RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
翔琉の操縦するウルトロイドゼロは房総半島・清澄山に到着。怪獣迎撃の為に備えた。するとすぐに、空より2体の怪獣が凄まじい勢いで迫って来た。
昆虫怪獣マジャバ。
火山怪鳥バードン。
2体の怪獣は鎌と嘴をウルトロイドゼロに向けて突進していく。
「よっと!」
翔琉はそれを難無く回避し、そのまま地面に降り立った2体に対してウルトロイドゼロを構えさせる。マジャバもバードンも興奮して暴走状態にある様で、咆哮しながら突っ込んで来た。
マジャバの鎌が振り下ろされるが左腕でそれを防御。ペダニウムで造られたボディはそう易々と攻撃を通すことは無い。動きが止まった一瞬の隙に、マグネリュームメーザーを放ちダメージを与える。
数歩退がったマジャバに変わってバードンが接近。鋭い嘴で串刺しにしようとするがこれを躱し、ウルトロイドゼロは強烈なパンチとキックを喰らわせた。ロボットとは思えないスピーディーな動きで、2体の怪獣に対して完全に優位を保っている。
「にしてもこれ、ゼロが見たらキレそうだし陸が見たらドン引きしそうな見た目してんな本当に……!」
マグネリュームスラッシャーが放たれて2体を切り裂く。どちらの怪獣も強豪であり、しかもそれが暴走してる状態なのだがウルトロイドゼロは問題無く対処しており、マスコミのカメラを通してこの様子を観ている一般市民は歓声を上げていた。これこそ人類を守る力なのだと?
そこへ新たに、3体の怪獣が乱入する。
月の輪怪獣クレッセント。
凶暴怪獣アーストロン。
巨大蝦怪獣エビラ。
奴らも真っ直ぐに、ウルトロイドゼロへの強い敵意を持ちながら襲って来た。
「くっそ! 人気過ぎんだろこのロボット……!」
アーストロンの火炎放射とクレッセントの放射熱線をマグネリュームシールドで防ぎ、解除してから立ち向かう。突き付けられたエビラの鋏を拳で叩き落とし、その顔面に蹴りを打ち込んだ。そして倒れたエビラを踏み、両腕にマグネリュームブレードを発生させてアーストロンとクレッセントに飛び掛かる。ブレードを振り、2体の怪獣を斬り付けていく。
「これって多分メビウスとヒカリのパクりだよなァ? 未来とステラに殺されそうだ……なァ!」
強力な斬撃は2体を大地に平伏せさせた。そこにバードンの火炎放射が放たれる。だがウルトロイドゼロには全く通じておらず、そのまま炎をモノともせずにバードンへと接近していきブレードで頬袋を片方斬り落とした。それにより基部の血管が破壊されて袋内の猛毒がバードンに逆流。ウルトロイドゼロは更に蹴りを打ち込んだ。
バードンは苦しみながら倒れ、身体を痙攣させて泡を吹き次第に弱っていってるのが分かる。後数分もすればその命は尽きるだろうが、それでもバードンはウルトロイドゼロに対して怒りの込められた瞳を向けていた。この兵器に対する途轍も無い憤怒が伝わってきて、翔琉は息を呑む。
「そこまで恨む理由って……ッ!?」
ウルトロイドゼロの背後の地面から、1体の怪獣が飛び出して胴体に噛み付いて来た。
原始恐竜ゴロザウルス。
その鋭い牙と強靭な顎を利用してウルトロイドゼロを噛み砕くつもりなのだ。しかし強固なボディは、その噛み付きすら無効にする。ゴロザウルスの頭を手で掴んで握りしめていき、噛む力が弱まった所でぶん投げた。地面を転がったゴロザウルスだったが、すぐに起き上がってウルトロイドゼロに対して牙を剥く。クレッセント、マジャバ、アーストロン、エビラ、そして虫の息であるバードンも尋常では無い怒りを込めて威嚇していた。
「ったく……何がコイツらをそこまでさせんだよ……?」
