RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
コラボ5話目。
物語が少しずつ加速していきます。
オペレーションベースX内にある医療施設・Xioメディカルの病室で翔琉は眠っていた。先程のグア軍団との戦闘で多大なダメージを受けた彼は変身解除と共に倒れてしまい、リヒトと一眞、紗季達に運ばれてここに来たのだ。
新たな仲間・リヒトの登場によりあと一歩の所まで追い詰めたが、ダークサンダーエナジーで逆転されてしまったウルトラマン達。状況はややこちら側が不利となっていた。
「俺は一条 リヒト。ウルトラマンギンガです」
司令室で一眞と並んで自己紹介するリヒト。
「リヒト君、それに一眞君ね。私はXio隊長の神山 沙優よ。これまでの協力、XioとUNVERを代表して感謝するわ。ありがとう」
頭を下げる沙優に、彼らは少し照れながら笑った。
「宇宙の平和を守るのが、ウルトラマンの使命ですから」
「そーゆーこと」
「とにかくありがたい。それで、君達に聞きたいことがあるんだ」
リュウジのその言葉に一眞が「何でしょう?」と返す。
「グア軍団の戦力だ。聞いた所によるとリヒト君が大幅に削った様だけど、一体どれ程の戦力が残されているのか教えて欲しい」
こちらに来る前に、ジュダとその配下達と戦って圧倒していたリヒト。それによりジュダの配下は全て撃破出来た様だが、まだ他にも軍勢がいるのならば警戒しなければならない。
「まず、俺はジュダの配下を全部倒して来ました」
「どれだけの量か知らないが、普通にヤバいなそれ……」
リヒトの、ギンガの驚異的な強さにハヤテは驚く。
「でもまだギナ、そしてモルドの軍勢も残っています。それ以外にも複数が……」
「とんでもない規模ね……」
「それが、一斉に、攻め込んで、来たら、かなり、不味い、かと」
副隊長であるザムザの言う通り、まだまだ大量に軍勢がいるのならかなり不味い状況だ。先程の戦闘時の様に軍勢を呼び込もうとし、それが成功してしまったら多大な被害が出てしまう。三軍神はダークサンダーエナジーで強化されており、再度その策を封じるのは至難であろう。
Xioのメンバー達は、完全には好転しきれない状況に唸っていた。
「心配ありません」
しかしそんな彼らに、リヒトと一眞は大丈夫だと伝える。
「え、どうして?」
「俺らにはまだ、頼れる仲間がいるんですよ」
「はい。その人達が戦ってくれてます。だから、絶対に大丈夫」
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惑星アルデバ。美しい自然と文明が栄える命の星。そこで招かれざる者達が足踏みしていた。ファイディグ・ベムのシズルンを筆頭にゼットン、グワガンダ、メカゴモラ、メカバードン、多くのグア兵と巨大な怪獣戦艦・キングジョーグ。奴らは草花を燃やし、都市を破壊し、この惑星に住む人々の命を脅かしながら進んでいく。
火球、光線、熱線、ミサイル、様々な攻撃が惑星の被害を拡大させ、人々は逃げ惑うしかない。軍隊が決死の攻撃を仕掛けるも、大した効果は得られて無かった。
そんな中怪獣軍団から逃げる事無く、奴らを見つめる瞳が四つあった。
「派手に暴れてるな」
「そうだねぇ」
シュウ、そしてアオボシ。シュウはリヒトの、アオボシは一眞の、相棒……と言うには少し複雑だが、今では仲間と呼んで良い関係性ではある。どちらも地球人から見たら宇宙人であり、特にアオボシは別の宇宙の惑星アルデバ出身であった。
「まさか、この宇宙にもアルデバがあったなんてね……」
染み染みと言葉を漏らすアオボシ。
