RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
コラボ4話目。遂に揃った3人の主人公。
果たして彼らはグア軍団に勝てるのか?
早速どうぞ!
オペレーションベースXのXio司令室内で沙優達はグア軍団と戦う3人のウルトラマンを見ていた。
現場には紗季、イヅル、ハヤテがそれぞれマスケッティに乗って急行している。
「新たなウルトラマン……」
「これは……凄まじいな……」
ヒーロー達の戦いに圧倒される。彼らはグア軍団に対して一歩も引く事なく立ち向かっていた。
《凄い……! やっぱりウルトラマンは凄い!》
幼い頃、スパークインパクトの際にウルトラマンに助けられたという紗季。自分にとって命の恩人と言える存在がこうして集結して目の前で正義の為に戦っているという事実に胸が熱くなっていた。
「3人ともウルトラマン達を援護。グア軍団をここで壊滅させるわよ」
沙優の指示を受けて3人は「了解!」と返す。軍団の中核であるモルド、ギナ、ジュダの三兄弟が揃っている今の内に撃破してしまおうという魂胆なのだ。
「勝てる、でしょうか?」
「…………ここで勝つわ。必ず」
何かは分からないが嫌な予感していた。確証は無い。しかしここで奴らを倒さなければ………。膨らむその予感は、彼女に少しの焦りを与えるのであった。
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目の前に降臨した新たなウルトラマン。それにエックスは驚き、オーブは喜んでいた。
「アンタは……」
「俺はウルトラマンギンガ、一条 リヒト。アンタの仲間だ」
「待ってましたよリヒトさん」
「主役は遅れて来るからな。最高のタイミングだったろ?」
そう言ってからオーブの肩を軽く叩いた。「全く……」と少し呆れながらも彼は再会を喜ぶ。そして3人のウルトラマンは突然の事で混乱しているグア軍団達の方に目を向けた。
「ジュダ、無事か!?」
「ぬ、ぬうぅぅ……! すまない、兄上達よ……」
「おのれぇ……! よくも!」
弟をこんな目に遭わせたギンガに対して怒りの視線を飛ばすモルドとギナ。バゼリアとナックル星人もウルトラマン達に対して構え、それに対して彼らも構えを取った。
「2人とも、まだやれるな?」
「もちろん!」
「舐めんなよ」
「
駆け出す3人。グア軍団も対抗して走った。
ギンガは飛び込み、ギンガハイパーパンチをモルドへと放つ。その一撃は回避されるが、ギンガは直様回し蹴りで追撃。モルドはそれを掻い潜り戦斧を振るうがギンガは上半身を反らせて避けた。
その後も互いに攻撃と回避を繰り返し、一歩も譲らない戦闘が繰り広げられる。
「フンッ!」
「ハァ!」
光の槍・ギンガスパークランスを召喚。互いが振るう槍と斧がぶつかり合い、激しく火花を散らす。
どちらも武器を振るうスピードは互角。そうなるとリーチの長いギンガが多少有利となっていた。モルドが懐に入るのを巧みな槍術で防ぎ、隙を見て奴の肩口を突いた。鎧に火花が散り蹌踉めくモルド。それを見たギンガは身体中にあるクリスタルを黄色く輝かせて右腕を挙げる。その先には、銀河に似た電撃の
「ギンガサンダーボルト!」
腕を振り下ろしその渦をモルドへ叩き付ける。腕をクロスして防ごうとしたモルドだが、その威力に押されて数歩後退。
「痺れただろ? 文字通りな」
ギンガは続けてギンガスラッシュを連射する。そこへハヤテの乗るスカイマスケッティが飛来。ミサイルを足元へ撃って更にモルドの体勢を崩した。マスケッティの方を見て軽く頷いた後、隙だらけとなってしまった奴へ光のエネルギーを穂先に集中させたギンガスパークランスを突き付けた。
「グゥうううッ!?」
強烈な一撃で火花を散らせながら、更にモルドを後退させた。
オーブカリバーが重い斬撃がバゼリアを斬り裂く。強烈な一撃を受けて後退していったバゼリアだが、何とか持ち直して頭頂部の花弁より毒霧・バゼリア風を放った。これでオーブを苦めてやろうという算段だ。
