RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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「トリガー エピソードZ」、私の好きな言葉です。
「ウルトラマンデッカー」、私の好きな言葉です。
「ダイナ25周年」、私の好きな言葉です。
「ギャラファイ3」、私の好きな言葉です。
「虹ヶ咲アニメseason2」、私の好きな言葉です。
「シン・ウルトラマン」、私の好きな言葉です。
「定期的な更新」、私の苦手な言葉です。
「迅速な執筆と更新」、私の苦手な言葉です。

ということで大変お待たせして申し訳ありませんでした……!
諸事情があったりして遅くなってしまいました…。

私の更新が滞っている間にも様々なニュースがあったりしましたが皆様お元気だったでしょうか?

今回から新章に突入します。
遂に本格登場するあの少女。そして大きな試練が、翔琉や仲間達の前に立ち塞がります。

どの様になっていくのか、是非ご覧下さい。








70.ヒスイの少女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オペレーションベースX内の医療施設。そこにあるベッドに翔琉は横になって検査を受けていた。MRIの様な機械に通されていろいろ調べられており、外では沙優、シャマラ、涼風、陽奈が難しい顔をしてパソコンの画面を見ている。

 

 

「異常は無し、ですね」

「そうだな。健康体の、全く普通の人間だ」

 

 

 どれだけ調べても、データは彼が普通の人間であることを示している。以前検査した時と全く同じ結果だ。

 試せる検査はほぼ試しており、こうなると後は解剖して調べるくらいしか残っていない。

 

 ここ連日、ずっと調べられていたからか流石の翔琉も少し不満そうな顔付きだ。

 

 

「まだっすかー?」

 

 

 不貞腐れながらそう聞く。

 

 

「ごめんね、もう少しだけ待っててくれる?」

「………ういっす」

 

 

 また機器が動き出して検査が始まる。少々不服だが彼女達も翔琉の為を思ってやっているのだから断る訳にもいかない。されるがままに目を瞑り、彼はここ数日間の目まぐるしい事態を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は? 中止?」

 

 

 スクールアイドルフェスティバルへの曲の準備をしていた時、穂乃果、そして千歌から複数人で通話出来るアプリを通して電話が掛かって来た。

 

 

《うん。今年のスクールアイドルフェスティバルは中止になったんだって……》

「嘘だろ、何でだよ?」

 

 

 唐突に告げられたスクールアイドルフェスティバルの中止。余りにも寝耳に水な内容に彼は驚く。

 

 

《この前ゴジラが東京に出たでしょ? その時に会場が壊されちゃって、まだ修復の目処が立ってないみたいで……》

《それで、今年は中止にするってなっちゃったらしいの》

「っ……マジか……」

 

 

 彼女達から聞いた理由に翔琉は頭を抱えた。まさかあのゴジラとの戦いがこんな事態を引き起こすことになるとは……。

 

 

「すまねぇ、2人とも」

《翔琉君は悪く無いよ!》

《そうだよ! Xioの人達はゴジラからみんなを守る為に戦ってくれたんだし!》

 

 

 そう言われるが、あの日の真相は堂馬参謀が勝手にウルトロイドゼロを出撃させ、それが原因でゴジラが現れることになった為、完全にこちら側の落ち度なのだ。しかし箝口令がある以上真実を話す訳にもいかず、変に謝り続けるのも不自然なのでこれ以上彼は何も言えなかった。胸の中に、強い罪悪感が湧き上がることになる。

 

 スクールアイドルフェスティバルの為に準備を進めて来たが彼らだがこれでは全て水の泡だ。気にする必要は無いと言う穂乃果と千歌の声も落ち込んでいる様子。

 

 どうにかしたい。そう思い思考を巡らせる翔琉。

 そして彼は、とあることを閃いた。

 

 

「なあ? 俺達でスクールアイドルフェスティバルをすることって出来ないか?」

 

 

 彼の言葉に2人は「えっ?」と漏らす。

 

 

「俺達で会場や人員を準備して開催するんだよ。規模は小さくなるだろうが、やってみる価値はあると思う」

 

 

 こんなことで自分達がやりたかったことを無しにしたくない。尽くせる手を尽くし、スクールアイドルフェスティバルを成功に導きたいと、翔琉は胸の炎を燃やしていた。

 すると電話越しに、穂乃果と千歌の笑い声が聴こてえ来る。

 

 

「な、何だよ?」

《ふふっ、実はね、翔琉君ならそう言うんじゃないかなーって思ってたの》

「え、マジ?」

《うん! だから、簡単にだけどμ'sとAqoursのみんなで会場に使えそうな場所とかリストアップしてみたの。後で送るね》

 

 

 彼女達からの言葉で笑みが溢れる。諦めたくないと思っているのは自分だけじゃなかったという事が嬉しくて仕方ないのだ。

 

 

