24話_俺達、使い魔の森に来ました
結末が色々とカオスだった焼き鳥野郎とのレーティング・ゲームから数日が経ち、
「生徒会室…部長、どうして此処に?」
「部長って、生徒会の連中と関わりでも深いのか?」
「ほぇー、此処が生徒会の本拠なんですね…」
「見た感じ普通の教室と変わらないっすね」
「シンプル・イズ・ベストって訳ですかい」
「主リアス、何故教師である私も?」
俺達は部長に連れられ、生徒会室前に来ていた…何故此処に来たのか疑問符を浮かべるれーちゃん達だったが、俺はその理由に見当が付いていた。
「部長、確か支取蒼那…いえ、元72家の一角、シトリー家のソーナ・シトリー先輩が生徒会長でしたよね。そしてシトリー先輩も最近新たな眷属を持った…もしかして、新たな眷属の紹介か何かですか?」
「ええ、そうよ。ソーナの正体にまで気付いていたなんて、流石イッセーね」
「伊達に人間の頃からはぐれ悪魔に喧嘩売っていませんから」
俺の予想に感心したように認めた部長と、それに驚くれーちゃん達…まあ学内では偽名を使っているから気付かないのも無理はないか。
そしてシトリー先輩側の新しい眷属となれば…アイツ、匙の可能性が高いな。
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「予想はしていたが、まさか本当にシトリー先輩の眷属になっていたとはな、匙」
「ひょ、兵藤…お前も、悪魔になったのか?リアス先輩の、眷属に?」
「…リアス、私の事、彼に話しました?」
「いいや、全く話していなかったわ。彼、人間だった頃から貴方の正体に気付いていたのよ」
「人間の頃からはぐれ悪魔を倒していた凄腕と聞いていましたが、まさか筒抜けだったとは…」
生徒会室で繰り広げられていた光景、それは驚きの連続だった…まあ正体を隠していた筈のシトリー先輩の素性を把握していたとあればびっくりだわな…かく言う俺も、シトリー先輩はともかく匙の悪魔化までは確証を持っていなかったが。
「悪かったな匙、今までバンドの練習を、これまで以上にほったらかしにして」
「まあ悪魔として忙しかったなら仕様が無いし、俺も人の事言えないが…この前久々に顔出ししたら、松田も元浜も相当怒っていたぞ。『バンドの華が2人もいない状態でどう練習しろと!』とな」
「ヤベェ…なるべく顔出しする回数増やさないとな」
悪魔になってからもう半月はゆうに経つが、それまでにバンドの練習に全く出ていなかった…つまり、半月以上サボり中だ。
これは不味いな…幸い、体質が夜型になった事で悪魔の仕事との両立は容易だ、今度からは積極的に顔出しするか。
「匙、関係者とはいえ、バンド仲間との会話もそこそこにしなさい。今回の主題は別でしょう」
「あ、はい会長。兵藤以外は初めまして。2年生で生徒会書記兼、ソーナ会長の兵士、匙元士郎です。兵藤とは同じバンドの仲間です。宜しくお願いします」
「初めまして、2年生でリアス部長の兵士、レイネル・ブリュンスタッドです。宜しくね」
「よう、同じく2年生でリアス部長の兵士、脇澤佳奈ってんだ。今後も宜しくな、匙!」
「同じく2年生で、リアス部長の僧侶、アーシア・アルジェントです!今後も宜しくお願いします!」
「2年で部長の騎士、フリード・セルゼンってんだ!宜しく~ロビン」
「お前それ匙の中の人ネタだろ…まあ改めて、2年で部長の兵士、兵藤一誠だ。これからは新米悪魔同士、宜しく頼むぜ」
「1年生でリアス姉さんの兵士、瑠璃星美月っす!宜しく頼むっす、匙先輩!」
「主リアスの兵士、式波塔也。知っていると思うが、この学園の教師で、オカルト研究部顧問も務めている。宜しく頼む」
シトリー先輩に促され、自己紹介を始めた俺達…しかしまあ改めて此処にいる面子を見ると、大分にぎやかだよな、これ。
