ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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12話_俺、プッツンしました

「粗茶をどうぞ」

「うむ…いやぁ、相変わらずリアスのクイーンが淹れるお茶は旨いな」

「痛み入りますわ」

 

…今朱乃さんが淹れた奴、文字通りの『粗茶』だった奴だろ、それを旨いとか完全にお世辞だよな、コレ、大方フリードの暴挙を受け流したり、朱乃さんを褒めちぎったりで印象を良くしようって寸法か、安直だな…

対する朱乃さん、ライザーの奴への悪印象は定着しているのか、一応作り笑いはして、礼はしているが…眼は笑っていなかった、相変わらず怖ぇな。

それに気付いている上でやっている確信犯なのか、或いは全く気付いていないのか…恐らく後者だな、あの様子からして…馴れ馴れしく部長の隣に座り、挙げ句に肩抱いたり手を撫でたりしやがる…グレイフィアさんがいなかったら即刻ぶちのめした所だったんだが。

 

「気色悪いっすね、アイツ…!」

「なぁ、あのバカ殴って良いか?」

「佳奈、一先ず抑えろ、俺だってぶちのめしたいのは一緒だが」

「触られていないのに鳥肌が…」

「大丈夫か、れーちゃん?」

「う、うん大丈夫だよ、いっちゃんが側にいるし」

 

そうか、なら大丈夫だな。

それにしてもライザーの馴れ馴れしい振る舞いに部長の不機嫌さが増しているのを、アイツは気付いているのか?

…そろそろグレイフィアさんがどうのと言っている場合じゃ無くなるぞ…!

 

「いい加減に(パァン!)してちょうだい!」

 

あ、とうとうキレた。

にも関わらずライザーはニヤけ面を崩さない…Mなのか、或いは余裕か…ウザい事この上無いな…!

 

「私は貴方と結婚する気は無いわ。私にだって自分の旦那様が誰かを決める権利は有るの!」

「リアス…先の大戦で純粋な悪魔、とりわけ72家の面々の大半は消えたんだ。この縁談はな、その純粋な悪魔をこれ以上減らさぬための、グレモリー家とフェニックス家、そして魔王サーゼクス・ルシファー様の総意なんだ。それにグレモリー家は君のその主張が通る程、切羽詰っていない事情じゃあ無いだろう?」

「それは分かっているわ。けれどももう一度言うわライザー…貴方の様な存在とは結婚なんてしない!」

 

おお、ビシっと言ったなあ、流石部長。

だがライザーに引く気配は全く無い…そろそろ、やるか…!

 

「…リアス、俺もフェニックスの看板を背負って来ているんだ。その名に泥を塗る訳にも行かないんだよ。俺は君の眷属、全員を倒してでも冥界に連れて帰るぞ!」

 

…言ったな、よし…!

 

「タスク!(ヒュッ!)」

「んなっ!?」

「イッセー!?」

「…余り舐めた口聞いてんじゃあ無ぇぞこの焼き鳥が!今からそのクソッタレな脳みそと汗臭い胴体とを分割してやろうか!?」

「焼き鳥だと!?貴様、下級悪魔の分際で誰に向かって口をきいている!」

「は、知るか。色々と事情があるみたいだから今は寸止めにしているが…これ以上は、本当に殺るぞ?」

「ふん、やってみろ!所詮フェニックス家の再生能力の前には無駄だ、無駄無駄無駄無駄!」

 

そうか…なら試して…

 

「御二人ともお止め下さい」

 

っ!何か凄まじい威圧感が…あの声からしてグレイフィアさんか…魔王様の奥さんという肩書きに相違ないって奴だな…!

 

「…失礼しました」

「…申し訳ありません」

「グレモリー家もフェニックス家も、当人の意見が食い違う事は想定しておりました。故に、最終手段を用意しております」

「最終手段…まさか」

 

グレイフィアさんが用意しているという『最終手段』…それに思い当たる物があるのか、部長が見当付いた様な顔を見せた。

 

「お嬢様とライザー様による『レーティング・ゲーム』で決着を付けてはどうでしょう?」

 

レーティング・ゲーム…何じゃそりゃ?

