける為に3人は全力で走る。

 

 

「ていうかバリアの中って入れるの!?」

「知るかよそんなの!」

「一か八かだ……!」

「無茶苦茶ですよ2人とも……!?」

 

 

 やけくそ気味に飛び込んだ3人はメガギラスの尾が地面に突き刺さった衝撃の余波で飛ばされて着地に失敗し転がる。そして倒れた彼らに向かい、メガギラスと追って来たウルフガス達が牙を向けて突っ込んで来た…………がしかし、奴らの強襲は見えない壁に遮られて弾かれる。バリア内に入ることは成功した様だ。

 

 

「ふぅ……取り敢えず何とかって感じか」

「はい……」

 

 

 メガギラスとウルフガス達、そして他にも数体の怪獣が攻撃をしているがバリアはビクともせず全て防いでいた。

 

 

 

 

 

────ウルトラマン……。

 

 

 

 

 声が頭に響き、3人は振り返る。その先には最初に見たあの怪獣が佇んでいた。

 

 

「怪獣……」

「君が僕達をここに呼んだのかい?」

 

 

 遥の問い掛けに、怪獣はこくりと頷く。

 

 

────我々ハ、ルクー。ココハ、ウクバール……。

 

 

「ウクバール?それってイラク、もしくはアルジェリアの?」

「ホルヘ・ルイス・ボルヘスの書いた小説、『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』内にも同名の国家がある。小アジアに存在した文明の一つという設定だ」

「アンタら賢いね。けど、多分どっちも違うんだろ?」

 

 

 今度は翔琉の言葉に頷いた。

 

 

────人ノ羨望ガ、コノ街。人ノ希望ガ、コノ街。風ガ吹ク、空ヲ飛ブ街、終ワリ無キ街。

 

 

「何が言いたいのか知らないが、怪獣どもから守ってもらう為に俺と遥、そしてコイツを呼び出したって訳か」

「傍迷惑な……つーか、あんなバリア張るくらいの力あんなら戦えるんじゃないのか?」

 

 

────我々ハ、何カヲ傷付ケル事ハ出来無イ。命ヲ奪ウ事ハ出来無イ。我々ハ、在リ続ケルモノ。我々ハ、飛ビ、流レ続ケル。

 

 

「つまり君は、そしてここにいる人達は戦うことが出来無い。だから僕達に助けを求めたんだね」

 

 

 するとルクーの身体が輝き、その光が遥、博樹、翔琉に降り注ぐ。そして彼らの変身アイテムに光を与えた。

 

 

「これって……!」

 

 

────ウクバールヲ、救ッテクレ……。

 

 

 その言葉を最後に、ルクーは揺らぎながら消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうするよ?」

 

 

 遥と博樹に、翔琉が聞いた。

 

 

「……奴が何なのか、ここが何なのか。怪獣から守ってくれと言っていたが、本当の目的は何なのか……結局のところ何も分からなかった。そんな得体の知れない奴の味方をするのは得策とは思えないな」

 

 

 博樹の言う通り、何も碌に分からないのにこのまま戦い続けるのは危険だろう。もしかしたら、ルクーは自分達を騙している可能性だってある。何か別の目的があり、その為に怪獣達と戦わせているのかも知れない。

 

 

「だよなー。見捨ててとっととずらかるのが一番楽だろうな」

 

 

 そうぼやく翔琉。彼も博樹同様、ウクバールを救うことに乗り気では無い様だ。

 勝手に連れて来られて、勝手に戦わされて、オマケに自分達の街を守れと言う得体の知れない怪獣の味方をする義理など彼らには一切無い。それにあんな無限に湧く怪獣達と戦い続ければ命の保証だって無い。早急に逃げてしまうのが最適解なのだろう。

 

 だが遥は、2人の言葉を否定する様に首を振った。

 

 

「僕はこの街を、あの怪獣を救いたいです」

「おいおい本気か?こんな訳の分からん街と怪獣を守るのか?」

「遥、俺達のやるべきことは根源的破滅招来体を倒すことだ。ここで訳の分からない戦いをしている場合じゃない筈だ」

「怪獣達はワームホールを通ってこの街に現れている。それって、破滅招来体がここを狙っているってことですよね?」

 

 