「大幅に増やしたと聞き及んでいましたが…一気に逆転されましたね」
「あらソーナ、眷属は数が全てじゃないと言っていたのは貴方でしょう?現に彼、結構な力を感じるわ。どれぐらい消費したの?」
「はい、兵士の駒4個です」
「へぇ奇遇だな匙、俺もなんだ。何か神器でも宿しているのか?」
匙も俺と同じ4個消費したのか…だとすると戦闘経験が豊富でポテンシャルが高かったのか、或いは神器、それも中々のランクの物が宿っているに違いない。
「ああ。『
「ああ。ドライグ」
『まさか相棒のバンド仲間が、アイツの欠片の持ち主だったとはな。世間とは狭いな』
「ど、ドライグ!?ま、まさかその籠手って…」
「そうです、匙。兵藤君の神器は神滅具の一角『赤龍帝の籠手』ですよ。それにしてもリアス…神滅具持ちで、人間の頃からはぐれ悪魔と渡り合った彼を、良く兵士の駒4つで済ませられましたね?」
「まあ、色々とね」
シトリー先輩の指摘にお茶を濁す部長…まさか言える筈も無いだろう、俺を転生させる際に、俺の契約に用いた悪魔の駒に不可解な現象が起こった、等と。
「それでソーナ、ザトゥージさんへの連絡は?」
「済ませてあります。この大人数ですので時間を取るのに手間取りましたが」
は?ザトゥージ…誰だ?
「部長、今言ったザトゥージって方は一体?」
「実を言うと、皆も悪魔になった事だし、そろそろ使い魔を持たせようと思ってね。その使い魔になってくれそうな生物が住む地を管理している悪魔ザトゥージと日程を調整していたのよ」
使い魔か、まあ持っていて損は無いな…けれど使い魔って言っても色々なタイプがある、何が良いかな…
「使い魔か…可愛いのいないかな?」
「アタシと共に過ごすんだ…頑丈そうな奴が良いな」
「デカい奴いないっすかねぇ」
「私も可愛い子が良いですね!」
「使い魔か…ふむ、何が良いか…」
「オモロい奴カモーン!」
使い魔と契約できるとあって期待の色を浮かべるれーちゃん達…俺も楽しみになってきたな。
「それじゃあ、早速行きましょうか」
「匙、行きますよ」
『了解!』
部長とシトリー先輩の先導で、俺達は転移した。
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転移魔法陣の光が晴れるとそこは、鬱蒼とした森の中だった。
「此処が、悪魔が使役する使い魔としての実力ある生物が多く住む森よ。此処で今日は皆に、使い魔を手に入れて貰うわ」
「先程話題に上がったザトゥージさんは、此処を管理する中級悪魔です。今回皆さんの使い魔契約のサポートを担当する事になっていますが…まだの様ですね」
成る程な、確かに此処なら気配が察知されにくい…片や外敵から身を守り、片や獲物を奇襲する、その両方で此処はうってつけで、個性的な生物が沢山いそうな雰囲気がひしひしと伝わって来る。
そう、此処を評価していると、
「ゲットだぜ!」
「ひゃ!?」
「うわっと!」
「きゃぁ!?」
「な、なんすか!?」
突如背後から聞こえて来た、どっかの永遠の10歳のポケモントレーナーみたいな台詞…その方向に振り向くと、
「一誠君…あれってサトs」
「フリード、皆まで言うな」
「背後に炎を纏った鳥らしき姿が一瞬見えたが、気のせいか?」
「マジシャンズ・レッド!ってやらすなよ!それは俺の中の人ネタだ!」
「塔也までメタい発言を…」
姿形まで永遠の10歳を真似たとしか思えない様な存在がいた…尤も、声は流石に違ったが…ポケモンに指示するより、どっかの遊撃隊の戦闘機を操縦している方がしっくり来る感じのな。
「ザトゥージさん、彼らが連絡で話していた子達です」
「へぇ、リアス嬢ちゃんにソーナ嬢ちゃんの新しい眷属か…OK!俺に掛かればどんな使い魔も即日ゲットだぜ!」
…本当に大丈夫か?