RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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あけましておめでとうございます!

年末は以前この作品を盗作した人が八つ当たりをして来たり、怪我で入院したりと大変だったのですが、これからまた頑張って書いていこうと思います。
今年中に完結したい…!

それではゴジラ編ラスト、結末を見守って下さい。



66.無敵ノ怪獣王

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《堂馬参謀! 止まって下さい! 止まって!》

 

 

 突き進むウルトロイドゼロ。それを操る堂馬参謀に対してスカイマスケッティαに乗る紗季が呼び掛けるが彼は止まることなく前進する。

 

 

《くそっ! いっそのこと撃って止めようぜ!?》

《馬鹿! 流石にダメだって!》

《気持ちは分かるけど我慢して!》

 

 

 ハヤテが業を煮やし撃とうかと言うが、流石にそういう訳にはいかない。それに街にはまだ多くの人がいる為、下手に攻撃すれば巻き込んでしまう可能性もある。

 

 ウルトロイドゼロは前へ前へと進行。その中では、堂馬参謀が笑みを浮かべながら操縦桿を握っていた。

 

 

《止まって下さい堂馬参謀!! これ以上の暴走は辞めて───》

「来たか……」

《えっ? 来たって………嘘でしょ……!?》

 

 

 停止したウルトロイドゼロ。そしてその前方には、海より這い出て上陸したゴジラの姿があった。ウルトロイドゼロに反応し、怪獣王は再び現れたのだ。

 

 

「待っていたぞゴジラ。貴様を倒せば私は、ウルトロイドゼロは世界に認められる!! 我々の存在を、誰しもが崇めるのだ!!」

 

 

 ゴジラに向かってマグネリュームメーザーが放たれる。それを横に跳んで躱し、ゴジラはウルトロイドゼロに向けて突っ込んでいった。向かって来るヤツに対し、マグネリュームガトリングが火を吹く。

 

 

《うう……どうすれば……!?》

 

 

 激突するゴジラとウルトロイドゼロ。轟音が鳴り響き土煙が舞う。彼らは周りの被害などお構い無しに戦っており、まだ避難の完了していないこの状況では被害者が出てしまうかも知れない。

 

 

《3人共聞いて!》

《隊長!?》

《全員地上に降りて避難誘導を! 下手に攻撃しても通用はしないだろうし、被害を拡げるだけになるわ。リュウジとザムザも今そっちに向かわせているから避難が完了次第、上空と地上でゴジラを攻撃、撃退後にウルトロイドゼロを停止させて堂馬参謀を拘束するわよ》

 

 

 沙優からの通信に了解と応えた後、3機のマスケッティは地上に着陸。そしてそれから降りた3人は街の人々を避難させる為に駆け出した。

 

 一方ゴジラとウルトロイドゼロの激闘は激しくなる。と言っても、ほぼゴジラが圧倒している状態であった。

 爪がボディを裂き、尾が衝撃を与え、突進が機体を吹っ飛ばす。堂馬参謀は様々な武器を利用して攻撃を仕掛けるが効かないか躱されるかで全て通用していなかった。

 

 

「ぐおおお!? ば、馬鹿な!? 何故!?」

 

 

 翔琉が乗っていた時だってもう少し戦えてた筈。なのに開発者である自分が何故こんなにも追い詰められているのか? 

 短期間とはいえエックスとして最前線で命を張り戦い続けた翔琉と、過去には前線に出てたとはいえもうただ上から命令を出し続けるだけになってしまった堂馬参謀とでは実力が違うということなのだろう。

 

 一旦離れ、マグネリュームメーザーとマグネリュームガトリングを同時発射。ゴジラの胸に命中し爆発が起きる。

 

 

「やったか!? ────何ッ!?」

 

 

 煙りを押し除けながら現れたのは無傷のゴジラ。奴は猛進し、ウルトロイドゼロに強烈なタックルを叩き込んだ。火花を散らしながら、機体は大きく吹っ飛んでしまった。

 

 

「ぐおおッ!?」

 

 

 地面に叩き付けられたウルトロイドゼロ。その衝撃がコックピット内の堂馬参謀を襲う。

 最強にして人類の希望、この地球を守る力である筈のウルトロイドゼロが何故こうも簡単に圧倒されてしまっているのか、彼には理解が出来無いでいた。何故攻撃が効かないのか、どうして勝てないのか? 

