RAINBOW X STORY   作:山形りんごをたべるんご

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劇場版タイガが待ちきれない!!!!



8.炎鳥ト雷竜

 

 

 

 

 

 

 

 

「これって……」

「おおー」

 

 

 Xio司令室。そこでシャマラ博士と涼風、陽花が隊員達にある物を配っていた。それは翔琉の使っているエクスデバイザーにそっくりなデバイス。違う部分といえばカバーの色が金ではなく銀であることくらいだ。

 

 

「これは翔琉さん持つエクスデバイザーを解析して、そのデータから造られた、新型のジオデバイザーっす!」

「この天才であるシャマラ・シャマー博士の頭脳により完成した発明品だ!通信は勿論、他にも様々な機能を加えておいたぞ!さあ、者共!この私を崇めよ!!…………って無視するな!?」

 

 

 シャマラ博士が胸を張るがみんなは無視してデバイザーを見ている。

 

 

「新しい機能って、何があるの?」

「スパークドールズや怪獣の感情を読み取るガオディクション、サイバーカードの読み込み、利用、ウルトラマンエックスに変身した翔琉さんとの連絡を取る事も出来ます!」

「すげぇなぁ……」

 

 

 皆感心して声を唸らす。これら以外にも多くの機能が追加されており、怪獣との戦闘等に役立つ事は間違いないだろう。

 受け取ったジオデバイザーをメンバーが見ていた時、警報が鳴り響いた。ミキリとミハネは即座に席にへと戻りパソコンを操作。

 

 

「日本に向かって物凄いスピードで飛んで来る怪獣がいるよー!」

「タイプはBで飛行速度は約マッハ6!映像でるよー!」

 

 

 モニターに映し出されたのは真紅の翼竜。大きな鳴き声を発しながら猛スピードで海を引き裂きながら飛ぶ。

 

 

「あれは、ラドン!!」

「いえ、あの体色……ファイヤーラドンっす!」

 

 

 ファイヤーラドン。空の大怪獣と呼ばれるラドンの亜種個体。口より高熱の熱線・ウラニウム熱線を放つ事が出来る強力な個体だ。

 ファイヤーラドンは真っ直ぐに、日本目掛けて飛んで来ていた。

 

 

「イヅル、ハヤテ!すぐにマスケッティで出動!上陸する前に撃墜して!」

「「了解!」」

「ミキリ、ミハネはラドンの突破された場合の上陸地点を予測!ザムザは海岸から5km圏内に避難勧告!紗季とリュウジはその支援に向かって!」

 

 

 イヅル、ハヤテ、紗季、リュウジは即座に司令室から飛び出す。そしてそれ以外の者達もファイヤーラドンに対抗する為に行動を開始した。

 

 

「でも、妙ですねぇ……」

「何をしとる!?さっさとせんか!」

「あ、りょ、了解っす!」

 

 

 何かを違和感を感じた陽花であったが、博士に声を掛けられてすぐに戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一方その頃虹ヶ咲では……。

 

 

「ワン、ツー!ワン、ツー!」

「ん〜……ここの腕はもう少し上に上げた方が良いかも〜?」

「かすみんをもっと可愛く魅せる為にはぁ……」

「やはり少し難しい振りに変えてみますか……何だか、燃えてきました!」

 

 

 みんなは週末のイベントに向けて個人で練習をしていた。各々がライバルという状況。それはみんなの中にある闘争心を燃え上がらせる。

 そんな中翔琉は、電子ピアノの前に座り楽譜や音楽の教科書と睨めっこをしていた。

 

 

「あら?何をやってるの翔琉?」

 

 

 果林が彼に話しかけてきた。

 

 

「ん?いや、作曲の勉強してるんっすよ」

「作曲の?」

「ほら、前も俺が作曲してたんだったら、やっぱ出来る様になっといたがいいかなって思って」

「なるほどねぇ」

 

 

 頑張っているみんなの力になれたら……。翔琉はそう思いながら作曲について学んでいたのだ。

 

 

「けどまあ……結構難しいもんっすねぇ……」

「弱気になってるの?」

「あー、ちょっとだけ」

「大丈夫よ。貴方ならまた素晴らしい曲を作れるわ」

 

 

 そう言って微笑んで来る果林。彼女のその姿に、翔琉は少しだけドキッとしてしまう。

 

 

「あら?もしかして、ドキドキしちゃった?」

「まさか……」

「そう?んー……」

 

 