この星は自分と一眞……シリウスの故郷であり、かつてじぶんの裏切りによって消滅することになった星。別宇宙とはいえ、こうして存在していたことには少し驚き、そして何とも言えない思いが胸に渦巻いていた。
「訳ありの様だな」
「まあね。ちょっといろいろ複雑というか……あんまり詮索してくれない方が助かるかも」
「そうか。なら余計な事は聞くまい」
シュウが取り出したのは銃型のアイテム・ビクトリーランサー。それを捻って槍型にすると先端が展開。そこから彼の本来の姿であるスパークドールズが召喚され、シュウはそれを握る。
一方アオボシも、懐からオーブリングNEOを出し、柄のスイッチを下にスライド。
「いくぞ」
「ああ」
《ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!》
スパークドールズをビクトリーランサーでリード。そしてシュウは輝き共に本来の姿・ウルトラマンビクトリーとなり大地に立った。身体に備えられV字のクリスタルが、煌めきを放つ。
アオボシがオーブリングNEOの中心のボタンを押すと、眩い閃光が放たれて彼の姿を変えた。オーブと酷似した漆黒の影の巨人・オーブシャドウ。自身の宿敵だった者を模して生み出されたその力を、今はこの惑星を守る為に解き放った。
「お前達、ウルトラマン!?」
2人の登場に驚き行軍が止まった。人々が自分達を守護する者達の降臨に少し戸惑っている中、黒き姿を持つ彼らはグア軍団へと走り出す。
「ビクトリウムスラッシュ!」
牽制として回し蹴りと共に足から放たれる光弾がグア兵を貫く。ビクトリーは剣を持って突っ込んで来たグア兵達の攻撃を躱して素早い打撃で迎撃。グア兵達は次々と倒されていた。
そこへグワガンダが頭部の大顎を突き出しながら突撃して来た。両腕でそれを掴んで防いだビクトリーだが、数十メートル後ろに下がってしまう。
「力比べか? 良いだろう」
踏ん張り、グワガンダを押し返していくビクトリー。グワガンダは四本の腕をバタつかせ踏ん張ろうとするが、ズルズルと押されてしまっていた。そこへゼットンが、口から火球をビクトリー目掛けて連射していく。
それに気付いた彼は、ビクトリーランサーにある怪獣のスパークドールズを読み込ませた。
《ウルトランス! EXレッドキング・ナックル!》
どくろ怪獣レッドキングが強化されたEXレッドキングの巨大な腕にビクトリーの右腕が変化。その大きさを利用して火球を防ぎ、更にグワガンダをアッパーで上空へ殴り飛ばした。続けてその拳を地面に叩き付けて必殺技のフレイムロードを発動。爆炎が地面を走ってグア兵達を飲み込み、ゼットンと落ちて来たグワガンダにもダメージを与える。
「どうした? その程度か? 本気で来い」
左手で挑発する様に手招き。
それに怒ったゼットンとグワガンダは、混ざり合い融合。合体ゼットンとなり咆哮した。
「ほお、面白い」
駆け出す合体ゼットン。ビクトリーも走り、その拳を突き出した。凄まじい威力の拳を、合体ゼットンは4本の腕で受け止める。融合して強化された合体ゼットンのパワーは強力だ。
《ウルトランス! キングジョー・ランチャー!》
右腕が宇宙ロボット・キングジョーカスタムの大口径ライフルに変化。銃口を胸に突き付け、光弾を連射する。合体ゼットンは吹っ飛び、地面に叩き付けられた。
ビクトリーは合体ゼットンに追撃する為に駆け出し、右腕を新たに変化させる。
《ウルトランス! グドン・ウィップ!》
地底怪獣グドンの鞭・振動触腕エクスカベーターにし、起き上がった合体ゼットンに打ち付ける。合体ゼットンは4本の腕や角で反撃しようとするがビクトリーはそれを回避していき、鞭や蹴りで攻撃。そして首に巻き付けて、振り回し投げ飛ばした。