「ありがとうな。虹学のみんなには俺から伝える」

《うん。スクールアイドルフェスティバル、絶対成功させようね!》

「ああ、勿論だ!」

 

 

 夢への道はまだ終わっていない。みんなの力があれば、きっと叶えることが出来る。そう確信した翔琉はぐっと拳を握り締めるのであった。

 

 

 

 

 

 翌日、このことを翔琉は同好会の皆に伝えた。自分達だけでイベント運営をするというのは難しいことではあるが、諦めたくないというのは皆も同じだ。全員が彼の意見に同意し、それから本来の実行委員会に連絡を入れた。即座に電話する翔琉の行動力に仲間達は少し驚く。

 

 スクールアイドルフェスティバルの発起人である三船 薫子は、現在別件により手伝うことは出来無いが彼らのことを心から応援すると言ってくれた。助力を得られないのは残念だが支持してくれるのであれば答えなければ。そう思い皆は胸の内でやる気の炎を燃え上がらせる。これまでのイベントや参考になりそうなデータを片っ端から集め、μ'sとAqoursとも連携を取りながら、開催の為に全力を尽くしていた。

 

 ここからスクールアイドルフェスティバル開催への道が始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

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「うーん、こことかどうかな? 広さも十分あるし。カリン、会場候補のリスト見せてもらえる?」

「これよ。その会場も追加しといて」

 

「会場スタッフって、何人くらい必要になるかなぁ?」

「会場とか時間とか、どのくらいの規模になるかで変わってくるよねぇ。ええっと前回はぁ……」

「むむむぅ〜……。こうなったらかすみんの可愛さで、100億万人のスタッフを集めますよぉ!」

「そうなったら、観るお客さんが居なくなっちゃう」

 

「歩夢先輩、ホームページのレイアウトを璃奈さんと先日作ったのですがこんな感じでどうでしょうか?」

「凄く良いよ! さすがしずくちゃんと璃奈ちゃんだね!」

 

 

 今日も同好会の皆はイベントに向けて準備をしていた。解散予定日の調整、会場と人員の確保、その他諸々やることは多く大変だが少しずつ、確実に開催への道は進めている。

 μ'sや地元でイベントの運営手伝いの経験があるAqoursの助言もあり、計画は順調であった。

 

 

「ところで翔琉先輩とせつ菜先輩は?」

「せつ菜ちゃんは生徒会の仕事。翔琉君はXioに用事があるみたい。2人とも終わったらすぐに来るって言ってたよ」

 

「お、遅くなりましたー!?」

 

 

 しずくと歩夢が話していたら、丁度せつ菜……否、虹ヶ咲学園生徒会長の中川 菜々が部室に飛び込んで来た。彼女こそ、謎に包まれたスクールアイドル・優木 せつ菜の正体なのだ。

 彼女の両親は厳格な人物であり、漫画やアニメ、そしてスクールアイドルなどが禁止されていた。それでも諦め切れなかった彼女は「優木 せつ菜」を名乗り、周囲に正体を隠しながら活動していたのだ。

 

 

「おっつー、せっつー!」

「お疲れ〜、せつ菜ちゃん」

「慌てなくても大丈夫よ」

「すぐに準備しますね! 少し待っていて下さい!」

 

 

 そう言うと彼女は優木 せつ菜になる為の衣装や道具を持って着替えに向かい、慣れた手付きで変身を遂げてまた出て来た。翔琉を除いたいつもの9人が室内に揃う。

 

 

「失礼します。こちら、スクールアイドル同好会の部室で間違いないでしょうか?」

 

 

 すると直後、1人の女子生徒がノックをしてから部室内に入ってきた。

 

 

「そうですけど、もしかして入部希望!?」

「いえ、違います。こちらに生徒会長の中川 菜々さんが入っていくのを見ましたので」

 

 

 女子生徒の言葉にせつ菜が思わず「えっ!?」と漏らす。

 

 

「何を驚かれているのです? 私は貴女ではなく中川さんに……」

 

 

 せつ菜の顔をじっと見つめた女子生徒は、納得した様に息を吐いた。

 

 

「なるほど。優木 せつ菜さんの正体は中川さんだったのですね」

「い、いや、違うよ!? この人はその……そう、ドッペルゲンガーだよ!?」

「そうそう! ドッペルゲンガーだからそっくりなんだよぉ!」

「どっきり、ドッペルゲンガー! 的な!?」

「歩夢さん、彼方さん、それ何か違います! 愛さんはフォローのダジャレにキレが無いです!」

「彼女は似てるだけで、中川さんとせつ菜は別人よ!」

「ぐ、偶然似てただけだよ〜!」

「うんうん。璃奈ちゃんボード〈あせあせ〉」

「と、ととととととにかく、違いますからね!? ね!? ね!?」

 

 