 考える様に顎に指を置く。そして少し微笑んだあと、また彼に話しかけた。

 

 

「ねえ?少し相談があるんだけどいいかしら?」

「何っすか?」

「実は、踊っているとスカートがズレ落ちそうになっちゃうのよぉ。何か良い方無いかしら?」

 

 

 少し身体をくねらせ、悪戯っぽく笑いながら果林は翔琉にそう言う。因みにこれは記憶を失う前の彼にも言ったことだ。その時解決案は出されたのだが、もう一度彼のことを揶揄おうという魂胆なのだろう。魅力的な外観を持つ彼女にそんなことを言われれば、普通の男子なら赤面は必須であろう。

 

 

「ベルト巻けベルト」

「…………まあ……そうね……」

 

 

 しかし翔琉は一切動じること無く返した。

 

 

「けど、動いてたら緩んで落ちちゃうかも知れないでしょ?そうなったらぁ……ねぇ?」

 

 

 何も反応が無いのは面白くない。彼に赤面させるべく、もう一度アプローチをかけてみる。

 

 

「そうなったらめっちゃ笑いますわ」

「翔琉……逞ましくなったわね」

「いえい」

 

 

 ピースサインを向けてくる翔琉を見て、果林は困った様に溜め息を吐いた。以前は照れていたのだが、その可愛らしさは形を潜めたらしい。

 

 

「先輩、果林さん、どうかしましたか?」

 

 

 そこにしずくが声を掛ける。

 

 

「ちょっと彼を揶揄ってみたんだけど……失敗しちゃったわ」

「俺を手玉に取ろうなんて100年早いんっすよ。なあ、しずく?」

「は、はあ……。先輩、改めて変わったなぁって感じます……」

 

 

 少し苦笑いのしずく。そんな時、翔琉のエクスデバイザーに通信が入った。紗季からである。

 

 

「おや?ちょっとすまねえ」

 

 

 彼は一旦席を外し、部室から出て通信に対応した。

 

 

「はいはい翔琉っす」

《翔琉君!怪獣が現れたの!そして、それが日本に向かっているわ!》

「げっ、マジっすか?」

《こっちで対処はしてるけど、もしもの時は君の力を借りる事になりそう……》

 

 

 申し訳無さそうな雰囲気がデバイザーから伝わってくる。彼がウルトラマンエックスで仲間になったとはいえ、まだ子どもである翔琉のことを必要以上に巻き込みたいとは思っていないのだ。

 

 

「大丈夫っすよ」

《翔琉君……》

「みんなが、俺のこと考えてくれてるのは分かってますから。だから俺も、思いっきり戦えるんっすよ」

《……ありがとう、翔琉君!》

 

 

 次に聞こえたのは安心した声。この少年がウルトラマンで良かったと、紗季は心から思った。

 

 

「じゃ、頑張りますか!」

 

 

 通信を終えた後、頬を叩き気合いを入れる。それから翔琉は向かって来る怪獣迎撃の準備の為に駆け出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 なお、その際に同好会のみんなにそれを伝え忘れていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 海上ではファイヤーラドンと2機のスカイマスケッティが激しい空中戦を繰り広げていた。

 

 

「くらえ!」

 

 

 ハヤテの乗るスカイマスケッティαが複数のミサイルを放つ。誘導性のミサイルはファイヤーラドンに向かっていくが、奴は羽撃きその衝撃波でミサイルを全て破壊。更に口からウラニウム熱線をα機に向けて放った。

 

 

「マジかよ!?うおっ!?」

「ハヤテ!?くっそぉ……!」

 

 

 何とかハヤテは回避に成功。β機も光子砲で攻撃するが、ファイヤーラドンはそれを容易く躱す。高い飛行能力と速度、そして火力を誇るファイヤーラドンに、スカイマスケッティは苦戦を強いられている。

 

 

「コイツ、速い!」

「ちょこまかとぉ!」

《サイバーカードを使うっす!》

 

 

 陽花からの通信が入る。

 

 

「サイバーカードを?」

《ジオデバイザーをセットしてからサイバーカードをディスプレイにリードして下さい。そうすればサイバーカードに刻まれた怪獣の力を使う事が出来る様になります》

 

 

 涼風のその声と共に、彼らにサイバーカードが転送されて来た。

 

 

「やってみるか……ハヤテ!」

「応よ!」

 

 

 イヅルとハヤテは送られて来たカードをジオデバイザーに読み込ませた。サイバーカードから、怪獣の力がマスケッティに宿されていく。

 

