RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
遅くなりすいませんでしたあああああ!!
あれから数日後。同好会のメンバー達はとある会場に来ていた。今日ここではスクールアイドルのイベントが行われるのだ。規模は然程大きくはないのだが、このイベントにはあのμ'sが参加するということもあり多くの観客が集まっている。
参加スクールアイドルがパフォーマンスを披露していくのを翔琉は観客席から観ていた。どのスクールアイドル達も宝石の様に輝いており、素晴らしい歌と踊りで魅せてくれる。
「次がμ'sか」
次は遂にμ'sの番。生で見るのは彼は初めてであり、かなりワクワクしている様子だ。そして彼女達はステージ並び、穂乃果が一歩前に出た。μ'sの登場に、観客のボルテージは一気に上がっていく。
「こんにちは! 私達はスクールアイドルのμ'sです!」
笑顔で挨拶をする穂乃果。それから彼女達は個人の挨拶、所謂コール&レスポンスを行い、観客との心の距離を詰めていった。翔琉も事前に調べていた為完璧にコーレスをこなしており、何なら他の誰よりも声がデカい。その為周りも少し驚いていた。
「今日は精一杯歌います! だから、みんなも楽しんでいって下さい!!」
穂乃果の声に観客達は応える様、歓声を放つ。
そして遂にμ'sのパフォーマンスが始まった。全てを魅了する可愛らしく美しい歌声と踊りが、会場にいる人達の心を震わせる。誰もが彼女達から目を離すことが出来ずにいた。曲に合わせてコールが飛び交い、μ'sと観客が一つとなって会場を大いに盛り上げる。その様を見て、翔琉も心の底から大きく感動していた。流石はトップクラスのスクールアイドルと云ったところだろう。
「すげぇ……!! これが、μ's……!!」
Aqoursの時に感じたものと想いと同じものが胸に湧き上がり、熱くなってくる。あの日の自分も、きっとこれを感じたに違いない。
μ'sの曲が終わり、遂に虹ヶ咲の出番が回って来た。9人がステージに姿を見せて一列に並ぶ。真ん中に立っているのは歩夢だ。誰をセンターとするかという話の際、翔琉の強い要望もあって彼女がその座を掴むことになった。並んだまま、歩夢はマイクを口元に近付ける。
「皆さん初めまして! 私達は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会です!」
他のスクールアイドル達がグループ名を名乗っていた中、彼女達は学校の名前と同好会であると言った為、観客の中にはどういうことだろうと首を傾げている者もいた。全く統一されていないライブ衣装も他のスクールアイドルとは異質であることを感じさせる。
「私達はグループではなく、ソロでスクールアイドルの活動をして来ました。もちろん、これからもそれを続けていくつもりです」
「けど……」と歩夢は言葉を続ける。
「今日は初めて、みんなで歌います! 私達の大切な人が、私達の為に作ってくれたこの曲を、ここにいるみんなへの大好きの想いを込めて!聴いて下さい───」
───TOKIMEKI Runners!!
曲が始まる。軽快なイントロ、そしてそれに合わせて舞う9人の少女。色もデザインもバラバラの衣装だが、それぞれが輝いてまるで虹の様であった。
μ'sとAqoursから感じたトキメキと輝き。大きく変わった世界の中で、自分の出来ることを探して彼は走り始めた。夢を見つけたことで湧き上がってきた勇気が、仲間達と巡り合わせてくれたのだ。
ワクワクする様な
曲が終わりポーズを決める虹ヶ咲のスクールアイドル達。それを讃える様に、会場では大歓声が沸き起こるのであった。
「みんな、お疲れさん」
イベントは無事終わり、翔琉は仲間達の元に来ていた。
彼の前に、かすみがぴょんっと飛び出す。
「先輩! 今日のかすみんはどうでしたかぁ?」
「最高に可愛かったぞ」
「えへへぇ〜! やっぱりそうですよねぇ〜! かすみんが一番可愛かったですよねぇ〜!」
「あらぁ? なら一番情熱的だったのは誰かしら〜?」
挑発する様に指を唇に当てながら果林が近付く。
「もちろん果林だな」
「フフッ、ありがとう」
「ねえねえ! 愛さんは!?」
「彼方ちゃんも頑張ったんだけどなぁ〜?」
