俺がリアスとアーシア、ゼノヴィアとオーフィスの想いを、4人への想いを受け入れた後は少し大変だった…何しろあの場で突っ込んでいたのが塔也だけとは言え、あの『無限の龍神』と呼ばれたオーフィスがいる、それだけでも世間的には大問題だし、増してや既に脱退した身とは言えテロ組織の首領ともなると…想いを通じ合わせた身としては胸が痛むが、これも仕方ない事だ。
結局、リアスから連絡を受けたルシファー様の判断によって、オーフィスは一旦俺の預かりとなり、今度の3大勢力の和平会談の際に改めてその処遇が協議される事となった。
で、もう1つ、3大勢力の和平会談となれば禍の団が介入して来る可能性が高い、日や場所を改める事も検討されたが…色々な事情が絡んで平常通りとなり、悪魔側の警備人員を増やすに留まった。
…そんなこんなの対応があってから、数日経過した今日、授業参観の日。
「イッセー、しっかりな!」
「れーちゃん達も見ているわよ、イッセー!」
「イッセー、ファイト、オー」
「父さんに母さん、何故に連れて来たんだ!?」
「いやぁ、どうしても付いて行くときかなくてね。まあ大事な人の晴れ舞台だからなぁ」
「イッセーの受ける授業、見たい」
「其処まで想ってくれるのは嬉しいが、立場を考えてくれ…」
俺の両親が、オーフィスをも連れて来たり、
「イッセー…あの子は誰なんだ!?」
「畜生ぉぉぉ!レイネルちゃんやアーシアちゃんに飽き足らず、ロリっ娘にまで手を出しただとぉ!?」
「五月蝿いボケ!」
「「あべし!?」」
その件で松田と元浜が突っかかったり…まあリアスとゼノヴィアもいるが。
そんな騒々しい状況の中で、英語の授業が始まった…筈だったのだが。
「良いですか、今渡した紙粘土で好きな物を作ってみてください。動物や人、家まで何でも良い。自分が今思い描いたありのままを形作ってください。英語とはコミュニケーション。コミュニケーションの目的は『伝える』事。そう…自分の思いのありのままをこの紙粘土に込めて伝えるのです!」
良い事言ったみたいな表情していますけど、それ明らかに脱線していますよね、美術の授業でやる事ですよ!
…まあ良いや、さて、何を…閃いた!
脳裏に鮮明なイメージが出来た俺は、俺達GRIDの持ち歌の1つ『WildFlowers』を鼻歌で奏でながら、紙粘土を加工して行く。
そして出来たのは…
「す…素晴らしいぞ兵藤君!此処まで精巧な紙粘土細工の数々を、短時間で作り上げたのは初めて見た!そのモデルとなった人への想いが十分に伝わったよ!」
「ど…どうも、ありがとうございます」
「!いっちゃん…大好き!」
「!あ…ありがとうございます、イッセーさん…!」
「!イッセー…私は君に恋をして…本当に良かった!」
「イッセー…好き」
「す…すげぇ!まるでフィギュアだ!」
「売ってくれ!1つ2000円出す!」
「だったら俺は1つ3000円だ!」
「なら1つ5000円よ!」
「売り物じゃねぇよコラ!」
れーちゃん、リアス、アーシア、ゼノヴィア、オーフィス…俺が愛する5人のフィギュア風の紙粘土細工だった…松田と元浜含めたクラスメートの数人が勝手にオークションを行うという事態があったが、この場にはいないリアス以外の、モデルとなった4人は大喜びしてくれた…想いの通りに作れて、良かったな。
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「おい、イッセー!聞いたか!?」
「どうしたんだ松田、また覗き場所の情報か?」
「ちげーよ!なんでも、廊下で魔法少女の撮影会があるそうだぞ!」
「早く行くぞ!撮影会が終わっちまう!」
授業が終わり、オーフィスを連れて来た両親に早めに帰る様説得し、校門で送り迎えた俺に声を掛けて来た松田、何事かと聞いてみると、どうやら魔法少女のコスプレをしたモデルの撮影会が行われているらしい…何で神聖な学び舎の動線でそんな事を…
「うぉぉぉぉぉぉ!こっちにも一枚!」
「こっちにも向いて下さい!良い笑顔で!」
「可愛いよ、可愛い!」
「えへへ~、皆ありがとう!」
「おっしゃぁぁぁ!行くぜ元浜!」
「任せろ松田!」
「お前ら、何してんの?」
松田の案内に従って現場に向かうと、其処にはカメラを構えた大量の男子生徒と、その中心にいるらしき如何にも『魔法少女』と言わんばかりのコスプレに身を包んだ少女がいた…が、ふと気配を探ると、その少女からは膨大な魔力を感じる…そう、あの魔王ルシファー様に次ぐと言って良い位の…まさか?
