ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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20話_俺、果し合いをしました

『ライザー・フェニックス様の『戦車』1名、『兵士』3名、リタイア』

「おお、皆頑張っているな」

「そうだね、私達も負けていられないね」

 

焼き鳥野郎の眷属達が脱落するアナウンスが続々と放送されるのを耳にしながら、俺とれーちゃんは翼を広げて周囲を索敵していた…普通に考えれば遮蔽物の無い空中を移動するなど自殺行為に等しいが、逆に言えば陽動として効果的であるし、慎重な相手であれば迂闊に攻めて来ないだろう、仮にそうでなくてもAct2で対処は可能だ。

そう思い立ち、戦局を進める上で有効と考え、鉄球のレーダーを使いながら周囲を飛行していた…む!

 

「れーちゃん、森林内のあの地点に木とは違う反応が!」

「!…もしかしなくても敵だね。どうしようか、いっちゃん?」

「俺が陽動に出る。れーちゃんは光力で援護してくれ」

「うん、気を付けてね」

「分かった!」

 

れーちゃんと言葉を交わし、その地点に急接近する…数は分からなかったが、残りの人数からしてそう多くは無いだろう、俺の爪弾の残りも考えれば…何人だろうと立ち回れる!

そう判断し、

 

「タスクAct2!」

 

翼を閉じ、黄金長方形をイメージし、

 

「しゃぁぁらぁぁぁ!(ザン!)」

「きゃぁっ!?」

美南風(みはえ)!?」

「あ…あんな距離からだと!?」

 

空中から左腕で薙ぎ払った…どうやら手応えあった様だな。

 

『ライザー・フェニックス様の『僧侶』1名、リタイア』

「ば、馬鹿な…一体どうやって!?」

「にゃ、にゃにゃ…」

 

まさかあんな距離から味方が切り裂かれるとは思いもしなかったのか動揺する連中だが…驚く隙は与えないぜ!

 

「しぇぇあぁぁ!(ビュゥン!)」

「な!来るぞ!」

「っちぃ!」

「「(ザシュゥ!)にゃぁぁ!?」」

「ニィ、リィ!?」

『ライザー・フェニックス様の『兵士』2名、リタイア』

「な…こんな短時間で…此処まで追い詰められるとは…!」

「随分な手際だ…」

 

残りは…3人か、どうやらこれで焼き鳥野郎を除いて全員という訳か。

 

「皆、どうやら俺の目の前にいる奴ら3人で、あの焼き鳥野郎の眷属の残りは全員の様だ」

『大活躍ね、イッセー』

『あらあら、私も負けていられませんわね』

『…相変わらずのチート振りです』

『流石イッセー君!俺達に出来ない事を平然とy』

『フリード、その中の人ネタはもういいっつーの』

『ははは…あの地雷といい、女王を倒した事といい、イッセー君の土壇場だね』

『本当っす。正にイッセー兄さん様々っすね』

『格好いいです、イッセーさん!』

『私も負けていられんな』

「まさか此処まで追い込んでくるとは…あんな大口を叩く程はある!私はライザー様の騎士、カーラマインだ!リアス・グレモリーの眷属よ、此処で一勝負しようじゃないか!」

「なっカーラマイン!?」

「またコイツの悪癖が…」

 

俺が部長達に報告していると、突然、西洋風の鎧を身に纏い、バンダナを巻いた少女が名乗りだした…一騎打ちしようってか?

 

「そんなあっさり乗ると思っているのか…と言いたい所だったが気が変わった。あの焼き鳥野郎に引っ付いている只のバカ女かと思ったら、中々の根性じゃないか。良いぜ!俺はリアス部長の『兵士』、兵藤一誠!今代の赤龍帝だ!」

「ほお、伝説に聞く赤龍帝か!だったら相手に不足は無い!ハァァァァ!」

「行くぜ行くぜ行くぜ!」

 

あの焼き鳥野郎も良い眷属持っているじゃねえか…流石に見た目だけでは無いってか。

そう思いつつも俺はカーラマインと名乗った少女の一騎打ちに乗り、駆けて行く。

その距離が段々と近づき、タスクの斬撃の射程圏内に来て、

 

「しゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

「甘い!(ビュゥン!)ハァっ!」

「っちぃ!」

 

左腕を一閃するもそれを先読みしていたかの様に避けられ、逆に炎を纏っていた剣から刃状の炎が放たれ、俺は何とかそれを斬撃で相殺した…あの炎の剣といい、身に着けている鎧といい、お前は何処のピンク髪のヤンデレポイズンシェフだ!