「トドメだ」
右腕を元に戻し、V字を宙に描いて形成したエネルギーを右腕に集中。両腕をL字型に組み、右腕の甲のVクリスタルを正面に向けてV字型の必殺光線・ビクトリウムシュートを放つ。光線は合体ゼットンに命中し、爆散させた。
「シャドウフレイムカリバー!」
燃え盛る漆黒の聖剣でグア兵を斬り裂きながら進む。そんなオーブシャドウへメカゴモラがメガボディーミサイルを発射。オーブシャドウは転がって回避し、剣を振るって光刃・シャドウスラッシャーを放つ。光刃はメカゴモラの頭部に当たり、その巨体を揺るがす。
すかさず追撃を仕掛けようとした彼を飛んで来たメカバードンが熱線を足下に放って止めた。メカバードンはそのまま嘴を突き出してオーブシャドウに突っ込んでいく。
「そうはいかないよ!」
寸前で背後に倒れ込みながら躱し、同時に剣で斬り付ける。メカバードンは火花を散らして墜落。
「甘い甘い。───ッ!?」
立ち上がったオーブシャドウ。そんな彼の目に、右胸にあるビームランプからビーム・クラッシャーメガを放とうとするメカゴモラの姿が映った。ビームはオーブシャドウではなく、戦いを見ていたアルバデ人達に向けられていた。
「させるか……!」
オーブシャドウは駆け出して人々の前に達。そして放たれたビームを剣から光のシールドを精製して防いだ。
自分達を守った漆黒の巨人を見上げるアルデバ人。その姿は正にヒーローである。そして彼からは自分達に似た何かが、少しだけ感じられていた。
口々と「ありがとう」という声が聴こえて来る。あの日、惑星アルデバを滅す事に加担した自分が、別宇宙とはいえまたこの惑星を守る為に戦うことになるなんて……。奇妙な巡り合わせに思わず笑みが溢れてしまう。
ならばアイツに代わって、この星は自分が守り抜いてみせるのも良いだろう。
「せっかくだしカッコつけてさせてもらうか────この星は、僕が守る!!」
聖剣を握り締めて駆け出す。メカゴモラとメカバードンの放つ攻撃を躱し弾きながら接近していき、大きく跳んで奴らの上を越えて背後に着地し振り返りながら聖剣を地面に突き立てる。
「シャドウグランドカリバー!」
二つの衝撃波が地面を伝い、2体のロボット怪獣に炸裂。大ダメージ与えて動きを止めた。鋒を空に向けて円を描き、それを突き出して黒と紫の混じり合った光線を放つ。
「シャドウスプリームカリバァァァーーッ!!」
光線はメカゴモラとメカバードンに直撃し、そのボディーを粉々に爆砕した。
「俺も守っているぞ?」
「わかってるよ。悪意は無いから気にしないで」
「うむ……お前は人間達に似て、少し分かりにくいな」
「馬鹿にされてる感あるけど、褒め言葉と思う様にするよ」
「褒めてないぞ」
「それ言わなくていいからね!?」
軽口を叩き合う2人を見て、シズルンは子どもの様に地団駄を踏んでいた。
「よ、よくもボクの仲間を殺したなァー! 許さないぞ! やっちゃえ、キングジョーグ!」
シズルンの命令に従い、キングジョーグが動き出す。手の甲より、陽電子流撃砲を発射。2人は飛び上がってそれを回避。そしてキングジョーグの眼前に迫り強烈なダブルキックをお見舞い。1000m近くあるその体躯が後退していく。
「ああ!? ちくしょう!」
《ウルトランス! シェパードン・セイバー!》
「一気に決めるぞ」
「了解」
ビクトリーが召喚したのは絆の聖剣・シェパードンセイバー。自らの友である聖獣の力を宿した剣だ。
2人はそれぞれの聖剣を握り締め、光と闇の力を込めて突っ込んでいく。
「シェパードンセイバーフラッシュ!!」
「シャドウプリームカリバー・オリジウムブレイク!!」