しかしそんな単純な手が通じる様な彼では無い。オーブカリバーのサークルを回して風のエレメントを輝かせる。
「オーブウインドカリバー!」
剣を振るう事で発生した竜巻は毒霧を消し飛ばし、バゼリアも呑み込んで空へと吹き飛ばす。トドメの斬撃を喰らわせようとするが、ギナがオーブカリバーにバットウィップを巻き付けてそれを阻止した。
「調子に乗るなよ!」
接近し貫手を顔面目掛けて放つギナ。掻い潜る様にそれを回避して剣から鞭を振り払う。更にギナは蹴りを放って来るがそれもオーブカリバーで受け止めて払い、跳び上がってから一気に振り下ろす。直撃こそ躱さたが、地面に叩き付けた時の衝撃だけでも彼女を怯ませて下がらせた。
「ううッ……!? おのれぇ!」
「ぎぃやぁッ!?」
飛ばされていたバゼリアがギナの側に落下。オーブは2体に対して改めて剣を構える。ギナと立ち上がったバゼリアが彼に向かって走ろうとするが、そこに複数の光弾が飛んで来て彼女達に炸裂した。紗季が乗るスカイマスケッティからの援護である。
《一眞君! 援護するわ!》
「ありがとうございます! やっぱこれ、凄く良いな」
共に戦ってくれる仲間の有り難みを感じながら、オーブは剣を手に彼女達へと跳び掛かった。
ジュダの振るうバットキャリバーを躱してエックスはタックルを咬ます。ギンガとの戦いで疲弊してはいるが、宇宙の帝王と呼ばれた実力は伊達じゃない。タックルを喰らっても直様剣を振るって反撃した。
「危な!?」
「死ねぇ!!」
鋭い剣技。エックスは何とか躱しているがかなりギリギリだ。そこへ更にナックル星人が突っ込んで来た。
《ULTRAMAN MAX LOAD》
「フッ!」
咄嗟にウルトラマンマックスのカードを読み込む。超高速移動・コメットダッシュを発動して彼らの攻撃を回避。消えたとしか思えない動きに、ジュダもナックル星人も困惑する。
エックスはそのまま、何度も超高速で2体に突撃して翻弄しながら攻めた。
「ヌウッ!? ぐううッ!?」
「ぐああ!? ど、何処行った!?」
《CYBER Z-TON ARMOR ACTIVE》
「ここだ」
声のした方に振り返った2体。そこに居たのはゼットンアーマーを纏ったエックスの姿。彼は腕からゼットン光弾を連射。更にイヅルの乗るスカイマスケッティがキングジョーデストロイ砲を放つ。ジュダもナックル星人もその攻撃を受けて後退させらてしまった。
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「うーわっ、また出た」
リビングのテレビに映った3人のウルトラマンとグア軍団の戦いを明里は面倒くさそうに観ていた。ただでさえ鬱陶しいウルトラマンが更に増えて、本当に辟易している。
彼らは見事にグア軍団を追い詰めており、それを見てるだけで明里は不機嫌になっていった。
「ねえ、ルギエル」
《おやおやおや、どうかしたかい?》
ルギエルが彼女の呼び掛けに応えて隣りに現れた。
「アイツらのこと、何か知らないの?」
そう言われ、3人のウルトラマンを順に見る。エックスからオーブ、そしてギンガに────
暫く見つめた後、ルギエルはこう答える。
《いやぁ……知らないなぁ》
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ウルトラマン達の攻撃で後退を余儀無くされたグア軍団。そんな奴らをギンガ、エックス、オーブの3人のウルトラマンと3機のマスケッティが並んで見据える。
「決めるぞ」
「OK」
「はい!」
《解き放て、オーブの力!!》
それぞれが力を込め、奴らを確実に倒す為の必殺技を放った。
「ゼットン火炎弾ッ!」
「ギンガサンシャイン!」
「オーブスプリーム、カリバァァーー!」
1兆度にも達する業火球。桃色に輝きながら両手より発せられる破壊光線。全てのエレメントを解放した聖剣を大きく振り回し、突き出した剣身より放たれる最強の必殺光線。
彼ら3人の必殺技、そしてXioのマスケッティより放たれる攻撃が、グア軍団を襲う。