 

《CYBER THUNDER DARAMBIA LORD》

 

「ダランビア電撃ウィップ!」

 

 

 超合成獣サンダーダランビアの力を秘めたサイバーサンダーダランビアカードをセット。ハヤテはマスケッティから電撃を纏った鞭をファイヤーラドンに向けて放った。ファイヤーラドンは回避しようとするが鞭は奴のことを追尾し、遂にはその足に巻き付いた。強烈な電撃が鞭を伝ってファイヤーラドンを痺れさせる。

 

 

《CYBER KINGJOE LORD》

 

「キングジョーデストレイ砲、発射!」

 

 

 宇宙ロボット・キングジョーを解析して作られたサイバーキングジョーカードをイヅルはデバイザーにセットし、動きを止められたファイヤーラドンに向かってエネルギー弾が放たれた。それは見事に命中。ファイヤーラドンは、悲鳴を上げながら海面に叩きつけられ沈んでいく。

 

 

「よし!」

「やったぜ!」

 

 

「やった!」

 

 

 コックピット内でガッツポーズをする2人。海岸から見ていたその様子を見ていたリュウジと紗季もぐっと拳を握る。上陸する前にファイヤーラドンを撃破する事が出来、皆はほっとして胸を下ろした。

 

 

 

 

 

 だが次の瞬間、ファイヤーラドンは海面から飛び出し咆哮を放った。

 

 

「何!?」

「マジか!?」

 

 

 ウラニウム熱線をマスケッティに向けて出鱈目に放った後、狂った様な眼をしたファイヤーラドンは羽撃いて一直線に海岸を目指す。

 

 

「マズい!」

「と、止めなきゃ!?」

 

 

 銃・ジオブラスターをファイヤーラドンに向けて放つリュウジと紗季。奴はその巨大で高速に飛ぶ事により、ソニックブームを発生させる。そんなものが上陸してしまったら地上は凄惨な事になってしまう。何としてもそれは止めなければならない。

 

 2機のマスケッティが、地上では紗季とリュウジが、ファイヤーラドンを止める為に必死に攻撃を仕掛ける。しかし、奴はそれらを喰らいながらもまるで何かに取り憑かれたかの様に陸地を目指す。このままでは残り数秒で上陸してしまう……万事休すか……?

 

 

 

 

 と皆が思った時である。鏃型の光弾がファイヤーラドンの顔面に激突し、奴の進行を止めた。

 

 

「あれは!?」

「来たか!」

「最高のタイミングだ……!」

 

 

 イヅルとハヤテはマスケッティの中から、リュウジと紗季は振り返ってから光の飛んで来た方を見る。そこに居たのは光の巨人・ウルトラマンエックスだ。

 

 

「ありがとう……ウルトラマン!」

 

 

 地上にいる紗季達に頷いた後、エックスはファイヤーラドンに構える。ファイヤーラドンは滞空して鋭い眼光をエックスへと飛ばしていた。

 睨み合う2体。先に動いたのはファイヤーラドンだ。エックス目掛けてウラニウム熱線を放つ。彼はそれを横に転がって回避し、起き上がりと同時にエックススラッシュを放った。だが奴もそれを難無く躱す。

 

 

「野郎……!」

 

 

 エックスは連続で光弾を放っていくが、ファイヤーラドンはアクロバティックな動きでそれらを全て回避していく。素早い奴を捕らえられず、逆にウラニウム熱線の反撃を放たれた。

 

 

「うおっ!?」

 

 

 光の壁・エックスバリアウォールを前面に展開して熱線を防ぐ。熱線はバリアにヒビを入れた。これをまともに喰らえばダメージは大きいだろう。空を自在に飛び回るファイヤーラドンに、エックスは翻弄されていた。

 

 

「くっそ、どうすっか……」

《何をしとるんだお前は!?》

 

 

 どうすべきかと考えていた時、シャマラ博士から通信が来た。

 

 

《お前も飛んで戦わんかい!》

「は?飛ぶ?」

《そうだ!そうすればまともに戦える!》

「馬鹿じゃねえの?人は飛べねえ」

《ば、馬鹿ぁ!?馬鹿だとぉ!?私は宇宙最高の頭脳を持つシャマラ・シャマー博士だぞ!!?それを馬鹿呼ばわりとはあああああ!?いいか!?今のお前は人間じゃなくてウルトラマンだろうがああああああ!!》

