RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
スーパースター!!始まりましたね!
トリガーと併せてこちらも楽しみです!
今回からは新展開!遂にあの女神達が……!
それでは早速どうぞ!
虹ヶ咲学園の音楽室。そこにあるピアノの前に翔琉は座り唸っていた。彼は今、同好会のみんなの曲を作ろうとしているのだ。音符も読める様になりピアノも弾け、作詞をすること自体は出来る様になった。しかし、いざやってみるとなると一筋縄ではいかない。何度もピアノを弾き、五線譜に書き込んではそれを消してを繰り返している。
「あー、駄目だ。何かしっくり来ねぇ」
更に言うと彼は9人分の作曲をしなければならない。みんなから既に歌詞を貰っており、それにあった曲を作らなければならない。手始めに歩夢のものをと頑張っているがどうも上手くいかなかった。
「行けるかと思ったけど難しいなこれ。桜内にコツ聞いてみるか……?」
内浦に行った時に千歌達Aqoursの全員と連絡先を交換している。Aqoursの作曲担当である桜内 梨子にそのやり方を聞こうかと思い携帯を取り出した。その時、コンコンと扉を叩く音がした。
「ん?」
「作曲は順調ですか?」
彼が見た先に居たのは眼鏡を掛けた三つ編みの少女。その後ろには同じく眼鏡をした少女が立っている。
「えっと……」
「あ、記憶を失ってからこの形で会うのは初めてでしたね。生徒会長の中川 菜々です」
お辞儀する菜々。翔琉もそれに合わせて頭を下げた。それから後ろにいた生徒会副会長も自己紹介を行った。
「所で翔琉さん、音楽室の使用許可は申請しているのでしょうか?」
「げッ」
不味いと言わんばかりに顔を歪ませる。実は彼はここの使用許可を取らず勝手に入って勝手に使っていたのだ。元々長時間使うつもりは無かったので別に申請しなくても良いだろうと思っていたのだ。
「全く……今回は見逃しますけど、次回からはちゃんと生徒会に使用許可を得て下さいね?」
「す、すんません……」
バツの悪そうに頭を下げる翔琉を見て、菜々はクスクスと笑う。
「会長、そろそろ……」
「あ、もうそんな時間ですか。それでは翔琉さん、また後で。戸締りはちゃんとしていって下さいね?」
「うっす」
去っていく菜々と副生徒会長。
「また後で……?俺生徒会長と会う約束なんてして無い筈なんだが……?」
首を傾げる翔琉。確かに昼から歩夢、せつ菜、しずく、エマと秋葉原へ出掛ける予定ではある。しかし菜々とは(記憶を失ってる彼からしたら)今日初めて会ったばかりで、この後会う約束なんてした覚えは無い。でも彼女は間違い無く「また後で」と口にした。もしかしたらこれから何かあるのだろうか?
「まあ良いや」
考えたが答えは見つからないので、翔琉はまたピアノの鍵を弾くのであった。
「会長、あの方って記憶喪失になったって言う音楽科の2年生ですよね?気軽に話し掛けてましたがお知り合いなんですか?」
会議の為に生徒会に向かっている途中、副会長がそう聞いて来た。
「え!?あ、ま、まあ、いろいろとありまして……」
ポリポリと頬を掻く。実は彼女、中川 菜々こそがスクールアイドル・優木 せつ菜の正体なのだ。翔琉にはそのことを改めて教えてなかったので気付かれていなかった様だ。
「彼、記憶を失ってから性格が変わったというか……少し不良の様になったと聞きましたが大丈夫でしょうか……?」
不安そうに副会長が言って来る。前は人懐っこく優しい性格だった彼だが、今ではその面影は全く見えない。問題こそ起こしていないが、俗に言う不良の様な荒々しさの見える生徒になったと聞いていたのでいろいろと心配なのだろう。
「大丈夫ですよ。確かに前とは変わったところもありますが、変わらないところもありますから」
「変わらないところ?」
「ええ。彼を見てたら、きっと貴女もそれに気付けますよ」
そう言って菜々は彼女に笑い掛けるのだった。
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オペレーションベースX内のとある一室。そこには数人の人がおり、ピリピリと空気が張り詰めていた。
「何の用かね、神山隊長?」
「それは貴方自身が一番よく分かっているのでは無いですか、堂馬参謀」
沙優と陽花、そしてシャマラ博士がいるのは堂馬参謀の部屋だ。椅子に座っている彼の後ろには2名のボディーガードが控えている。
「さあ……?何のことだかさっぱりだな……」
「しらばっくれるな!!貴様ラボにあったウルトラマンのサイバーカードを全部持っていきおったじゃろうが!!」