「ギナ様ぁ……!?」
「ぬううう!」
攻撃の前に、バゼリアとナックル星人が飛び出してモルド達の盾となった。強烈な必殺技をまともに受けた2体は断末魔を上げる間も無く爆散。爆風は奴らを圧す。
「ンンッ!?」
「グッ、おのれよくも我らの配下を!?」
ウルトラマン達は前に出て再度構える。
「もう一発ブチ咬ましてやる」
「ええ、行きましょう」
今度こそトドメを刺す為に、彼らは三軍神に向けて駆け出した。
その時である。漆黒の雷を纏う暗雲が、グア軍団の上空に現れたのは。
「何だあれは!?」
《ダークサンダーエナジー!?》
《嘘だろ、こんな時に……!》
「最悪だ……」
「来たかァ……!」
三軍神はそれぞれ武器を天に掲げる。するとそこへ向けてダークサンダーエナジーは降り注いだ。暗黒の雷を受けながら、奴らは高らかに笑う。
「フハハハハハッ! この力! これを求めていたのだ!」
「まさか、翔琉さんの宇宙に来た理由って……!」
《ダークサンダーエナジーが目的だったのか!》
闇の力を得て三軍神は強化され、ウルトラマン達へ向い走り出した。
ギナが連続で振るうバットウィップがオーブを襲う。彼はオーブカリバーから光の盾・カリバーシールドで防ぐが、その威力に押されていく。
「アハハハハッ!」
「グッ!? くうッ!?」
手刀を振り光波を放つ。それを受けてカリバーシールドは破られ、オーブは吹き飛ばされてしまった。
襲い来るバットキャリバーをギンガは躱していくがジュダの猛攻は止まらない。ギリギリで何とか避けれていたが不意に放たれた蹴りが腹部を捉え、ギンガは身体をくの字に曲げる。
「があ!?」
「先の借りを返してくれるわァ!」
左手でギンガの首を掴み投げ飛ばす。そして追撃にバットキャリバーより破壊光線を放った。直撃を受けたギンガは吹っ飛び地面を転がってしまう。
ゼットン光弾を連射するが、モルドはそれを全て受けながらも一切気にする事無く突っ込んで来た。
「何!?」
「ヌゥハハハハハハッ!!」
モルドのバットアックスによる攻撃をエックスはアーマーを纏った腕で防ごうとしたが止め切れず、アーマーには深い傷が刻まれた。続けて振るわれた一撃が胸部に炸裂し、アーマーはデータとなって消滅。
「痛快! 痛快!」
何度も戦斧が振るわれてエックスの身体を傷付ける。以前戦ったツルギデマーガと同じくダークサンダーエナジーを纏った攻撃。凄まじい、あの時と同様の激痛が身体中を襲った。
「ぐおおッ!? があああああッ!?」
蹴りを受け、戦斧の柄を叩き付けられ、頭を掴み引き寄せてから膝蹴りを叩き込まれた。一撃一撃が致命傷クラスの威力であり、エックスに反撃する隙も力も無い。
Xioが援護の為に三軍神に攻撃を仕掛けるが、奴らはそれを一切気にせずウルトラマン達を追い詰めていく。
モルドの強烈な戦斧の一撃が振るわれて炸裂。猛烈な火花が散り悲鳴と共にエックスは大きく吹き飛ばされて地面に叩き付けられた。ギンガとオーブも痛烈なダメージを受けているが、エックスの側に駆け寄る。
「翔琉さん!?」
「ううッ……グッ……!?」
苦しむエックス。その様子は普通には見えない。
「一旦引くぞ、一眞」
「そうですね……!」
エックスの前に出たギンガとオーブ。ギンガはクリスタルを白色に光らせて右腕に光の剣を生成し、オーブはサークルを回転させ土のエレメントを解放する。
「ギンガセイバー!」
「オーブグランドカリバー!」
両者とも剣先を地面に突き立て、ギンガは三軍神の正面、オーブは両側面から地面に衝撃波を走らせる。三方向からの衝撃波は三軍神の周囲で炸裂して爆風が奴らを包み込んだ。
「ヌウッ!? 猪口才な!」
戦斧を振るって爆風を晴らすモルド。しかし奴らの目の前からウルトラマン達もXioも消失していた。
「逃げたか……。まあ良い」
それを見た三軍神も、闇の中に消えていった。
「軍勢の呼び込みには失敗し、逆に新たなウルトラマンを呼んでしまった。でもダークサンダーエナジーで彼らは強化されて逆襲、翔琉君には大ダメージ……か。面白い展開になってきたね」