 考えても答えが出ない。この力は、この星で最強の物の筈なのに……。

 

 

「ならば……D4レイで!!」

 

 

 起き上がらせ、胸部のD4レイを起動。エネルギーがチャージされていき、周囲の空間が歪む。

 

 

《ダメです堂馬参謀!? 避難が完了してない今撃てば、多くの人が巻き込まれます!!》

「黙れ!! あのゴジラを殺せるなら、多少の犠牲など構うものかァ!!」

 

 

 確かにD4レイならゴジラを倒せるかも知れないが、まだ逃げ遅れた市民がいる中で放てば多くの人が巻き込まれ犠牲となってしまう。だがそんな事お構い無しに、堂馬参謀はエネルギーをどんどん蓄積させていく。対するゴジラは、鋭い眼光をウルトロイドゼロにへと向けていた。

 

 

「さあ、怪獣王よ!! 今日この時が貴様の最期であり、人類がこの星の生態系の頂点に立つ瞬間なのだァァ!!」

 

 

 スイッチに指を掛ける。

 

 

「D4レイ、発───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させるかああああああ!!」

 

 

 だがその一撃が放たれることは無かった。寸前で到着したエックスがウルトロイドゼロを蹴り飛ばし、発射を中断させたからだ。

 

 

「ぐおお!? き、貴様ァァァ!!」

「馬鹿かアンタは!? あんなもん今撃ったらとんでもねぇ事になることくらい分かれよ馬鹿!!」

「黙れぇぇぇ!! 貴様さえ、貴様さえ居なければあああああ!!!」

 

 

 マグネリュームブレードを形成し大きく振るう。エックスはそれを背後に跳んで回避。

 

 

「うおお!? あっぶねぇなぁ!?」

「何故貴様がこの星の希望などと持て囃されている!? 貴様の様な不確定要素は、排除されるべきだろうが!!」

「知るかそんなの───ッ!?」

 

 

 エックスとウルトロイドゼロに向かって、ゴジラが吼えて突っ込んで来る。強烈なタックルが2体を突き飛ばしてしまう。

 

 

「ぐっ!? おのれぇ!!」

「があッ!?」

 

 

 立ち上がったウルトロイドゼロはゴジラに向かって進み拳を放つ。何度も何度も叩き込むが奴には通用していないみたいだ。逆にゴジラの爪や拳によりウルトロイドゼロのボディが更に傷付けられる。

 

 蹴りが炸裂して機体がビルへ叩き付けられた。やはり堂馬参謀ではゴジラを倒すのは不可能な様だ。それでも彼は、何かに取り憑かれたかの様にゴジラに対して向かっていく。

 

 

「くっそ、最悪だろ……!」

 

 

 周りなどお構い無しに戦う2体。戦いと言っても、ほぼゴジラが圧倒していて戦いになっていないが。周囲の建物が破壊され、瓦礫が地に落ちる。

 どちらも止めなければならないのだが、割り込めば両方から攻撃を喰らう事になる。だが放って置けば被害は拡大してしまう。どうするのが最善か、思考をフル回転させていると……。

 

 

「大変そうだねぇ、翔琉君」

「ッ、お前……カタラ!」

 

 

 エックスの近くにあるビルの屋上にカタラが立ち声を掛けて来た。カタラはいつも通り笑顔を彼に向けている。

 

 

「お前、何で此処にいる……? まさか、あのおっさんがウルトロイドゼロに乗ったのって!?」

「あはは、勘がいいね。そう、ボクが彼に進言したのさ。君がゴジラを倒せばいいってね」

「チッ、余計なことしやがって……!」

 

 

 拳を握り怒りを露わにするエックスを、カタラは相変わらず笑顔で見つめていた。

 

 

「本当に面白いよ。勝てる筈も無い相手に、どう考えても被害しか齎さない物で、周りの事を考えずに戦う。それでも平和の為とか地球の為とか叫べるなんて、最高じゃないか」

「………馬鹿にしてんじゃねぇぞ」

「馬鹿になんてしてないよ。それにボクは地球人のことも嫌いじゃないし」

「よく言う……」

 

 

 駆け出してウルトロイドゼロを抑え付けているゴジラに全速力でタックルをブチ込む。急な事で驚いたのか、ゴジラはウルトロイドゼロから離れ数歩退がった。

 

 睨むゴジラに構えるエックス。奴から放たれるプレッシャーにエックスは圧し潰されそうになって来るが負ける訳にいかない。自身に対して一喝した後、彼はゴジラに向かっていく。

 

 

《ULTRAMAN AGUL LOAD》

 

 

 アグルの力を発動。右手から光の剣・アグルセイバーを伸ばし、ゴジラに斬り掛かった。何度も素早く剣を振るって奴の身体を斬り付けていく。ゴジラはそれを受け止める事も躱す事も出来ずにいた。

 

 ───いける……! 