 一瞬にしてバレてしまったせつ菜の正体。みんなは必死に誤魔化そうとしているが、これでは正解ですと言ってるも同義だろう。

 

 

「皆さん、もう大丈夫です。ありがとうございます。私、優木 せつ菜の正体は生徒会長の中川 菜々です」

 

 

 そう言って一歩前に出るせつ菜。皆の優しさは嬉しいが、バレてしまった以上もうどう取り繕っても手遅れだろう。女子生徒に対して改めて正体を明かす。これにより自分の正体が学内に広まったとしても後悔はしないつもりだ。

 女子生徒は溜め息を吐いてから言葉を紡ぐ。

 

 

「皆さん焦っている様ですが、貴女が何故そんな隠し事をしているのかには興味がありませんから、正体を言い触らす様なことをするつもりは無いのでご心配なく」

「え、そうなの? というか貴女は……?」

「今日は生徒会長にお話があって来ました。私、普通科一年の……」

「あーっ!! 三船 栞子!!」

 

 

 思い出した様に叫ぶかすみ。

 

 

「かすみちゃん、知ってるの?」

「知らないんですか? 結構有名ですよ」

「確か、日本有数の名家、財閥である三船家の出身ですよね」

 

 

 どうやら彼女なかなかの有名人らしく、かすみやしずくは知っているらしい。軽く説明された普通科一年生の三船 栞子は肯定する様に軽く頷いた。

 

 

「三船さん、私に何か御用でしょうか?」

 

 

 せつ菜からの問いに口を開き、彼女を訪ねにここまで来た目的を語り始めた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日のXioでのメディカルチェックを終え、翔琉は小走りで部室に向かっていた。最近Xioに顔を出す回数が増えていてまともに部活に参加出来ていなかった為、急いで行って皆の手伝いをしなければ。彼はそう考え部室への足を速める。

 

 

「着いた着いた」

 

 

 扉の前に到着。スクールアイドルフェスティバルに向けて、今日はどんな話が出来るのかワクワクしながら、翔琉は扉に手を掛けて開いた。

 

 

「悪りぃ、遅くなった!? ……って誰?」

 

 

 勢い良く開けた先に居たのは同好会の9人と見知らぬ1人の少女。振り向いて来た少女は、何やら困惑している様な同好会メンバーとは対照的に冷めた様な表情で目線を翔琉に向けて来た。

 

 

「貴方は、スクールアイドル同好会部長の天地 翔琉さんですね」

「え? ああそうだけど」

「丁度良かった。中川生徒会長……いえ、ここでは優木さんと呼んだ方が良いでしょうか? 彼女だけでなく貴方にも伝えなければならない事ですから」

「は? 生徒会長? 誰が?」

 

 

 ポカンとする翔琉。それを見て少女=栞子は眉を顰めた。

 

 

「………まさか、知らなかったんですか?」

「何が? は? へ?」

「まあ良いです。では改めて……」

 

 

 翔琉の横を通り、扉の前に立って皆の方を栞子は向く。

 

 

「私、三船 栞子は新生徒会長として立候補します。そして私が優木さんに勝って生徒会長になった暁には、スクールアイドル同好会の廃部を検討してます。皆さんにはそれぞれの適正にあった部活を紹介させて頂きますのでご安心下さい」

 

『え、ええぇーーーーーーーーーっ!!!??』

 

 

 皆の驚きの声が部室中に轟く。

 

 

「おい、どういう事だよそれ!? てか、せつ菜が生徒会長ぉ!?」

 

 

 突然の廃部宣言に驚いてる中、別のことでも混乱している翔琉のことを見た歩夢はあることに気付く。そういえば、記憶を失った翔琉にせつ菜の正体が生徒会長である菜々なのだと教えていなかったと。

 

 

「とにかくそう言う事ですので。私はこれで失礼します」

「ちょ、待てよ!?」

 

 

 部室から去っていく栞子。そして残されたのは困惑する10人。

 

 生徒会長選挙と二度目となる廃部騒動。

 これらは彼らの前に立ち塞がる大きな試練の始まりに過ぎないことを、この時は誰も知る由は無かった────

 

 

 

 

 

 

 








70話にしてせつ菜=菜々=生徒会長の図式に気付いた翔琉。
記憶を失って以降、そこの説明が実はされなかったという←

スクールアイドルフェスティバルに向けて頑張ろうとした矢先に現れた栞子により、同好会はまさかの事態に。
果たして彼女達は、この試練を乗り越えることが出来るのか?
そして更に降り掛かる試練とは……?

実はここから同好会的に、そして何より翔琉的に重要な話となっていきますので、皆様是非お楽しみにしていて下さい。

それでは今回はここまで。

「感想、高評価、質問、ここすき」、私の好きな言葉です。
是非是非お待ちしています。


次回、「暗黒のイカヅチ」



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