「おらおらぁ!神聖なる学び舎で、しかも天下の往来で撮影会とは良い身分だな!ほら、解散しろ、解散!」
俺が訝しんでいる所に、匙が割って入り、撮影会にストップを掛ける…こんな所で撮影会をされては通行妨害、生徒会役員としては見過ごせない所だな。
「兵藤、黙って見てないで注意してくれ。俺達生徒会も無尽蔵に人員がいる訳じゃ無いんだ」
「ああ悪い、匙。あのモデルの子、どうも只ならぬ気配がしたから、気になってさ」
「只ならぬ気配?…まあ良いや、貴女も、こんな所で撮影会をしてもらっては困りますよ。それにその格好、此処は学校ですよ、TPOを弁えて下さい!」
「えー、だってこれが私の正装だもん☆」
…そしてこの如何にも「軽っ!」と言いたげなノリ…何かデジャヴみたいな物を感じる…恐らく、そうだろうな…
「何事ですか、匙」
「会長!」
「全く貴方は、何事も速やかに解決しなさいとn」
その様子を聞きつけたシトリー会長がこちらへ向かいつつ、何か小言を言い始めたが、それが即座に止まった…もしかして、シトリー会長の関係者?
「ソーナちゃん、見つけた!」
「お…お、お姉様!?」
え、シトリー会長の…姉さん、だって?
「やあセラフォルー、君も来ていたんだね」
「お久しぶりです、セラフォルー殿」
「魔王様!?と…貴方は?」
「あ、サーゼクスに叔父様!」
!間違い無い、後からやって来た魔王様と親しげに出来る存在となれば、同じ魔王様でしかありえない…それと、同じくやって来た魔王様が少し年食った感じのダンディな男性、もしかして…
「やあイッセー君、紹介するよ。彼女はセラフォルー・レヴィアタン。ソーナの姉で、私と同じ4大魔王の一角さ。そして隣にいるのが私の父であるグレモリー卿だ」
「初めまして、貴方が今代の赤龍帝君ね!」
「君があの時大暴れしたリアスの…会うのは初めてだね。娘がお世話になっているよ」
「ど、どうも…」
まさか魔王様が2人に、リアスの父さん、つまりグレモリー家の当主が授業参観に大挙してやって来るとは、恐るべし、悪魔の、親族に対する溺愛振り…
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その後、レヴィアタン様がシトリー会長を追い掛け回したりする等の騒動を経て魔王様達は冥界へと帰って行き、その後部活の為にオカ研の部室に入った俺達に、リアスはこんな発表をした。
「皆、良く聞いて。この前のレーティング・ゲームでライザーとその眷属に対して圧勝した事、そしてコカビエルがこの街に侵入した事件で適切な対応を取って鎮圧した事…これらを魔王様達が認めてくれて、私の『僧侶』…アーシアの他にもう1人いる『僧侶』の封印が解かれる事になったわ」
ずっと気になっていたが、いよいよ今日会えるのか…