RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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とても遅くなってしまい申し訳ありません!

ウルトラマントリガーが最終回を迎えた昨今ですが本作は新章へ突入します!
どの様な物語が紡がれていくのかどうぞお楽しみに!


そしてお知らせですがSu-d様の書かれているラブライブ!サンシャイン!!とウルトラマンネクサスのクロスSS、「模造巨人と少女」にてこの作品の一部シーンが引用されています。
「模造巨人と少女」の主人公が変身するのはまさかのダークファウスト!
本作での怨敵だったファウストが主役の作品に、一体どんな風に引用されているのか是非ご覧になって下さい!

またこれは以前、剛奈がした様な盗作行為では無くお互いに了承し合った上での引用なのでご安心下さい。


それでは最新話、早速どうぞ!





67.ニジガク保育園

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗い部屋の中、1体の奇怪な存在が居た。

 白い身体に黒い縦縞模様。分厚い唇のおかっぱ頭という何とも奇妙な姿をしているその異星人は、大きな光線銃を手にして笑い声を漏らしている。

 

 

「ダッダッ……。これさえ有れば、私の望む世界が……!」

 

 

 それから高らかに笑う異星人。彼の恐ろしい野望が、今動き出したのだ─────

 

 

 

 

 

 

 

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《うーん、守ってくれてるのは嬉しいけど、なんか怪しいっていうかぁ……》

《実際何か隠してそうだもんねぇ》

 

《あのロボットだって絶対暴走してたでしょ。もししてなくてあんな周り巻き込む様な戦いしてたんだったらそれはそれで大問題》

 

《ウルトラマンだって、いつまで地球守ってくれるか分かんないし怖いですよ》

《前にウルトラマンの偽者みたいなのだっていろいろ出て来たし、完全に信用は出来無いかなぁ》

 

《結局Xioもウルトラマンもゴジラには勝てないんだ。人類を守るなんて不可能なんだよ》

《そもそもウルトラマンの正体って何なんですかねぇ? 今まで地球を襲って来た宇宙人と同じなら、信用なんて出来無いよ》

 

 

 前回のウルトロイドゼロの件以降、世間のXio、そしてウルトラマンエックスに対する当たりは強くなっていた。

 

 自分達を本当に守ってくれるのか?

 何か秘密を隠し持っていないか?

 ウルトラマンも侵略者と変わらないのではないか?

 

 不安から身勝手とも取れる憶測まで、様々な意見がSNSやメディアで討論されている。今日もまた、テレビにはXioとウルトラマンを信用出来るのかと話すニュースが流されていた。出演者の殆どが彼らに対して批判的な意見を述べており、その中で流された街頭インタビューでも多くの人がXioとウルトラマンに疑念を抱いていた。

 

 そんなニュースを、虹学内の食堂にあるテレビで翔琉は頭を掻きながら眺めていた。

 今日から新学期が始まり現在同好会のみんなはスクールアイドルフェスティバルについての計画を立てているところ。話し合いもある程度進み、休憩も兼ねてみんなに飲み物を買ってくる為に購買へ向かっていた途中、通り掛かった食堂でニュースを目撃してしまったのだ。

 

 

「まぁ……仕方ねえ、か」

 

 

 食事をしながらニュースを見ている生徒達の反応も様々。ウルトラマンを恐れている様な者もいれば、これは嘘だと思っている者もいる。彼が正義のヒーローなのか、それとも災厄を齎す悪魔なのか……多かれ少なかれ、皆が不安の様なものを胸に抱えていた。

 

 溜め息を吐く翔琉。好き勝手言われているが、あんな事があった以上仕方が無い。

 

 

「おっ、翔琉君じゃーん」

 

 

 そんな彼に声を掛けたのは明里だ。

 

 

「よう、明里」

「何してんのー?」

「みんなの差し入れ買って来たんだよ」

 

 

 手に下げていた袋を見せる。

 

 

「そうなんだー、お疲れ様」

「お気遣いありがと。明里は何してたんだ?」

「特に何も〜。適当にフラフラして、そろそろ帰ろっかなぁって思ってたところ」

「また面倒なナンパに遭うぞ」

「そうなったら翔琉君が助けてくれるでしょ?」

 

 

 首を傾げてそう言ってくる明里に、彼は「そうだな」と応える。困っているなら彼はやれるだけのことは、というか全力で彼女を助けにいくだろう。何やかんや、明里は同好会のメンバーと同じくらいに仲の良い友人と呼べる程になっていた。

 

 

「あ、せっかくだから、スクールアイドルの練習見てみて良い? 何か面白そうだし」

「良いぞ。どうせなら入部するか?」

「うーん、それは遠慮しとこっかな。私も色々忙しいから」

 

 

 そんな話をして笑い合いながら、2人は同好会の部室へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

「そういえば楽しかったねー、夏休みのお出かけ」

「ん? ああ、そうだな」

 

 

