RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
またまた遅れてすいませんでしたああああああ!!
「まさか、そんなことになってるだなんて……」
その日、ファミレスに同好会の皆とμ's、Aqoursが集まっていた。本来ならスクールアイドルフェスティバルに向けての経過報告会になる筈の集まりだったのだが、話題は先日の三船 栞子による生徒会長選挙実施と同好会廃部宣言についてになる。
「いきなり廃部にするだなんておーぼー過ぎるにゃ!」
「そうだよね。いくら何でも強引だよね」
凛と曜が怒りを露わにする。栞子の理不尽な言い分にはμ'sもAqoursも戸惑いと不満を感じていた。
「それに、頑張っているせつ菜ちゃんから生徒会長の座を奪おうだなんて……」
「大丈夫なの、せつ菜?」
「ご心配ありがとうございます。ですが実際数字を見る限り、実績が落ちてるのは間違いないですから……。」
梨子と果南に心配されるが栞子から言われた通り、最近は生徒会の業務が疎かになっていた。スクールアイドルフェスティバル開催の為に力を入れていたことが原因だろう。
そんなことも有り、理事も生徒会長再選挙を認めたのだ。選挙の結果自分が生徒会長を辞することになったとしても受け入れるつもりではあるが、そうなると同好会が無くなってしまう。それだけは絶対に避けたい。
「それでも、これまでせっつーがやって来たことも否定される筋合いはないって愛さんは思うよ」
「スクールアイドルは高校生活に必要無いだなんて、酷過ぎる。璃奈ちゃんボード〈ぐすんっ〉」
「あの子はスクールアイドルのこともせつ菜のことも、何も理解してないのよ」
「うんうん、せつ菜ちゃんはスクールアイドルしながら生徒会長の仕事も頑張ってきたじゃん。なのにあんな言い方、流石の彼方ちゃんもプンプンだよ!」
スクールアイドルフェスティバルに向けてみんなで力を合わせて行こうという時にこんな事になってしまい、皆から気にするなと言われてもせつ菜は心の底から申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「皆さん、本当にありがとうございます。何にせよ、同好会を廃部にさせる訳にはいきませんので、今回の生徒会長再選挙、全力で挑むつもりです」
「私達も全力でサポートするよ!」
「わたくし達も何か協力することがあれば手伝いますわ」
「うん。ことり達のことも頼ってね?」
「それはそうと、あれは何なのよ……?」
にこが目線を向けた方に皆も注目する。そこに居たのは、狂った様にやけ食いしている翔琉の姿があった……。
「くっそ……あの女ァァ……! 好き放題言いやがってぇ……!」
ナイフを突き刺したステーキを喰い千切り、水を勢い良く流し込む。彼の前には大量の空いた皿や鉄板が重ねられ、料理の乗った皿もあるがまだまだ食べる気らしく店員を呼ぶ為のベルを押す。
「か、翔琉さん、怖いよぉ……!」
「恐ろしい食欲ずら……!」
「先輩、落ち着いて下さい!?」
「た、食べ過ぎは身体に良くないですよ……!?」
ルビィと花丸が怯え、しずくと花陽が心配するが、翔琉の暴食は止まらない。更に追加注文をした後に再びがっついていく。
「選挙だの同好会廃部だの、舐めたこと抜かしてんじゃねぇってんだよ畜生めがッ……!!」
目の前のパンに手を伸ばすが、それを歩夢が皿ごと取り上げた。
「あ、おい」
「もう、少しは落ち着いて!」
「歩夢の言う通りだぞ、かけるん」
ふと周りを見ると皆が心配や不安を込めた様な目で自分のことを見ていた。この軽率な行動の所為だと理解し、翔琉は皆に頭を下げる。
「すまねぇ、みんな……」
「良いわよ別に。アンタが怒りたく気持ちも分からなくは無いし」
にこの言う通り、こんな事になった以上彼が怒り心頭に発するのも無理はないだろう。兎にも角にも、この状況を何とかしなければならない。
「俺達は暫くせつ菜の選挙の方に力を入れたいって思ってる。だからその間、スクールアイドルフェスティバルのことはμ'sとAqoursのみんなに任せてもいいか?」
「うん、大丈夫! 穂乃果達に任せて!」
「困った時はお互い様、だからね!」
穂乃果と千歌がそう言って笑顔を見せてくれた。それぞれのリーダーの意見に、周りの者達も賛成らしく笑みを浮かべている。
虹学の皆はせつ菜……菜々が選挙で勝てる様にサポートし、μ'sとAqoursはスクールアイドルフェスティバルの準備を進めていくということで暫くの方針は決まった。
「でも翔琉君、最近Xioの方も忙しいんじゃないの?」
「大丈夫大丈夫。学業優先だしさ」
「にしても、翔琉君がXioのメンバーって知った時は驚いたなぁ」
「そうねぇ。アンタちゃんとやってんの?」
「失敬だなぁザーヤワ先輩。これでもバリバリ役に立ってんっすよ」