 

「木場、レーティング・ゲームって何だ?」

「分かりやすく言うと、其々の眷属による小規模な疑似戦争だね。予め異次元に作られたバトルフィールドにて、上級悪魔とその眷属同士が戦うんだ。参加者の生命には万全の保護体制を敷いているから、悪魔を減らす事無く且つ実戦経験を積めるという事で、今の悪魔社会では優遇されているんだよ。その優遇具合は、ゲームの成績が主人の地位に影響し、一方で眷属悪魔はゲームで活躍する事で昇進のチャンスが得られ、その果てに上級悪魔として眷属を持てる様になり、そして主人としてのゲームの成績で…といった程なんだ」

「マジか…悪魔の技術ってすげぇな…」

 

成る程、実力主義の悪魔らしく、互いの力をぶつけ合って決めろって訳か…良いね、これであの焼き鳥野郎を合法的にぶちのめせるって奴だな!

 

「…分かったわ、その提案、受けるわ。丁度眷属も一気に増えて来た所なのよ」

「ふん、良いだろう。俺が勝った時には…分かっているな?」

「了解しました」

 

部長と焼き鳥野郎の意を聞き、ほっとした様子のグレイフィアさんだった…が、焼き鳥野郎は何時の間にかニヤけ面に戻った…いい加減にしろや!

 

「ところでリアス…眷属を増やしたと聞いたが…今此処にいる全員がそうなのか?」

「だったら何かしら?」

「はは、一気に増やしたと言ってもその程度か。これでは簡単に勝負が付きそうだぞ?」

 

…おい、俺達を舐めているのか?

 

「君を加えても11人…対して俺は、」

 

パチン、という指を弾く動作と共に、

 

「16人、フルメンバーだ」

 

魔法陣が形成され、15人の…恐らく焼き鳥野郎の眷属だろう…女性が現れた…っておい、

 

「15人ものハーレムかよ…」

「おまけに部長入れて16人にしようなんて…女の敵だね…!」

「まじ気色悪いんすけど…」

「何か本格的にぶちのめしたいな」

「うわっちゃーお、悪趣味此処に極まれりって奴?」

「は、英雄色を好む、人間界の諺だろう?」

 

悪魔のお前がドヤ顔で語ってんじゃねぇよ英雄と呼ばれている人に謝れお前は英雄じゃなくて焼き鳥だ…そしてなにより、

 

「あんな振る舞いをするてめーの事だ…とりあえずハーレム作りたいなぁとか考えて適当に眷属にしたとしか思えねぇ。そんなクズの極みに、部長をやれるかってんだ!」

「な…よりにもよってクズだと…!」

「ザコの癖に生意気な!」

「ライザー様に何て口を!」

「ミラ!やってしまえ!」

「はい!」

 

俺の悪口が琴線に触れたのかブチ切れた焼き鳥野郎、ミラという眷属…和服を着た小柄な少女で、バトンみたいな棒を武器として持っている…を俺に突撃させる…が、

 

「ふん!(スパァ!)」

「…え?」

 

射程距離外からなら無力だ…俺は瞬時に爪の斬撃を伸ばし、棒を細切れにしてやった。

 

「なっ!小癪n」

「おぅぅぅぅぅらぁ!」

「がっ!?(ギュルルルルルルルル!)ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

その様子を見ていた焼き鳥野郎が激昂して俺に飛びかかろうとしたので鉄球を即座に取り出して腹にぶち込み、永続する回転による波紋で内蔵にダメージを与えつつ後方へと押し込み続けてやった。

 

『ライザー様!?おのれ!』

「タスク・ガトリング!(ズババババババ!)」

『きゃぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

更に焼き鳥野郎が吹っ飛ばされたのを見て突撃しようとした他の眷属達も、爪弾のガトリング砲の如き掃射によって服やら武器やらをズタズタにして無力化してやった。

 

「以上…正当防衛を兼ねた自己紹介」

「す…凄いわねイッセー」

「間近で見たのは初めてですわ…これがイッセー君の強さ…」

「僕も負けていられないな」

「…無双にも程があります」

「はわわ…だ、大丈夫ですか?」

「いっちゃん…素敵…」

「はぐれ悪魔祓い達を圧倒したのも納得っすね」

「容赦ねぇなオイ」

「圧巻の出来だな…」

「流石イッセー君!俺達じゃあ出来そうに無い事を余裕でやってのける!其処に痺れる憧れるぅ!」

「…やり過ぎな感は否めませんが、まあ良いでしょう。しかしながら人数もそうですが、お嬢様はまだレーティング・ゲームの経験がありません。故に1週間後にゲームを開催するという事で良いですね?」

「…分かったわ」

「…はい」

 

最後にそう言い残し、グレイフィアさんと焼き鳥野郎、そしてその眷属達は帰って行った。

1週間後か…今から楽しみだぜ!

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