「あ、それもそうか」

 

 

 とりあえず納得したエックスこと翔琉。思いっきり地面を蹴り、彼は飛び上がった。

 

 

「えっ、ちょっ、うおお!?すげぇ……マジで飛んでる!」

 

 

 最初は手足をバタバタさせ少し不安定であったが、すぐに両手を前に伸ばしエックスは空へと舞い上がる。飛行したエックスに驚いたファイヤーラドンだったが、すぐにその鋭い(くちばし)を向けて彼に突っ込んでいった。

 

 ファイヤーラドンの突撃を躱すエックス。そのまま急上昇していく奴のことを彼は追う。速度はエックスの方が僅かながら上らしく、追い付いたエックスはファイヤーラドンの背に手刀を打ち込んだ。墜落しそうになるのを途中で体勢を整って何とか防いだファイヤーラドンは、エックスにウラニウム熱線を放つが彼は空を飛び回りそれを躱していく。先程迄とは逆の状況である。

 

 苛立ったのかファイヤーラドンは甲高い雄叫びを上げ、身体を燃え上がらせながらエックスへと突撃していく。エックスも対抗する様に身体に炎を纏う。

 

 

「アタッカーX!!」

 

 

 そして両手両足を広げ、眩い閃光を伴うX字の炎を放った。大技であるアタッカーXは突っ込んで来たファイヤーラドンに見事命中し、奴はきりもみ回転しながら海面に堕ちた。

 

 

「おし!」

《天地さん、聞こえますか?》

 

 

 涼風の声が彼に届く。

 

 

《新しいサイバーカードを転送します。それを使って下さい》

「新しいカード……なら、やってみますか!」

 

 

 地上に降りたエックス。そして彼は送られて来たサイバーカードをエクスデバイザーに差し込んだ。

 

 

《CYBER ELEKING LORD》

《CYBER ELEKING ARMOR ACTIVE》

 

 

 右腕に砲門の様な特殊アーム、左肩は怪獣の頭部の様な鎧。宇宙怪獣、放電竜の別名を持ち、電撃を自在に操るエレキングの力を宿したエレキングアーマーがエックスに纏われた。

 

 

《どうですか、エレキングアーマーは?》

「んー、ゴモラよりスマート」

《でしょう?》

《そんなぁー!?》

 

 

 涼風の満足した様な声と陽花の嘆きが聞こえるが取り敢えずは無視。右腕の砲門から電撃を鞭の様にし、海面から上がろうとしたファイヤーラドンに巻き付ける。そしてそのまま上空にブン投げる。

 

 

「終いだ……焼き鳥になりな!」

 

 

 砲門に電撃をチャージ。ダメージを受けて体勢を立て直せず、空で無防備になっているファイヤーラドンに向けてエックスはそれを放った。

 

 

「エレキング電撃波!!」

 

 

 放たれた黄色と青の電撃はファイヤーラドンに直撃。その凄まじい威力の前にファイヤーラドンは爆散、そしてスパークドールズにへと圧縮されるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても変ですねぇ……」

 

 

 司令室にて陽花がそんな言葉を溢していた。

 

 

「何がー?」

「変なのー?」

「いや、ラドンは主に火口に生息していてるっす。彼らは基本的に、何らかの外的要因が無い限りこんなに長距離を移動する事は無い筈なんっすよ」

 

 

 自分の知るラドンの生態ではこんな行動をするのは妙だと彼女は思っているのだ。

 

 

「それにあのファイヤーラドン、何処かおかしな気がして……」

「じゃあ、アレも誰かが操っていたと言うの?」

 

 

 沙優の質問に、陽花は「分からないっす……」と首を振った。

 

 何か悪しき力が働いている。そう感じずには、いられなかった……––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「翔琉君」

「………はい」

「どうしてこんな事になっているか、分かる?」

「……いや、その……はい」

 

 

 戦いが終わった後、同好会の部室に戻って来た翔琉。鞄などを置きっ放しにしていたのでそれを取りに来たのだ。日も沈み掛けており、もうみんな帰っただろうと思っていたが、なんと全員残っていた。

 

 そして今、翔琉は頬を膨らませた9人の少女に囲まれている。

 

 

「マジですんません……」

「急に居なくなって、みんなかけるんの事心配してたんだよ!」

「そうだよ!何かあったのかと思ったんだからね……?」

 

 

 愛とエマは少し強めにそう言うが、その表情からは本気で心配だったという気持ちが強く伝わって来る。他のみんなからもそうだ。

 