「それだけじゃないっす!バラバやバキシム、ベムスターなんかのスパークドールズまで持ち出してるっす!これは重大な規律違反っすよ!?」
先日のキングジョーが出現した時、堂馬はその混乱に乗じてラボに置かれていたゼロ、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリのサイバーカードを持ち出してしまっていた。そしてオマケに数体のスパークドールズも持ち出しており、それらを取り戻す為に沙優達はここへと赴いたのだ。
「監視カメラに証拠は残されています。言い逃れは出来ませんよ?」
威圧感を与える様な目で沙優は堂馬を睨み、その背後のシャマラ博士と陽花も敵意を込めた視線を向けていた。しかし堂馬はそんなことも気にせず1枚の紙を取り出し見せて来る。
「カードとスパークドールズの持ち出しについては許可を得ている。これがその証拠だ。そこの異星人のサインもあるぞ。あの時はゴタゴタしててすぐに出来なかったが、後で許可を得たではないか」
彼が出した書類にはスパークドールズ、及びサイバーカードの貸与許可について書かれており、そこには何故かシャマラ博士のサインもあった。つまり博士は堂馬がそれらを持っていくことを承認していたということになる。
「な、なんじゃこれは!?私はこんな物書いた覚えは無いぞ!?」
「どうした?まさか忘れていたのか?見た目だけでなく、脳味噌まで蛙と変わらんとはなぁ……」
堂馬とその後ろの2人が博士を馬鹿にするかの様に笑った。
「こ、こんなのおかしいっす!きっと、誰かが博士のサインを偽造したに違いな───」
「我々が嘘を吐いているというのかね?では証拠は?そこまで言うのなら何か証拠があるのだろう?」
「そ、それは……」
「何の証拠も無く疑い、上官に逆らい不利益を齎す。それこそ規律違反ではないだろうか?」
そう言われて押し黙るしかない陽花。書かれているサインはどういう訳か分からないが間違い無くシャマラ博士の物である為、例え博士が書いていないと言っても証拠が無ければその証明は出来無い。サイバーカードもスパークドールズも、彼らから正式な形で堂馬に貸し出されたという事になってしまっているのだ。
「分かりました。サイバーカードもスパークドールズも、正式な手続きを経て我々が貸し与えた、ということですね」
「お、おい!?」
「隊長!?」
「ではそのカードとスパークドールズ、返却して頂けないでしょうか?我々にとっても大切な物なので」
これ以上は暖簾に腕押し。ならもう盗った盗られたについては話し合わず、カードとスパークドールズの返却を求めるのが最善だろうと沙優は考えた。
「フム……まあ、良いだろう。アレを」
「はい」
控えていたボディーガードがトランクケースを持って来て、彼女達に向けて開いた。中には堂馬が持ち出したサイバーカードとスパークドールズが入っている。
「……確かに受け取りました。今後、ラボから何かを持ち出す時は博士だけで無く私に
「ああ、そうしよう」
少し睨み合った後、沙優は頭を下げてから2人と共に部屋を出て行こうとする。しかしそれを堂馬が声を掛けて止めた。
「最後に一ついいか?」
「何でしょうか?」
「そのサイバーカード、どうやって手に入れた……?」
「これらは博士が今まで現れたウルトラマンのデータを解析して作りました」
「なら妙だなぁ……」
沙優に向けられる視線が、少し険しいものになる。
「何故ウルトラマンエックスの物が無いんだ?毎回出現しているんだ、奴の力ならとっくに解析出来ているだろ?本の僅かな時間しか現れていないウルトラマンの物があって、奴の物が無いのは妙ではないか……?」
この地球を守っているエックスのカードが無く、他のウルトラマン達の物があるというのが堂馬には不自然に思えていた。このウルトラマン達のサイバーカードは翔琉がそのウルトラマンと絆を紡ぐ事で生成される奇跡の産物であり、シャマラ博士の手による物では無い。
「エックスのデータはサイバーゴモラやウルトライザーに利用させてもらっています。ただカード化していないだけです」
「………そうか。もう下がって良いぞ」
「失礼します。……私からも一つ。先日鹵獲したキングジョー、堂馬参謀の管轄下の施設に輸送されたと聞きました。どうするおつもりでしょうか?」
「もちろん平和利用の為だ。それ以外に何があるというのだ?」
「そう、ですか。では失礼しました」
3人は部屋を後にした。
その背を見送った後、堂馬は彼女達のことを鼻で笑う。
「フンッ、目敏い女だ」
「良いのでしょうか?もしかしたらあの女、我々の計画に気付いて……」
