ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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13話_俺達、訓練を始めました

あの焼き鳥野郎達とのレーティング・ゲームが決まった翌日、俺達はグレモリー家が所有しているという別荘へ向かう為、山道を歩いていた。

グレイフィアさんも言っていたが俺達は焼き鳥野郎達と比べて人数不足、加えてゲーム経験が無い以上不利なのは明らか、幾らあの場で全員を無力化して見せた(手の内を殆ど見せていなかったし、不意打ちだったが)俺がいるとしてもそれは変わらない…そう判断した部長がこの1週間という準備期間で各々のレベルアップを図るべく訓練しよう、という事で、別荘にて行う事になったのだが…

 

「お…重いな…一体何が入っているんだ…」

「…マジ勘弁して欲しいわ女子の荷物の多さって」

「…根性出して下さい」

「これ位でへばっちゃ先が持たないよ」

「そうだぜ、ファイト一発!」

「これも訓練の内だ、そうだろう?」

「分かっている…今まで技術ばっかり磨いていたからな、フィジカル面を鍛える良い機会だ」

「…何で木場ちゃん余裕なのこの大荷物で?」

 

その荷物持ちとして、俺達男勢と戦車である小猫ちゃん、そして如何にも鍛えていますと言わんばかりの佳奈が選ばれたのだが…その重さに俺とフリードは苦戦していた…はぁ、パワー比べじゃあはぐれ悪魔に勝てないと決め込んで鍛えなかったツケが此処で来るとはな。

 

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「着いたわ、此処よ」

「デカい…流石グレモリー家」

「凄く…大きいです…てかw」

「凄い…お屋敷だよコレ…」

「流石お嬢様っすね、部長」

 

山道を歩いて数時間、部長の知らせで目を向けると其処には、れーちゃんが言った通りデカい屋敷があった。

人間界にこんな大きさの別荘を持つとかどれだけ潤沢な財産を持っているんだグレモリー家って…

 

「着替えたら早速訓練に入るわよ、良いわね」

『はい!』

 

部長の掛け声に伴って俺達は屋敷に入り、着替えをする事にしたが、

 

「覗かないでね」

「誰が覗くか!」

「おいコラ木場ちゃんくそみそ的な展開は止めろや」

 

といった事が男子更衣室であったのは此処だけの話だ。

 

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「さて、これから訓練に入るけど…イッセー、貴方の意見も聞きたいわ」

「え、俺ですか?」

「ええ。これまで数々のはぐれ悪魔を討伐し、昨日はライザーとその眷属を無力化して見せた…その経験と実力を持つ貴方の指導方針を聞きたいの。良いかしら?」

『良いんじゃないか、相棒?他人を指導するのも自らの糧になる』

「そうですね…分かりました」

 

各自ジャージに着替えて集合、訓練に入ろうとした所、部長から、俺の意見を求められた。

俺みたいな我流の技術でのし上がった奴が、人に教えられる物があるだろうかと思ったが、ドライグの勧めもあって受ける事にした。

 

「今回は1週間という期間がありますから、基礎的な物と、後は各々の持ち味を伸ばしていくのがベストだと思います。今ある物を活かしたまま弱点を潰していくとなると時間が掛かりますからね。そこでまずはどんな持ち味があるか挙げて下さい。まずは部長から」

「私から?私は魔力ね。母から受け継いだ『滅びの魔力』が使えるわ」

「私は魔力による雷撃ですわ」

「…パワーなら負けません」

「僕は剣術かな。後は魔剣創造だね」

「俺っちは剣術と刺客の血、後は色々な武器が使えますぜ」

「聖母の微笑で傷を治す位しか…」

「光力はレイネル達も持っているしな…そうだ!八極拳なら少しばかり覚えがあるぜ」

「私も我流だが、格闘術なら多少の覚えがある」

「私はそういう持ち味は…無いかな」

「私も無いっすね…」

 

改めて聞いてみると結構個性がばらけているよな、俺達って…よし!

 

「そしたらまずはグループ分けします。木場とフリードで剣術訓練を、部長と朱乃さん、アーシアで魔力訓練を、といった感じで。後、子猫ちゃんも体術訓練のグループにするけど、振り分けは後でな。残りのメンバーは俺と今日、同行して各自訓練を回り、改めて振り分けます。後、詳しい指導方針は回りながら伝えます…といっても魔力に関しては、俺は門外漢なんで部長と朱乃さんにお任せします。良いですね?」

『了解!』

「よし、それじゃあ訓練開始!」

 

そして、1週間に渡る俺達の訓練が開始した。

 

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Lesson1 剣術訓練

 

「はっ!」

「甘いぜ!(バキィ!)」

「なっ!?」

「そら!」

「くっ!?」

「これで10回目だ」

 

騎士としての特徴である高速移動を駆使して俺の背後を突こうとする木場だったが、爪の斬撃によって魔剣を砕かれ、そして首前に爪が突き付けられる…

 

「実力差は歴然だと思っていたけど…こうもあっさり負けるとはね」

「そうでも無いぞ。少なくとも剣術に関しては完成の域に達していると俺は思っている…戦法が我流の俺だが、お前の剣筋は綺麗で無駄という物が無い。誰か高名な剣士の指導でも受けたのか?」

「うん。サーゼクス様の騎士である、沖田総司様からね」

「…へ?」

 

沖田総司って…まさか?