 

 そう思い、エックスは頭部に向けて剣を勢い良く突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「────は……?」

 

 

 しかし、ゴジラはそれを口で受け止めてしまった。

 剣の先をしっかりと咥えたゴジラ。予想外の事にエックスは驚きを隠せない。咥えたまま、ゴジラは首を思いっきり振るってから口を開け、エックスをブン投げてしまう。投げられた彼は、ビルを押し潰しながら地に落ちた。

 

 

「ぐううっ!? 嘘だろ……!?」

 

 

 吼えるゴジラ。先程までの剣撃もまるで効いてない様子。規格外にも程がある。

 

 ゴジラはエックスから目線を外し立ち上がったウルトロイドゼロの方を向いた。もうボロボロで内部の配線などが露出している個所があり、あちこちで火花が散っている。余裕綽々のゴジラとは対照的にスクラップ寸前と言った様子だ。

 そしてコックピットの堂馬参謀もボロボロだ。額からは血が流れており、骨にヒビが入っている場所もある程。このまま続ければ負けは確実だろうが、彼はそんなこと微塵も思っていない。

 

 何故なら、最強の切り札があるのだから。

 

 

「D4レイで……殺すッッ!!!」

 

 

 再びD4レイを起動。何をどれだけ巻き込もうが構わない。ゴジラを殺す、ただそれだけの為にこの一撃を放つ。このウルトロイドゼロこそがこの地球を守る力。それを今、全世界へ証明する為に、目の前の獣を殺すのだ。

 

 エネルギーがチャージされていく。もう邪魔をされることも無いだろう。一方ゴジラも、背鰭を蒼く発光させて力を貯めていた。奴は放射熱線で対抗するつもりだろう。しかしそんなもので、D4レイが破られる筈が無い。

 間違い無く勝てる。そう思い堂馬参謀の口角が上に上がっていく。

 

 

「フハハハハハッ!! ゴジラァァァ!!! 今度こそ、今度こそ貴様の終わりの時だァァァァァ!!! 死ねええええええ!!!!」

 

 

 スイッチが押され、D4レイが放たれる。空間に亀裂を刻みながら向かっていく凄まじい破壊光線。そしてゴジラも、口を開き強烈な放射熱線を放った。

 ぶつかり合う紫電と蒼炎、二つの閃光。その余波は周囲のビルを破壊し、アスファルトを砕き、自動車や瓦礫を吹き飛ばして空間を切り裂く。

 

 

「あれ、絶対不味ッ!! 

 

 

 近付くことが出来無いエックス。どちらが勝ったとしても周りに大きな被害が出るのは間違い無い。彼は余波に耐えながらギリギリまで接近してエックスバリアウォールをドーム状に展開し、自身とゴジラ、ウルトロイドゼロをその中に閉じ込めた。街の人達は巻き込んで居ないので、これでどんなことが起こったとしても一般市民の死者が出ることは無い。

 

 少しずつ押していくD4レイ。このまま押せば、ゴジラを殺せる。

 勝った……間違い無く勝った……! 

 堂馬参謀は喜び、コックピットの中で高らかに笑い声を上げるのであった。

 

 

 

「ハハハ……!! ハハッ、ハァーハハハハハハッ!! 私の、私のウルトロイドゼロの勝ちだ!! ゴジラを倒し、地球を守ったのだ!! もう誰も文句は言えまい!! このウルトロイドゼロと私がいる限り、人類は永遠にこの星の頂点に立ち続けることが出来るのだ!! フハハハハハハハハハハッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 ────ッ!? な、何……!?」

 

 

 しかし、D4レイは逆に押し返されていた。ゴジラの放射熱線が、より太くなっていき、より強く輝いていく。どんどん出力が上がり、D4レイを押していく。堂馬参謀は何度もスイッチを押したりレバーを動かしたするが、そんな事で出力が上がる筈も無い。

 

 

「馬鹿な!? D4レイが負けるなんて有り得ない!? 有り得ない筈だ!?」

 

