ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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2話_ぼくたち、むすばれました、けど…

ぼくとれーちゃんがはじめてあって、ともだちになってくれたあの日から、ぼくはれーちゃんによくおどろかされることになりました。

たとえば、山に出かけたときは、

 

「れーちゃん、早くいこう!」

「待っていっちゃん。虫よけスプレーはした?」

「あ、やってなかった。まあだいじょうぶだよ!」

「良くないよ。悪い虫さんに噛まれてそこが『肉片も残さないからっ!』てなったら大変だよ?」

「あ、そっか!ありがとうねれーちゃん、ぼくあのまま山みちに入るところだったよ」

 

…あとになって、それはれーちゃんの中の人はいっていないよって気づきましたが、ぼくを気づかってくれました。

やっぱりてんしさまだからなのか、ぼくとは大ちがいなほど『大人っぽい』そんなすがたに、ぼくはいつも「すごーい!」とおどろいてばかりです。

年そうおう…ていうのかな、そんなぼくと、おない年なのにすごく大人なれーちゃんのそんな日々は、びっくりしつつもたのしいことだらけで、むねいっぱいです。

そんなある日でした。

 

「はい、タッチ!」

「あは、また捕まっちゃったわね」

「いえいっ!…それにしてもあせでびっちょりになっちゃったね」

「本当ね。早くお風呂に入らないとね」

 

…てんしさまもあせってかくのかな、とちょっとおもいましたが、それはおいといて。

その日もいつもみたいに、れーちゃんとあそんで(きょうはおにごっこです)、ゆうがたになったので、おうちにかえろうと、おもったときでした。

 

「じゃあかえろっか、れーちゃ…」

「ん?どうしたの、いっちゃん?」

 

いつも見ているはずのれーちゃんのすがた…それがきょうは、やけにきれいに見えました。

れーちゃんがかいたあせで、キラキラしたそのすがたは、なんていえばいいのかな…まるでれーちゃんがかみさまになったみたいでした。

 

「(トクン!)!?…いまの、なに?」

「どうしたのいっちゃん?ま、まさか何処か悪い所が!?」

「あ…だ、だいじょうぶだよれーちゃん!さ、早くかえろう!」

「あ、待ってよいっちゃん!本当に大丈夫なの?」

 

なんだったのかな、いまの…ぼくのむねが、きゅうにドクドクして…もしかして…

 

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「…れーちゃん、ちょっといい?」

「いっちゃん。具合はどう?何処か、痛い所無い?」

「ううん、ないよ。でもね…」

 

あのかんじ、てんしさまのれーちゃんなら、なにかしっているかなとおもって、きいて見ることにしました。

 

「どうしたの、いっちゃん?何でも良いから、少しでも気になる事を私に教えて、ね?」

「(トクン!)!?」

 

あ…また、です…こんどはれーちゃんの、しんけんそうなかおを見たら…

きゅうにはずかしくなってしまって、上手くしゃべれなくなっちゃいました…でも…

 

「あ、あのねれーちゃん…じつは、れーちゃんのかおを見たら、ぼくのむねからきゅうに『トクン!』って音がしたんだ」

「え!?そ、それって…何時から?」

「きょうのゆうがた…あせかいたれーちゃんのすがたを、見てから…」

「…えっと、それってもしかして…」

 

ぼくのはなしをきいたとたん、れーちゃんのかおが赤くなったとおもったら、なにかもごもごといいながら下をむいてしまいました…ど、どうしたのかな…

も、もしかしてものすごく、わるいびょうきなのかな…?

 

「うん…言わなきゃ、いっちゃんに、ちゃんと伝えなきゃ…」

 

けれどとつぜん、いないはずのだれかにうんといったとおもったら、ぼくをじっと見つめて、

 

「いっちゃん…私の胸、触って?」

 

とつぜんこんなことをいいだしました…え、えぇ!?

 

「え、え!?いやどうしたのきゅうに!?ふぇ!?」

「良いから触ってよ、ほら!」

「うわっ!?」

 

あわてるぼくの手を、れーちゃんはとつぜんつかんだとおもったら、じぶんのむねにぼくの手をあててきました(トクン!)うぅ、またぼくのむねが…

 

「…え?これって…」

「…そう、私もいっちゃんと同じ。今、いっちゃんの顔見ていたら、胸が凄くドキドキしているの」

 

れーちゃんのむねも、ぼくみたいにドクドクしていました…れーちゃんも、ぼくとおなじ…

 

「ねぇいっちゃん…恋って聞いた事ある?」

「こい…えっと、男の人と女の人がしあわせになること?」

「うーん…ちょっと惜しいかな。恋って言うのはね、男の人と女の人が、お互いの事を好きになって、一緒に付き添ったり、遊んだり、好きって気持ちをぶつけ合ったり…そうしながら幸せになって行く事なの」

 

おかあさんが見るドラマでしか、きいたことありません…こい…

 