理由は解らないが、ウルトロイドゼロへの憎しみが翔琉にも嫌というほど伝わって来る。怪獣達は咆哮と共に、再度ウルトロイドゼロへ襲い掛かるのであった……。
------------------------------------------
モニターでウルトロイドゼロの戦いを見守る堂馬参謀と沙優達と歩夢達。高い性能で複数の怪獣に対しても有利に立ち回っているその姿を見て堂馬参謀は笑みを浮かべている。
「素晴らしい……! 流石は人類を守る切札!! これさえ在ればウルトラマンなど最早不要の存在だ!!」
そんな彼や興奮している彼の部下達に対して歩夢達は不満たっぷりの目線を向けていた。普段他者に対してあまり怒りや嫌悪を向けることの少ない彼女達だが、今回ばかりは込み上げる思いを抑えられないでいる。
「でも、何故怪獣達はウルトロイドゼロをあそこ迄執拗に狙ってるのかしら……?」
「恐らく、怪獣達の狙いはD4かと」
「D4を?」
涼風は沙優にタブレットを見せる。
「気になって調べていたんですが最初のD4の起動実験の後、多くの怪獣の動きが活発になってきていました。ウルトラマンや異次元の技術を利用して造られたD4は規格外の破壊力を秘めたオーバーテクノロジーであり、怪獣達はそれを恐れて排除しようとしてるんだと思います」
「D4を排除……だからウルトロイドゼロを……」
地球の怪獣達にとってウルトロイドゼロは決して許容出来無い存在。全力で排除すべく彼らは躍起になっているのだ。
「隊長、私も急いで戻ってマスケッティで出撃します!」
「それはならん」
紗季に待ったをかけたのは堂馬参謀。
「今回はウルトロイドゼロだけで全ての怪獣を殲滅させる」
「そんな……!」
「怪獣達は凶暴化しています! それが複数いるのに彼1人に任せるなんて余りにも危険です!」
「問題無い。あの程度の怪獣など何体現れようがウルトロイドゼロの敵では無い」
ウルトロイドゼロの強さに絶対的な自信を持っている堂馬参謀は、決して援軍を送らないつもりでいる。それを聞いて虹学の皆も彼に対して激しく抗議した。
「貴方、いい加減にしなさいよ!?」
「それでも地球を守る組織の人ですか!?」
「さっきから無茶苦茶だよ!!」
「こんなの、許されないです!!」
果林、せつ菜、愛、しずくが吼え、他の者達も激怒。大切な友達である彼を、これ以上危険な目には遭わせたくない彼女達は堂馬参謀へ声を荒げる。
しかし彼は、そんな想いすら鼻で笑うだけだ。
するとセンサーが、新たなる敵の来訪を察知した。
「宇宙より、熱源反応が接近中!」
「何ですって!?」
----------------------------------------------
ウルトロイドゼロのキックがクレッセントを吹っ飛ばした。転がったところを更に追撃のマグネリュームガトリングを放つ。苦しみ悲鳴を上げるクレッセント。それを救う様に、ゴロザウルスとアーストロンが突進して来た。
「チッ!」
ブースターを吹かして跳躍し回避。マグネリュームスラッシャーを放とうとする………だがその時、上空より光線と火炎弾、稲妻が飛来した。
「なッ!?」
直撃はしなかったが動きを一瞬止められてしまったウルトロイドゼロ。そこにエビラが飛び付くいて来た。更にマジャバの鎌が背中を切り付け火花を散らす。
「痛っ!? この……!」
エビラを掴み、勢い良く振り返って背後のマジャバに叩き付ける。それから翔琉は上空に目を向けた。空より降りて来る3つの影。
宇宙大怪獣ベムスター。
宇宙斬鉄怪獣ディノゾール。
最凶獣ヘルベロス。
ベムスターは過去にも戦ったことのある怪獣だ。奴らはウルトロイドゼロの……正確にはD4のエネルギーに惹かれてこの地球にやって来たのだ。ベムスターはそれを喰らう為に、ディノゾールとヘルベロスは脅威になるであろうそれを破壊する為に。咆哮を轟かせてウルトロイドゼロに狙いを付ける。