 

 パニックになる堂馬参謀。だが事実、放射熱線は威力をより増していく。そして遂にはD4レイを撃ち破り、ウルトロイドゼロに強烈な放射熱線が炸裂するのであった。

 

 

「おっさん!? ぐああ!?」

「ぬうッ!? うわあああああああああああああああああああッ!!??」

 

 

 ウルトロイドゼロを起点に起きる大爆発。それによりエックスも吹き飛ばされてバリアに叩き付けられる。爆風は辺りにある物を全て呑み込んでいき、バリアにぶつかった。

 

 

 

 

 バリアが消え、爆煙が晴れた後、拡がった光景は廃墟となった街の一角だった。もしエックスがバリアを展開していなければ、より多くの場所が被害に遭い犠牲者も出ていたかも知れない。

 

 そこに居るのはカラータイマーの鳴り倒れているエックス、両脚の膝から先、左腕の肘から先、そして右腕が肩から捥げて無くなっており、頭部も半分失われている悲惨な姿となったウルトロイドゼロ、そして仁王立ちしているゴジラ。

 

 悠々と立っているそれは、誰がどう見ても今回の勝者の姿であった。

 

 

「ぐぅ…………ば、馬鹿な………有り……得……ない……」

 

 

 こんな状態になってもウルトロイドゼロが負けたという事が信じられない堂馬参謀。彼も血だらけであり、まともに動くことが出来無い。

 そんな彼に、ゴジラが一歩一歩近付いて来る。

 

 

「わ、私……は……人類……を……」

 

 

 ───守る。その筈だったのに。今の姿はただの鉄屑の様だ。それがどうしても信じられない。

 

 ウルトロイドゼロの側で立ち止まるゴジラ。振り上げた足の影が、コックピットのある部分に落とされる。奴はここを踏み潰すつもりなのだろう。それに気付き、堂馬参謀の表情が蒼白となっていく。

 

 

「はあ……!? 嗚呼……嗚呼……!?」

「や、やめろ……!?」

 

 

 エックスもゴジラの行動に気付き腕を伸ばす。だがそれ以上はもう何も出来無いでいた。

 

 

「やめ、ろ……!? 嗚呼……やめてくれぇ……!?」

 

 

 命乞いをするが、そんなものがゴジラに通じる筈も無い。最期の力を振り絞って絶叫する堂馬参謀。

 

 そしてそれを消す様に、ゴジラは足を振り下ろすのであった────

 

 

 

 

 

 

 

 

 数度火花がスパークした後、ウルトロイドゼロは完全に機能を停止。D4をゴジラによって破壊されることになった。

 ゴジラは忌々しい破壊兵器を潰したことを喜ぶ様に咆哮する。そしてその後、奴は立ち上がろうとしているエックスに目線を向けた。

 

 

「くっ……ううっ……」

 

 

 どうにか立ち上がったエックスだが、ダメージが大きく足はフラフラ。これ以上戦いを続けるのは不可能だろうが、それでも彼はゴジラに対して構えた。もしゴジラが暴れたら、更なる被害が発生する。それだけは何としても防がなければならない。

 睨み合うエックスとゴジラ。そして……。

 

 

 

 ───■■■■■■■■■ッ!!! 

 

 

 吼えたゴジラ。それから奴は海に向けて駆けていき飛び込んだ。海を渡り去っていく。膝を付き、エックスはそれを見送ることしか出来無い。

 

 完敗。その言葉が脳裏に刻まれる。

 

 力は通用せず、目の前で命を失った。その事実と途方も無い悔しさが、彼の胸に大きな(しこり)を生むのであった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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《怪獣王ゴジラ、凄まじい力だねぇ》

 

 

 パソコンの液晶に映されたルギエルが下着姿の明里にそう声を掛ける。

 

 

「ねぇー。あの力が有ればウルトラマンも速攻で殺せるかな?」

《ああ。奴ならウルトラマンなど目では無いだろう。捕まえるかい?》

「出来るの?」

《かなり難しいねぇ。以前カタラから貰ったあのカプセルの力を使っても上手くいくかどうか……》

 

 

 そう言うルギエルに「使えないなぁー」と明里は返した。それから彼女は一つの箱を手に取りそれをひっくり返す。中に入っていたのは動物や昆虫などの人形であり、床に散らばったそれらを見て彼女は舌打ちをする。

 

 

