案内役だというザトゥージに対する不安を抱えながら、使い魔探しは始まったが、俺の不安も杞憂だと言わんばかりに、順調に進んでいった。
例えば、
「キュルー!」
「はわわ、か、可愛いです!私、この子を使い魔にします!」
「まさか
蒼雷龍の幼体だという存在(それでも大型の鳥位はあった)が木の枝で休んでいる所を発見、向こうも気づくや否やアーシアに抱き付き、そのまま使い魔となった。
ザトゥージ曰く蒼雷龍は激レアなドラゴンで見つけるのは勿論、使い魔契約も普通は無理だという存在らしく、驚いていたな。
ちなみに名前は雷撃+俺で『ラッセー』にしたとか…おいおい。
次に、
「ふっ!はぁっ!」
「甘いぜ!ハィィィィィィ!」
「!(ズドォン!)がっ!」
「粗削りだが、良い線行っているじゃねぇか。シグナー、約束通り、アタシの使い魔になってくれよ!」
「ああ、貴方となら何処までも付いて行く」
「頼もしい言葉、有難うな!」
「…佳奈さんといいウンディーネといい、最近は筋肉娘がトレンドなんですかねぇ」
「…それは無いと思うぞ、フリードよ」
俺達がウンディーネに対して持っていたイメージとは大幅に違った筋骨隆々のお姉さん、シグナーが現れ、それを気に行った佳奈との立ち合いの末に使い魔契約をした…フリードの呟きには俺も同感と言わざるを得なかった、ザトゥージ曰く縄張り争いの影響だとはいえ、これはやり過ぎじゃねぇか…?
更に、
「うきゅ?」
「…か、可愛い…!」
「うきゅーうきゅー!」
「あはは、こ、こらくすぐったいよ…私、この子にします!」
「…まさかあの伝説に聞いたミドガルズオルムの幼体が、此処に紛れ込んでいたとはな…ましてやそいつが懐くなんて…」
「…ど、ドライグ…ミドガルズオルムって…」
『あ、ああ…俺達二天龍に次ぐ五大龍王と呼ばれた存在の一角で、その大きさは俺達をも優に超える程だが…幼い頃はこんなに小さかったのか…というか子供作っていたのか?』
「いっちゃーん!私の使い魔だよー!可愛いでしょ!」
「うきゅ!」
「あ、ああ…可愛いな…」
れーちゃんが、五大龍王の一角である『
ちなみに名前は『リョーイチ』…何でも龍+俺らしい…可愛いなぁ。
尤も、良い事ばかりじゃない。
例えば、アーシアがラッセーと契約してから程無く、如何にもスライムですと言わんばかりの液状の生物が振りかかり、
「そいつは服を溶かすスライムだな。まあ人体には害は無いk」
「黄金回転の爪弾!(ドバァン!)れーちゃんに手ぇ出すなこのエロ生物!」
「い、いっちゃん…ありがと///」
女性陣に襲い掛かろうとしていたので俺が咄嗟に放った黄金回転の爪弾で撃沈させた事。
後は、
「クァァァァァァァァァァァ!」
「うわ、うっさいなぁ!」
「うきゅぅ!」
「(ゴスゥ!)クァァァァ…!?」
鳥人のイメージにぴったりな存在の鳴き声の余りの煩さにリョーイチが何処からともなく拳型のエネルギーを発生させて腹部にぶち込んで遥か彼方に吹っ飛ばした事もあったな…小さいけどパワーは想像以上だなコイツ…
まあそんな感じで使い魔探しは続いていたが、
「おわ、何だ!?」
「上空から風が!?」
突如上から吹き荒れた突風を堪えつつもその発生源であろう上を向くと、
「ヒヒィィィィン!」
「純白の馬…?」
「身体に翼が…?」
「もしかしてコイツ、天馬か!?コイツも紛れ込んでいたのか…」
其処には嘶きをあげる、ギリシャ神話に登場する天馬『ペガサス』そっくりの馬がいた…さっきの突風はコイツが降下した際に巻き起こったみたいだな。
嘶きを上げ終えた天馬は着陸するや否や、こちらに歩み寄って来る…何故か俺を見据えて…俺、何かしたっぽい?
訝しむ俺を他所に天馬は更に近寄り、
「ヒヒン!」
「え…もしかして、乗れって事か?」
「ヒヒン!」
「言葉が分かるのか…つまりコレって、俺を認めてくれるのか、主人として?」
身体を横にして、俺に騎乗を進めて来た…もしかしてと思い聞いてみると、そうだと言わんばかりに頷く天馬…ひょっとして俺の使い魔になるべく来てくれたって事かな…だとしたら嬉しいな。
「よし、お前をエレンと名付ける!宜しくな、エレン!」
「ヒヒィィィィン!」
「いっちゃんも使い魔ゲットだね!うわぁ、格好いいな!」
こうして俺も、使い魔を手に入れた…まさか後に、俺が物凄い力を手に入れる際の重要なキーになるとは、今はまだ知らなかったけどな。
その後も、
「ひゃはっ!」
「うおっ!何コイツすげぇ面白そうな奴だな!俺っちはコイツにするぜ!」
「ヒャッハー!」
水みたいな体躯、長靴とアイマスクだけを装着した良く分からない存在を、フリードが使い魔にしたり、
「む…お前、私の使い魔になるつもりか?」
「(コクッ)」
「ふむ…何やら愛嬌或る姿だが、何気に力を感じるな…良いだろう」
頭に髑髏の様なヘルメットを被った某何でも吸い込むピンクの悪魔みたいな真ん丸な体躯の存在が塔也に近寄り、使い魔にしてくれと頼んで(塔也の口振りからしてそうだろう)認められたり、
「クェッ!」
「おお!何か恰好いい鳥っす!あ、あの!私の使い魔になって欲しいっす!」
「クェ」
「い、良いんすか!?やったっす、有難うっす!」
炎を纏った様な紅い色合いの、梟の様な大きい存在に美月が交渉を申し込んであっさり認められたりもした。
匙もまた何時の間にか使い魔契約していた…お前何時の間に…ちなみにその使い魔は狐みたいな姿だった。
「ザトゥージさん、今日はありがとうございました」
「良いって事よ!それにしても今回は凄い光景を沢山見させて貰ったぜ!俺もまだまだ使い魔マスターへの道は遠いって事だな!じゃあな!」
『ありがとうございました!』
こうして俺達は各々の使い魔を連れて、森を後にした。