地球怪獣達もそれに呼応する様に吼えた。バードンは事切れたが、それでも5体の地球怪獣が牙を向けている。
「宇宙からも押し掛けとか……モテるロボットも楽じゃ無いなぁ!」
マグネリュームブレードを発生させて構える。
アーストロンが放ったマグマ光線をブレードを跳ね返す。クレッセント、ヘルベロスも光線などで攻撃していくがウルトロイドゼロはシールドを展開で対処。そこへマジャバが鎌を突き出して向かって来た。
「くっそ、があああああ!!」
強烈なパンチを顔面へ叩き込み、マジャバを地面へと伏せる。そして続けてマグネリュームメーザーを放った。メーザーはマジャバの額を貫き、その命を奪う。
残り7体……。そこへ今度はディノゾールが断層スクープテイザーで攻撃。これはディノゾールの舌であり、長さ1万m.細さ1Å(1000万分の1mm)という視認することはほぼ不可能で高い切断力を持っている武器だ。当たればウルトロイドゼロでもどうなるか分からない。
「ッ!?」
しかし翔琉はディノゾールの動きを見て直感で背後に飛んで回避。着地し、それまで居た場所の木々がズタズタに切り倒されたのを見て息を呑む。
「あぶねー……! 当たってたら今頃サイコロステーキにされてたかも、な!」
冗談を言いつつディノゾールへとマグネリュームスラッシャーを飛ばした。光刃は奴の身体を傷付けて後退させる。
エビラ、ベムスターが突っ込んで来た。エビラの鋏を左手で、ベムスターの嘴を右手で掴んでその2体を止め、両者にキックを流れる様に打ち込み怯ませる。退がった2体と変わる様にゴロザウルスが突進。ウルトロイドゼロはそれを両手で受け止めた。
「サシだったら楽だってのに……ちくしょうがぁ!」
ゴロザウルスの頭を掴んだまま持ち上げ、地面に叩き付ける。その後再び持ち上げ、思いっきりぶん投げた。ゴロザウルスはエビラの上に落とされる。
「数多過ぎだろ、嫌になる」
額の汗を拭う。以前ウクバールでも大量の怪獣達と戦ったが、その時はガイアとアグルが居たのでどうにか乗り越えることが出来た。しかし今回は多勢に対して完全に孤軍奮闘状態でありかなり厳しい。
急いで決着を付けないと、待っている歩夢達をより不安にさせてしまう……。そう思った時、頭に声が響いて来た。
───やあ、久しぶりだね翔琉君。
「ッ!? この声……」
───忘れちゃった? 酷いなぁ。ボクだよボク。
「まさか……カタラか?」
───フフッ、正解。
テレパシーで語り掛けて来たのはカタラだ。
「何の用だ? まさか、この怪獣達はお前が!?」
───残念、それはハズレ。彼はウルトロイドゼロが気に入らないから壊しに来てるだけだよ。
「気に入らないだと? うおッ!?」
カタラと話していた所にヘルベロスが噛み付いて来る。寸前で回避し、回し蹴りを叩き込んだ。更にクレッセントとアーストロンが背後より掴み掛かって来た。
「ぐっ!? 気に入らないって、やっぱあのD4とか言うとんでも兵器の所為か!?」
───それは正解だ。地球怪獣からしたらアレは恐怖でしかないからね。そして宇宙怪獣にも。
「とんだ怪獣ホイホイだな……!」
───怪獣を倒す為に造られた兵器が怪獣を呼び寄せる。凄い皮肉だね。確かこの国の言葉だと本末転倒って言うのかな? 地球人って本当に面白いね。
「ムカつくが、お前の言通りだな……!」
2体からどうにか離れ、振り向いてブレードを振り斬り付けた。後退しながらも火炎を吐くクレッセントとアーストロン。ウルトロイドゼロは後ろに飛んでそれを回避する。
「で、本当に何の用だ? まさか、この状況見に来ただけじゃねえだろうな?」
───見に来たのは確かだけど、それだけじゃ勿体無いよね?
