ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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17話_レーティング・ゲーム、始めました

ついに今日、あの焼き鳥野郎達とのレーティング・ゲームとなった。

時間は深夜11時半ば、俺達はオカルト研究部の部室にて、グレイフィアさんの呼び出しを待っていた。

そんな状況下で皆何をしているかと言うと…まず木場だが、以前俺達に見せた魔剣『爪刃』のナイフ版の出来を確認しては作り直していた…まだその出来に満足していない、という事か。

フリードは木場から習った剣術の復習なのか、帯刀している刀を居合抜きしたり、側に立て掛けてあった木刀を素振りしたりと、こちらも鍛錬に余念が無かった。

小猫ちゃんはオープンフィンガーグローブを、佳奈は包帯をぐるぐる巻きにした物を装着し、八極拳の型を確認していた。

塔也は自らの右手から暗闇の魔力球を出しつつ、それをじっと眺めていた…こう一言で言うと中二病かと突っ込まれそうだが違う、実態は、魔力球の大きさを維持する事による魔力制御の鍛錬をしている…工夫に活路を見出す塔也らしいな。

アーシアは唯一のシスター服(他は何時もの学校での服装だ)、アミュレットを握って何かお祈りを捧げている様だった…良く見ると握っている手が震えている、まあ疑似的で小規模とは言え、初めての戦争だ、無理もないだろう。

部長と朱乃さん、れーちゃんと美月はテーブルを囲んで紅茶を飲みながらガールズトークをしていた…傍から見ると女子会だな。

そしてそんな周囲の状況を事細かに説明している俺はと言うと…タスクによって回転している爪をグラインダー代わりに鉄塊を削って、鉄球製作をしていた…今回は今までの様なはぐれ悪魔との戦いじゃない、本格的なチーム戦だし、悪魔になって鉄球の重要性も増した、使う場面は多くなるし、多く作って置くに越した事は無い…最近の基礎トレーニングで10個程度なら然程重さは感じなくなったしな。

そんな感じで待機していると、

 

「皆様、準備は宜しいでしょうか?開始10分前です」

「来たか…」

「ええグレイフィア、準備はOKよ」

「開始時刻になりましたら、こちらの魔法陣から戦闘用のフィールドへと転送されます。異空間に作られた使い捨ての世界ですので、思う存分戦って構いません」

 

グレイフィアさんが来た…使い捨てで世界を作り出すとは、悪魔の技術って本当に凄いな…

 

「今回のレーティング・ゲームはグレモリー家とフェニックス家の皆様の他、魔王サーゼクス・ルシファー様を始めとした上層部の方々も、他の場所より中継で拝見されます。お忘れなきよう」

「お兄様が…分かったわ」

 

っ!まさか妹である部長の件とはいえ、魔王様が態々見に来るとはな…こりゃ腕の見せ所って奴だな!

 

「さあ、私の可愛い眷属達。準備は良い?いよいよ不死身として名の知られたフェニックス家の中でも将来有望な才児ライザー・フェニックスとのレーティング・ゲームが始まるわ。言うまでもなく私達にとって初めてのゲームよ。だけど朱乃、祐斗、小猫、アーシア、レイネル、佳奈、美月、塔也、フリード、そしてイッセー…貴方達がこの一週間で学んで来た事は確かに身になっている筈よ。それを信じて立ち向かえば、敵わない相手じゃないわ。全力で勝ちに行きましょう!」

『はい!』

 

部長の決意の声と共に、俺達は魔法陣に乗り、部室を後にした…

 

――――――――――――

 

…と思ったら、

 

「あれ、部室?」

 

光が晴れた其処には、転移する前と変わらない部室があった…転移失敗したのか?

 

『いや…相棒、外を見てみろ』

 

訝しむ俺の脳裏に、聞こえて来たドライグの勧め…外に何かあるって言うのか…って…!

 

「空が…名状しがたい色合いになっている!?」

 

何て言うか、外にも駒王学園の風景が相変わらず広がっていた…が、その空は、普通だったらありえない、緑やら黄色やらといった色合いが混じりあっていた…ザ・異世界って感じだな。

 

『恐らくは我らのホームグラウンドである駒王学園を模した世界となっているのであろう…大方、地理的に優位なこの場所でさえ勝てないとあれば諦めも付く、等と言う考えかも知れん…俺達も舐められた物だな』

「良いじゃねぇかドライグ、好きなだけそう思わせて、実際に動き回ってアッと驚かせたら良い」

『それもそうか…相棒、鉄球の準備に余念が無かったみたいだが、Act2も直ぐ補充できる様、俺を出しておけ。悪魔陣営に入った以上、今までの様に俺の、『赤龍帝』としての相棒の存在を隠す事も無いだろう』

「分かった。さしずめ『赤龍帝の悪魔社会デビュー』って所か!」

 

Act2、というのは現時点でのタスクのもう1つの能力だ…が、これの詳しい説明は後でな…現時点で、と加えている事についても後で。

 

『皆様、この度グレモリー家とフェニックス家の試合において、審判役(アビエーター)を任ぜられましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します』

 

ドライグと方針を話し合い、赤龍帝の籠手を左手に展開した俺の耳に、グレイフィアさんのマイク越しであろう声が聞こえて来る。

 

『今回のレーティング・ゲームのフィールドとして、リアス・グレモリー様、及びその眷属の方々が通われる駒王学園の校舎をベースとした世界を用意しました』

 

…改めて悪魔の技術マジ凄い。

 

『両陣営が転送された、現在いる地点が其々の本陣でございます。リアス様が旧校舎の、オカルト研究部の部室。ライザー・フェニックス様が本校舎にあります生徒会室となっております。両陣営の兵士は、相手方の本陣に足を踏み入れた瞬間、昇格が可能となります』

 

ここら辺はチェスと一緒だな…俺達の陣営の兵士は、俺、れーちゃん、佳奈、美月、そして塔也の5人…一方の焼き鳥野郎達は上限いっぱいの16人だから…8人いる訳か。

 

「皆、これを着けて。これで通信が可能になるわ」

『はい』

 

部長から、通信機の役割を持つらしい光の球を渡された…互いの連絡は重要だよな。

 

『チャイムが鳴り次第、開始となります。制限時間は人間界の夜明け、午前5時までとなっております』

 

チャイムが鳴った…始まったか…!

 

「さあ、作戦会議を始めましょう」

 

地図を広げつつ部長が仕切る…さてどうするかな…

 

「まずは攻撃拠点を確保したいわね…」

「部長、体育館を確保しませんか?体育館はセンターとも言える場所。優位に進められます」

「主リアス、体育館の確保をスムーズに進めるべく、周囲の森林に伏兵を忍ばせてはどうだ?スピードの速い奴か、遠距離攻撃が出来る奴が良い」

「分かったわ。なら各自罠を作成して持ち場に付いて。小猫とフリード、佳奈は体育館の確保に向かって」

「…はい!」

「アイアイサー!」

「おっしゃあ!」

「祐斗と美月は森林で待機して」

「はい」

「了解っす!」

「朱乃は両方を警戒、戦闘が発生した場所に援護に向かって」

「分かりましたわ」

「イッセーとレイネルは前線で遊撃ね」

「はい、部長!」

「はい!行こう、いっちゃん!」

「アーシアと塔也は此処で待機。アーシアはけが人の治療を、塔也は護衛を頼むわ」

「分かりました!」

「承知!」

 

木場と塔也の提案で方針を決めた部長、俺達はその部長の指示に従い、其々行動を開始した…

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