「ねぇいっちゃん…私の事、どう思っているかな?」

「えっと…すごくきれいで…かわいくて…大人っぽくて…」

「もうちょっと短く言って欲しいな。じゃあ…問題。貴方は私の事が好きですか、嫌いですか、どっち?」

「え、そ、それは…」

「早く答えて?さーん、にー、いち…」

「わわ、ちょっまって!す、すきです!」

 

あわてていっちゃった…またびっくりさせられちゃったな…

けれど…たぶんわかったとおもいます…ぼくの、このドキドキは…

 

「そう…それが恋よ、いっちゃん…貴方も私も、一緒に恋をしたのよ」

「え、れーちゃん…も?」

「う、うん…子供っぽいけど格好良くて、それでいて可愛い…そんな貴方を、何時の間にか好きになっていたの…良かった、両想いだ…!」

 

れーちゃんも…ぼくのことが…!

 

「ありがとう、いっちゃん…私の事、好きになってくれて…!本当に、ありがとう…!」

「れーちゃんもありがとう…ぼく、いますっごくしあわせだよ!だいすき、だいすきだよ、れーちゃん!」

「私も、私も大好きだよ!いっちゃん!」

 

れーちゃん…かみさま…ありがとう…いまぼくはすごくしあわせです…!

 

「いっちゃん…」

「れーちゃん…」

「(チュッ)ん…」

「うん…」

 

その日、ぼくとれーちゃんはむすばれました。

すごくしあわせなこの気もち…こんなしあわせが、ずっと、ずっとつづけばいいと、おもっていました。

 

------------

 

けれど、

 

「ん…あ、あれ?れーちゃん?どこ、れーちゃん?」

 

はじめてあったあの日から、ずっとおなじへやでねていたれーちゃんが…いまは、いませんでした。

 

「あれ、どこいったの、れーちゃん?おーい」

 

もしかしてさきにおきたのかなとよびかけてみましたが、へんじがありません。

どうしたのかな…

 

「…ん?なんだろう…?」

 

ぼくのつくえの上にあった1まいのかみ、とりあえずそれをとってみると、

 

『いっちゃんへ

 大好きだよ、いっちゃん

 でも…貴方と一緒に居られなくなりました

 御免なさい…御免なさい…!

 れーちゃん より』

 

う…うそ、だよね…これ…

なんで…なんで…こんな…!

 

「れーちゃん!?れーちゃん、どこ!?いるんでしょ!?へんじしてよ!」

 

なんで…なんでいなくなっちゃったの!?

あんなにすきだといってくれたのに…キスまでしてくれたのに!

なのに…なんで…なんで…!

 

ぼくが…人だから?

れーちゃんが…てんしさまだから?

ぼくじゃあ…わるい人は、たいじできないから?

ぼくが…よわいから?

 

「れーちゃん…れーちゃん…!」

 

------------

 

このときからずっと、ぼくは『つよくなりたい』とおもうようになりました。

つよくなって…わるい人をたいじしたいと、おもうようになりました。

うんどうもべんきょうも、ひっしでがんばりました。

どんなにしんどくなっても、くるしくても、へこたれませんでした。

どんなにいたくても、つらくても、あきらめませんでした。

 

あるときから、ぼくのそばにピンク色のようせいさんを、出せるようになりました。

そのようせいさんが出ているときだけ、つめをピストルみたいにはっしゃしたり、ナイフみたいにバッサリしたりできるようになりました。

 

またあるときから、ようせいさんがロボットみたいなすがたに、することができるようになりました。

ぼくが『ちょうほうけいからせいほうけいをつくって、そのあまりからまたせいほうけいをつくって、またそのあまりからせいほうけいを…』とおもいうかべるとなれるみたいで、そのときははっしゃしたつめが、すきなところにとんでいくようになりました。

 

さらにあるときから、ぼくの左うでに『ドライグ』というなまえの、ドラゴンのおじさんが入っている、ロボットみたいな赤いうでに、へんけいするようになりました。

このうでは『ブーステッド・ギア』というなまえの、『ロンギヌス』というすっごい、『セイクリッド・ギア』…いっているぼくのほうが、ちんぷんかんぷんになってきましたが、とにかくすっごい力をもっているそうです。

『10びょうたつごとに力が2ばいになる』という力と『ばいにした力を『なにか』にわたす』という力があるそうです、すごいです、ドライグおじさん。

 

そしてぼくは、『タスク』となづけたようせいさんと、ドライグおじさんのいるブーステッド・ギアとともに、わるい人たいじをしていきました。

あぶないときもありましたが、あきらめずにたちむかいました。

 

これもすべて…つよくなりたかったから。

つよくなって…わるい人たいじが、できるようになりたかったから。

つよくなって…れーちゃんとまた、あいたかったから。

つよくなって…れーちゃんと、しあわせになりたかったから。

そうおもいつづけて、

 

俺、兵藤一誠は16歳、駒王学園という私立高校の2年生になった。

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