 その問いに博樹は「いや、違う」と言ってから、タブレット端末を取り出して画面を遥に見せた。

 

 

「あのワームホールは破滅招来体の物とは違う別の物だ。あれだけ連続しての空間領域の開通など、いくら破滅招来体でも不可能だろう」

「じゃあ、この街を狙っているのは破滅招来体ではない別の存在……」

「ああ。だから、俺達が戦う必要性は無い」

 

 

 守るものも戦う相手も不透明な存在であり、これ以上続けるべきではないと主張する博樹。彼の言う事は間違いでは無いだろう。しかし……。

 

 

「それでも僕は戦います」

「へー、どうして?」

「僕がウルトラマンだからです。どんな時でも最後の力が枯れるまで、大切なものを守る為に限界まで戦う……それがウルトラマンの力を得た僕のやるべきことだから!」

 

 

 不可解な存在でも、罠かも知れなくても、助けを求めているのであれば助けたい。それが遥の出した答えだった。彼の意志の込められた強い瞳と言葉を受け、翔琉と博樹は思わず笑う。

 

 

「結局そうなるか……まあ、お前らしいな。良いだろう、付き合ってやる」

「いいねー、中学生の割に根性あんじゃん。俺も乗った」

「2人とも………ん?待って下さい、中学生!?僕高校生ですよ!?」

「え?中学生の男の娘じゃないのか?」

「違います!!ていうか、『男の子』のニュアンスなんかおかしくないですか!?僕はどう見てもれっきとした高校生の男でしょ!!ねえ、博樹さん!?」

「……」

「何で黙ってるんですか!?」

 

 

 少しだけ流れていた険悪な空気が穏やかになる。

 

 翔琉と博樹も、ウクバールを守る為に遥と共に戦うつもりだ。そもそも口ではああ言ってた2人だが、この街を本気で見捨てるつもりは無かったらしい。軽く談笑した後3人は、変身アイテムを取り出して暴れる怪獣達の方を向いた。

 

 

「そういや名前聞いてなかったっけ?俺は天地 翔琉、よろしくぅ」

「僕は桜内 遥です」

「湊 博樹だ」

 

 

 桜内と言う苗字を聞いて翔琉は自分の知り合いにもいる桜内性の少女を思い出すが、偶然だろうと考え特に何も言わずエクスデバイザーを構える。別世界ではあるが翔琉が思い浮かべた人物と姉弟である遥はエスプレンダーを、そして同じく別世界で翔琉の知っている人物達と友人である博樹は右手首に付けられたアグレイターを構えた。エクスデバイザーのスイッチを押し、エスプレンダーを突き出し、アグレイターが回転した後翼を広げ、彼らは腹の底から思いっきり叫んだ。

 

 

「はあああああああああッ!!」

「ガイアァァァァァァァッ!!」

「アグルゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

 

 閃光が迸り、3人のウルトラマンが出現した。エックス、ガイア、アグル。彼らは荒れ狂う怪獣達を撃滅する為、ウクバールの地に降り立つ。その際ガイアとアグルが舞い上げた土が、彼らの真ん中に降りたエックスに降り掛かった。

 

 

「………」

『いくぞ!』

「ちょ待てよ」

『ああ!』

「ああじゃねぇよ」

『え、何が…って、あ……』

「テメェら……よくもやってくれたなァァ!?」

『ご、ごめんなさい!?』

『うるさいぞ翔琉』

「ブッ飛ばすぞゴラァァ!?……もうお前らの隣りで絶対一緒に変身しねぇ」

『あはは……』

 

 

 土を払い構えるエックス。ガイアとアグルもそれに倣って構えた。彼らに対して幾多もの怪獣、ロボット、宇宙人が、大地を揺らしながら突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

『デヤッ!ダァッ!』

 

 

 ガイアはパワフルな攻撃で怪獣達を倒していく。変身するのは小柄で可愛らしい天才少年だが、ガイアとなれば豪快なパワーファイターとなるのだ。

 突進して来た無酸素怪獣カンデアを受け止め、そのまま持ち上げて投げ飛ばした。転がったカンデアにすかさず腕を組んで超高熱光線のクァンタムストリームを発射。カンデアは青い光となって消滅した。

 

 

『ッ!』

 

 

