RAINBOW X STORY 作:山形りんごをたべるんご
折り返し、くらいかもです。
今回も感想等お待ちしてます。
殺意を込めて降りて来る足。リヒトも一眞も、これまで受けたダメージが大きくて逃げることが出来ない。ここまでか………そう思い奥歯を噛み締めた時、飛来した光弾がダークメフィストに直撃して奴のことを後退させた。
「ヌウッ……!?」
《待たせたな、お前ら!》
光弾を撃ったのはマスケッティα。操縦してるのはハヤテだ。更にイヅルの乗るβ機とリュウジの乗るγ機も飛んで来る。ヒナバッサーの討伐をなんとか終えて彼らを助ける為に急いで来たのだ。
マスケッティはミサイルや光子砲でメフィストを攻撃し、翻弄。リヒト達から奴を引き離していく。
「消えロ……!!」
メフィストが赤黒い光弾を連射して反撃するが、3機のマスケッティはそれらを何と躱していった。
《ぐっ……!?》
《あまり無茶はするなよ、2人とも!》
《それはリュウジさんもでしょ!》
3人とも、ヒナバッサーによって付けられた傷は浅く無く、痛む身体を押してなんとか出動してる状態だ。それでもリヒト達を助ける為に歯を食い縛りながら機体を飛ばす。
《無茶でも何でも、やるしかねぇ!》
《CYBER KINGJOE LOAD》
《喰らえ! キングジョーデストロイ砲!!》
ハヤテがサイバーキングジョーのカードを読み込んでキングジョーデストロイ砲を発射。砲撃はメフィストの肩に炸裂して奴のバランスを大きく崩した。
「リヒト君!! 一眞君!!」
まだ立ち上がれない2人の所に駆け付けて来たのは沙優と紗季、涼風の3人。
「大丈夫!?」
「な、何とか……」
リヒトが紗季に、一眞が涼風に支えられて立つ。
「そうだ、翔琉は……!?」
見上げた先には脱力した様に腕を降ろし、そして光の粒子となって消滅していくEXゴモラの姿があった。それを見た沙優は、その場所へと一目散に走っていった。
「隊長!?」
「翔琉君!!! 翔琉くぅぅぅーーーん!!!! どこなの!!? 返事をして!!!?」
消滅地点まで来て叫ぶ沙優。周囲を見回して翔琉のことを必死に探す。すると大地の上に寝そべっている彼の姿を見つけた。沙優は急いでそこへと向かう。が、倒れてる翔琉のもとに、カタラが笑顔を浮かべながら現れた。
「ッ!」
「アハハハ、そんな怖い顔しないでよ?」
沙優は即座にジオブラスターを抜き発砲。しかし光弾は当たること無く、カタラの目前で明後日の方向へと飛んでいってしまった。
「彼から離れなさい!!」
険しい形相でカタラを睨み銃口を向ける。奴から翔琉を取り戻す為だ。そんな彼女を見て、カタラは楽しげに笑いながらレイブラッド星人としての姿へ変化する。
「その姿は……!?」
「ボクはレイブラッド星人カタラ。仲間達から聞いたことあるんじゃないかな?」
以前、ザムザやシャマラ博士からかつて数万年に渡って宇宙を支配していたレイブラッド星人という存在がいたという話を聞いたことがある。それと同じであろう存在が眼前にいることに、沙優は驚き目を見開く。
しかし、それで動揺してる暇は無い。翔琉を助ける為にも、彼女は気を落ち着かせて冷静になり、カタラへ銃を向けながら少しずつ近付いていく。
「そんな物向けても無駄だよ。君も解ってるでしょ?」
「ッ……」
何発撃とうが全て無効化されるのは目に見えてる。しかしだからと言って、彼を助けることを諦める訳にはいかない。無駄な抵抗かも知れないが、沙優はカタラを強く睨み決して銃口を外さなかった。
「やれやれ……。なら、せっかくだし君にも教えてあげるよ」