二振りの聖剣による斬撃はキングジョーグの装甲を容易く裂き、機体の至る所を爆発させながら後ろに倒れていき最後には大爆発を起こして粉砕した。
自分の最高戦力が最も簡単に破壊されて唖然とするシズルン。そんな彼の前に2人は降り立ち、各々剣を地面に突き立ててからトドメの一撃を放つ体勢を取った。
「ビクトリウムエスペシャリー!!」
「シャドウオリジウム光線!!」
オーブシャドウが十字に組んだ腕から放たれた光線。その周囲をビクトリーの身体中のクリスタルから放たれた複数の光弾が飛び、シズルンへと向かっていく。光線と光弾は同時に弾着。断末魔を上げながら、シズルンは爆散した。
「凄い……!!」
「あれが、伝説の……!?」
「ああ、きっとそうだ!」
「ウルトラマン……! 宇宙を守るヒーローだ!!」
グア軍団が殲滅され、人々は歓喜の声を上げていた。
「ありがとーー、ウルトラマーーーンッ!!」
「ありがとおおおお!!」
「ウルトラマン、ありがとう!!」
皆が“2人のウルトラマン”に感謝し、心からの賞賛を贈っている。彼らは振り向き、それらを一斉に浴びる。
「んーっ……やっぱまだ慣れないかも、こういうの」
「そうか? 喜んでいる様に見えるが」
「君は少しデリカシーを覚えた方がいいかもね」
とはいえ、内心喜んでいるのは本当だ。今は、本当の意味でウルトラマンになれたかも知れない。そう思うと少しむず痒い気持ちになる。
何にせよ、もう少しだけこの星の景色とこの歓声を味わっていたい。アオボシも、そして隣りに立つシュウも、そう思うのであった。
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「最後に一つ、2人に確認したいことがあるの」
グア軍団のこと、そしてリヒトと一眞の仲間のことを聞いた沙優。彼女はどうしても確認して置かなければならないことを2人に尋ねる。
「2人とも、ダークサンダーエナジーを浴びたモルド・スペクター達の攻撃を受けたけど、身体は何ともないの?」
翔琉はかつてと今回、ダークサンダーエナジーを浴びた攻撃で大ダメージを負い、肉体に異常を来し意識を失ってしまった。その攻撃を受けた彼らも同じ様に何か身体に異変などが無いか心配になったのだ。
「いや、俺は何とも」
「俺も大丈夫です」
彼らの返答を受けて「そう……」と彼女は呟いて顎に手を当てる。
「そうなるとダークサンダーエナジーは翔琉さんに……ウルトラマンエックスにのみ脅威になるということでしょうか……?」
「だろうな。こやつらが翔琉みたいな症状を発してない以上、それは間違いない。アレはエックスにとって毒とも言えるものなんだろう」
涼風の疑問にシャマラ博士が答える。理由は不明だが彼の言う通り、ダークサンダーエナジーは何故かエックスに対してのみ毒やウイルスの様な効果を発揮し翔琉を苦しめていた。
「2人に頼みがあるの」
沙優は真剣な眼差しでリヒトと一眞を見る。
「グア軍団を壊滅させる為に、改めて2人のウルトラマンとしての力を貸して欲しい。2人には作戦の中心となって奴らと戦ってもらいたいの。翔琉君は、今回は下がってて貰うわ」
別世界の住人である彼らに対してこんなことを頼むのは図々しいかも知れないが、翔琉がダークサンダーエナジーを浴びたグア軍団と戦うのは余りにも危険過ぎる。そしてXioの戦力だけではグア軍団に勝つのは難しい。彼の命をこれ以上危機に晒さない為、確実に奴らを殲滅する為、この2人の力を借りるしかなかった。
「もちろん。な、一眞」
「はい。俺達はその為に、ここに来たんですから。けど、それ翔琉さん納得しますでしょうか……?」
力を貸すのは構わない。自分達もグア軍団を倒す為に来た訳であるし、何なら心強い仲間が得られるのは喜ばしいことだ。