何故なら最前線で戦っているのだから。
なんてことは言えないので適当に笑って茶化す。「誰がザーヤワよ!?」というにこのツッコミは鮮やかにスルー。
選挙とフェスの準備でこれからまた大変になっていくのは間違いないだろう。でもみんなで夢の舞台を作り上げる為にも立ち止まってはいられない。
「なら、一丁気張っていこうか!」
『『『おーーーっ!!!』』』
翔琉の号令に併せて、みんなで拳を突き上げるのであった。
因みに翔琉のお代はとんでもない額になっていてみんな驚き、それを彼がさらっと払ってしまったので更に驚くことになった。
-----------------------------------------
渋谷のスクランブル交差点。多くの人が行き交うその中心にカタラは立っていた。片手には一つのスパークドールズが握られており、もう片方の手には新聞紙がある。
新聞の日付は18年前。スパークインパクトについて書かれている記事であった。カタラはその記事に目を向ける。
「この日ここに落ちたモノ。それを追って光の巨人は顕れた……らしいね」
記事の最後に書かれていた「なお、この事件の際東京にて光る巨人を目撃したと証言する人が複数人居るが、記録には一切残されていない」という短い文をカタラは目を細めながら読んだ。そしてにっこりと笑う。
「スパークインパクトの原因はまだ分からないけど、巨人の正体は翔琉君と融合する前のエックス。まあ、彼の経歴が間違ってなければだけど」
右手のスパークドールズに、カタラから闇の力が送られていく。そしてその瞳が赤く輝いた。異様な光景だが、周りを行き交う人々はそれが目に入って無いのか見向きもせず歩いている。
「ちょっと調べてみようか。18年前へ」
スパークドールズ・タイム超獣ダイダラホーシから咆哮が轟いた後、光と共にカタラの姿は消えた。ダイダラホーシの時間移動能力を強制的に発動させ、カタラはスパークインパクトが起きた過去へと飛んでいったのだ……。
---------------------------------------
オペレーションベースX司令室内で隊長の沙優はタブレットをじっと見つめていた。
「隊長、何見てるんです? って、また翔琉君のデータですか」
それを紗季が覗き込む。
沙優が見ていたのはこれまで調べた翔琉の身体データ。内容は何の変哲も無い物であり、多少背が高い以外は至って普通の男子高校生でしかない。何故常人離れした身体能力を持っているのか?何故異常な回復力を持っているのか?そして何故ウルトラマンエックスに変身出来るのか?
どれだけ調べてもその答えはこのデータからは何一つ解明されなかったが、それでも何か手掛かりはないかと彼女は見ていたのだ。
「何というか、もう奇跡の力としか言うしかないんですかね。そうでもなきゃ説明付きませんし」
「確かに。でもそれだけで済ませるのも良くない気がするのよねぇ……」
椅子の背もたれに身体を預ける。
奇跡、不思議な力。そんな言葉で片付けられる物なら良いであろうが、どうもそれをしてはいけない気がする。彼に隠された何かが、彼自身を苦しめてしまう事にならないかと心底気掛かりであった。
そんな時、室内のアラートが鳴り響く。
「どうしたの!?」
「正体不明のエネルギーを感知したよ!」
「もの凄い出力のエネルギーだよ!」
ミキリとミハネによりモニターに映されたのは渦巻く黒雲。漆黒の雷が迸っており、見る者に禍々しい印象を与える。
そして黒雲から、螺旋を描きながら闇の稲妻が大地へと落ちた。
「何だアレは!?」
「まさか、またファウストか!?」
「いえ、ファウストが怪獣を凶暴化させる為に放っていた闇やダークフィールド構成時に発せられるエネルギーとは別種の物の様です。スキャンしましたが性質や出力が異なります」
「翔琉が話してた、ファウストと同族と思われるメフィストと云う奴の可能性もあるがぁ……ここまで違うとなるとそれも無いだろう」
涼風とシャマラ博士が闇の稲妻を冷静に分析していく。これまでのファウストや新たに翔琉から聞いたメフィストとは違う何かによってこれは起こされている様だ。
「地底に熱源を感知!」
「何かが出て来るよ!」
大地が震えて稲妻が落ちた道路が盛り上がり亀裂が発生。パニックになる人々。そしてアスファルトを引き裂いて、黒い巨体が青空の下に姿を現した。
両腕と両肩から伸びた鋭い刃が天を突く。エックスが初めて戦った怪獣デマーガに酷似しているが、表情は酷く歪み凶悪なものになっており、瞳は正気を喪失したかの様に赤く輝いている。
怪獣は禍々しい咆哮と共に放たれた火焔光線はビルを吹き飛ばしてしまった。
「あれは、デマーガ!?」
「似てるっす……! まさか、地底で眠っていた個体がさっきの稲妻で起こされて、強化されたってことっすか!?」
