RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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遅くなった割に短いですがどうぞご覧下さい!


64.王は止められナイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最強の怪獣といえば?

 この質問をされた時、日本人ならまずある怪獣の名を上げ、海外の人も多くがそいつの名を言う。日本海より上陸し、東京を破壊し尽くした怪獣の王。初めて日本に現れた最強の怪獣。そして以降、世界中に恐怖を齎している人類最大の天敵となる怪獣。

 

 

 

 奴の名はゴジラ。

 

 

 

 その正体は水爆実験による放射能を生き残っていた恐竜が浴びて進化した姿、海中に捨てられた放射性廃棄物を食べたり原子力潜水艦の核エネルギーを受けて巨大化した生物、太古にこの地上を支配して来た巨大生物達の王である存在で人間のエネルギー開発により環境破壊に怒り目覚めた等、様々な説があるがハッキリとは分かっていない。

 しかし、この怪獣が他の怪獣達とは一線を画す存在であるのは明らかであり、その犠牲者数は約65年間で数億人にまで上る程。その気になれば、人類など数日の内に滅亡させられるであろうと言われる最強の怪獣こそがゴジラなのだ。

 

 そのゴジラが今、翔琉の乗るウルトロイドゼロの前に姿を見せている。

 

 

「おいおいマジかよ……!?」

 

 

 鋭い目線を向けてるゴジラ。その瞳の奥には怒りの炎が燃え上がっていた。

 翔琉もゴジラのことは知っている。というよりこの地球上でゴジラを知らない者など居ない。怪獣学の授業に置いてまず最初に教わり、その後何度も名を聞くことになる怪獣なのだから。海外でも、ゴジラに関しては必ず学ぶ様になっている。それ程までに奴の存在は知らなくては危険なのだ。

 

 

《翔琉君、急いで逃げて!!》

《いや、これはチャンスだ!! 天地隊員! ウルトロイドゼロでゴジラを殺せ!!》

《無理に決まってるでしょそんなの!? 相手はあのゴジラなのよ!!》

 

 

 無茶苦茶な命令を飛ばしてくる堂馬参謀に紗季が激昂。

 どれだけウルトロイドゼロが高性能であろうと、堂馬参謀以外には勝てるビジョンが見えて来ない。しかし彼は、自分が生み出したウルトロイドゼロが負ける筈など無いと信じて疑っていない。司令室内で、堂馬参謀と沙優達、そして歩夢達の激しい口論がコックピット内にも響いて来る。

 

 睨み合うゴジラとウルトロイドゼロ。翔琉はどうにかして離脱したいとは思っているのだが、下手に動けば強烈な一撃を喰らってしまう可能性も捨てられないので動けずにいた。

 

 

───■■■■■■■■ッ!!!

 

「ッ!?」

 

 

 ゴジラが吼える。その圧はウルトロイドゼロのボディを震わせ、翔琉にも振動を与える。そしてゴジラは大地を踏み締めながら突進を仕掛けて来た。

 

 

《翔琉君!?》

「クソが、取り敢えずやります!!」

《ダメ!! 逃げて!!》

 

 

 沙優が逃げろと叫ぶが、もうこうなってしまったら逃げるのは容易では無くとにかく戦うしかない。猛進するゴジラに向かって半ばヤケクソ気味にウルトロイドゼロはマグネリュームメーザーを放った。メーザーはゴジラの左肩辺りに直撃。

 ………しかし、構うこと無くゴジラは猛進し、その勢いを止めることは出来無い。タックルが炸裂しウルトロイドゼロは後退させられた。

 

 

「くっ!? ぐあああ!?」

 

 

 更に振り回された尻尾が叩き付けられ、ウルトロイドゼロは横に吹き飛ばされる。倒れたウルトロイドゼロに、ゴジラはまた突っ込んでいった。その巨体からは想像出来ないスピードで迫る。

 

 

「このッ!?」

 

 

 ブースターを全開にして地面を滑走し寸前で回避。倒れていた場所にはゴジラによる踏み付けで大きく陥没させられていた。

 起き上がり、ウルトロイドゼロを再度構えさせる。これまで戦ってきたどの怪獣や宇宙人よりも、間違い無く奴は強い。

 

 

「この野郎ぉぉ……!」

 

 

 両腕からマグネリュームブレードを発生させて突っ込み、ゴジラの身体を斬り付ける。素早い連続攻撃は僅かながらゴジラを後退させた。

 

 

「いける……!」

 

 

 一撃一撃のダメージは少ないかも知れないが、何度も喰らわせれば倒す事だって不可能では無い筈だ。そう思い、翔琉は攻めの手を更に激しくしていく…………だが。

 

 

「なッ……!?」

 

 

 首元向けてブレードを振おうとした時、その腕をゴジラは掴み受け止めてしまった。強力な握力で握り締めていくゴジラ。怪獣達の攻撃に耐えていたウルトロイドゼロの装甲が、メキメキと音を立てる。

 翔琉はもう片方のブレードで攻撃し逃れようとするが、腕を動かす前にゴジラの手でそちらも握られ抑えられてしまった。口が開き鋭い牙がメインカメラに映され、翔琉にプレッシャーを与える。どうにか奴の手から抜け出そうと必死に動くが、そのパワーを振り解く事が出来ないでいた。

 

 このままでは殺られる……!