「わ、私も知りたいです先輩!」
更に続いて自分はどうだったかとメンバー達が聞いてくる。曲を作ってくれた、そして誰よりも近くで自分達を見てくれていた彼から感想が聞きたくて仕方ないのだ。
「愛の元気、彼方の優しさ、しずくの真剣さ、エマの癒し、かすみの可愛さ、果林の情熱、璃奈の心、せつ菜の大好き、歩夢の頑張り。全部伝わって来た。俺の胸にしっかりとな」
トンと自分の胸を叩く。彼女達が歌に乗せた想いの全てはしっかりと翔琉に届き、そして会場にいた全ての人々にも届いただろう。
初めてのみんなで歌ったライブ。その結果は大成功であったと言っても過言ではない。彼からの言葉に、みんなは笑顔になった。
「今日のライブが成功したのは、翔琉君のおかげだよ〜」
「俺の?」
「そうです! 翔琉さんのスクールアイドルが大好きだという気持ち……それがあったからこそ、この最高のライブが出来たのです!」
「私もそう思う。璃奈ちゃんボード《サイコー!》」
みんなからそう言われて少し気恥ずかしくなる翔琉。
実際にステージで歌っていたのは9人だが、彼女達は翔琉と共に10人で歌っているつもりだったのだ。きっと誰か1人でも欠けていたら、こんな最高のライブは出来なかっただろう。
「翔琉君がいるから私達は頑張れる。貴方はみんなにとって大切な人なんだよ」
「ありがとう。俺にとっても、みんなは大切な存在だ」
笑い合う彼女達。そこへμ'sの皆が近付いて来た。
「みんな、お疲れ様!」
「おう。高坂達もお疲れさん」
「ねえ、今日の曲って貴方が作ったの?」
真姫が翔琉にそう尋ねる。
「ああ。μ'sから貰ったヒントのお陰で、我ながら最高だって思える曲が出来たよ」
「そう。それは良かった」
「おー、真姫ちゃんがちゃんとお礼言えてるにゃー」
「何か仲良いけど、もしかして真姫、コイツに惚れた?」
「ア、アイドルは恋愛禁止ですよ!?」
「なっ!? そんな訳無いでしょ!? 変なこと言わないで!!」
顔を真っ赤にしている真姫を見てみんなが笑う。
「とても良い曲だったよ! 作詞も天地君が?」
「今回のはな」
「なるほど……初めてであれだけの出来栄え、素晴らしいです」
「ありがと園田。μ'sにも負けてねぇだろ?」
「ええ」と海未は頷き、ことりも「そうだね」と応える。彼が思い込められた曲は、トップクラスのスクールアイドルであるμ'sの皆の心にも響いていた。
「天地君の悩み、解決して良かったわね」
「これもカードの導きやね」
「カードがどうかは分かんねえっすけど、まああん時占って貰ったのは正解やったっすね」
希の占いを受けてなかったら、みんなに悩みを話すことも無く、この曲も誕生してなかったかも知れない。そう考えると希にも感謝せねば。
「またいつか、みんなと一緒にライブがしたいな!」
「良いね。だったらAqoursも、そんで他のスクールアイドルも集めようぜ! みんなで思いっきりライブするんだ、絶対盛り上がる……!」
「それは、スクールアイドルフェスティバルですね!」
せつ菜が興奮して前に出る。
「何だそれ?」
「スクールアイドルによるスクールアイドルの為の文化祭
の様なものです! 去年も大盛り上がりだったんですよ!」
そう言って彼女はスマホの画面を見せて来た。そこには昨年のスクールアイドルフェスティバルの映像が映し出されている。ステージに立つ者達の笑顔は輝いており、それを観る観客もとても楽しそう。
とても強いトキメキを、この映像から翔琉は感じた。
「いつもは夏に行われるんですけど、今年はオリンピックの関係で秋に行われるそうです! どうします翔琉さん?」
「最高じゃねぇか……! 出ようぜみんな!」
「フフッ、翔琉君ならそう言うと思った」
「良いじゃない。楽しそうだわ」
「かすみんの可愛さがまた世の中に広まっちゃいますねぇ〜!」
「うおおおっ! 愛さんも何だか燃えてきたよー!」
どうやら皆、翔琉の案に賛成の様だ。虹ヶ咲の仲間達、そしてAqoursとμ'sとの出会いを経て新たに出来た目標に、翔琉は胸の奥が燃える様な感じがしていた。
みんなで最高のライブを。その想いが彼を、スクールアイドルの皆を魂を震えさせる。
「スクールアイドルフェスティバル……俺達で最高に盛り上げようぜ」
───おぉーーーっ!!