 スチール星人シーフが起こしたパンダ消失事件の後、彼らは2人で遊びに出掛けた。澁谷のブティックなどを一緒に見て回り公園でソフトクリームを食べたりして、明里はかなり満足だった様で、翔琉も存分に楽しんだ。

 

 

「あれってさー。周りから見たら、デートとかに見えたかなぁ?」

「あー、かもな。今更ながら、変な噂とかになってなきゃいいけど」

「翔琉君は私と噂されるの嫌?」

「嫌じゃねぇけど、そういうのって面倒臭くないか? 一々周りから「付き合ってんのー?」、「いつからー?」とか聞かれまくるんだぞ?」

「それは確かに鬱陶しいかも」

 

 

 「そうだろ?」と言って来る翔琉。明里自身、彼と噂になるのなら構わない。確かに周囲の人間が変な茶々を入れて来そうだが、ウザかったら殺せばいいだけの話。それにそんな噂が流れてくれた方が少なからず居るであろう彼を狙っている女子に対して牽制出来る。彼に恋しているだろうかすみには少し悪いが。

 

 そんなこんな話していると部室が近付いて来た。もう少しで到着するという時……。

 

 

「へっ?」

「ッ?」

 

 

 扉の隙間、つまりは部室の中から強烈な光が漏れ出した。

 

 

「な、何かな、今の?」

 

 

 困惑してる明里を置いて翔琉は買って来た差し入れを床に落としてから部室へと走る。

 

 

「みんな! 無事……か……!?」

 

 

 勢いよく扉を開けた翔琉。そんな彼の目に飛び込んで来たのは、驚きの光景だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねーねー、おままごとしよー?」

「やりたい! かすみんはアイドル!」

「じゃあ、わたしはアイドルのマネージャーさん!」

 

「あい、お外で遊びたーい!」

「わたしも行きます!」

「わたしは、ご本よみたいなぁ…」

 

「すぴぃ……すぴぃ……」

「ねー、おきてよー」

「むにゃむにゃ……すぴぃ……」

「うーん、おきない」

 

 

「な……な、何だ、こりゃ……!?」

 

 

 彼の目に映ったのはぶかぶかの上着を纏っている9人の幼い女の子達。辺りには服や女性物の下着が散乱している。女の子達の姿や髪の色、そして喋りなどから翔琉はまさかと思いつつも1人の子に近付いて尋ねる。

 

 

「な、なぁ? 君、名前は?」

 

 

 それに対して聞かれた子は、満面の笑みで答えてくれた。

 

 

「うえはら あゆむです!」

 

 

 彼女の言葉で確信。この子達は、同好会のメンバーが子どもになってしまった姿なのだと────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうっすか、涼風さん?」

「ふむ……これは……」

 

 

 翔琉は綾小路 涼風を呼び子どもになってしまった歩夢達のことを調べてもらっていた。Xioのラボチーム所属の彼女だがこの虹ヶ咲学園にも怪獣学の教師として通っており、今日は新学期からの授業時間の確認と調整の為に学園に来ていたのだ。

 デバイザーを操作して歩夢達に何が起こったのかを調べていると、とある事が判明する。

 

 

「これを見て下さい。彼女達の身体を特殊な粒子が包み込んでいます。彼女達の肉体と精神の時間を逆行させて子どもにしたんだと思われます」

「特殊な粒子?」

「タキオン粒子や、場の量子論、CPT定理などの話で長くなりますが聞きますか?」

「あ、遠慮しときます」

 

 

 成績は悪くない翔琉だがそこまでのことを理解するのは簡単では無い。

 

 

「やっぱ異星人の仕業ってやつっすかね?」

「恐らく。子どもにされていたのは天地さんを除くスクールアイドル同好会の生徒達だけで、今のところ他の生徒の被害は無い。そうなるとピンポイントで彼女達を狙ったという可能性もあります。理由は謎ですが」

「ロクでもない理由な気がするっすけどねぇ」

「まあまあ良いじゃない」

 

 

 溜め息を吐いた彼にそう言ったのは母である優里香だ。

 小さくなってしまい、着る物も無い彼女達をまずはどうにかしなくてはと思い、少しテンパりながら翔琉は母を頼った。翔琉に事情を説明された彼女は軽く驚きながらも全員分の服を用意してすぐに学校に駆け付けてくれ、皆をそれに着替えさせてから今は彼女達の面倒を見ている。

 

 

「小さい子の相手なんて久しぶりだけど、貴方と歩夢ちゃんが小さかった頃を思い出して何だか懐かしいわぁ」

「そんな悠長なこと言ってる場合でもないんだけどなぁ……」

「あはは、翔琉君のお母さん面白いね」

 

 

 明里も優里香と一緒にみんなの面倒を見てくれていた。4〜6歳くらいになった彼女が元気に走り回ったりタブレットでアニメを見たりしており、同好会の部室がいつの間にか保育所になってしまっていることに翔琉は頭を抱える。

 すると彼の足下に、小さくなったエマが近寄って来た。

 

 