「構わん」
不安気なボディーガードに堂馬はそう言い、パソコンのキーボードを叩いた。
「コイツが完成すればあの女も北森支部長も、誰も文句を言えなくなる……」
液晶に映されていたのは、ウルトラマンを模した機械兵器の設計図であった────
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秋葉原。東京都千代田区外神田・神田佐久間町及び台東区秋葉原周辺の地域を指す名称である。アキバの別称で親しまれていて世界有数の電気街として発展していった街であり、オタクの街としても有名であった。現在では更なる発展により観光地、オフィス街としても利用されている。
そして何より、スクールアイドルの街としてこの世界では人々から愛されていた。
「人多いなぁ」
そんな街に翔琉と歩夢、せつ菜、しずく、エマは来ていた。翔琉が秋葉原に来るのはゼットンと出会ったあの日以来になる。夏休み期間ということもあってか平日でありながらも人は多い。海外から来たであろう人も多く、大きな買い物袋を両手に提げている。メイドカフェの呼び込みをしているメイド服を着た女性も目立ち、中には猫耳を着けてたり、和装や軍服、忍者の格好をした者までいてサブカルチャーが盛んであることが見て取れた。
「爆買いってやつか」
「相変わらずアキバは賑やかですね!活気が伝わってきます!」
ぐっと拳を握るせつ菜。今回は彼女の買い物に付き合う形で翔琉達は同行している。
「スクールアイドルのお店もいっぱいあるし、いつ来てもアキバは凄いね!」
目をキラキラとさせてエマは街を見る。
「フフッ、スクールアイドルになる前、翔琉君とこの街に買い物に来たのを思い出しちゃったな」
「確かそこでライブを見て、先輩はスクールアイドルを応援したいって思う様になったんですよね?」
しずくに対して「そうだよ」と言った後、歩夢は駅前にある大きな建物を指差した。
「あそこにあるモニターに映ったμ'sとAqoursの合同ライブを見たのが始まりだったんだ」
「じゃあそれがなかったら、私達はこうしてまたスクールアイドルをしていなかったかも知れないですね……」
感慨深そうにそういうしずく。確かに彼の働きがなければ、虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会がこうして動き出すことは無かったであろう。
「そうですね……翔琉さんには、改めて感謝しなければならないですね」
「うん!本当にありがとうね、翔琉君」
「よせって……なんか照れる。それに、今があるのは俺だけじゃなくて、みんなの力でもあるだろ」
翔琉の言う通り、同好会が今こうしてあるのは彼の力だけではない。みんなの力があってこそなのだ。
「翔琉君の言う通りだね」
笑い合う彼女達。すると大きな声が聞こえて来た。何かと思い声の聞こえて来る方へ4人は歩いていく。そこはUTX学園の前で多くの人が集まっており、モニターに注目していた。
「何かあんのか?」
「知らないんですか?」
疑問に思い呟くと、翔琉の隣りにいた女の子が声を掛けて来た。
「今からA-RISEのライブが始まるんです!」
「あ、らいず?」
「A-RISEを知らないの!?人気絶頂の凄いスクールアイドルですよ!」
「お、おう。そういや聞いたことある様な無い様な……」
女の子の勢いに翔琉は少し退がる。そんな2人のやり取りに気付いた歩夢達が近付いて来た。そしてその子の知り合いと思われる子達もやって来る。
「どうかしたの翔琉君?」
「どうしました穂乃果?」
「いや、実は……」
翔琉が状況を説明しようとした時、せつ菜がそれを遮る様に大きな声を上げた。
「うお!?ど、どうしたよせつ菜?」
「も、もしかして貴女達は……!?」
わなわなと震えながら翔琉と話していた少女とその仲間であろう子達をせつ菜は見ている。そんな彼女に気付いた彼女は、にっこりと笑ってから彼らに手を差し出した。
「初めまして!私、μ'sの高坂 穂乃果です!」
女神の名を冠するスクールアイドル・μ'sと翔琉のファーストコンタクトであった────
μ's登場!
ようやく出すことが出来てホッとしています←
これから本格的にμ's編となっていくのですが、内容はスクスタのものと大きく変わります。オリジナル展開になりますが楽しんで頂けると幸いです。
そしてUNVERでは何やら不穏な動きが……。
こちらにも注目していて下さい。
それでは今回はここまで!
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