 

「かすみん達、何度も連絡したんですよ!?」

「マジ?」

「そうだよ〜。けど、君出てくれなかったし〜」

「わ、ほんとだ」

 

 

 携帯には大量の着信履歴とメッセージがあった。

 

 

「全然出ないから凄く心配した。璃奈ちゃんボード《しくしく》」

 

 

 泣き顔のボードを璃奈は見せてくる。これには翔琉も心が痛む。

 

 

「マ、マジでみんなごめん!……今度埋め合わせするから許して?」

 

 

 両手を合わせてそう謝る翔琉。みんなは一度顔を見合わせた後、「はぁ……」と溜め息を吐いた。

 

 

「仕方ないですね、先輩は」

「前もパワフルだったけど、記憶を失ってから別方向にパワフルになった気がするわ……」

「とにかく、もうこんな事はない様にして下さいね?」

「うっす……反省します……」

 

 

 一先ずは許されたので取り敢えず立ち上がった。それから少し痺れる足をお仕置きと言って突いて来るかすみの頭を適当にわしわしと撫でておく。

 もうやるなとは言われたが、間違い無くまた抜け出す事になるだろう。その時は上手く言い訳しなければと、翔琉は密かに思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ただいま〜」

 

 

 新城野 明里は学校から帰宅した。海に出たという怪獣はウルトラマンが倒してしまったと聞いたが、彼女からすればどうでもよかった。

 

 

「お帰り、明里」

「あ、お父さん帰ってたんだ」

「今日は仕事が早く終わってな」

 

 

 リビングに居たのは新城野 広也(ひろや)。明里の父である。

 

 

「お母さんとお姉ちゃんは?」

「紗季は仕事で遅れるみたいだ。ほら、ニュースでも言ってただろ、怪獣が出たって」

「あー、それでか」

 

 

 明里は鞄をソファーに置くとキッチンに行き冷蔵庫を開けて中に入っていたオレンジジュースを取り出し、それをコップに注いでからぐっと飲む。

 

 

「母さんは何も聞いてないが、その内帰って来るだろう」

「ふーん」

 

 

 そんな話をしていた時、扉の開く音と声が玄関から聞こえて来た。

 

 

「ただいまー」

「お帰りー、お母さん」

「お帰り」

「あら、2人とも先に帰ってたのね」

 

 

 そう言って微笑むのは明里の母で広也の夫である新城野 利子(としこ)だ。

 

 

「母さん、どこに行ってたんだい?」

「んー?ああ、ちょっとお買い物にね。そしたら知り合いに会っちゃって、つい話込んじゃったのよ〜」

「母さん……」

 

 

 「ごめんね〜」と笑いながら広也に謝る利子。明里はやれやれと呆れた顔をした後、ソファーの上に置いてた鞄を取って自分の部屋に行こうとする。

 

 

「あ、そうだ明里。帰って来る時にケーキ買って来たから、一緒に食べましょ?」

「ほんと?やったー。じゃあ、これ部屋に置いて来るね」

 

 

 笑いながら彼女はそう答え、部屋に向かって歩き出す。自室に入った彼女は机の椅子に鞄を置く。横を見ると、そこにあるのは相変わらず大量のスパークドールズと怪獣カプセルの飾られた棚。そして机の上のパソコンにはダークルギエルの姿が映されている。

 

 

《お帰り明里》

「ただいまルギエル」

 

 

 声を掛けてきたルギエルに明里は振り返りもせずに返す。それから彼女は部屋を出てリビングに戻っていった。

 

 

「おー、どれも美味しそう」

「お姉ちゃんにも一個残しといてあげましょう」

「はーい」

 

 

 利子がケーキが並べ、3人はテーブルに着く。それから手を合わせた。

 

 

「いただきまーす」

 

 

 何の変哲も無い家族の生活がそこにはあった。

 

 

 

 

 

 





ジオデバイザーは本編と違い、エクスデバイザーを基に造られたという設定になっています。

ゴジラシリーズよりファイヤーラドン登場!
本作ではラドンの亜種個体という設定です。この様に本編とは多少設定を変えて登場する怪獣も出てきます。

それともし登場してほしい怪獣や宇宙人などがいたら、リクエストを頂けると嬉しいです。

それでは今回はここまで。
感想、質問、高評価、山形りんご、その他、是非お待ちしてるんご!


















次回、ブラックホールが吹き荒れるぜ!


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