「だろうな。先程の、ダークサンダーエナジーとでも呼ぶべきか、それを受けて強化されたデマーガ……ツルギデマーガとでも呼ぶべきか」
博士により名付けられたツルギデマーガは、腕の刃を振るってビルを斬り裂き倒す。
「ハヤテ、イヅル、紗季! スカイマスケッティで出動! 博士はダークサンダーエナジーの解析を、陽花と涼風は怪獣の解析を急いで!」
『『『了解!!』』』
デマーガを超える凶暴さを見せつけながらただひたすらに暴れ、それを止める為にXioも行動を開始するのであった─────
----------------------------------------------
「歩夢? おい、歩夢?」
「へっ!? ど、どうかした翔琉君?」
「いや、なんかボーッとしてたからよ。大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫だよ!」
ファミレスを出て解散したスクールアイドル達。同好会の皆は帰路に着いていた。他愛の無い話をしながら歩いていた時、あの闇の稲妻が彼らのいる街に落ちてきてしまった。
「な、何!?」
「うわああ!?」
「ひゃああ!? か、雷……!?」
「愛さん、大丈夫?」
「何ですかさっきの!?」
「雷!?」
「か、翔琉君!?」
「まさか……!?」
大地を割って現れたツルギデマーガが暴れ、街中がパニック状態になっている。同好会の皆も驚愕し恐怖していた。特に雷が大の苦手である愛はしゃがみ込んでしまっている程だ。
「みんな急いで避難しろ」
「翔琉先輩はどうするんですか……?」
「逃げ遅れてる人達避難させてくる」
「き、危険だよそれは!?」
彼方にそう言われるが、翔琉は構わず駆け出した。急いで奴を止めないと、被害は更に拡大していくことになる。それだけは何としても防がなければならない。
「翔琉君!!」
そんな彼の背に、歩夢が声を掛けて足を止めた。
「歩夢……」
「いってらっしゃい。気を付けてね」
「───応、いってくる!」
彼は再び走り出した。
それと同時に現場に到着したスカイマスケッティ3機による攻撃が開始される。光子砲とミサイルが放たれるがツルギデマーガには全く通用しておらず、強烈な熔鉄光線を放ってマスケッティへ反撃していく。
ある程度走ってから足を止めた翔琉はエクスデバイザーを取り出した。するとそこに通信が入る。
《翔琉君、聞こえる?》
「沙優さん。丁度今から行くところっすよ」
《それなんだけど、翔琉君は変身するのを待ってて欲しいの》
予想してなかった言葉に彼は驚き少し戸惑った。
「な、何でっすか? 急いでアイツ倒さねえと街が……!?」
《ツルギデマーガ……あの怪獣の呼称なんだけど、その誕生原因からして何か嫌な予感がしてならないの》
「原因って、さっきの黒い雷?」
《見たの?》
「ええ、結構近くだったっすから」
その返しに「そう……」と呟いてから沙優は少し黙ってしまう。
「沙優さん?」
《あの雷、ダークサンダーエナジーは危険よ。あれが何かはまだ分からないし、ただの勘でしかないけど貴方が戦いに向かうのはべきでは無いと思うわ》
「勘って……そんなこと言ってる場合じゃないでしょ……!」
《とにかく、博士達の解析が終わるまで変身はしないで避難誘導をして。決して戦ってはダメよ。これは命令です》
「そんな……」
嫌な予感だの勘だの、そんな曖昧な理由で戦うのを止められることに納得いかない翔琉。Xioの仲間達の実力は十分に理解しているが、それでも自分が戦線に立った方が確実に良い筈だ。
そう思っていた時、上空で大きな音が響いた。見上げると、紗季の乗るマスケッティγ機がツルギデマーガの熔鉄光線を受けてしまい、火と煙を後部から発しながら墜落しそうになっていた。
────きゃああああああ!?
耳に響く紗季の絶叫。そんなものを聴いて何もしないなんて彼に出来る筈が無い。
「沙優さん……悪いけどやるっす!」
《ちょ、翔───》
通信を切り、翔琉は迷わず上部スイッチを押す。そしてデバイザーを天高く突き出した。
《X UNITED》
「おらああああああッ!!」
気が付けば今日で虹アニメが終わり、来週にはギャラファイが終わり、そして再来週にはデッカーが始まりますね。
いろいろとドキドキです。
初の同好会、μ's、Aqours勢揃い。
暗躍を始めるカタラ。
ダークサンダーエナジーの飛来。
ツルギデマーガの登場。
そんなこんなあった71話目、如何だったでしょうか?
ダークサンダーエナジーとツルギデマーガと来れば……皆様アレをご期待かも知れませんが果たしてどうなることやら。
次回はvsツルギデマーガ、そして生徒会長選挙と激戦になりそうです。次回もまたよろしくお願いします。
感想、質問、高評価、ここすき、私の好きな言葉です。是非、お待ちしております。