 背後から、レイキュバスが腕の巨大な鋏を振るって襲い掛かって来た。彼をそれを間一髪躱し、直ぐに接近して顔面にパンチを打ち込む。エネルギーがスパークし、レイキュバスは堪らず吹っ飛んだ。

 

 追撃をしようとしたガイア。しかしそこへ、先程のメガギラスが猛スピードで突っ込んで来て彼のことを撥ね飛ばす。

 

 

『グアアアアアッ!?』

 

 

 ゴロゴロと地面を転がるガイアを嘲笑うかの様にメガギラスは小刻みに動きながら飛ぶ。立ち上がった彼は挑発しながら飛び回るメガギラスを落とす為にガイアスラッシュを連射するが、奴はそれを全て回避していった。唇を噛み締める彼に、起き上がったレイキュバスが冷凍ガスを放射。ガイアの身体を徐々に凍り付かせていく。

 

 

『グッ!?不味い……!?』

 

 

 このままではガイアは氷像に変えられてしまう。そうなる訳にはいかない彼は力を込め、身体中からエネルギーを放出し纏わり付いていた氷と冷凍ガスを吹き飛ばした。驚くレイキュバスに、ガイアはフォトンクラッシャーを放つ。しかし奴は咄嗟に鋏でそれを受け止めた。光の刃は頑丈な鋏に防がれてしまう。

 

 

『まだだ!』

 

 

 だが彼はその両手を頭部で握り締め腕を開き、フォトンエッジを放って技に重ね掛けた。破壊力の増したその光線により、レイキュバスは鋏を砕かれ、そして身体を貫かれて爆散した。

 

 そこへメガギラスは再び奇襲を仕掛けるが、今度は攻撃を予知していた。ガイアはバク転をし、その勢いで向かって来たメガギラスに両足蹴りを叩き込むリボルサクセッションキックを見舞った。耐久性の低いメガギラスは堪らず吹っ飛んでしまい地面に落ちる。奴はもう一度飛ぼうとしたが、それよりも早くガイアがガイアブリザードを放って凍り付かせてしまった。そしてトドメとしてリキデイターを撃ち込み、メガギラスを跡形も無く粉砕する。

 

 

『よし……!』

「くっ!?調子に乗るなよウルトラマン!」

 

 

 怪獣を撃破していくガイアに、ファイヤー星人、ザタンシルバー、ロベルガーが向かっていく。そんな怪獣達へ、彼もまた大地を蹴り立ち向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 アグルのストレートキックがシンリョクを後退させる。よろけながらシンリョクは破壊光弾を放つが、アグルのボディバリヤーには通じない。彼は飛び上がり、気迫の声と共にキックを中心部にある光球に叩き込んだ。シンリョクはそこから火花を散らしながら倒れ爆発した。

 

 着地したアグルに、今度はミステラー星人が向かって来た。

 

 

「死ねえええ!!」

 

 

 口部のMTファイヤーがアグルへ火を噴く。しかし彼はそれを冷静に躱しながらミステラー星人に接近して掴み、そのまま空へと投げ飛ばした。

 

 

「何!?」

『フンッ!』

 

 

 右手より、破壊光弾プロミネンスキャノンが連射されミステラー星人を蜂の巣にする。断末魔と共に奴は粉々に吹き飛んだ。

 

 

『さて、次はお前達か』

 

 

 アグルに向け、複数のクラブガンが迫って来ていた。両手の鋭い鋏型の爪で陽光を反射させながら奴らは進む。それに対してアグルは右手からアグルセイバーを、左手からアグルブレードを伸ばしかけ出した。

 

 

『フッ!どあああッ!』

 

 

 アグルブレードで斬り裂き、アグルセイバーで貫き、クラブガン達をばったばったと斬り伏せていく。素早く、激しく、華麗な剣技の前にはどんな怪獣も敗れるしかない。そんな彼に、クラブガンと共生関係にある怪獣アネモスが合体した怪獣・クラブガン&アネモスが突進して来た。どうやらこのクラブガンの群れのリーダーの様だ。アグルは横へ飛んで突進を回避し、両者は一度睨み合うことになる。

 

 

『……来い』

 

 