《おやおやおや、何だいそれは?》

「あのカタラ(クソ)が置いてったの。本当何のつもりだか」

《成る程ねぇ》

 

 

 しゃがみ、適当に人形を手に取る。

 

 

「ゴジラ、いつか絶対邪魔になるよねー。てか今も割と邪魔。消えてくれないかな」

《簡単にはいかないだろうねぇ。それに───》

 

 

 ルギエルは散らばった人形の中で三つの物に目を向け、明里もルギエルが見ている物に目線を落とした。

 

 

《この地球で脅威(邪魔)になるのは、ゴジラだけじゃないさ》

 

 

 彼女達の目の先にあったのはゴリラと蛾、そして亀の人形だ───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 堂馬参謀はゴジラの出現に気付き、自らウルトロイドゼロに乗って出撃。奴を倒す為に戦ったが力及ばす敗れ殉職。ウルトロイドゼロとD4を破壊され完全に破棄し計画は永久凍結されることになった。

 これが世間に発表された今回の件の顛末だ。

 

 事実を隠蔽して発表したことに対して翔琉やXioの面々は怪訝な顔をしたがUNVER上層部の意向に逆らう訳にもいかず、下手に真実を明かしても混乱を招く危険性だってあると言われ、彼らは渋々その決定に従うことになった。

 

 しかしウルトロイドゼロが周囲の被害を構わずに戦っていたり、エックスにまで攻撃を仕掛けていた事から、UNVERの発表が嘘ではないかと疑う人も少なくなかった。上層部が圧を掛けたことによりマスコミが報道することは無かったが、SNSではUNVERやXioに対して疑心暗鬼な声が上がっている。更に人類の希望とまで言われたウルトロイドゼロやエックスも、ゴジラに敵わなかったということが人々に不安を与えてしまう事態にもなっていた

 

 

 今回の一件は、人々に大きな被害と不安を残すこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 ベランダから夜空を見上げる翔琉。ゴジラに勝てなかったこと、堂馬参謀を助けれなかったこと。この一件で自身の力がまだまだであることを酷く痛感することになった。溜め息が漏れ、気分が落ち込んでいく。

 

 

「翔琉君」

 

 

 そんな彼に隣りから歩夢が顔を出して声を掛けた。

 

 

「この前のことで悩んでいるの?」

「悩んでるっつーか、気分沈んでるっつーか……」

「そっか……。ごめんね、全然力になれなくて……」

 

 

 こうやって話を聞くことくらいしか出来無いことを気にする歩夢。しかし、翔琉にしてみればそれだけでもとても心強いことだった。

 目線を落としている彼女に手を伸ばして頭を撫でる。

 

 

「ありがとな、歩夢。お前やみんなが居てくれるから、俺は頑張っていけるんだ。十分力になってくれてるさ」

「翔琉君……」

 

 

 ふと空を見上げると、時折見ていた夜空の星座の位置が変わっている事に気付いた。季節が夏から移ろっているのだ。

 

 

「夏ももう終わりか」

「そうだね」

「なあ、歩夢」

「何?」

「俺達さ、未来でもこんな風に一緒に居れるかな?」、

「え、ええっ!?」

 

 

 思っても無かった彼からの問いに、歩夢の顔は茹でたこの様に熱く赤くなる。

 

 

「き、きき、きっと居れるよ!! 私も、が、頑張るから……!!」

「ハハッ、そりゃ良いや」

 

 

 彼女の頭をポンと軽く叩く。

 彼女達の為にも、もっと強くならなければ───そう考えながら、彼は胸に闘志を燃やすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗い暗いナニかの奥。

 わらいこえが溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





人類側の完敗となった66話、如何だったでしょうか?
ウルトロイドゼロは破壊され堂馬参謀は死亡。翔琉も容易く遇らわれる結果に。

現状の翔琉ではゴジラに敵うことはありません。もっともっと強くならなければ、その足下にも及ばないでしょう。

そして脅威は、ゴジラ以外にも存在してる様で……。
これからも彼らの苦難は続いていくことになります。


長かった夏も終わり、次回から新学期編。
スクスタで新学期と言えばあのキャラやあのキャラ達が出て来ることになり、翔琉にも大きな壁が立ち塞がります。
彼らがどの様に乗り越えていくのか、是非是非見守っていて下さい。

それでまた次回。
感想、高評価、質問、意見、ここすき、その他、是非是非お待ちしています!

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