 

「君がどうやって美南風やニィ、リィを倒したかは分かっている…その爪による斬撃が伸びたのであろう。そして斬撃を伸ばせる距離には限界がある…そうだろう?」

「ああ、大当たりだ。だが、タネが割れた所でどう対処する?」

「決まっている…こうだ!(ヒュゴォ!)」

「っく!」

「遠くからチマチマした攻撃は好かんのだが、君相手にはこうでもしないとな!」

「お前本格的に中の人が一緒なピンク髪のヤンデレポイズンシェフそっくりだな!」

「メタ発言している暇など与えん!」

 

くっ今まで色んな悪魔と戦って来たが…此処までやりにくい相手は初めてだ!

焼き鳥野郎との戦いの為にキープしたかったけど、こうなったら…仕方ない!

 

「黄金回転の爪弾!」

「!(ドバァン!)くっ…うぅ…やってくれるじゃないか…!」

「なっ…腕一本だけだって…!?」

 

これで決着を付けてやろうとAct2による追尾能力のある弾痕を持つ爪弾を発射したが…カーラマインは左腕を失いながらも、尚その場で戦意を示していた。

 

「ユーベルーナがあっさりやられたんだ…実力者の上にフェニックスの涙を持っている彼女が、いの一番にやられたとあれば、それ程の攻撃を、反応する暇すら与えずに直撃させたとしか思えん…どうやら君の弾丸がその様だな。警戒して正解だった。尤も…このザマだが」

「そこまで読んでいたとはな…何だか負けた気分だぜ」

「ふふっライザー様の罵倒は聞くに堪えなかったが、それを抜きにしても君の様な猛者と戦えて光栄だ」

「そうかい。(ドバァン!)じゃあな」

 

互いの健闘をたたえ合いながら、俺はもう1発、爪弾を彼女に放った…さっきキープすべきと思っていたのにこんな無駄遣いをしたのは、俺なりの敬意だ…俺とまともにやりあって見せた彼女への、な。

それにしても、フェニックスの涙って確か、受けた傷を全て癒してくれるアイテムだったよな…いの一番に倒して良かったぜ。

 

『ライザー・フェニックス様の『騎士』1名、リタイア』

「いっちゃん、大変だよ!」

「れーちゃん、どうしたんだ?」

「実は、部長が…」

「!」

 

カーラマインを倒した所でれーちゃんから聞いた情報…それは俺を驚愕させた。

何と部長が、アーシアと塔也だけで焼き鳥野郎の本陣に突っ込むそうだ。

ゲームの勝敗を左右する王が自ら本陣に乗り込むなど正気では無いと皆して留めたそうだが、部長の意志は固かった…くそっカーラマインとの戦いに気を取られて通信を聞き逃したか!

どうした物か、まだ此処には2人…撃破された数からして僧侶と戦車だろう…残っている、焦って部長の救援に向かって、背後から急襲されたら面倒だ…!

だが、

 

「リアス・グレモリーの救援に行くのだろう?早く行くと良い。私達は手を出さん」

「イザベラの言う通りですわ」

「?は、はぁ?」

 

その葛藤を見越していたのか、何とこの場を見逃すとの発言が、イザベラと呼ばれた、顔半分を仮面で隠した少女から出た…一体何を?

 

「生憎、それを鵜呑みに出来る程バカでも、考えた末に信用出来る程冷静沈着でも無い…行けと言われて、はいそうですかとはいかないんだが」

「ユーベルーナ様やカーラマインを圧倒して見せたその手腕…仮に私達が束になって掛かっても足止めにすらならん…背を見せた隙を突いた所で同じだ」

「そうですわ。それに…驕り高ぶった兄には少し灸を据えなければと、丁度思っていた所ですの」

「…へ?」

「…え?」

 

い、今何て…?

 

「れーちゃん…彼女、今『兄』って言わなかった?」

「うん、言っていたね…まさか…」

「ああ、そのまさかだ…この方はライザー様の妹君、レイヴェル・フェニックス様だ」

 

な、

 

「なん…だと…」

「…つまり…妹も眷属にする変態兄…!?」

「…正直、そう考えざるをえませんわね。私を入れた理由が『妹属性も入れるべきだろう』という物でしたから…兄には失礼ですが、出来れば貴方に灸を据えて欲しいのですわ」

「あの時ライザー様を罵倒された時には、新米悪魔が分かった様な口をきくなと思った物だが、さっきまでの戦闘を見ればそんな思いも吹っ飛んだ…頼む赤龍帝よ、ライザー様の目を覚まさせてやってくれ」

「…ああ、分かったよ」

「頑張ってねいっちゃん、ファイト!」

 

味方に、ましてや妹にまでこうも言われるとは…こりゃあガチで叩き潰さないとなぁ!

待っていろよ、焼き鳥野郎!

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