だが、作戦から外されてしまう翔琉のことが気掛かりになった。
「納得するかよ……」
そこへ少しふらつきながら、翔琉がやって来た。
「翔琉さん」
「俺はまだ戦えるっす……。何も問題は無い……だから」
「ダメよ」
彼の意見を沙優はピシャリと否定する。
「ダークサンダーエナジーを浴びた敵とは極力戦わない様にと言っていた筈よ。奴らがあの力で強化された以上、貴方を前線に出す訳にはいかないわ」
「1発も喰らわなかったら良いだけの話だ!! それにツルギデマーガだって、最後には勝ったんだ、今回もいける!!」
「そんなことが出来る様な甘い相手じゃないのは、貴方だって理解してる筈よ」
「それは……!?」と言葉が詰まる。モルドもギナも、そしてジュダも、以前のツルギデマーガとは比べ物にならない強さであり、そもそもそのツルギデマーガだってギリギリで何とか倒せた様なもの。一撃も受けずに勝つなど、到底無理な事であった。
「翔琉君、気持ちは嬉しいけど今回は隊長の言う通りだよ……」
「そうっすよ……。無理して、また酷い目に遭ったら大変っす……」
紗季と陽花がそう言う。今の翔琉では間違い無くグア軍団には勝てない、それは翔琉も薄々理解はしている。だからと言ってリヒトと一眞に任せて自分が引き下がるというのを許容は出来ないでいた。
やはり今の自分はここには必要が無い。
そんな思いが、胸から込み上げて来る。
「いやー、仲間外れは酷いと思うなぁー」
聞いたことの無い……否、翔琉だけは聞いたことのある少し気の抜けた様な声が皆の耳に入った。皆が振り向いた先に居たのは美麗な顔をした1人の人物。その者はニコニコと笑いながら、翔琉に対して手を振っている。
「カタラ……!」
「コイツが!」
カタラ。翔琉から何度も話は聴いていた謎の人物。怪獣を操る力があり、ダークファウストやダークメフィストの仲間。以前の堂馬参謀によるウルトロイドゼロの暴走も、こいつが手引きしたことが原因だ。
異星人なのは間違い無いだろうが正体は不明。しかし危険な存在であることも間違い無い。隊員達はジオブラスターを抜き、その銃口をカタラに向けた。
「貴方、一体何処から入って来たの?」
「大変だね、翔琉君。ボクだったら君にそんな寂しい思い、させたりしないのになぁ。だからボクと一緒に行こうよ」
「は? 意味わかんねぇこと
「そのままの意味だよ。それと君、暁 一眞君だっけ? 君にも興味があるなぁ」
「お、俺に……?」
笑いながら「そう!」と言うカタラ。幾つもの銃口が向けられてるというのに、それを全く気にしていない。
「こちらの質問に答えなさい!」
沙優の怒号が響く。
「…………君達のセキュリティーじゃボクを止められなかった。それだけの話でしょ」
「ふざけるな!! この私とラボチームで作ったセキュリティーだぞ!! そう簡単に突破されてたまるか!!」
「実際突破しちゃったからね。シャマー星人もそのラボチームとか言うのも、大したことなかったってことかな?」
「な、何だとおおおおお!!?」
激昂するシャマラ博士。母星の技術を馬鹿にされたこともそうだが、何よりラボの仲間達を笑われたことが気に食わない。
そんな博士のことなど目にもくれずカタラは翔琉に手を差し伸べた。
「さあ、翔琉君」
「…………」
「悪いが俺達は忙しい。ダンスの誘いならお断りだ」
リヒトが翔琉を庇う様にして前に出る。
「一条 リヒト君。君は違うかなぁ」
「何?」
「ボクは同じ子と友達になりたいんだ。だから、ごめんね」
「同じって、どういう意味だ……?」
一眞が尋ねるが、カタラは笑顔を見せるだけだ。
「お前を、拘束、する」
「出来るかな? グレゴール人、変身生命体、シャマー星人にギラッガス。いろいろ居るみたいだけど、多分無理だと思うなぁ」