 

「君の想像通りだよ。新撰組1番隊組長、沖田総司様から剣の指導を受けているんだ」

「…マジですか。通りで綺麗な太刀筋だ」

 

日本の幕末史にその名を轟かせる剣士、沖田総司…後に新撰組における上司となる近藤勇や土方歳三と共に天然理心流の道場で剣術を学び、その天性の才から若くして塾頭となり、後の無双振りの素地となった。

歴史上では池田屋事件の際に喀血、肺結核と診断されてそのまま病死したとされているが…まさか魔王様の眷属になっていたとはな。

 

「まあ剣術に於いては俺から言う事は無い…口出したら崩れかねないからな。とは言え、作り出される魔剣の練度がなっていないな。俺の爪の斬撃は金属でも切り裂けるが、それでもかなり強固なそれだったら弾き飛ばされる。お前の魔剣がいとも簡単に砕けるという事はお前のイメージがなっていない証拠だ。そこでお前に課す訓練は2つ。魔剣創造の練度を高める事と…後はフリードの指導だ、アイツはお前とは逆に、刺客の血の扱いは心得ている様だが剣筋がぐちゃぐちゃだ、矯正する所が多すぎる」

「うん、分かったよ」

 

剣術の方はコレで良いな。

 

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Lesson2 体術訓練

 

「…えい!(ビュン!)」

「甘いぜ!(パッ!)ふっ!」

「えっ!?」

「はっ!(ドン!)」

「くっ…!」

「ハイィィィィ!(ドゴォ!)」

「ぐっ…うぅ…!」

「力任せに拳ぶん回せば良いってもんじゃあ無いぜ?」

 

小猫ちゃんと佳奈の立ち合いは、一方的だった…ストレートパンチを軽くいなしつつ背を向ける様に体勢を直し、八極拳の代表技である背面体当たり『鉄山靠』で崩し、最後は力強い踏み込み『震脚』からの掌打で昏倒させた…凄い手際だな、これが少し、か。

それにしても…何で八極拳を極めようと思ったんだ?堕天使は翼を用いた空中戦が肝の筈、震脚の重要度が他の中国拳法の流派とは段違いに高い八極拳とは合わないと思うが…

 

「佳奈の言う通りだな。そこで子猫ちゃんは明日から佳奈の指導を受ける様に。後、佳奈は俺の指導も頼む…俺も体術は全く心得が無いからな」

「…分かりました」

「了解だぜ」

 

けれど覚えておいて損は無い、俺も受けて見るか…今からじゃあ焼き鳥野郎とのゲームにおいて付け焼刃にしかならないとは思うが。

 

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Lesson3 魔力訓練

 

「魔力は身体から溢れるオーラを流れる様に集めるのですよ」

「はい!…出来ました!」

「成る程…こうかな…と!」

「分かったっす!…お、出来たっす!」

「ふむ…こうか」

 

朱乃さんの指導に従い、俺達は魔力を集めていた…アーシアは小型バランスボール位の大きさ、れーちゃんと美月はハンドボール位の大きさ、塔也は野球ボール位の大きさの魔力を形成出来たが、

 

「む、うーん…難しいな…!」

「ふぬぬ…中々集まんないぜ…!」

 

俺と佳奈は苦戦していた…といっても俺は何とか集められているのに対して佳奈は集まる気配が無いという違いがあるが。

 

「出来た!…ってカラーボールサイズか」

「何でアタシの魔力は豆粒なんだよ!」

 

何とか苦心の末に俺達も魔力を集められたが、俺は塔也の一回り小さいカラーボール大の大きさ、そして佳奈は…豆粒だった。

魔力とはいわば精神力及び苦労的な経験によって増大すると朱乃さんは言っていたから…俺達には魔力を操る才能が無いのかも知れないな…

 

「よし、これで振り分けは決まった…佳奈と俺は体術、れーちゃんと塔也と美月は魔力訓練を受けてくれ。良いな」

「おっしゃ!」

「うん!」

「了解っす!」

「承知!」

 

こうして、各メンバーの訓練方針は決まった。

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