 

 

 

 

 

《キングジョーデストロイ砲、発射!!》

《ファイヤーラドンインパルス!!》

 

 その時、ゴジラの背に二つの光線が直撃し爆ぜた。突然の衝撃を受けて掴んでいた手の力が緩み、その隙にウルトロイドゼロはブースターを全力で吹かして逃げる。

 ハヤテとイヅルがそれぞれスカイマスケッティに乗って駆け付けて来たのだ。

 

 

《無事か、翔琉!?》

「ハヤテさん、イヅルさん!?」

《ここは俺達に任せてお前は逃げろ!!》

「でも!?」

《いいから早く引かんか!!》

 

 

 シャマラの声がコックピット内に響いた。

 

 

《お前が正規のXio隊員なら死なん程度に戦わせる! だがお前は子どもだ! ただでさえどいつもこいつもお前を最前線で戦わせてることに罪悪感覚え取るのに、命懸けさせる様な真似をこれ以上させてたまるか!! 分かったらとっとと引け!!》

「ッ………」

 

 

 彼の言葉を受けて反論出来無くなる翔琉。

 Xioのみんなからしたら翔琉は共に戦う仲間であると同時に守るべき子どもなのだ。これ以上無茶な事をさせて命を危険に晒させたくはないと皆思っている。

 

 

「分かったよ……分かりましたよ……!」

 

 

 そんな事を言われてはもう従うしかない。翔琉はウルトロイドゼロのブースターを全開にして空に飛び上がり、旋回して撤退を始める。

 彼を逃がす為に、ハヤテとイヅルは光子砲やミサイルを駆使してゴジラに攻撃を仕掛け、その動きを牽制していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「怪獣王ゴジラ……」

 

 

 圧倒的な力を持つそれを見ながらカタラは呟く。

 

 ゴジラの存在は異星人達の間でも有名だ。地球怪獣は疎か宇宙怪獣ですら何体も葬って来ている最強の怪獣。この怪獣を操ろうとして幾多の異星人が返り討ちとなり命を落としている。しかしそれでもゴジラの力を求める異星人はあとを絶たない。奴を従えることが出来れば地球侵略の難易度は格段に下がるからだ。

 

 勿論ゴジラ以外にも、脅威は存在しているが……。

 

 

「アレをどうにかしなきゃ、この宇宙の完全侵略は不可能……か。あはは、無理ゲーってやつかな?」

 

 

 困った様に笑うカタラ。所属している軍団が、これからこの宇宙に本格的への本格的な侵攻を開始しようとしているのだが、流石にゴジラ相手では勝てるかどうか……。尤も勝たなければ目的は達成されないのでやるしかない。

 それに、この宇宙にはあの闇の力があるのだ。勝てる見込みが無い訳ではない筈。

 

 

「本当……この宇宙の地球はイカれてるなぁ。………おっと」

 

 

 撤退する為にウルトロイドゼロが飛ぶ。このまま戦っても勝てる可能性は限り無くゼロに近いので逃げるのは正解だろう。

 

 

 だが、それを許すゴジラでは無い様だ……。

 

 背鰭が青白く輝き、奴の身体から円形状にエネルギーの余波が放出され始めた。そしてその目線はウルトロイドゼロが飛び去っていく方向に向けられている。

 これから奴が何をするのか、想像に難くは無い。それを阻止するべく2機のマスケッティが光子砲とミサイルで攻撃するが、全て身体から放出されるエネルギーの余波で打ち消されてしまっていた。

 

 大地が、空が、海が、この星が震える。

 全ての怒りを込めた閃光が咆哮と共に解き放たれ、世界を引き裂いた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全速力で逃げる翔琉。もう数十キロは離れ、離脱は完了したと言っても良いのだが何故か安心することが出来無い。

 

 もっと……もっと速く、もっと遠くへ逃げなければならない。少しでもスピードを落とせば……。

 今改めて、ゴジラに対する恐怖を再認識し胸の鼓動が早くなる。

 

 

《翔琉君避けて!!!》

 

 

 紗季の声がコックピット内に響いた。それと同時に感じた凄まじい悪寒。彼は思わず泊まって振り返り………。

 

 

 

 

 

 

 

 青白い光が視界いっぱいに広がる。

 翔琉が最後に感じたのは、五体が砕け散る様な衝撃だった────

 

 

 

 

 

 

 

 








次回、何を護る為のチカラ



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