「何を……?────ッ!? ……こ、これは……!?」
彼女の脳に流れてくる映像。それはカタラが翔琉に彼の真実を告げる場面。そしてそれを聞いて絶望する彼の姿。汗が流れ、外さないと誓った筈の銃口が下がっていく。明かされた真実は、沙優を動揺させるには十分過ぎた。そんな彼女を見てカタラは笑い、翔琉のことを小脇に抱える。
「驚いた? これが君達の仲間……いや、元仲間の正体さ」
「元……ですって……?」
「だってもう、彼はボクのものなんだから」
逃げるつもりだ。そう気付き「待て!!」と叫ぶが、それが聞き入れられる筈も無く、カタラと翔琉は煙の様に消えてしまった。
背後で大きな音が響き渡る。メフィストの攻撃により、マスケッティが全て墜落させられてしまった音だ。奴は視線を下に降ろすが、既にリヒトと一眞の姿は無い。紗季達がどうにか連れて逃し切ったのだろう。
フンッ、と鼻を鳴らした様な仕草をした後にメフィストは消える。あちこちで火と煙が立ち、サイレンが鳴る。
完全敗北。
そうとしか言えない状況。
カタラと翔琉が消えた場所に、エクスデバイザーが転がっていた。それを拾い上げた沙優は、この最悪な事態、そして突きつけられた翔琉の真実に驚愕、困惑し、今はただ立ち尽くすことしか出来なかった………。
スカルゴモラ、ベムゼードは敗れ、メフィストは少しは善戦したものの、最終的に勝てたのはあのカタラが呼び出したらしい強化されたゴモラみたいな怪獣のお陰。ハッキリ言って明里からしたら気に食わない。
それに1番の標的であるウルトラマンエックスも結局現れなかった。嫌々カタラの頼みを聞いてあげたというのに、何とも不満の残る結果となった。
サイレンの音を背に受けながら明里は歩く。こんな所、もう居ても意味が無い。
《おやおやおや。不服、と言いたそうな顔だねぇ》
「黙って」
スマホをぐっと握ると、画面に亀裂が入る。
「てかアイツ、散々私のこと使っといて何処行ったの?」
《連絡は無し。でも多分、カタラ自身の目的は達成してる様だねぇ》
「私を利用して自分だけ良い思いしたって訳? フッざけんな!!」
転がってた石を蹴り飛ばす。もう彼女の怒りは限界を突破していた。
「………………殺す。絶対殺す」
止められない殺意を抱きながら、彼女は歩みを進めていった。
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宇宙を進む怪獣戦艦ペストリア。油獣ペスターをベースに建造されたそれを任されているのはイムビーザ。グア軍団外宇宙侵略機械部隊戦闘隊長である。また、戦艦内には複数の改造怪獣や機械化された宇宙人、ファイティング・ベムがいた。
別宇宙で活動してたイムビーザ達はモルドからの指示を受け、奴らの居る地球に向けて進行していたのだ。
「お待ち下さいグア様……! 我々が到着すればこんな宇宙など、すぐに侵略してみせましょう!」
イムビーザは笑い声を上げる。それに合わせて改造怪獣達も機械音と咆哮を戦艦内に響かせた。
「行くぞ!! 我らグア軍団外宇宙侵略機械部隊が、この宇宙の全てを侵略し尽くすのだァァァ!!」
ペストリアのブースターを点火。凄まじい速度で、戦艦は突き進んでいく。
翔琉は消失。Xioは大打撃を受け、リヒトと一眞も負傷。そんな状態の地球に、更なる危機が迫ろうとしていた………。
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あの戦闘から2時間後。
Xioオペレーション本部。カタラによる襲撃で大きな被害を受け、室内は荒れていた。それらの機能を回復する為に、涼風とミキリ、ミハネが頑張っている。