 顎を上げて挑発するアグルに、クラブガン&アネモスは爪を突き出した。しかしアグルはそれをアグルセイバーで受け止め、アグルブレードを振り上げてその腕を斬り落とした。更に体液を撒き散らしながら苦しみの声を上げる奴のアネモスの部分をアグルセイバーで斬り払った。アネモスを失ったクラブガンの悲痛な叫びが響き渡る。

 

 

『他愛の無い』

 

 

 剣を解除したアグルは上空へと飛び上がる。そして地にいる残ったクラブガン達へ強烈な波動弾フォトンスクリューを放った。その一撃は全てのクラブガン、そして付近にいた他の怪獣達も纏めて消し飛ばしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「だっしゃあッ!!」

 

 

 ゴモラアーマーを纏ったエックスがガルラと取っ組み合い力比べとなる。強固な身体と強力なパワーを持つガルラであるがエックスも負けない。彼は踏み込み、ガルラを思いっきり押し飛ばした。よろけたガルラに向けてエネルギーを纏いながら突き出された爪は、偶然にも奴の弱点である喉に直撃し刺さる。ガルラは体内にそのエネルギーを流し込まれて内側から破裂した。

 

 

「いった、破片当たっちまった……おっと!?」

 

 

 ガルラを倒したエックスに、複数の針がミサイルの様に飛来した。跳躍して躱し針の飛んで来た方を見ると、そこにはウニの様な棘だらけの怪獣が不気味な唸り声を上げていた。どうやら身体中の棘を飛ばしたらしい。

 

 

《ハハハハハァー!見よ!これこそ我らインスマス星人の切り札!最強の怪獣、棘皮怪獣ウニラの力だああああ!!》

 

 

 ウニラと呼ばれた怪獣の中から声が響く。あの中にはインスマス星人という頭は魚、身体は人間という何処か冒涜的な姿をした宇宙人達がいるのだ。

 

 

《………おや?ウルトラマンゼロは何処に行った?》

《さ、さあ?先程まで目の前に居た筈ですが……?というか此処は何処でしょうか?》

《ま、まあ良い!何だか知らんが別のウルトラマンがいる。ならば、とにかくそいつを倒すまでよ!》

 

 

 ウニラは棘を連続でエックスへ飛ばしていく。しかし彼はそれら全てをゴモラアーマーの爪で弾き落としながら歩いてウニラへと近付き、それを振り下ろした。

 

 

「硬っ、マジかよ!?」

《フンッ!そんな攻撃、ウニラには通用せん!》

 

 

 ガルラ以上に頑丈な身体には爪が通用しない。更に続けて攻撃していくが、全て弾かれ乾いた音が響くだけだ。

 

 

《ハハハッ!馬鹿なウルトラマンめ!貴様らを倒し、地球の海を我々の物にしてくれるわ!》

 

 

 インスマス星人の声にイラッと来たエックス。彼はアーマーを解除し、ウニラに両手を添えた。

 

 

《な、何のつもりだ?》

「打撃が効かないんだろ?だったら、こういうのはどうだ?」

 

 

 エックスは両手より電撃を発生させ、それをウニラへと流し込んでいった。強固な外皮のウニラもコレは堪らない。しかもどういう訳か海水で濡れていたこともあってか電撃はよく通り、中にいるインスマス星人達を容赦無く感電させる。

 

 

《ギィヤアアアアアアアアアアア!?》

《あばばばばばばばばば!?》

《うげええええええええええ!?》

 

 

 ウニラ自身にも相当効いたらしく、奴はパカっと外皮を三方向に開いた。中にはギョロリとした眼玉が一つ。これがウニラの本体なのだ。ぐっと拳を握り締め、眼玉をブチ抜いてやろうとするエックス。だがそれに気付いたウニラは再び外皮を閉じた。もう一度電撃で開かせるか?それとも倒れるまで電撃を浴びせ続けるか?どちらにしても時間はそこそこ掛かりそう……そう思った時、彼はルクーの言葉を思い出してあることを思い付いた。

 

 

《だ、だ、大丈夫か、お前達……?》

《何とか……》

《し、死ぬかと思ったぁ……》

 

 

 どうにか無事だったインスマス星人達。早く逆襲してやらねば……と考えたその時、ウニラが大きく揺れる。一体何がと確認しようとするが、次の瞬間彼らの身体は壁に思いっきり叩き付けられることになった。

 

 

「よっしゃあああああ!!」

 