「お、エマか。どうかしたか?」

Dove siamo?(ここはどこ)

 

 

 彼女の口から発せられたのは異国の言葉に翔琉は固まった。

 普段彼女が流暢な日本語を話していたので忘れかけていたが、エマはスイス出身のイタリア系スイス人なのだ。今彼女が喋ったのは母国の言葉であるイタリア語。日本語を話せる様になったのがいつからかは分からないが、少なくともこの歳ででは無いだろう。

 

 

「………誰かこれスイス語?解る人いる?」

「スイス語という言語は在りませんよ。スイスではドイツ語、イタリア語、フランス語、ロマンシュ語の4つの言語が使われています。ヴェルデさんのはイタリア語ですね」

「4つも言葉あるとか不便そうですねぇ……」

「あらあらどうしましょう? 流石にイタリア語なんて私も解らないしぃ……」

 

 

 スイスの事情に大変そうだと感じる明里と、どうしたら良いかと困る優里香。

 

 

「問題無いです。イタリア語なら私が理解出来ますから」

「えっ、涼風さんマジっすか?」

「ええ。UNVER本部のあるスイスの言語は全てマスターしてますし、他の国の言葉もいくつか話せます。こう見えてマルチリンガルなので」

 

 

 実は彼女、12歳でアメリカの大学に飛び級で合格し、その後最年少でXioのラボチームに正式入隊した天才なのだ。彼女は様々なXioの装備の開発研究をしており、戦力強化に大いに貢献した。

 

 

「涼風さんって、だいぶ凄いっすよねぇ……」

「じゃあ、エマちゃんは綾小路さんにお願い出来ます?」

「ええ、大丈夫です。このデータはラボに送って、博士や水瀬さんに解析してもらいます」

 

 

 デバイザーを操作する涼風。何か元に戻す方法が見つかれば良いのだが……。

 

 

「俺、学校の中見回ってみるっす。もしかしたらこんなことした異星人がまだ中に居るかも知れないですし」

「え、危ないよ翔琉君?」

「大丈夫だって。俺結構強いんだぜ。じゃあ涼風さん、母さん、明里、みんなのこと頼んだ」

 

 

 そう言って彼は部室から出て学内の探索を開始した。彼が出てった後の扉を明里は心配そうな瞳で見つめており、それに優里香が気付く。

 

 

「心配してくれるの?」

「え、あ、はい……」

「ふふっ、ありがとう」

「お母さんは、心配じゃないんですか……?」

 

 

 息子が異星人を探すという危険な行為をしに向かったというのに優里香は落ち着いている。普通ならもっと不安になって落ち着かないものじゃないのかと明里は思っていた。

 

 

「心配はしてるわ。でも、あの“大丈夫”は本当に大丈夫な時のだから、信じて送り出せるの」

「そう、何ですか……」

「ええ。親っていうのはね、子どものことは何となく解るのよ」

 

 

 そう言って笑ってくれる優里香。

 

 親は子どもを理解してくれている。

 その言葉は明里には理解出来無いものであるが、「そうなんですね」と言って彼女に笑い返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さーて、何処に隠れてるやら」

 

 

 校舎裏を歩く翔琉。部活生以外の生徒はほぼ下校しており、その部活をしてる生徒の数も少なくはなって来た時間。ここは隠れるのに適した場所の一つだろうと思い彼は来たのだ。

 

 辺りをキョロキョロと見回すが人影は居ない……と思っていると茂みが揺れた。

 

 

「ッ!?」

 

 

 構える翔琉。すると顔を出したのは白い仔猫。

 

 

「んだよ、びっくりさせやがって」

 

 

 ふーっと息を吐いてから構えを解く。仔猫は人馴れしているのか小さく鳴いた後翔琉の足に擦り寄って来た。しゃがんでから彼はその頭を撫でる。

 

 

「学園に住んでんのか? この辺は危ないから、早いとこ逃げたが良いぞー。─────ッ!」

 

 

 突如、背中をドロリとした感覚が撫でる。即座に立ち上がり振り向いた翔琉。仔猫も同じナニカを感じたのか踵を返して一目散に逃げ出した。

 草花を踏み締めながらこちらに近付いて来る足音が聞こえる。翔琉はソレが向かってくる方向に対して鋭い眼光を飛ばし、エクスデバイザーを手にした。

 

 

 今の感覚、それはあの時に感じたモノと非常によく似ている。そう、あのダークファウストと初めて対峙した時の感覚と。

 

 

 彼の前に姿を見せたのは赤と黒のボディに銀の鉄仮面にドス黒い瞳をした人ならざるモノ。ファウストと似ているが身体の模様が違い、何より角が無い。そして奴よりも、強い闇の力がそのモノからは感じられた。

 

 

「お前、何だ?」

 

 

 翔琉の問い掛けに、ソイツは鼻を鳴らしてから答える。

 

 

ダークメフィスト……

 

 

 悪魔は、翔琉に向かって血色の魔弾を放った───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







次回、「68.嗤う悪魔メフィスト」


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