ハヤテとイヅルは墜落による怪我でXioメディカルで治療中、暫くは動けない。変身生命体であるリュウジは2人よりはマシだが、それでも十分に酷い傷を負っている。また、3機のマスケッティも大破状態であり、オマケに怪獣達が暴れたことによって基地設備にもダメージを受けていることから修理には時間が掛かるそうだ。
ザムザはヒナバッサーとの戦いでかなり無茶をして大きな怪我を負わされていた。本人は問題無いと言い軽い治療を受けただけで済ましているが、実際はかなりキツい筈。
ラボも荒らされており、多くのスパークドールズと怪獣カプセルが奪われた現状を見て、シャマラ博士と陽花は衝撃を受けた。特に陽花は親友とも云えるゴモラを奪われたことに酷くショックを受けており、紗季がそれを慰めていた。ゴモラを始めに、ケムラー、レッドキング、マグラー、ゲスラ、ガボラ、エレキング、アイロス星人、ダンカン、ツインテール、シーゴラス、エレドータス、バキシム、バラバ、ヒッポリト星人、キングクラブ、カーリー星人、オニオン、ザタンシルバー、ゾラ、ゴルザ、メルバ、シルバゴン、マグニア、モンスアーガー、レイキュバス、コッヴ、ガンQ、エアロヴァイパー、エリガル、ギギ、キングパンドン……現在確認出来たものでもこれだけの怪獣のスパークドールズと怪獣カプセルが紛失している。これらがグア軍団の戦力として使用されてしまったら……。そう考えると、恐ろしさを感じずにはいられなかった。
オマケにゴモラを奪われたことにより、彼と思考のリンクさせてるサイバーゴモラも使用不能になっていて、戦力は酷く低下することになる。
リヒト、一眞も大きなダメージを受けたが、その傷はすぐに回復。今は問題無く戦えるとのこと。やはり彼らも翔琉と同じく、高い回復力を持っているのだろう。あまり無理をさせる訳にはいかないが、現状では彼らだけが頼りだ。
今回の戦闘で、職員達にも多くの怪我人が出てしまった。基地機能全体の完全回復には、少し時間を要することになるだろう。
「状況は、最悪ね……」
本部で沙優はそう言う。それを聞いた室内にいるザムザ、紗季、シャマラ、陽花、涼風、ミキリ、ミハネ、そしてリヒトと一眞は視線を落とした。
基地を襲撃され、多くの人が傷付き、そして大切な仲間を奪われた。最悪と言うしか他無い。
「でも、だからと言って屈する訳にはいかないわ。私達は何としてでも翔琉君を取り戻し、奪われたスパークドールズと怪獣カプセルも回収。そしてグア軍団を殲滅しなければならない。みんな、かなり厳しい状況だけど力を貸して欲しい。お願い」
沙優は頭を下げる。大変な現状だが、皆の力が無ければ打開は不可能だ。彼女に対して全員が「もちろん」と言い頷く。
「ありがとう、みんな。リヒト君と一眞君も、この世界は貴方達とは無関係なのに、本当にありがとう」
「悪いけど、ここまで関わったらもう無関係じゃないさ」
「ですね。それに、どんな宇宙でも守り抜くのがウルトラマンの使命ですから」
彼らの言葉を受けて沙優も、他のメンバー達も心強く感じた。
「まずは、翔琉の、奪還、ですね」
「そうですね。でも、カタラは一体何処に……?」
「デバイザーはここにあるからその反応は追えない。どうにか使えた装置を使用して翔琉自身の生体反応を銀河系規模でサーチしているが、それも反応無し。捜索はハッキリ言ってお手上げ状態だな……」
博士は両手を挙げる。翔琉への手掛かりはゼロ。どうにかして見つけ出そうと奮起していたが、辿り着くのは相当難しいだろう。
何か良い方法は無いか?