 

 エックスが、ウニラの棘を持ってハンマー投げの如く振り回していたからだ。猛烈な勢いで回されるウニラ。中のインスマス星人達は壁や床や天井に何度も叩き付けられていく。そしてエックスは、ウニラのことを彼方へと投げ飛ばしてしまった。

 

 

《うわあああああああああああ!?》

 

 

ゴロゴロと回りながら絶叫するインスマス星人達。暫くし、それが漸く収まった。

 

 

《お、おのれぇ!?許さんぞウルトラマン!》

《ああ!倍返しにしてくれる!?》

《あ、あのぉ……》

《何だ!》

 

 

 1人のインスマス星人がモニターを指差す。どうやらウニラは今、空中にいる様だ。

 

 

《今すぐ飛んでアイツに突撃だ!穴だらけにしてくれる!》

《それが、先程の電撃でエンジンが破壊されてまして……》

《は?では飛べないのか?》

《はい》

《それってつまり?》

《落ちます》

 

 

 バッとモニターを見る隊長格のインスマス星人。彼が見たのは、親指を下に向けてサムズダウンしたエックスの姿であった。

 

 

「堕・ち・ろ」

 

 

 真っ逆さまに堕ちていくウニラ。このままでは地面に激突してしまう……と思ったがその時は来なかった。何故ならウニラが飛ばされたのは所謂場外。ここが空に浮かんでいる街であることをルクーの言葉から推測した彼はウニラを場外退場させてしまったのだ。インスマス星人とウニラの悲鳴が混じり合い、ウクバールの地から遠ざかっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 黄金の鎧に包まれた怪獣・カイザーギラレス13世がガイアに鉄球を叩き付けた。その強烈な威力の一撃を受けてガイアは吹っ飛ばされる。

 

 

『がっ!?ぐぅ!?』

 

 

 右腕の盾の備えられた剣を彼に向けて突進していくカイザーギラレス。だがそれをアグルが横から飛んで来て蹴り飛ばし妨害した。

 

 

『ガイア!』

『あ、ありがとうございます!』

 

 

 標的をアグルに変えて剣を振るう。アグルはバク転して回避しガイアの隣りへと行き、2人はカイザーギラレスに構えた。彼らに向かってビーム光線が放たれる。それに対して2人は左右の掌を合わせた後、空いてる手より光線・タッチアンドショットを放ちカイザーギラレスの光線を打ち消した。

 

 それから2人は前転して少し距離を詰め、ガイアはフォトンエッジを、アグルはフォトンクラッシャーを同時に放った。合体技・ダブルフォトンバーストである。カイザーギラレスは盾で防ごうとするが凄まじい威力の攻撃を止められる筈も無く、奴の盾と備えられていた剣は破壊されてしまった。

 

 

『いくぞ!』

『はい!』

 

 

 悲鳴を上げるカイザーギラレスへ、ガイアのクァンタムストリームとアグルのアグルストリームが放たれて直撃。これも彼らのコンビネーション技であるストリーム・クラッシャーだ。光線はカイザーギラレス13世の胸に風穴を空き、爆発四散させることに成功した。

 

 

『ふぅ……』

 

 

 力を合わせて強敵の撃破に成功した2人。そこへエックスが小走りで近付いて来た。

 

 

「粗方片付いたみたいだな」

『はい。でも、まだ油断は───』

 

 

 出来無い……そう言おうとした時、また空に大きな穴が一つ空いた。そこからは、これまでは違う力が感じられる。

 

 

「遥、博樹」

『はい……分かってます』

『切り札の御出ましの様だな』

 

 

 警戒し構えるウルトラマン達。そしてそんな彼らの前にそれは降臨した。

 

 触手が変形し拡げられた翼の皮膜が夕焼けの光を乱反射させ美しく輝き、鋭い槍が鈍く光る。単眼が地に立っているウルトラマン達に向けられ、そこには明確な敵意が込められていた。

 

 もう他の怪獣は現れない。ウルトラマンを倒すのも、ウクバールを滅すのも、この存在だけで問題無いのだから。

 

 

 

 この地の全ての命を絶つべく、邪神(イリス)が覚醒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ニセウルトラマンメビウス

身長:49m

重量:3万5000t

出典:映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」

 