「………お前まさか」
───そう、そのまさか。
ウルトロイドゼロのカメラがカタラの姿を発見した。その手にはスパークドールズと複数の怪獣カプセルが握られている。そのことから、翔琉はカタラが何をするつもりなのかを察した……。
「畜生が……!!」
───楽しい楽しい、パーティーを始めようか。
投げたスパークドールズがカタラの力により巨大化。蛇腹の様な身体をした怪獣が大地を揺らす。
髑髏怪獣レッドキング。
猛烈な勢いで駆け出し、ウルトロイドゼロにタックルを喰らわせた。
「がああああ!?」
火花を散らして吹っ飛んだウルトロイドゼロ。カタラは笑いながら更に怪獣カプセルを起動させる。
《ダンカン……!》
《サタンビートル……!》
《ベドラン……!》
《ジーダス……!》
4体の怪獣が現れて吼える。
発泡怪獣ダンカン。
宇宙昆虫サタンビートル。
は中怪獣ベドラン。
海魔獣ジーダス。
轟く咆哮。怪獣達の猛攻が、ウルトロイドゼロに容赦無く襲い掛かっていく。ダンカンが身体を丸めて突撃。腕をクロスして防ぐが数歩後退させられてしまい、そこへ更にジーダスのハープーン舌が伸ばされる。鋭い先端がウルトロイドゼロの胸を狙うが、それを当たる寸前両手で受け止めた。
───あははっ! 流石だね!
「このッ……! ざけんなよ貴様ッ!」
サタンビートルの放つミサイル・幻塵弾、ディノゾールの流体焼夷弾・融合ハイドロプロパルサーが襲って来る。それらはウルトロイドゼロやその足元に着弾し爆発を起こした。衝撃でコックピット内が大きく揺れる。
「ぐっ!? 野郎……!」
いくらウルトロイドゼロが高性能でもこれだけの数相手では無理がある。怪獣達の放つ熱線や火炎、光線が、ウルトロイドゼロを大きく吹き飛ばした。
------------------------------------------------
ウルトロイドゼロと怪獣達の激闘を、明里は部屋のテレビを通じて見ていた。ソファーに凭れ掛かり、足はテーブルの上に置いている。
怪獣達の攻撃はウルトロイドゼロを苦しめてる。忌々しいウルトラマンに似たロボットが滅多打ちにされている様は見てて気持ちが良く、彼女はクスッと笑う。そのロボットを、自分の想い人である翔琉が搭乗していることを彼女は知らない。
《おやおやおや……。何とも無様だねぇ》
「ねー。最強とか言ってたけど、結局ボコボコにされてて本当に面白いよ」
《それにどうやら、あのロボットが怪獣を引き寄せているみたいじゃないか。人間というのは、何とも愚かなことを……》
人類を守る為に造られた兵器が、人類の危機を招いているのだ。滑稽としか言い様が無いだろう。
ベドランとサタンビートルの角による突撃で火花が散り、更にベムスターが突進。最強の力を持つ兵器も、大量の怪獣相手では歯が立たない。
「本当……何処までも馬鹿だよねー、人間って」
───おかあさん……おかあさん……?
───わたしは■■■だよ……?
───■■じゃ……ないよ……?