木に寄り掛かって戦いを見てたカタラはそう言って笑う。
「まあでも、失敗は失敗。モルドには悪いけどこれを理由にボクのやりたい様にやらせてもらおうかな」
悪いなど一ミリたりとも思ってはいない。寧ろ奴の失態を面白がってさえいた。カタラはスマホを取り出してある人物に電話をかける。…………が、相手は全く応答しない。
「あーあ、酷いなぁ。ま、留守番に入れておこうか」
相変わらずニコニコしながらカタラはメッセージを残す。
「明里ちゃん、ボクだよ。今から迎えに行くから準備してて欲しいな。昨日言った通り、ウルトラマン達を倒す為にさ」
歩き出し、手を前に出すと前方に空間を繋ぐゲートが開かれた。その先には明里の住む家があり、カタラはそこへ向かっていく。
「ボクらが力を合わせれば、邪魔なウルトラマンなんてすぐに倒せるさ。だから一緒に頑張ろうね」
メッセージを残してスマホを仕舞い、最高の笑顔で歩いていくカタラ。
「始めようか翔琉君、楽しい遊戯を。ボクと君が、友達になる為のね」
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「お邪魔しまーすっ!」
「お邪魔します」
「はい、いらっしゃい」
翔琉の家にかすみと璃奈が来ていた。三船栞子の更なる情報を掴み、それを翔琉に知らせ為に訪問したのだが、残念ながら彼は早朝に一眞と共に出てしまったとのこと。
「せっかく先輩に有力情報を伝えて褒めてもらおうと思ったのにぃ……」
「怪獣災害のニュースが出てたから、そこに向かったのかも」
「終わったら帰って来るみたいだし、それまで上がって同好会のこと、いろいろ聴かせて頂戴」
優里香に招かれてリビングに通される2人。するとかすみが「あっ」と声を上げた。
「その前にりな子、こっちこっち」
「どうしたの?」
かすみに手招きされ、璃奈が案内されたのは仏壇の前。それには翔琉の父である天地 大翔の写真が置かれていた。これは彼の物なのである。かすみはその前に正座して優里香に許可を貰ってから線香をあげて手を合わせる。璃奈もそれに倣って座り手を合わせた。
「ありがとう、2人とも」
「いえいえ。あ、一つ気になってたことがあるんですけど……」
そう言ってかすみは、仏壇の写真の前にある物を指差す。
「あれって何なんですか?」
そこにあったのはライトグリーンの布に包まれた何か。優里香はそれを手に取ってかすみと璃奈の前に持って座る。布を取ると中から出て来たのは半月状に近い、剣の様にも見える不可思議な物体。石の様で色彩は無いが、何処となく神秘的に想える物だった。
「これって、何ですか?」
「剣にも見えなくないけど、何だか不思議……」
かすみも璃奈も、それが何かは検討が付かない。
「昔……あの子が産まれた時からある物なの」
「翔琉先輩が?」
「ええ。本当は包んでなかったんだけど、小さかった歩夢ちゃんがこれを怖がっちゃってね。それで見えない様にしてたの」
「そうなんだ。何かは解らないの?」
「そうねぇ……」
「でも……」と彼女は言葉を続ける。
「これはあの子にとって、きっと大切な物よ」
「先輩の大切な物……。なら、かすみんにとっても大切です!」
「フフフッ、ありがとうかすみちゃん。さあ、せっかくだし簡単なお菓子でも作っちゃうわ。2人とも、テーブルに座って待ってて」
彼女にそう言われて2人は喜びながらお礼を言いテーブルへと向かう。それを微笑みながら見た後、優里香は手にしてたソレをまた仏壇の前に置き、立ち上がって台所へと向かっていく。
置かれた剣が微かな光を放ったのを、誰も気付く事はなかった─────
グア軍団を追い詰めたが、まさかのダークサンダーエナジーにより逆転されてしまうという........。戦いは始まったばかり、まだまだこれからです。
不穏だったり、何かおかしかったり、そんなこんなを抱えながらも物語は続いていきます。次回もまたお楽しみに。
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