「クソッ、舐めんな!」
ハヤテが怒り、カタラへと掴み掛かっていく。しかしその手は届くことなく、触れる寸前で彼の身体は吹き飛ばされて室内の壁に叩き付けられた。
「ハヤテ!?」
「無理だって言ったのにぃ」
「このぉ!」
Xioメンバーがブラスターを撃ちながらカタラへと向かう。だがカタラには光弾は当たらず、手を前に出すとイヅルがハヤテと同じ様に吹き飛ばされ、飛び出したザムザが放ったキックも容易く止められてしまった。
「……ッ!?」
「おや? 止められたのは初めて?」
「副隊長!!」
リュウジが腕を鞭に変化させてカタラを縛ろうとそれを伸ばす。しかし念動力で止められ、ザムザの足を掴んでリュウジへと投げてしまった。2人は激突して床に転がる。
「やめなさい!!」
ジオブラスターを突き出した紗季がカタラの前に出る。それ見たカタラの表情から、一瞬笑みが消えた。
「ああ、君か」
「えっ……?」
「いや、何でもないよ。でも今は邪魔だから、退いて欲しいかな」
「何を言って───きゃっ!?」
紗季も念動力で吹き飛ばされた。それを見て笑うカタラだが、そこへ翔琉が拳を握り締めて突っ込んで来た。放たれたパンチを、カタラは軽く跳んで回避。
「好き勝手やってんじゃねぇぞ……」
「アハハハッ、君が大人しく着いて来てくれたら、こんなことしなかった───ッ!?」
カタラの言葉を遮る様に、一眞がオーブカリバーを手にしてそれを振るう。躱したカタラだがそこに今度はリヒトが、変身アイテムであり神秘の光を宿す短剣・ギンガスパークを突き出した。輝くそれを、カタラは大きく跳んで回避し、部屋の扉辺りまで下がった。
「それは少し怖いなぁ」
「お前、まさかとは思うがグア軍団の仲間か?」
「ご明察。と言っても、まだ入ったばかりの新人なんだ。だから立場が低くて大変だよぉ」
泣き真似の様なことをする。それに翔琉は苛立ち舌打ちをした。
「まあ、ボクは軍団以外にも友達がいるからね。だから今からも協力してもらうんだ」
「協力、だと?」
「そう」と言ってからモニターを指差す。するとそこには、基地の目前に現れた2体の怪獣の姿が映されていた。
「何!?」
「フフフッ、アハハハッ! さあ、始めるよ翔琉君」
「始める……何をだ!?」
「君とボクとの、友情さ」
笑うカタラ。暴れる怪獣。
これから始まる事を、暴かれる真実を、この時誰も予想はできなかった─────
「ギンガ・THE・Live!」よりウルトラマンビクトリー/シュウ、「Sunshine!!&ORB」よりオーブシャドウ/アオボシの参戦です!!
「Sunshine!!&ORB」を読まれている方はアオボシはご存知でしょう。所謂ライバルポジションのキャラクターであり、「Sunshine!!&ORB」におけるジャグラーと言った存在で一眞とは深い因縁にありました。そんな彼が守ったのは虹X時空の惑星アルバデ。自身の故郷であり、本来の時空ではもう存在しない星。激闘の果てにそれを守ることが出来ました。
そしてもう1人シュウですが、こちらは何と「ギンガ・THE・Live!」の作者である水卵様からの許可を得て、先行登場ということで参戦して頂きました!
ビクトリーの名前自体は既に本編で登場してますが、本格的な参戦はまだしてなく、今回の先行登場の許可はこちらとしても緊張と喜びでいっぱいでした。
サプライズを全開の中、翔琉達の前にはカタラが現れてこちらも波乱の予感……。次回もまた、良い意味で予想を裏切っていけたらと思います。
それではまた次回。
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