「…………本当に、馬鹿でしょうもない生き物……」
ポツリと呟いた明里。その背後に、赤と黒の悪魔の姿となった父が立った。
「何? 動きたいの?」
問い掛けに父が応える事は無い。
「引っ込んでて……今ムカつくから」
彼女がそう言うと、父は赤黒い煙に包まれて姿を消す。
妙にイライラして奥歯を強く噛む。忘れた筈……否、無い筈の記憶に何故こんな思いをしなければならないのか。気に入らない……とにかく気に入らない。
テーブルの上に置いてあったリモコンを投げる。リモコンはテレビに映されていたウルトロイドゼロに当たり亀裂を入れた。数度映像が乱れた後テレビはブラックダウン。どうせ結末なんて分かっている。もう見る必要も無い。
《やれやれやれ……。困った娘だ》
「ウザい。消すよ」
立ち上がり、彼女は自分の部屋へと戻っていった。
------------------------------------------------
「があああ!? ちぃ……!」
戦いの場は、勝浦付近に移っていた。怪獣達の猛攻によってウルトロイドゼロは吹っ飛ばされてしまう。
レッドキング、ダンカン、アーストロン、ベムスター、サタンビートル、クレッセント、ベドラン、ディノゾール、ヘルベロス、ゴロザウルス、エビラ、ジーダス。計12体の怪獣から向けられる殺気と長時間の戦闘により、翔琉の精神は着実に擦り減らされていた。
だがそれでも退く訳にはいかない。
ハンドルを再度握り締めて気を張る。
《天地隊員、D4レイを使え》
D4レイ。ウルトロイドゼロに搭載されたその兵器の威力を思い返す。確かにその力を使えばこの怪獣達を一掃出来るかも知れないが、それによる周囲の被害は尋常では無いだろう。ここは市街地であり避難は済んでいる様だが、撃てば人々の住む場所を奪う事になる……そう思うと、簡単にその決断をすることは出来無い。
それにカタラが呼び出したもの以外の怪獣達はこのD4を狙って襲撃して来たのだ。これを撃てば更なる怪獣を引き寄せてしまう可能性もあり、その考えがより撃つことを躊躇わせる。
《撃て、天地隊員。そうすれば怪獣達を殲滅出来る》
「けど……!」
《迷う必要など無いだろう? 人類を脅かす怪獣を殺す事が、お前の使命なのだから!》
スピーカー越しに堂馬参謀の怒声とそれを非難する沙優達の声が聴こえて来る。
撃てば大きな傷跡を残し、撃たなければ怪獣達の力に圧し潰される。どうすればいいのか……迷っている翔琉に怪獣達の遠距離攻撃が飛来していく。ハッとした彼は瞬時にシールドを展開して防御。爆風がそのボディを包む。怪獣達は、更に追撃する為に進み出した。
《翔琉君!?》
響く歩夢の叫び。翔琉はマグネリュームメーザーを横薙ぎに放って怪獣達の足を止める。一瞬の停止だが隙としては充分だ。
《撃て、撃つんだあああああああ!!》
もうやるしか無い。パネルをタッチしてD4レイのロックを解除。そして上から出て来た発射レバーを握りスイッチに親指を添え───
「D4レイ……発射……!」
コンマ数秒のチャージ後、ウルトロイドゼロの胸部より凄まじい極大の破壊光線が放たれた。発射により機体が揺れ、パイロットの翔琉に大きなGが掛かり苦しい表情になる。
光線は12体の怪獣全てを呑み込み、奴らの命を奪う。憎しみと苦しみの断末魔が撒き散らされ、空間に亀裂が走って破れた。大爆発が起き、全ての怪獣は塵芥となり壊滅するのであった……。
「これが……D4レイの力……」
肉片の一つも残すことなく怪獣達は消滅。そして街にも被害が出ていた。これを自分が……犠牲者こそ出ていないが、何だか心苦しくなる。
《やった……! やったぞ!! 我々のウルトロイドゼロが、怪獣を抹殺したぞ!! 我々は、ウルトラマンを超える最強の力を手にしたのだ!!》
堂馬参謀とその部下達の歓喜の声を上げているが、翔琉の耳には入らない。
《翔琉君》
呆然としていた翔琉に沙優が優しく声を掛けた。
「沙優さん……」