しかしその道に、とてつもない壁が幾つも立ち塞がることを、彼が知るのはそう遠くない未来であった───
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東京郊外にある統合先進装備研究所。そこは厳重な警備がされており、蟻の一匹通る隙も無い程だ。
その施設の中央作戦司令室にはUNVERの堂馬参謀とその部下達がいる。
「進行状況はどうだ?」
「完成度は92パーセント。この調子ならあと数日で完全に完成します」
「それは素晴らしい……」
堂馬参謀は満足気に笑う。
「コレが完成すればウルトラマンなど居なくても、我々人類の手で地球を守ることが出来る。どんな脅威が来ようと、全て殲滅可能だろう」
司令室にある大きなモニターに、とあるモノが映される。
以前、この地球に降り立ったウルトラ戦士・ゼロに酷似したロボット。ゼロのサイバーカード、バラバなどのスパークドールズ、そして鹵獲したキングジョーなどのデータによって生み出された人類最強の機動兵器。人類に敵対する者全てを抹殺するであろう究極の力。
「愚かな上層部もXioも、これを見れば考えを変えるだろう。このウルトロイドゼロを見ればな」
ウルトロイドゼロ。この人類の希望が、災厄を呼び起こすことになるなど、誰も知る由は無かった……。
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カタラは夜道を歩いていた。にこにこと笑いながら、人気の無い道を上機嫌で。明里や翔琉から徹底的に邪険にされているカタラだが、全く気にしていない。そんなカタラの背後に、時空の穴が空いた。振り向くカタラ。その穴から、3人の宇宙人が飛び出して来る。
「久しぶりだな、カタラ」
「これこれは……マグマ星人3人衆じゃないか。どうかしたのかい?」
サーベル暴君の別名で知られるマグマ星人。その中でもエリートであり、とある者に仕えているのが彼ら3人だ。リーダー格であるマグマ星人が、カタラに声を掛ける。
「我らの帝王より通達だ。軍団はいずれ、この宇宙に侵攻する」
「ああ、遂にか」
「貴様が報告した闇の力、嘘偽りではないだろうな?」
「嘘吐く訳無いよ。ボクだって君達の仲間なんだから」
笑うカタラ。実はカタラは、彼らと同じ軍団に属しているのだ。その為マグマ星人3人衆とは仲間なのである。
一応、にはなるが……。
にこにこと笑うカタラを見て、両端のマグマ星人が「ケッ」と苛立った様な仕草をする。軍団の中で……いや、全宇宙の中で最も信頼出来ないのがこいつだと彼らは思っていた。
「それから気に喰わないが、ギナ様より貴様に従う様命令されている」
「へぇー、ギナちゃんからか」
「ッ、貴様ァ……! 様を付けろこの痴れ者がァ!」
1人のマグマ星人が激昂して、サーベルを装備し襲い掛かる。鋭いサーベルの先端が、カタラを串刺しにせんと向かっていた。
しかしそれを、カタラは左手で容易く受け止める。
「何ッ!?」
「もぉ、ダメじゃないか? ボク達は仲間なんだからさ」
「仲間だァ? 貴様の様な奴、誰も仲間だとは思ってないわ!!」
「んー、残念。………じゃあ少し、お仕置きしようか?」
瞬間、闇がカタラを包み込みその姿を変質させた。長く伸びた頭部は2本の角の様な物があり、両腕には鋭い鰭、両肩には天を突く角が生えている。赤と黒の不気味な体色、紫の瞳は、あの最悪のウルトラマンと同じ様に禍々しく釣り上がっていた。
その姿を見た者は、あの究極の存在を思い出すであろう。
「なッ……!? 貴様その姿は……!?」
「フフフッ……さあ、どうする?」
「くっ……!?」
こいつには勝てない。そう感じたマグマ星人はサーベルを引っ込めた。
「うん、物分かりの良い子は大好きだよ」
「……成る程。噂には聞いていたが、まさか貴様だったとはな。軍団の上位にいるのも頷ける」
「それはどうも」
「しかし、かつて数万年の間宇宙を支配した者と同じ存在がただの傘下とは、面白いものだなぁ……──
───レイブラッド星人よ」
リーダーのその言葉に対してカタラは笑う。
何万年にも渡って宇宙を支配し、究極生命体と呼ばれる存在。それと同じ遺伝子を色濃く持つ者。それこそがカタラなのだ。
「ボクはただ、友達を探してるだけなんだ」
「友達……だと?」
「そう。そしてこの地球にはボクの友達になれる似た者同士が2人もいるんだ!」
楽しそうに手を広げて夜空を見つめる。空では不気味に、星が光っていた。
「ね、明里ちゃん、そして翔琉君───」
μ's編、これにて終了です!
ただμ's編とした割にはあまりμ'sと関われておらず……。いろいろと急足になっていて反省してます……。
スクールアイドルフェスティバルという新たな目標を見つけた翔琉達。本来アプリのストーリーでのスクールアイドルフェスティバルは描写的に夏と思われますが、こちらでは秋開催となっています。
そして堂馬により、あの兵器が作成されてしまいます。それが物語にどんな影響をもたらすのか、是非お楽しみに……。
とある軍団による侵攻の開始。更に、カタラの正体が少しだけ判明しました。
あのレイブラッド星人と同種の存在という設定です。
レイオニクスとは違い、同族と言っていい存在です。レイブラッド星人は種族なのか、単体の存在なのかなどが公式で設定されていませんが、本作ではオリジナル設定を用いていきます。
これからどの様な困難が翔琉に待ち受けているのか?
是非お楽しみに。
それではまた次回お会いしましょう。
感想、高評価、質問、その他、ここすき、是非是非お待ちしています!
次回、◯◯◯編。
「胡蝶ノ妄執」