全員が思考を巡らせる。その時、一眞はフュージョンカードを入れているホルダーから光が漏れていることに気付いた。ホルダーを開き、輝きを放っている1枚のカードを抜き出す。そこに描かれていたのは、ここにいる誰もが知っているウルトラマンであった。
「エックスさんのカードが……」
「エックスのカード、どうしてそれを?」
「これは翔琉さんじゃなくて、別の世界のエックスさんと、彼と一緒に戦う方から授かった力なんです。………もしかしたら……!」
一眞は何かに気付く。
「このカード、翔琉さんに反応してるのかも!」
「お兄ちゃんにー?」
「反応ー?」
「そうです! 何で今なのかは分からないけど……とにかくこのカードを使えば、翔琉さんのいる場所に辿り着けるかも!」
突拍子も無く、根拠も無い。しかしこれは、間違い無く一つの希望になった。他に手が無いのなら、これに賭けるしかない。
「そうね……。一眞君、そのカードを分析させて」
「はい!」
「博士、涼風、お願いね」
「任せろ!」
「分かりました」
カードをシャマラ博士に渡す一眞。大切な物だが、仲間を助ける為なら迷わず差し出せた。
そして更にもう1枚、エックスのカードと同じくとあるカードが輝きを放った。取り出しそれを見て、一眞は驚く。何故ならそれはウルトラマンギンガ、リヒトが変身するウルトラマンと同じ戦士のカードだったからだ。
「ギンガさんのカードも……!?」
「ッ、まさか……!」
すると、更に呼応する様にリヒトのギンガスパークも淡く輝いていた。そして彼の脳内に、ウルトラマンギンガの声が響いてきた。
『リヒト──』
「ギンガ! これは一体……?」
『おそらく私と、別時空の私の力が共鳴しているのだろう。そしてあのエックスというウルトラマンの力とも』
「共鳴……」
『あの2枚の力と私達の力を合わせれば、この状況を打開出来る鍵になるかも知れない』
「本当か!?」
声を上げるリヒト。他の者達にはギンガの声は聴こえてない為、一体何事かと皆が彼を見る。リヒトはギンガから聞かされたことを皆に伝えた。
「そんなことが……」
「根拠は無い。でも、賭けてみる価値はあると思う」
「ギンガさんとエックスさん、俺はこの2人の力を掛け合わせたオーブに変身することが出来ます。もしかしたらそれも、一つの要因になってるのかも……?」
「よく分からないけど……とにかく、翔琉君を救える確率が上がってるってことですよね!?」
「まあ、0が0.1になって、それがやっと1になったくらいの確率だがな」
確率としてはまだまだ低い。砂漠の中で小さな砂粒を見つけるくらいに難関なことなのだから。
「あら、10倍にまで跳ね上がってるじゃない。だったらきっと、成し遂げられるわ」
それでも希望は見えて来た。自分達なら必ずやれる。別世界からの心強い味方だっているのだ。大切な仲間を、取り戻すことが出来る筈。誰もがそれを信じ、前を見つめていた。
「翔琉君の探索は博士達に任せて、他は基地機能の修繕作業、それとグア軍団の警戒を」
彼女から命を受けて各自動き出そうとするが、「その前に」と言って沙優は皆の足を止めた。
「みんなに、話しておくことがあるわ」
「話しておくこと?」
「ええ。…………紗季、翔琉君の同好会の子達とお母様をここに呼んで頂戴」
「え、歩夢ちゃん達を、ですか?」
沙優は頷く。
「本当は本人の口から伝えるが一番だろうけど、そうも言ってられない状況。それにいつか確執になるくらいなら、もう全部言ってしまうことにするわ」
一度瞳を閉じる沙優。そして覚悟を持ってその眼を向けた。
「これから話すことはあくまで、カタラが私に見せ付けたこと。全てが真実とは限らないけど、ほぼ間違いは無いと考えて良いわ。…………みんなに伝えるわ、翔琉君の真実を……」
沙優はここにいる皆に、カタラから見せられた翔琉の真実を語るのであった─────
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何も無い空間に、翔琉は寝転がっている。というより寝転がった様な体勢で浮遊していた。
上も下も、右も左も、前も後ろも、時間さえも分からない謎の空間。そして彼の側にはカタラがいた。翔琉の背中を、カタラは愛おしそうに撫でている。
「大丈夫。不安なんてすぐに無くなる。そして気付くよ、君にはボクしかいない。ここが君の居場所だってことを」
カタラは笑う。友人との出逢いを喜んで。
「そろそろモルド達も動く。ギンガと一眞君だけじゃあ、勝つのは無理だろうね。そうなると、あの世界の人類はお終い───」
「いや……」とカタラは顎に指を当てた。