 ザラブ星人が化けた偽物のウルトラマンメビウス。目付きが悪く頭部や身体に黒いラインがあり、足先が尖っているのが違い。本物同様の技を使うことが出来るが、その力は化けているザラブ星人本人と同じ為か本物には及ばない。

 翔琉を騙す為にニセツルギと共に登場。初戦ではビルを盾にしたり、ギロンを殴りまくったりとやりたい放題だった。未来にも化けてババルウ星人が化けたステラと共に翔琉を襲い、後に本物のメビウスとヒカリを見た彼はまんまと騙されウルトラマン同士の戦いに発展してしまう。しかしそれは千歌によってそれを止められることに。街を攻撃して人々を恐怖に陥れようとしたが本物が登場。バーニングブレイブとなった彼のラッシュを受けて本来のザラブ星人の姿に戻ってしまった。

 メビウス劇場版に登場。劇中ではサコミズ隊長に一瞬で偽物と見破られていた。過去にザラブ星人が化けたニセウルトラマンと違ってこちらはメビュームスラッシュを放つことが出来、ゲームではメビュームシュートも撃っていた。後にヒカリサーガでババルウ星人が化けたニセメビウスが登場するが、こちらは完璧に瓜二つである。

 

 

 

 

・ニセハンターナイトツルギ

身長:50m

重量:3万8000t

出典:ウルトラマンメビウス 35話「群青の光と影」

 

 ババルウ星人が化けたハンターナイトツルギ。姿はツルギと瓜二つで技も使用出来るが、ザラブ星人同様能力は本人と同じ。

 翔琉を騙す為、ザラブ星人の化けたニセメビウスと共にエックスを襲撃。その際わざとヒカリと名乗った。ステラの姿で翔琉を襲撃し、目論見通り一度は戦った彼らだがすぐに和解。その後ニセメビウスと街で暴れ、ウルトラマンXと共にヒカリを攻めたがサイバーゴモラの乱入により形勢逆転され、正体を現すことになった。

 本編でも青いウルトラマンに対する恐怖心を植え付け、ヒカリを地球で活動させない為にババルウ星人が化けたが、ナイトブレスを付けていたことから未来やGUYSにすぐ看破られてしまう。しかし地球の人々はそんなこと知る由も無かったので騙されてしまっていた。その後本物のヒカリの活躍により誤解は解かれることになる。

 

 

 

 

・ウルトラマンX

身長:45m

重量:4万5千t

出典:オリジナル

 

 ギロ星人によりウルトラマンエックスを模して造られたロボット。能力は本物と同等でザナディウム光線も放てる。見た目は瓜二つだが、大きなダメージを受けると身体の赤い部分が青く変色した。

 ジャシュラインとの戦いを終えたメビウスとヒカリを強襲し追い詰め、彼らがエックスと戦うことになる原因を作る。その後偽者であることがバレたニセツルギとヒカリの戦いに乱入してニセツルギと共にヒカリを攻撃。だがそこへサイバーゴモラが現れ押されていき、ニセ翔琉に化けていたアンチラ星人を倒した翔琉が変身したエックスの一撃を受けて頭部が破損しロボットであることがバレた。最後はエックスがウルトラマンマックスの力を借りて放ったギャラクシーカノンで破壊されてしまった。

 一応本作オリジナル。元ネタは「ザ☆ウルトラマン」に登場したギロ星人が作ったロボット・にせウルトラマンジョーニアスの別名がウルトラマンXである事から。

 

 

 

 

 





遅くなりましたがコラボ回3話目でした!

今回はかなり多くの怪獣宇宙人が登場してます。実は以前Twitterやキャスで登場して欲しい怪獣を募集し、今回登場した怪獣の多くはそこから来ています。

そして以前コラボさせて頂いた「ゼロライブ!サンシャイン!!」より、棘皮怪獣ウニラとインスマス星人がまさかの登場です!!
作者であるがじゃまる様から「出して♡」と冗談半分くらいの感覚で言われたので全力で出しに行きました←
正直コイツをラスボスにしようかかなり迷いました。

そんなウニラを押し退けて最後の相手となるのはあの邪神……。どんな戦いとなるのか、是非お楽しみに。

それでは今回はここまで!
感想、質問、高評価、ここすき、その他、是非是非お待ちしてます!!


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