《とりあえずお疲れ様。怪我は無い?》
「はい、大丈夫っす」
《そう、良かった。貴方のお陰で怪獣を倒して人々の安全を守る事が出来たわ。ありがとう》
彼の想いを察し、気負いしない様にと沙優は労いの言葉を掛ける。怪獣を殺したのではなく、翔琉はあくまでも人々を守ったのだと。彼女のそんな気遣いに彼の心は少し楽になった。
「ありがとうございます、沙優さん。じゃあ、今から帰還します」
《分かった、気を付けて帰って来なさい。みんな待ってるから》
Xioや同好会の仲間が待ってる場所に帰ろう。みんな心配している筈だから早く戻って安心させないと。
そう思った時、センサーが新たに一つの反応をキャッチした。
「ッ、新しい反応? これは……」
モニターに表示される赤い点。そこには先程までの怪獣達のものと違い、一つの文字が表記されている。
「G……? ────がッ!?」
突如、猛烈な衝撃がウルトロイドゼロを襲った。海面から青白い閃光が飛び出して衝突したのだ。体勢を崩しながらも何とか機体を持ち堪えさせる。
「な、何が!?」
閃光が飛んで来た方向、太平洋側に目線を向ける。剣山の様な物が海面から突き出ており、こちらに向かって来ていた。
「あれは……?」
《翔琉君、今すぐ撤退しなさい!! 急いで!!》
「さ、沙優さん?」
《早く!!》
海面が迫り上がる。大量の水を掻き分けてソレはその全容を見せ、上陸する……。
黒く山の様に大きな身体、長く太い尾、頭部から尾まで並ぶ鋭い大小の背鰭、大地を踏み鳴らす脚、空を切る爪、裂けた口とそこに並ぶ牙、途方も無い怒りを秘めた瞳……。
約65年前、日本に初めて現れた怪獣。
歯向かう全てを破壊し、途方も無い地獄を人々に見せた怪獣。
世界中でその猛威を見せつけ絶望の象徴となった怪獣。
究極の破壊神。そして怪獣王。
世界中の誰もが畏怖するその存在……その名は───
「ゴジラ……!」
───■■■■■■■■■■■ッ!!!
轟く咆哮が、天地を揺らした───
大激闘となった63話。如何だったでしょうか?
ここで登場怪獣を振り返ってみようと思います。
まずはウルトラマンより髑髏怪獣レッドキング。カタラによりスパークドールズから解放されました。
次にウルトラセブンより発泡怪獣ダンカン。怪獣カプセルより召喚。
帰ってきたウルトラマンから凶暴怪獣アーストロンと宇宙大怪獣ベムスター。ベムスターは以前ゼロライブコラボ回にも登場してます。
ウルトラマンTから火山怪鳥バードン。頬袋を斬られたことで倒されてしまいした。
ウルトラマンレオより宇宙昆虫サタンビートル。
ウルトラマン80より月の輪怪獣クレッセント。
ウルトラマンGより昆虫怪獣マジャバ。
これらが登場したこととタイトルからデストルドスの登場を予想した方も少なく無かったのではないでしょうか?
ザ☆ウルトラマンよりは虫怪獣ベドラン。ジョーニアスと戦ったアニメの怪獣では珍しくスーツの作られた怪獣です。
ウルトラマンメビウスより宇宙斬鉄怪獣ディノゾール。
ウルトラマンタイガより最凶獣ヘルベロス。
ベムスターと共に宇宙から飛来しました。
映画キングコングの逆襲より原始恐竜ゴロザウルス。
映画ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決戦より巨大蝦怪獣エビラ。
東宝怪獣からの参戦です。
小さき勇者〜ガメラ〜より海魔獣ジーダス。ギャオスの影響で生まれた凶悪な怪獣が怪獣カプセルにより召喚されました。
合計14体の怪獣と戦い、最後はD4レイで怪獣達を葬り去ったウルトロイドゼロ。しかしそれはあの怪獣王を呼び寄せることになりました……。
満を辞して、怪獣王ゴジラ登場です。
過去に何度か存在を仄めかしてはいましたが、遂に出すことが出来ました。
最強の怪獣であるゴジラを前に、ウルトロイドゼロに乗った翔琉はどう動くのか……?
次回をお楽しみに……。
感想、高評価、質問、ここすき、その他、是非是非お待ちしています!