「
カタラは翔琉に覆い被さる。
「でも大丈夫。相手が怪獣なら、レイブラッド星人のボクにとっては全て操り人形だ。全部ボクの思うがままになる」
怪獣王も、守護獣も、地底世界の怪獣達も。この力を持つ自分なら全て支配することが出来る。多くの怪獣がいるこの地球は、カタラにとっては都合の良い楽園なのだ。
世界が渾沌に堕ち、全てが自分達のものになる。楽しみで仕方ない。笑いが溢れ、翔琉のことをぎゅっと抱きしめた。
「翔琉君……いや、翔琉君の姿をした君。ボクと君なら楽しい世界を創れる。そしていろんな場所に行ってボクらの仲間を探すんだ!」
彼からの反応は無い。翔琉は……翔琉の姿を持つモノは抜け殻の様に脱力し、その瞳から光は消えている。
「たくさんの仲間達と一緒に、ボクらの世界を創ろう。最高に狂った世界を、ね」
起き上がり笑う。その笑顔は何よりも美しく、何よりも妖艶で………何よりも恐ろしかった。
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「翔琉君が……死んでる……!?」
Xioオペレーション本部に連れられて来たスクールアイドル同好会のメンバーと優里香。そしてそこで、沙優から翔琉の真実を聞かされた。
「う、嘘ですよね……? 先輩が死んでるなんて、絶対嘘ですよね!? かすみん、信じないですよ!!」
「そうよ……。だってそれって、カタラって宇宙人が勝手に言ってるだけなのよね!? なら、そいつが嘘を吐いてる可能性だって……いや、絶対嘘の筈!」
「それに、翔琉さんがウルトラマンだったなんて……」
「正直、信じられない……」
「じゃあ、彼方ちゃん達が一緒にいた翔琉君は……?」
「あのかけるんは、かけるんじゃないってことなの……!?」
「そんな……そんなことって……」
「嘘ですよ、私も信じられません! 先輩が……そんな……!」
その情報の凄まじさに、誰もが衝撃を受け動揺し飲み込めずにいる。昨日まで共にいた翔琉が、実は翔琉ではないモノだったと聞かされたのだ。こうなってしまうのも無理はない。
歩夢が膝から崩れ落ちた。いつもなら誰かが彼女の側に来て支えるが、今は全員そんな余裕は無い。誰もがショックを受け、動くことが出来ないでいる。。
「…………おそらく、本来の翔琉君とウルトラマンエックスが消えてるというのは本当だと思う。その原因には何か別の要素があるかも知れないけど……」
カタラが語ったこと全てが真実とは限らないが、翔琉とエックスが死んでいるというのは間違いないだろう。これまでの翔琉の状況等を鑑みても、それが彼を陥れる為だけに吐いた嘘とは思えなかった。
自分達の大切な人がもう死んでいる。そんな現実を受け止めきれない彼女達は、もうどうすればいいか分からなくなっていた。
「みんな……」
紗季も陽花も涼風も、Xioのメンバー達は彼女達にどう声を掛けるべきか分からないでいる。唇を噛み締める沙優。そして最悪の事態を目の当たりにし、拳を握り締めるしかないリヒトと一眞。
そんな中1人、優里香は瞳を閉じて静かに立っていた。
「天地さん……?」
沙優が声を掛けると、彼女はゆっくりと目を開いた。
息子が死んでいた────どう考えても親として何よりも不幸な事態。しかし彼女は動揺することも、悲しむことも無く、沙優に対して優しく微笑んだ後口を開いた。
「知ってました」
「…………え?」
「全部、知ってました。ウルトラマンのことも、翔琉のことも…………そして、あの子のことも」
誰もが驚き、彼女を見る。
「それ、本当ですか……? だったら、何で!?」
何故誰にも言わなかったのか、何故あの翔琉を息子として受け入れ普通に生活していたのか。そして今、知っていたとはいえ取り乱すことなくこうして立っていることが皆信じられなかった。
座り込んでしまった歩夢の側に行きしゃがみ、彼女の両肩に優しく手を添える。
「おば、さん………」
「みんなに聞いて欲しいの。あの日、あの子にあった本当の事を。受け入れられないかも知れない。怒りたくなるかも知れない。凄く、恨むかも知れない……。それでも、ちゃんと知って欲しいの────」
─────翔琉とエックスの真実を。
語られる真相。彼は本当に二つの命を奪った存在なのか、それとも……。
そして仲間を助ける為に異空間へと飛び込むギンガとオーブ。その前に立ち塞がったのはカタラ、そして奴が変わる凶悪な融合怪獣であった。
突き付けられた事実。少女達は何を想い、何を決断するのだろうか……?
次回、「キミと繋がる為に」
「私ね、決めたの」
向けられる虹の剣。それが斬り裂くものは……───